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【15 1月14日 成人式】
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・【15 1月14日 成人式】
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「今日成人式やるところもあるんだって」
と朝に私が雑煮の鍋を回しながら言うと、小豆を炊いているテイが、
「成人式という区切りが日本にもあるんだね」
と言ったので、ここはもう自然に聞けるかもと思って、
「テイのいたところもそういう区切りがあったの?」
と、本当は”世界”と言いたかったんだけども、直前でヒヨって”いたところ”と言ってしまった。
いやまあテイが話したくなければそれでいいから、突っ込まな過ぎて逆に良かったと今は自分でそう思っている。
テイはう~んと唸ってから、
「あったよ、十五歳だったけどね、こっちは」
「日本も十五歳で元服というのが昔あったよ」
「じゃあ結構どこの世界も一緒なんだなぁ」
とテイから世界という言葉を出したので、一瞬ドキッとしてしまった。いやいいんだけども。
「日本の成人式はね、思い出話に花を咲かせたりするんだけども、テイも何か思い出ある?」
と乗るか反るかの勝負に出てみた私。
いや勿論テイが喋りたくなかったらいいんだけども、やっぱり私はちょっと気になるというか、なんというか。そういう葛藤はある。
テイのほうを生唾を飲み込みながら見ていると、テイはこう言った。
「まあなんというか、言っても信じてもらえないかもしれないし」
「私はテイの言うことなんでも信じるよ、だからテイの言葉にいつも喜んでいるんじゃない」
「そ、そっか、そうだよね、うん……」
とテイは返事したんだけども、案の定黙ってしまって。
まあいいかっ、
「テイが喋りたい時に喋ればいいよ、私はいつまでも待っているよ。だってずっと一緒にいるんだからさ」
と、何か最近私のほうから優しい言葉をテイに掛けるようになってきてしまっている。いやそれこそ良いことなんだけども。
私も何だか言いたくなってくる、テイには。元カレにはそんなことしなかったのに。
やっぱり関係って鏡だと思う。
向こうがそうなら私も、と思ってしまうのかもしれない。
元カレは本当に……と考えたら、憂鬱になってきて、それは良くない良くないと思っていると、テイが、
「どうしたの? 何か嫌なことでも思い出した? でも大丈夫、今は俺がいるから守ってあげられるよ、大好きだよ、寧」
「そ、そんなこと分かってるからっ」
とつい素っ気ない返事をしてしまうが、テイの力強い顔を見ると安心感に溢れてきて。
そうだ、今はテイがいるんだ、元カレに居場所がバレてしまったとしても、今なら絶対大丈夫なはず。
と思ったところで、こたつでみかんを食べていたクラがトコトコやって来て、
「そもそもテイは何で勇者やっていたこと隠すんだ?」
と言ってきて、テイの背筋がビクンといいながら伸びた。
私はちょっと好奇心のある瞳になったかもしれない。
クラが私のほうを見て、頷いてから、さらに喋り出した。
「もう魔王だってこらしめたんだ、全てが解決した上で自分のやりたいことへ向かって転移してきたんだから、胸張ればいいのに」
「全部言ったっ」
と私がつい口をついてしまうと、テイは慌てながら、
「いやいや! という劇をやっていて! ね! クラ! ね!」
と声を荒らげた。
クラは小首を傾げながら、こう言った。
「あっ、そう言うこと言っちゃうと向こうのお姫様のこと考えちゃうからかぁ」
と何か納得した顔をして、またこたつに戻って、みかんに手を伸ばして食べ始めた。
えっ、向こうのお姫様? いやまあテイはイケメンだから元カノくらいいただろうけども、向こうのお姫様って何?
と、少し疑心の目をテイにしてしまうと、テイは、
「違う! あの子は勘違いしていて! だから逃げ! じゃなくて! 俺は本当に日本という国に行ってみたくて!」
何か、ちょっと私と似ているかもしれない。
私も元カレから逃げてきたし、テイもその元カノから逃げてきたって感じがする。
似た者同士だったんだ、私たちって。
でも何だかテイが焦っているようで、だから、
「テイ、テイの過去が何だろうが私にとって大切なのは今のテイなんだから、こうやってここにいてくれるテイが大好きだよ」
するとテイは涙がホロリと流しそうな表情をして、
「有難う、寧……俺も寧のことしか好きじゃないからなっ」
「クラもでしょっ」
「それは勿論!」
と言ったところでクラが嬉しそうにこたつのほうから、
「テイは僕を魔王の巣から救ってくれたんだから!」
と叫んで、その言葉にまたあわあわし始めたテイ。
いや、
「救ってくれたなんて最高じゃん、そうやって私の過去の気持ちも救ってくれると嬉しいなっ」
とテイへ微笑むと、テイはうんと力強く頷いて、
「勿論! 俺は寧の全てを優しくする! というわけでこれからもずっと一緒によろしく! って、完全に俺得だけどねっ」
「そんなん私だってだし」
するとテイが小声で呟くように、
「まあこの安全な日本、寧に敵意剥きだして攻撃してくるヤツなんていないだろうけどね、寧は常連のお客さんにも近所の人にも愛されている最高の人物だからっ」
と何だか嬉しそうに言ったんだけども、まあ、まあね、元カレにさえ居場所を掴まれなければ……。
・【15 1月14日 成人式】
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「今日成人式やるところもあるんだって」
と朝に私が雑煮の鍋を回しながら言うと、小豆を炊いているテイが、
「成人式という区切りが日本にもあるんだね」
と言ったので、ここはもう自然に聞けるかもと思って、
「テイのいたところもそういう区切りがあったの?」
と、本当は”世界”と言いたかったんだけども、直前でヒヨって”いたところ”と言ってしまった。
いやまあテイが話したくなければそれでいいから、突っ込まな過ぎて逆に良かったと今は自分でそう思っている。
テイはう~んと唸ってから、
「あったよ、十五歳だったけどね、こっちは」
「日本も十五歳で元服というのが昔あったよ」
「じゃあ結構どこの世界も一緒なんだなぁ」
とテイから世界という言葉を出したので、一瞬ドキッとしてしまった。いやいいんだけども。
「日本の成人式はね、思い出話に花を咲かせたりするんだけども、テイも何か思い出ある?」
と乗るか反るかの勝負に出てみた私。
いや勿論テイが喋りたくなかったらいいんだけども、やっぱり私はちょっと気になるというか、なんというか。そういう葛藤はある。
テイのほうを生唾を飲み込みながら見ていると、テイはこう言った。
「まあなんというか、言っても信じてもらえないかもしれないし」
「私はテイの言うことなんでも信じるよ、だからテイの言葉にいつも喜んでいるんじゃない」
「そ、そっか、そうだよね、うん……」
とテイは返事したんだけども、案の定黙ってしまって。
まあいいかっ、
「テイが喋りたい時に喋ればいいよ、私はいつまでも待っているよ。だってずっと一緒にいるんだからさ」
と、何か最近私のほうから優しい言葉をテイに掛けるようになってきてしまっている。いやそれこそ良いことなんだけども。
私も何だか言いたくなってくる、テイには。元カレにはそんなことしなかったのに。
やっぱり関係って鏡だと思う。
向こうがそうなら私も、と思ってしまうのかもしれない。
元カレは本当に……と考えたら、憂鬱になってきて、それは良くない良くないと思っていると、テイが、
「どうしたの? 何か嫌なことでも思い出した? でも大丈夫、今は俺がいるから守ってあげられるよ、大好きだよ、寧」
「そ、そんなこと分かってるからっ」
とつい素っ気ない返事をしてしまうが、テイの力強い顔を見ると安心感に溢れてきて。
そうだ、今はテイがいるんだ、元カレに居場所がバレてしまったとしても、今なら絶対大丈夫なはず。
と思ったところで、こたつでみかんを食べていたクラがトコトコやって来て、
「そもそもテイは何で勇者やっていたこと隠すんだ?」
と言ってきて、テイの背筋がビクンといいながら伸びた。
私はちょっと好奇心のある瞳になったかもしれない。
クラが私のほうを見て、頷いてから、さらに喋り出した。
「もう魔王だってこらしめたんだ、全てが解決した上で自分のやりたいことへ向かって転移してきたんだから、胸張ればいいのに」
「全部言ったっ」
と私がつい口をついてしまうと、テイは慌てながら、
「いやいや! という劇をやっていて! ね! クラ! ね!」
と声を荒らげた。
クラは小首を傾げながら、こう言った。
「あっ、そう言うこと言っちゃうと向こうのお姫様のこと考えちゃうからかぁ」
と何か納得した顔をして、またこたつに戻って、みかんに手を伸ばして食べ始めた。
えっ、向こうのお姫様? いやまあテイはイケメンだから元カノくらいいただろうけども、向こうのお姫様って何?
と、少し疑心の目をテイにしてしまうと、テイは、
「違う! あの子は勘違いしていて! だから逃げ! じゃなくて! 俺は本当に日本という国に行ってみたくて!」
何か、ちょっと私と似ているかもしれない。
私も元カレから逃げてきたし、テイもその元カノから逃げてきたって感じがする。
似た者同士だったんだ、私たちって。
でも何だかテイが焦っているようで、だから、
「テイ、テイの過去が何だろうが私にとって大切なのは今のテイなんだから、こうやってここにいてくれるテイが大好きだよ」
するとテイは涙がホロリと流しそうな表情をして、
「有難う、寧……俺も寧のことしか好きじゃないからなっ」
「クラもでしょっ」
「それは勿論!」
と言ったところでクラが嬉しそうにこたつのほうから、
「テイは僕を魔王の巣から救ってくれたんだから!」
と叫んで、その言葉にまたあわあわし始めたテイ。
いや、
「救ってくれたなんて最高じゃん、そうやって私の過去の気持ちも救ってくれると嬉しいなっ」
とテイへ微笑むと、テイはうんと力強く頷いて、
「勿論! 俺は寧の全てを優しくする! というわけでこれからもずっと一緒によろしく! って、完全に俺得だけどねっ」
「そんなん私だってだし」
するとテイが小声で呟くように、
「まあこの安全な日本、寧に敵意剥きだして攻撃してくるヤツなんていないだろうけどね、寧は常連のお客さんにも近所の人にも愛されている最高の人物だからっ」
と何だか嬉しそうに言ったんだけども、まあ、まあね、元カレにさえ居場所を掴まれなければ……。
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