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【39 2月7日 春一番】
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・【39 2月7日 春一番】
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「今日の歳時記はどんな日?」
そうテイが一緒にカフェの洗い物を洗っている時にふと聞いてきたので、答えることにした。
「日って訳じゃないけども、春一番かな? 今日っていつもより暖かかったでしょ? それを春一番って言うの」
「もう春なの?」
と目を丸くしたテイ。私は頷きながら、
「そもそも暦の上では前から春だし、立春から春分までの間に吹く暖かい風のことで、その年初めての強い南風のことを春一番って言うんだ」
と言ったところでクラがこっちへ駆け寄って来て、
「じゃあクラ一番! 吹かせるよ!」
と言うと、すぐさまクラから暖かい風が吹いてきた。
テイは嬉しそうに、
「いやぁ、心地良いなぁ」
と笑顔になったんだけども、私は正直少し懐疑的というか、危うさもあるなと思っていて。
それはクラだから、とかじゃなくて、なんというか、と思ったところで、今度はクラがどこからともなくカイロを出現させて、それをクラ一番の風と共に、テイと私に飛ばしてきた。
カイロは私の頬とテイのおでこに張り付いて、テイは笑いながら、
「ちょっとぉ! もはや風邪になっちゃうよ!」
と少しズレてる返しをしていた。
私はすぐにポケットに入れたんだけども、何か、いよいよって感じで、私は背筋が震えてきた。
洗い物が終わったところで、私とテイは居間へ移動すると、その間もずっとクラからは暖かい風が吹いていて。
「もっともっと! クラ一番だよ!」
そうクラが言うと、こたつのテーブルに湯気の出ているコーンポタージュの入ったカップが出現して、テイがそのカップに手を当てながら、
「とっても暖かいし、この優しい香り、食べるかっ! 寧!」
と満面の笑みになったんだけども、私はこれはもう、と思ってしまった。
そんな不安な表情をしてしまったんだと思う。
テイは小首を傾げながら、
「どうしたの? 寧。せっかくだから頂こうよ」
「うん、でも、春一番ってね」
と言いかけたところで、
「いや! もう俺は飲む!」
そう言って腹ペコそうにコーンポタージュを飲み始めたテイ。
私はなんとなく手を付けずにしていると、テイが、
「ちゃんとコーンの甘みがあって美味しいよ、でも不安なら俺が飲んであげるよ!」
「ううん、私はあとで飲むから大丈夫だよ、ほら、今、クラ一番であったかいし」
「そうだよねぇ、俺もう体がアツアツでこたつから出てもいいくらいだし」
と言って立ち上がろうとしたので、私はテイの腕を掴んで、
「いや、体が暖かいならそれに越したことないよ、無駄に体温を下げにいくことはないよ」
「それもそうか、やっぱり寧のアドバイスは的確だね!」
そう言って笑ったテイ。
うん、やっぱりこれ、言ったほうがいいよね、と思って、テイにもう一つ助言をしようとしたところで、クラが急にくしゃみをした時に『あっ』と思ってしまった。
クラが鼻をすすってから、こう言った。
「何だか……クラ一番……寒くなってきたぁ」
そう言ってクラから冷風が吹き始めて、テイが目を丸くしてから、
「クラ大丈夫か! カイロ! おでこのカイロあげるから!」
と言ってテイがおでこにずっと貼っていたカイロを渡そうと、掴むとテイが叫んだ。
「冷たっ! カイロが妙に冷たくなってる! もう!」
私はやっぱりそうだ、と思って喋ることにした。
「春一番のあとってね、大体寒さが元に戻るんだってさ、だからきっとクラ一番もその後に冷たくなると思っていたんだ」
「そうだったのかぁ! 暖かいコーンポタージュ……無い! もう飲み干していた!」
「私はまあ自分の分、ゆっくり飲むね」
「言ってよぉ!」
「言いかけたんだけども遮ったじゃん」
肩を落としたテイの手を掴んで私は、私のコーンポタージュのカップに触れさせて、
「まあ一気には飲まずに、こうやって暖を取りながらね」
と私が言うとテイは瞳を潤ませながら、
「有難う! 寧! 寧の心は本当に暖かいよ!」
と言ってくれて、オーバーだなぁ、とは思った。
・【39 2月7日 春一番】
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「今日の歳時記はどんな日?」
そうテイが一緒にカフェの洗い物を洗っている時にふと聞いてきたので、答えることにした。
「日って訳じゃないけども、春一番かな? 今日っていつもより暖かかったでしょ? それを春一番って言うの」
「もう春なの?」
と目を丸くしたテイ。私は頷きながら、
「そもそも暦の上では前から春だし、立春から春分までの間に吹く暖かい風のことで、その年初めての強い南風のことを春一番って言うんだ」
と言ったところでクラがこっちへ駆け寄って来て、
「じゃあクラ一番! 吹かせるよ!」
と言うと、すぐさまクラから暖かい風が吹いてきた。
テイは嬉しそうに、
「いやぁ、心地良いなぁ」
と笑顔になったんだけども、私は正直少し懐疑的というか、危うさもあるなと思っていて。
それはクラだから、とかじゃなくて、なんというか、と思ったところで、今度はクラがどこからともなくカイロを出現させて、それをクラ一番の風と共に、テイと私に飛ばしてきた。
カイロは私の頬とテイのおでこに張り付いて、テイは笑いながら、
「ちょっとぉ! もはや風邪になっちゃうよ!」
と少しズレてる返しをしていた。
私はすぐにポケットに入れたんだけども、何か、いよいよって感じで、私は背筋が震えてきた。
洗い物が終わったところで、私とテイは居間へ移動すると、その間もずっとクラからは暖かい風が吹いていて。
「もっともっと! クラ一番だよ!」
そうクラが言うと、こたつのテーブルに湯気の出ているコーンポタージュの入ったカップが出現して、テイがそのカップに手を当てながら、
「とっても暖かいし、この優しい香り、食べるかっ! 寧!」
と満面の笑みになったんだけども、私はこれはもう、と思ってしまった。
そんな不安な表情をしてしまったんだと思う。
テイは小首を傾げながら、
「どうしたの? 寧。せっかくだから頂こうよ」
「うん、でも、春一番ってね」
と言いかけたところで、
「いや! もう俺は飲む!」
そう言って腹ペコそうにコーンポタージュを飲み始めたテイ。
私はなんとなく手を付けずにしていると、テイが、
「ちゃんとコーンの甘みがあって美味しいよ、でも不安なら俺が飲んであげるよ!」
「ううん、私はあとで飲むから大丈夫だよ、ほら、今、クラ一番であったかいし」
「そうだよねぇ、俺もう体がアツアツでこたつから出てもいいくらいだし」
と言って立ち上がろうとしたので、私はテイの腕を掴んで、
「いや、体が暖かいならそれに越したことないよ、無駄に体温を下げにいくことはないよ」
「それもそうか、やっぱり寧のアドバイスは的確だね!」
そう言って笑ったテイ。
うん、やっぱりこれ、言ったほうがいいよね、と思って、テイにもう一つ助言をしようとしたところで、クラが急にくしゃみをした時に『あっ』と思ってしまった。
クラが鼻をすすってから、こう言った。
「何だか……クラ一番……寒くなってきたぁ」
そう言ってクラから冷風が吹き始めて、テイが目を丸くしてから、
「クラ大丈夫か! カイロ! おでこのカイロあげるから!」
と言ってテイがおでこにずっと貼っていたカイロを渡そうと、掴むとテイが叫んだ。
「冷たっ! カイロが妙に冷たくなってる! もう!」
私はやっぱりそうだ、と思って喋ることにした。
「春一番のあとってね、大体寒さが元に戻るんだってさ、だからきっとクラ一番もその後に冷たくなると思っていたんだ」
「そうだったのかぁ! 暖かいコーンポタージュ……無い! もう飲み干していた!」
「私はまあ自分の分、ゆっくり飲むね」
「言ってよぉ!」
「言いかけたんだけども遮ったじゃん」
肩を落としたテイの手を掴んで私は、私のコーンポタージュのカップに触れさせて、
「まあ一気には飲まずに、こうやって暖を取りながらね」
と私が言うとテイは瞳を潤ませながら、
「有難う! 寧! 寧の心は本当に暖かいよ!」
と言ってくれて、オーバーだなぁ、とは思った。
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