歳時記カフェ

青西瓜

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【43 2月11日 建国記念の日】

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・【43 2月11日 建国記念の日】


 テイは朝から嬉しそうに私へ向かってこう言った。
「今日は建国記念の日だよね! 日本という国が生まれて本当に嬉しいよ!」
 昨日のことなんてもう忘れているのかな、と思っていると、
「勿論、そこに寧という存在が生まれてきてくれていることも本当に嬉しいんだけどもね!」
 と満面の笑みでそう言ったテイ。
 まあいいか、忘れているなら、と思いながら、
「何でそんなに日本が好きなのっ?」
「いつも優しくて、俺と一緒に居てくれて」
「いや私を好きな理由じゃなくて、日本を好きな理由ね」
「それはなんというか、異世界にもマルコ・ポーロみたいな本があって」
 少し言いづらそうにそう言ったテイ。
 異世界の話はやっぱりあまり触れたくないみたいだなぁ、まあいいや、
「異世界見聞録みたいなこと?」
「つまりはそういうことだね」
 そう、真顔で頷いたテイ。
 私はこの前の、治虫忌での事柄と今回の話が繋がって『わぁっ!』と思ってしまった。
 だって!
「テイ! テイってもしかすると異世界に帰ろうとしたら帰れるのっ? 治虫忌の時は異世界の取材の手配とか言ってたし、異世界見聞録みたいなのを発行しているということはその人がまた異世界に戻ってるってことじゃん!」
「うん、まあ行き来はできるよ。そういう能力を持っている人は全員」
 私は正直ショックを受けてしまった。
 だって、だって、テイがもしいなくなってしまったら、と思ったその時だった。
「でも寧、俺は寧から離れることは絶対無いよ」
 そう真剣な表情で言ったテイ。
 テイは続ける。
「俺は寧と一生ここにいる。勿論寧が許してくれるのならば、だけども」
「そんな! 私は絶対テイとずっと一緒に居たいから!」
「俺もそうだよ! だから大丈夫! 俺が異世界に戻ることはないから!」
「でも技術的には帰られるんでしょ……」
 とつい小声で言ってしまうと、テイはそんな私の不安を振り払うような大きな声で、
「いいや! 俺は帰らない! 寧が俺を嫌わない限り絶対に一緒にいる! 俺は寧と一緒にいて楽しいんだもん! そんなの手放すはずないじゃん!」
 そう笑ってサムズアップしてくれたテイ。
 そうだよね、そう言ってくれているからそうなんだよね、ホッと胸をなで下ろして、また朝の活動に向かった。
 カフェの営業も終わり、晩御飯を食べて、お風呂に入って、テレビを観て、じゃあ寝ようとなって、床についた時に、私は夢を見た。
 それは元カレが私の古民家カフェに押しかけてきて、私の腕を無理やり引っ張る夢。
 何故かテイもクラもその場にいなくて、私は泣きながら元カレの車に押し込まれて、その車内には元カレの仲間たちがいて、そのまま車は走り出して。
 ハッとして、起きるとまだ夜中で、私は汗だくになっていた。
 何でこのタイミングでこんな夢を見てしまったんだろう。
 まるで何だか正夢になってしまいそうな気がしてしまう。
 大丈夫、テイもクラもずっと居てくれるはず。
 深呼吸してから、また眠りについた。
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