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【10 虹が出た日は】
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・【10 虹が出た日は】
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雨上がりの早朝、晴天によりシロツメクサに付いている朝露が宝石のように光っている。白い花と緑と透明な宝玉のコントラストが妙に幻想的だ。
事前の連絡があった。
父親が単身赴任することになったお子が最後の父親との思い出に、このカフェで食事することにした、と。
まずそんな大切な日にこのカフェを選んでくださったことが嬉しい。ちょっと頑張った料理を作ろうと思っている。
それは勿論お子様ランチ。やっぱりお子にはワクワクするワンプレートでしょ。
だからってうちのカフェの煮込み気質は忘れない。
まず煮込みハンバーグはホワイトシチューで煮込む。そのお子はシチューが好きらしいので。
野菜は和風ポトフのスープナシ・バージョン。キャベツとジャガイモはしっかりしょみさせて、ブロッコリーは最後に入れて、青さを残す。
最近のお子はブロッコリーが好きという情報は既に得ている。このあたりは抜かりなし。
お子はゼリーが好きというのは周知の通りだが、ここはあえてミニトマトの寒天にする。
ゼラチンと比べて、寒天のほうがカロリーがずっと低く健康的、さらに皮を剥いたミニトマトをごろごろ入れた寒天にすることにより、栄養素も抜群だ。
ミニトマトはオーブンで焼いて、皮が割れてきたところで冷水を使って湯剥きする。ちょっと甘めに、みりんで煮てから寒天に入れる。ゼラチンのカロリーを抑えた分だ。
主食は白米にして、別添えでちりめんを甘辛く炊いたモノを。小魚は普通に体に良いので、そういうこともできるんだということを見せたい。カフェのエゴ。
あとは国旗を立てて完成だ。国旗はこだわってブラジルにした。ブラジル人女性は日本人のことが好きである傾向が強いらしいので、ちょっと暗示を入れた。これも全カフェのエゴ。全カフェが考えるエゴ。
ホワイトシチューの仕込みは既に昨日の段階で終えていて、今、ショタヌキが焦げないように混ぜて、煮込んでいる最中。
最近は怜那と吉四六が本当にこの、午前六時頃から来ていて、一緒に支度をするようになってきた。
こんなどっぷりだと、あの和装のお客さんが前に言っていた「あやかしと人間は仲良くすべきではないというあやかしの層がいる」という発言を思い出してしまう。
あの日以降も、時折あの和装のお客さんはそんなことを言い、きっとこっちの反応を若干楽しんでいるんだな、キツネのあやかしはやっぱり性格が悪いんだなぁ、と思っている。
ただ忠告はちゃんと忠告でもある体裁は保っていて、どうやら祖父の時代からそうで、時折イヤガラセがあったという話だ。
その度に自分が(和装のお客さんが)祖父を擁護していたと言っていたので、和装のお客さんは敵ではないんだと思う。
怜那が問題を起こしたあの二回も二回ともこっちの味方であるムーヴをしてくれていたし。
さて。
当の本人である怜那と吉四六(とショタヌキ)はこれが天職といったような爽やかな笑顔で仕事をしやがる。
あやかしが「人間、最高!」と顔で言っている。いやそんな顔で仕事する人間、もはやいないんだよ。
あやかしが人間を越えてくるなよ。結構序盤で越えてくるなよ。まだ若輩者のあやかしだろ、オマエら。
アンチ勢の襲撃が怖いと時たま考えてしまうこともあるけども、まあなんとかなるだろ、みたいな気持ちもある。
そんなことを思いながら支度、支度。
時間は少しずつ経過していき、午前八時四十五分になったところで開店ボードを出した。
既に並んでいた常連さんがなだれ込むように入ってきて、コーヒーや紅茶を注文していく。
コーヒーは専用の機械ながら、家庭用よりデカくて良いだけの、誰でも扱えるヤツだ。紅茶も普通にティーバッグで出すだけ。
このカフェのアンチである、あやかしの層って、人間と仲良くするところが気に食わないんじゃなくて、ゆるいカフェだからじゃないのか、とか思ってしまう。
私は祖父の店を受け継いで、仮でやっているだけなので、コーヒーへのこだわりとかは特に無いけども、そういうあやかしはコーヒーへのこだわりが強くて、弱いカフェのアンチなだけじゃないか? 知らんけど。
午前十一時に、その連絡をくださった父子が入ってきた。お母さんが一緒じゃないのも事前の連絡の通りだ。
ちなみにお子様ランチ(お子プレート)は父親にもそのまま出すことにしている。何故なら同じ料理を出したほうが感想を言いやすいからだ。
基本的にうちの料理は全部煮込み料理なので、来たと同時に料理を出す。すると和装のお客さんがそのワンプレートを見て小声で「それいいなぁ」と言った。いつの間にかもう来てる。和装のお客さん、一番の常連さんだよ。ありがとね。
お子プレートをこれでも喰らえしたわけだけども、お子はずっと暗い面持ちというか、冴えない角度の目線をしている。
父親は盛り上げようといっぱい喋っているようだけども、お子の受け答えは「うん」と「はい」しかなくて、何か、しつけがしっかりしているところが裏目に出ている感じだった。
見かねた怜那がその父子に近付き、
「今日は天気が良くて気持ちがいいね!」
と言って、何、仕事を堪能してんだよ、と思っていると、父親がちょっと困惑したような表情をし、お子は小声でこう言った。
「でも今日、虹が出ていないし」
何か若干のイミフだなと思っていると、父親が怜那へ、
「あのっ、うちのは虹が出ている日を良い日と思うことがあってっ」
と弁明するように早口でそう言った。
怜那は笑顔で、
「そうなんだ! 虹って気持ち良いもんね!」
とお子を肯定して、仕事が今一番楽しい時じゃぁねぇんだよ、と思った。いや別に良いんだけどもさ。生き生き仕事をしている人を疎んでしまうことは人間のあるあるだよね。
私は私でそれなりに満足して仕事をしているし。でもあやかしが”天性の!”みたいな感じでやってると、ちょっとだけ、うん分かる、私は心が狭いところがある。
あんな邪魔していたくせに、何が”虹って気持ち良いもんね”だ、野田ゲーmakerのクソゲークリアしたほうが気持ち良いだろ、あと前戯ね。
吉四六はキッチンで一生懸命食材切りに励み、ショタヌキはレジ打ちを頑張っている。まあそれはもはやいいんだけども、虹かぁ。
虹が出ている日を良い日と思うか。
確かに何か虹って盛り上がるよなぁ、テンションの下がった車内も虹一発でめっちゃテンション上がるもんなぁ。
車内の『誰今屁をこいた?』でしか盛り上がっていないメンバーでも虹が出たら盛り上がるもんなぁ。
誰発案でこのメンバーを選んだんだよ、というメンバーでも盛り上がる。あの大学時代の日、なんだったんだ。
いや大学時代のあの日の旅行ディスはいいとして、と思ったところでショタヌキが私を手招きしたので、近付くと、ショタヌキは小声で、
「オナラで盛り上がることってできますかね?」
いやそういうような思い出を考えていたけども、実際この半シリアスの場面ではダメだろ。
いやでも、
「どうやってオナラを出すの?」
「吉四六にオナラの匂いを出してもらって、音は普通に腕に口をつけて」
別に匂いの無いオナラもあるだろ、何真剣にオナラに取り組もうとしているんだよ、こんなんは却下だよ。
私はショタヌキに、
「却下、オナラの匂いで盛り上がるのは本当に暇な人たち限定」
と言ってから、私はホールにいる怜那を呼び、吉四六も一旦作業を中断するように言った。こっからは私の作戦。
二人は裏口から外に出て行き、父子が座っている窓際の席の窓からこっちへ向かって手を振ったので、準備完了らしい。
「お子、窓をご覧ください」
と私が父子に声を掛けると、お子は外を見て、
「わぁっ」
と声をあげた。
そう、そこには大きな虹ができていた。勿論、怜那と吉四六の術によるものだ。
怜那がこの辺の大気中に水蒸気を出現させて、吉四六が風によってその水蒸気を舞わせて、虹を作り出したのだ。
その後のトークで、怜那は「元々雨上がりだったから、実力以上に広範囲で虹が出る程度の水蒸気を出現させることができた」と語った。
吉四六はやたら得意げに「満遍なく広げたぜ!」と言うと、怜那が「いや吉四六ナシでもアタシはいけたけどなぁ」と手柄を独占するような発言をし、挑戦的な顔してるヤツの特徴性格だな、と思った。
ショタヌキは「すごいなぁ、ゲェ」と炭酸水を飲みながら感心し、ゲップを出した。人(あやかし)の話を聞いて感心した直後にゲップするって、まんまあの日のあき竹城さんじゃん。
当然ショタヌキの感心ゲップはそのあと怜那からこっぴどくイジられていた。私は普通に大笑いしてしまった。
そんな感じで割と仲良くやっている。
あやかしと人間が仲良くするなという層がいる? 知らん、知らん。
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雨上がりの早朝、晴天によりシロツメクサに付いている朝露が宝石のように光っている。白い花と緑と透明な宝玉のコントラストが妙に幻想的だ。
事前の連絡があった。
父親が単身赴任することになったお子が最後の父親との思い出に、このカフェで食事することにした、と。
まずそんな大切な日にこのカフェを選んでくださったことが嬉しい。ちょっと頑張った料理を作ろうと思っている。
それは勿論お子様ランチ。やっぱりお子にはワクワクするワンプレートでしょ。
だからってうちのカフェの煮込み気質は忘れない。
まず煮込みハンバーグはホワイトシチューで煮込む。そのお子はシチューが好きらしいので。
野菜は和風ポトフのスープナシ・バージョン。キャベツとジャガイモはしっかりしょみさせて、ブロッコリーは最後に入れて、青さを残す。
最近のお子はブロッコリーが好きという情報は既に得ている。このあたりは抜かりなし。
お子はゼリーが好きというのは周知の通りだが、ここはあえてミニトマトの寒天にする。
ゼラチンと比べて、寒天のほうがカロリーがずっと低く健康的、さらに皮を剥いたミニトマトをごろごろ入れた寒天にすることにより、栄養素も抜群だ。
ミニトマトはオーブンで焼いて、皮が割れてきたところで冷水を使って湯剥きする。ちょっと甘めに、みりんで煮てから寒天に入れる。ゼラチンのカロリーを抑えた分だ。
主食は白米にして、別添えでちりめんを甘辛く炊いたモノを。小魚は普通に体に良いので、そういうこともできるんだということを見せたい。カフェのエゴ。
あとは国旗を立てて完成だ。国旗はこだわってブラジルにした。ブラジル人女性は日本人のことが好きである傾向が強いらしいので、ちょっと暗示を入れた。これも全カフェのエゴ。全カフェが考えるエゴ。
ホワイトシチューの仕込みは既に昨日の段階で終えていて、今、ショタヌキが焦げないように混ぜて、煮込んでいる最中。
最近は怜那と吉四六が本当にこの、午前六時頃から来ていて、一緒に支度をするようになってきた。
こんなどっぷりだと、あの和装のお客さんが前に言っていた「あやかしと人間は仲良くすべきではないというあやかしの層がいる」という発言を思い出してしまう。
あの日以降も、時折あの和装のお客さんはそんなことを言い、きっとこっちの反応を若干楽しんでいるんだな、キツネのあやかしはやっぱり性格が悪いんだなぁ、と思っている。
ただ忠告はちゃんと忠告でもある体裁は保っていて、どうやら祖父の時代からそうで、時折イヤガラセがあったという話だ。
その度に自分が(和装のお客さんが)祖父を擁護していたと言っていたので、和装のお客さんは敵ではないんだと思う。
怜那が問題を起こしたあの二回も二回ともこっちの味方であるムーヴをしてくれていたし。
さて。
当の本人である怜那と吉四六(とショタヌキ)はこれが天職といったような爽やかな笑顔で仕事をしやがる。
あやかしが「人間、最高!」と顔で言っている。いやそんな顔で仕事する人間、もはやいないんだよ。
あやかしが人間を越えてくるなよ。結構序盤で越えてくるなよ。まだ若輩者のあやかしだろ、オマエら。
アンチ勢の襲撃が怖いと時たま考えてしまうこともあるけども、まあなんとかなるだろ、みたいな気持ちもある。
そんなことを思いながら支度、支度。
時間は少しずつ経過していき、午前八時四十五分になったところで開店ボードを出した。
既に並んでいた常連さんがなだれ込むように入ってきて、コーヒーや紅茶を注文していく。
コーヒーは専用の機械ながら、家庭用よりデカくて良いだけの、誰でも扱えるヤツだ。紅茶も普通にティーバッグで出すだけ。
このカフェのアンチである、あやかしの層って、人間と仲良くするところが気に食わないんじゃなくて、ゆるいカフェだからじゃないのか、とか思ってしまう。
私は祖父の店を受け継いで、仮でやっているだけなので、コーヒーへのこだわりとかは特に無いけども、そういうあやかしはコーヒーへのこだわりが強くて、弱いカフェのアンチなだけじゃないか? 知らんけど。
午前十一時に、その連絡をくださった父子が入ってきた。お母さんが一緒じゃないのも事前の連絡の通りだ。
ちなみにお子様ランチ(お子プレート)は父親にもそのまま出すことにしている。何故なら同じ料理を出したほうが感想を言いやすいからだ。
基本的にうちの料理は全部煮込み料理なので、来たと同時に料理を出す。すると和装のお客さんがそのワンプレートを見て小声で「それいいなぁ」と言った。いつの間にかもう来てる。和装のお客さん、一番の常連さんだよ。ありがとね。
お子プレートをこれでも喰らえしたわけだけども、お子はずっと暗い面持ちというか、冴えない角度の目線をしている。
父親は盛り上げようといっぱい喋っているようだけども、お子の受け答えは「うん」と「はい」しかなくて、何か、しつけがしっかりしているところが裏目に出ている感じだった。
見かねた怜那がその父子に近付き、
「今日は天気が良くて気持ちがいいね!」
と言って、何、仕事を堪能してんだよ、と思っていると、父親がちょっと困惑したような表情をし、お子は小声でこう言った。
「でも今日、虹が出ていないし」
何か若干のイミフだなと思っていると、父親が怜那へ、
「あのっ、うちのは虹が出ている日を良い日と思うことがあってっ」
と弁明するように早口でそう言った。
怜那は笑顔で、
「そうなんだ! 虹って気持ち良いもんね!」
とお子を肯定して、仕事が今一番楽しい時じゃぁねぇんだよ、と思った。いや別に良いんだけどもさ。生き生き仕事をしている人を疎んでしまうことは人間のあるあるだよね。
私は私でそれなりに満足して仕事をしているし。でもあやかしが”天性の!”みたいな感じでやってると、ちょっとだけ、うん分かる、私は心が狭いところがある。
あんな邪魔していたくせに、何が”虹って気持ち良いもんね”だ、野田ゲーmakerのクソゲークリアしたほうが気持ち良いだろ、あと前戯ね。
吉四六はキッチンで一生懸命食材切りに励み、ショタヌキはレジ打ちを頑張っている。まあそれはもはやいいんだけども、虹かぁ。
虹が出ている日を良い日と思うか。
確かに何か虹って盛り上がるよなぁ、テンションの下がった車内も虹一発でめっちゃテンション上がるもんなぁ。
車内の『誰今屁をこいた?』でしか盛り上がっていないメンバーでも虹が出たら盛り上がるもんなぁ。
誰発案でこのメンバーを選んだんだよ、というメンバーでも盛り上がる。あの大学時代の日、なんだったんだ。
いや大学時代のあの日の旅行ディスはいいとして、と思ったところでショタヌキが私を手招きしたので、近付くと、ショタヌキは小声で、
「オナラで盛り上がることってできますかね?」
いやそういうような思い出を考えていたけども、実際この半シリアスの場面ではダメだろ。
いやでも、
「どうやってオナラを出すの?」
「吉四六にオナラの匂いを出してもらって、音は普通に腕に口をつけて」
別に匂いの無いオナラもあるだろ、何真剣にオナラに取り組もうとしているんだよ、こんなんは却下だよ。
私はショタヌキに、
「却下、オナラの匂いで盛り上がるのは本当に暇な人たち限定」
と言ってから、私はホールにいる怜那を呼び、吉四六も一旦作業を中断するように言った。こっからは私の作戦。
二人は裏口から外に出て行き、父子が座っている窓際の席の窓からこっちへ向かって手を振ったので、準備完了らしい。
「お子、窓をご覧ください」
と私が父子に声を掛けると、お子は外を見て、
「わぁっ」
と声をあげた。
そう、そこには大きな虹ができていた。勿論、怜那と吉四六の術によるものだ。
怜那がこの辺の大気中に水蒸気を出現させて、吉四六が風によってその水蒸気を舞わせて、虹を作り出したのだ。
その後のトークで、怜那は「元々雨上がりだったから、実力以上に広範囲で虹が出る程度の水蒸気を出現させることができた」と語った。
吉四六はやたら得意げに「満遍なく広げたぜ!」と言うと、怜那が「いや吉四六ナシでもアタシはいけたけどなぁ」と手柄を独占するような発言をし、挑戦的な顔してるヤツの特徴性格だな、と思った。
ショタヌキは「すごいなぁ、ゲェ」と炭酸水を飲みながら感心し、ゲップを出した。人(あやかし)の話を聞いて感心した直後にゲップするって、まんまあの日のあき竹城さんじゃん。
当然ショタヌキの感心ゲップはそのあと怜那からこっぴどくイジられていた。私は普通に大笑いしてしまった。
そんな感じで割と仲良くやっている。
あやかしと人間が仲良くするなという層がいる? 知らん、知らん。
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