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【15 お子イベント】
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・【15 お子イベント】
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絵画教室は定期的に行なっているけども、八月になったことにより、ハイキングイベントが秋までオヤスミということにした。何故なら暑いからだ。
でもそんなことを気にしない種族もいる。そう、お子だ。お子は暑さなんて気にしない。あやかしは普通に暑さでへぇへぇ言ってる。アイツらは大人の人間と一緒だ。
ショタヌキは一緒にカフェへ行くまでの短い道中も楽しそうにしている。朝からもう猛暑日手前なのに。
「卯愛さんは今日何を作るんですか!」
と笑顔で顔をあげてくる。
「まあ暑いからねぇ」
と何も決めていないことがバレないように、適当な返事をしておく。
「あっ! お花! 綺麗だぁ!」
そう言ってしゃがんで、その場から動かず、花を眺めている。
ショタのメルヘンが止まらないなぁ。さっさとカフェ行ってクーラーつけようや。
「これ! なんてお花なんですか! 青紫の花びらと黄色いおしべがすごく綺麗!」
「それはツユクサだね」
早くカフェに行きたいので、端的に済ませて、私は屈んでショタヌキの手を握って、立つように促す。
ショタヌキは少し名残惜しそうに立ち上がり、また歩き出したところで手を離すと、ショタヌキの今度はスキップだ。
でも私にもただただスキップしているような時代もあった。小学校の、列に並んで登校するのが苦手で、あえてちょっと距離が離れたところで、スキップで間を詰めていた。
”私のスキップは速い”という感情だけ強く持っていて、徒競走でスキップしたら先生に怒られて、めっちゃ泣いたことがある。まだ小学一年生の頃だ。
ショタヌキもこっちの年齢で言うところの小学生の低学年くらいだろう。そのくらいの歳でレジ打ちやっているんだから元祖天才小学生だなぁ。
吉四六は中学生くらいか、でも運動部の中学生って感じだな、身長は無いけども、筋力はしっかりあるイメージ。
ただ体が本格的に作られる前に筋トレをし過ぎると身長が伸びないという俗説もあるから、気を付けな、とは思う。
怜那は高校生なんだろう、本人もそのようなことを言っていたことがある。でも学校とか無いのかな。ずっとこっちに平日から付きっきりだけども。吉四六もそう。ショタヌキだってそう。
あやかしってもしかすると学校ナシ生活? う~ん、どうなんだろう、私はイジメを受けていた身だから学校なんて無くても良かっ、ぁ、着いた。カフェ! カフェ! クーラー!
私はものすごい速度で鍵を開けて、まず第一にクーラーをつけた! これ経費で落ちますよね! という笑顔で、クーラーをつけていると、ショタヌキが、
「ダッシュして元気ですね! 僕もちょっと裏山走ってきていいですか!」
「……いいよ」
と答えるとショタヌキはカフェの中をパーっと移動して、裏口から外へ出て行った。
私、そんな元気だった? クーラー元気だった? 暴れん坊クーラーだった?
まあいいや、窓から外を見ると、ショタヌキが嬉しそうに外を走り回って、すれ違うお散歩人間と会釈していた。時折、立ち止まってミニ雑談もしているようだった。
あの人見知りのショタヌキがついにここまできたか。私を越えている可能性も出てきた。こちとらあくまで商売だからモードに入ってやっているから。
でもあのショタヌキもそうなのかな、このハイキングコースを歩いているということはカフェにも来る人だろうから、商売モード入れてやってるのかな。
いやショタヌキにそんなオン・オフは無いだろう。あれが地のショタヌキなんだろう。きっと何かあって抑圧されて人見知りになっていたのだろう。
私のようにガッチガチに固められるほどの、人見知りにならなくて良かった。早い段階で柔らかくなって良かった。ショタヌキ、良い筋肉じゃん(柔らかいということ)。
さて、お子はいつでも元気だから、お子イベントはやっぱり外でやるべきなのかもしれないな。
特に小学生低学年以下のイベントを所望する声もあるし。でもその場合、保護者も外にいることになるんだけども、そういう時は親世代って度外視しているんだよなぁ。
本当は暑いところが苦手なくせに、お子が楽しむのなら、全然大丈夫みたいな。不思議だ。私はお子なんて全然ほしいと思わないから、そういう感情もよく分からん。
だってまた私のように、学校でイジメられる不幸な人間を作り出そうなんて思わないわけで。
でもまあ要望は要望なので、何か考えるかと思ったところで、怜那と吉四六が裏口から入ってきた。
怜那が開口一番、
「あつぇ~」
というネットでちょっとだけでもウケたいと思うヤツの言い方をしていた。
吉四六は少し窓のほうを振り返って見ながら、
「祥太は外走っていますね、自主的ですか?」
「なんと自主的だよ」
「俺も下ごしらえ終わったら、ちょっと走りたいっすねぇ」
即座に怜那が「げっ」と声を漏らし、何か最近昭和のアニメ見た? と思った。今どきの高校生が『げっ』じゃないだろ。
吉四六は少しムッとしながら、
「いいじゃん、何か運動したい気持ちとかあるだろ」
「ねぇわ」
と二人だけの距離感で、砕けた物言いで会話していて、何か良かった。若返るような気持ちだった。
というか吉四六から見たら怜那はお姉さんで。怜那から見たら吉四六はまた一つのショタなのでは、と思うと、何か、ショタ属性多くて興奮するな、ウィン(自動ドアが開く音)だな、サンドウィッチマンの漫才に入る導入の部分だな。
私は吉四六へ、
「今日は簡単な料理で済ます予定だから走ってきてもいいよ」
と言うと、矢継ぎ早に怜那が、
「気ぃ使わせたぁ」
とイヤミったらしく言って、怜那の本質は怜那だなぁ、と思っていると、吉四六は、
「いやいいです。俺は自分の仕事するんで」
と言い切る前に怜那が、
「逆に気ぃ使わせたぁ」
と両手で吉四六を指差して、コイツ嫌だわぁ、とは思った。
吉四六は少し悩むように腕を組んでから、
「ちょっとやってから走らせて頂きます」
と丁寧な物言いで私に言って、端的に言って可愛過ぎた。こういう中学生、最高じゃん。
そう、私からしたら完全なるショタの年齢差なので、心が躍る。
結局吉四六はトマトとパプリカを切ったところで、すぐに走りに行った。
それを見ながら怜那が、
「青春ねぇ」
と笑った。
女子の高校生まで来ると、まあ暑いところは嫌だからなぁ、紫外線とか気にするだろうし。でも竜神も? そこはよく分からん。
「ところで卯愛さん、最近恋愛していますかっ?」
最近怜那は、元夫以来、私の恋愛話を聞いてくるようになった。それがハッキリ言って嫌なので、
「ハッキリ言って嫌なので、そういう話は振らないでほしい」
とハッキリ言ってしまうわけだが、
「えぇー、じゃあまた今度聞きますねー、できたら言ってくださいよぉー」
と甘ったるい声で言ったところで、コイツ、もしかすると自分の話を聞いてほしいのか? と思って、今回は特別に、
「逆に怜那は無いのか? 吉四六とかどう?」
と軽く聞くと、急に怜那は俯いて、しかも耳まで真っ赤にして、
「吉四六は、関係にゃい、じゃにゃいですかっ」
と、にゃい連発して、ほほう案件だった。
何だよ、そういうことかよ、そして竜神とキツネって付き合っていいんだ、と思った。
そう言えば私も和装のお客さん(キツネ)のこと、まあ合格点と思っているけども、実際いっちゃってもいいんかな、多分。いや人間とあやかしは分からんけども。
というか実際にいく気も無いけども。あくまで眼福程度。私は今、一人が最高に楽しいから、最後まで一人でいってもいいような気がしている。
その後、怜那は完全に黙り、今後うるさかったらこれだな、と確定した。
カフェも開店して、いつも通り、コーヒーをこれでも喰らえしている。
ショタヌキも吉四六も戻ってきて、レジ打ちに野菜切りにそれなりに忙しく。
私は比較的暇な時間に次のイベントを考えた。勿論ショタヌキ・吉四六・怜那の特性を使った、簡単にできるヤツ。
結局お子ってこれ好きでしょ? 的なヤツ。
一応ショタヌキに”こういうこと、お子って好き?”って聞いたら「僕は好きだし、好きだと思うけども、僕はそんなにお子じゃないよ!」と言っていた。
いや楽しいと言っている時点でお子だし、とは思ったけども、そこを食って掛かってもしょうがないので、スルーした。
さて、イベントスケジュールを組んで、その当日、裏山で早速スタートした。
イベント名、シャボン玉デイだ。
お子はシャボン玉がとにかく好きなので。
ただのシャボン玉じゃない。ただのシャボン玉なら映え神社でたまにある、自動でシャボン玉が出てくるマシーンでいい。
でもこっちにはあやかしがいるんだ、ということで吉四六にシャボン玉の中に、いろんな良い香りを詰めて飛ばしてもらう。
チョコレートの香りとか、ラベンダーの香りとか、単純に甘い香りとか。
一応複合臭にならないようには気を付ける。いろいろ混ざるとクサくなるというヤツ。
だからカレーはナシにしている。カレーとラベンダーが混ざると一気にクサくなるような予感がする。
時折、シャボン玉を怜那が凍らせて、幻想的にさせたり。
そしてなんといってもショタヌキが巨大な輪っかに変化して、それでめっちゃデカいシャボン玉を作る。
巨大な輪っかになっても重さは変幻自在なので、私でも簡単に持てるくらいだ。これが市販されているモノとの違いだよね。
本当はショタヌキもシャボン玉で遊びたいだろうなと思ったけども、まあ従業員ということでここは一つ。
私は頃合いを見て、カフェの中に戻ってきて、クーラー最高……じゃなくて、料理の準備をする。
お子が好きなモノと言えば、フルーツポンチなわけだけども、私は今回ベジタブルポンチを作っている。
ミニトマトは甘い味にぴったりだし、パプリカは甘く煮ると、とろとろになる。
ちょっとだけ映えを意識して、ピーマンを極限まで薄くスライスして、乗せる。
ピーマンの生は意外と苦くないのだ。ピーマンは火を通すことにより、組織が破壊されて、苦みの成分が出てくるから。
勿論、市販のリンゴとかを買ってきて、小さめの角切りにしてフルーツも入れるけども、基本はベジタブルだ。
寒天も体に良いので入れる。寒天はカロリーがゼロ。食物繊維なので腸活お姉さんにもうってつけだ。
普通の透明な寒天と牛乳寒天とココア寒天を作ってカラフルに。今日はお子がメインなので、コーヒーじゃなくてココアにしている。
お子たちが笑顔で戻ってきたところで、ベジタブルポンチをこれでも喰らえ。
「美味しい!」
「爽やか!」
「甘い!」
と短いセンテンスで喜ぶお子が可愛い。
まあ自分と関係無い、お子は可愛いんだけどもね、と思っていると、ショタヌキも笑顔で食べていた。
普通に怜那も吉四六も食べていた。いや、それは別にいいんだけどもね。こっちも人数気にせず器を用意したから。
でも何だ、ショタヌキのような多少なりに自分に関係のあるお子もまあ可愛いもんか、とは思った。
・【15 お子イベント】
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絵画教室は定期的に行なっているけども、八月になったことにより、ハイキングイベントが秋までオヤスミということにした。何故なら暑いからだ。
でもそんなことを気にしない種族もいる。そう、お子だ。お子は暑さなんて気にしない。あやかしは普通に暑さでへぇへぇ言ってる。アイツらは大人の人間と一緒だ。
ショタヌキは一緒にカフェへ行くまでの短い道中も楽しそうにしている。朝からもう猛暑日手前なのに。
「卯愛さんは今日何を作るんですか!」
と笑顔で顔をあげてくる。
「まあ暑いからねぇ」
と何も決めていないことがバレないように、適当な返事をしておく。
「あっ! お花! 綺麗だぁ!」
そう言ってしゃがんで、その場から動かず、花を眺めている。
ショタのメルヘンが止まらないなぁ。さっさとカフェ行ってクーラーつけようや。
「これ! なんてお花なんですか! 青紫の花びらと黄色いおしべがすごく綺麗!」
「それはツユクサだね」
早くカフェに行きたいので、端的に済ませて、私は屈んでショタヌキの手を握って、立つように促す。
ショタヌキは少し名残惜しそうに立ち上がり、また歩き出したところで手を離すと、ショタヌキの今度はスキップだ。
でも私にもただただスキップしているような時代もあった。小学校の、列に並んで登校するのが苦手で、あえてちょっと距離が離れたところで、スキップで間を詰めていた。
”私のスキップは速い”という感情だけ強く持っていて、徒競走でスキップしたら先生に怒られて、めっちゃ泣いたことがある。まだ小学一年生の頃だ。
ショタヌキもこっちの年齢で言うところの小学生の低学年くらいだろう。そのくらいの歳でレジ打ちやっているんだから元祖天才小学生だなぁ。
吉四六は中学生くらいか、でも運動部の中学生って感じだな、身長は無いけども、筋力はしっかりあるイメージ。
ただ体が本格的に作られる前に筋トレをし過ぎると身長が伸びないという俗説もあるから、気を付けな、とは思う。
怜那は高校生なんだろう、本人もそのようなことを言っていたことがある。でも学校とか無いのかな。ずっとこっちに平日から付きっきりだけども。吉四六もそう。ショタヌキだってそう。
あやかしってもしかすると学校ナシ生活? う~ん、どうなんだろう、私はイジメを受けていた身だから学校なんて無くても良かっ、ぁ、着いた。カフェ! カフェ! クーラー!
私はものすごい速度で鍵を開けて、まず第一にクーラーをつけた! これ経費で落ちますよね! という笑顔で、クーラーをつけていると、ショタヌキが、
「ダッシュして元気ですね! 僕もちょっと裏山走ってきていいですか!」
「……いいよ」
と答えるとショタヌキはカフェの中をパーっと移動して、裏口から外へ出て行った。
私、そんな元気だった? クーラー元気だった? 暴れん坊クーラーだった?
まあいいや、窓から外を見ると、ショタヌキが嬉しそうに外を走り回って、すれ違うお散歩人間と会釈していた。時折、立ち止まってミニ雑談もしているようだった。
あの人見知りのショタヌキがついにここまできたか。私を越えている可能性も出てきた。こちとらあくまで商売だからモードに入ってやっているから。
でもあのショタヌキもそうなのかな、このハイキングコースを歩いているということはカフェにも来る人だろうから、商売モード入れてやってるのかな。
いやショタヌキにそんなオン・オフは無いだろう。あれが地のショタヌキなんだろう。きっと何かあって抑圧されて人見知りになっていたのだろう。
私のようにガッチガチに固められるほどの、人見知りにならなくて良かった。早い段階で柔らかくなって良かった。ショタヌキ、良い筋肉じゃん(柔らかいということ)。
さて、お子はいつでも元気だから、お子イベントはやっぱり外でやるべきなのかもしれないな。
特に小学生低学年以下のイベントを所望する声もあるし。でもその場合、保護者も外にいることになるんだけども、そういう時は親世代って度外視しているんだよなぁ。
本当は暑いところが苦手なくせに、お子が楽しむのなら、全然大丈夫みたいな。不思議だ。私はお子なんて全然ほしいと思わないから、そういう感情もよく分からん。
だってまた私のように、学校でイジメられる不幸な人間を作り出そうなんて思わないわけで。
でもまあ要望は要望なので、何か考えるかと思ったところで、怜那と吉四六が裏口から入ってきた。
怜那が開口一番、
「あつぇ~」
というネットでちょっとだけでもウケたいと思うヤツの言い方をしていた。
吉四六は少し窓のほうを振り返って見ながら、
「祥太は外走っていますね、自主的ですか?」
「なんと自主的だよ」
「俺も下ごしらえ終わったら、ちょっと走りたいっすねぇ」
即座に怜那が「げっ」と声を漏らし、何か最近昭和のアニメ見た? と思った。今どきの高校生が『げっ』じゃないだろ。
吉四六は少しムッとしながら、
「いいじゃん、何か運動したい気持ちとかあるだろ」
「ねぇわ」
と二人だけの距離感で、砕けた物言いで会話していて、何か良かった。若返るような気持ちだった。
というか吉四六から見たら怜那はお姉さんで。怜那から見たら吉四六はまた一つのショタなのでは、と思うと、何か、ショタ属性多くて興奮するな、ウィン(自動ドアが開く音)だな、サンドウィッチマンの漫才に入る導入の部分だな。
私は吉四六へ、
「今日は簡単な料理で済ます予定だから走ってきてもいいよ」
と言うと、矢継ぎ早に怜那が、
「気ぃ使わせたぁ」
とイヤミったらしく言って、怜那の本質は怜那だなぁ、と思っていると、吉四六は、
「いやいいです。俺は自分の仕事するんで」
と言い切る前に怜那が、
「逆に気ぃ使わせたぁ」
と両手で吉四六を指差して、コイツ嫌だわぁ、とは思った。
吉四六は少し悩むように腕を組んでから、
「ちょっとやってから走らせて頂きます」
と丁寧な物言いで私に言って、端的に言って可愛過ぎた。こういう中学生、最高じゃん。
そう、私からしたら完全なるショタの年齢差なので、心が躍る。
結局吉四六はトマトとパプリカを切ったところで、すぐに走りに行った。
それを見ながら怜那が、
「青春ねぇ」
と笑った。
女子の高校生まで来ると、まあ暑いところは嫌だからなぁ、紫外線とか気にするだろうし。でも竜神も? そこはよく分からん。
「ところで卯愛さん、最近恋愛していますかっ?」
最近怜那は、元夫以来、私の恋愛話を聞いてくるようになった。それがハッキリ言って嫌なので、
「ハッキリ言って嫌なので、そういう話は振らないでほしい」
とハッキリ言ってしまうわけだが、
「えぇー、じゃあまた今度聞きますねー、できたら言ってくださいよぉー」
と甘ったるい声で言ったところで、コイツ、もしかすると自分の話を聞いてほしいのか? と思って、今回は特別に、
「逆に怜那は無いのか? 吉四六とかどう?」
と軽く聞くと、急に怜那は俯いて、しかも耳まで真っ赤にして、
「吉四六は、関係にゃい、じゃにゃいですかっ」
と、にゃい連発して、ほほう案件だった。
何だよ、そういうことかよ、そして竜神とキツネって付き合っていいんだ、と思った。
そう言えば私も和装のお客さん(キツネ)のこと、まあ合格点と思っているけども、実際いっちゃってもいいんかな、多分。いや人間とあやかしは分からんけども。
というか実際にいく気も無いけども。あくまで眼福程度。私は今、一人が最高に楽しいから、最後まで一人でいってもいいような気がしている。
その後、怜那は完全に黙り、今後うるさかったらこれだな、と確定した。
カフェも開店して、いつも通り、コーヒーをこれでも喰らえしている。
ショタヌキも吉四六も戻ってきて、レジ打ちに野菜切りにそれなりに忙しく。
私は比較的暇な時間に次のイベントを考えた。勿論ショタヌキ・吉四六・怜那の特性を使った、簡単にできるヤツ。
結局お子ってこれ好きでしょ? 的なヤツ。
一応ショタヌキに”こういうこと、お子って好き?”って聞いたら「僕は好きだし、好きだと思うけども、僕はそんなにお子じゃないよ!」と言っていた。
いや楽しいと言っている時点でお子だし、とは思ったけども、そこを食って掛かってもしょうがないので、スルーした。
さて、イベントスケジュールを組んで、その当日、裏山で早速スタートした。
イベント名、シャボン玉デイだ。
お子はシャボン玉がとにかく好きなので。
ただのシャボン玉じゃない。ただのシャボン玉なら映え神社でたまにある、自動でシャボン玉が出てくるマシーンでいい。
でもこっちにはあやかしがいるんだ、ということで吉四六にシャボン玉の中に、いろんな良い香りを詰めて飛ばしてもらう。
チョコレートの香りとか、ラベンダーの香りとか、単純に甘い香りとか。
一応複合臭にならないようには気を付ける。いろいろ混ざるとクサくなるというヤツ。
だからカレーはナシにしている。カレーとラベンダーが混ざると一気にクサくなるような予感がする。
時折、シャボン玉を怜那が凍らせて、幻想的にさせたり。
そしてなんといってもショタヌキが巨大な輪っかに変化して、それでめっちゃデカいシャボン玉を作る。
巨大な輪っかになっても重さは変幻自在なので、私でも簡単に持てるくらいだ。これが市販されているモノとの違いだよね。
本当はショタヌキもシャボン玉で遊びたいだろうなと思ったけども、まあ従業員ということでここは一つ。
私は頃合いを見て、カフェの中に戻ってきて、クーラー最高……じゃなくて、料理の準備をする。
お子が好きなモノと言えば、フルーツポンチなわけだけども、私は今回ベジタブルポンチを作っている。
ミニトマトは甘い味にぴったりだし、パプリカは甘く煮ると、とろとろになる。
ちょっとだけ映えを意識して、ピーマンを極限まで薄くスライスして、乗せる。
ピーマンの生は意外と苦くないのだ。ピーマンは火を通すことにより、組織が破壊されて、苦みの成分が出てくるから。
勿論、市販のリンゴとかを買ってきて、小さめの角切りにしてフルーツも入れるけども、基本はベジタブルだ。
寒天も体に良いので入れる。寒天はカロリーがゼロ。食物繊維なので腸活お姉さんにもうってつけだ。
普通の透明な寒天と牛乳寒天とココア寒天を作ってカラフルに。今日はお子がメインなので、コーヒーじゃなくてココアにしている。
お子たちが笑顔で戻ってきたところで、ベジタブルポンチをこれでも喰らえ。
「美味しい!」
「爽やか!」
「甘い!」
と短いセンテンスで喜ぶお子が可愛い。
まあ自分と関係無い、お子は可愛いんだけどもね、と思っていると、ショタヌキも笑顔で食べていた。
普通に怜那も吉四六も食べていた。いや、それは別にいいんだけどもね。こっちも人数気にせず器を用意したから。
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※※※
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