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【16 あやかしのタワーディフェンス】
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・【16 あやかしのタワーディフェンス】
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ちょいと事件が発生し、和装のお客さん(あやかし)が私に相談をし始めた。
「実は最近、あやかしの里・正面玄関で、変な、偏屈なあやかしが生物に反応する罠をいっぱい作って閉じこもってしまい、誰も近付けなくなってしまったんです。だから交渉もできない状態で」
「あやかしの里の正面玄関?」
と私がまず最初に気になったところを聞き返すと、
「はい、メインの出入り口です。一応細い洞窟を抜ける裏口は大丈夫なので、今日もこうやって怜那も吉四六も来れているわけですが」
と和装のお客さんが言ったところで、怜那が、
「マジ最悪。細い洞窟で服汚れるし。最近ダサい服しか着れないし」
そう言えば、最近の怜那は何か安そうな白Tシャツばかりだ。
夏だし汗かくし、どうせ女子の高校生は何していても可愛いからこれでいいや、みたいなことだと思っていた。
吉四六も頷きながら、
「ちょっと、本当に狭いところがある」
と言って、まあその筋肉ならなぁ、とは思った。
和装のお客さんが続ける。
「本当、玄関を囲む形で罠を張って閉じこもっているので、何もできないんです。スマホのようなモノも持っていないみたいで。交渉ができないって、もう終わってますよね?」
「まあ偏屈だねぇ」
と答えておいたんだけども、別に何か、あやかし同士で何かやってくれよと思っていると、急に和装のお客さんが頭をさげて、
「どうか! 良いアイデアありませんか! 卯愛さん!」
と言うと、それに合わせて、怜那も吉四六も頭をさげた。
チラリとショタヌキのほうを見ると、全然気にする様子も無く、ニコニコしながら外のほうを見ている横顔がそこにはあった。
窓のほうを見ると蝶々が飛んでいて、どうやら今はそれを目で追いかけることに夢中らしい。
おいショタヌキ、もうちょい、ちょっと不穏なカフェ店内のことを気に掛けろよ、マジで食い逃げとかに反応できなさそうだな。
せっかくショタヌキの母親直後は良い感じだったのに、また株が下がってきてるぞ。
さて、罠を張っているあやかしかぁ、何か情報が少な過ぎるんだよなぁ、まあ聞くとするか。
「そのあやかしの目的は何なの?」
和装のお客さんが少し悩むような唸り声をあげてから、
「それがまあ、詳しいところは一切分からないんです。犯行声明みたいなものがあるわけではないですし」
「何それ。偏屈の塊じゃん」
偏屈団子(黒光り)かよ。
和装のお客さんは続ける。
「ただそれをやっているあやかしは声で判別できたみたいで、元々の性格的にまあ人間とあやかしが仲良くしていることが許せないみたいな、アンチ人間の連中ですね」
「じゃあさ、あやかしの、何か、術みたいなので突破できないの? 確か上級キツネとかは幻覚を見せることができるんだよね」
すると吉四六が口を挟んできた。
「確かに幻を見せられるんですが、それは匂いと風を操って、それらしく見せるだけで、そこまで広範囲じゃないというか。その玄関の周りにある森全体を罠で掌握していて」
私は頷いてから、怜那のほうを向いて、
「熱湯のレーザービームとかできないの? 上級でも無理?」
怜那はおでこを掻いてから、
「場所をサーチすることはできないし、さすがに上級でもピンポイントで当てることは不可能かなぁ。でも無機物という作戦は悪くないって言ってた」
「じゃあもう上から爆撃すればいいじゃん」
「森にそんな荒っぽいことはできないよ! あやかしに爆撃機とかないし!」
「無いの? 爆発する種とか無いの?」
「あやかしは基本自然と共存だから、そういう危険な技なんてないの!」
そうだったんだ。あやかしって人間共々全部駆逐してやれみたいなことだと思っていたけども、そうじゃないんだ。
だとしたら人間の拳銃とかのほうが怖いのかもな、あやかしにとっては。まあ銃社会じゃないから日本には基本無いけども。
そんな時でもずっと外を見て、イスからさげた足をぶらぶらしているショタヌキ。蝶々もずっと近くを飛んでいるんじゃないんだよ。
そうだ、
「タヌキのあの戦闘変化ってヤツで、がしがし進めばいいんじゃないの?」
すると和装のお客さんが、
「それはもうやってダメで、タヌキ族が結構ケガしちゃって、なんです」
私はあっ、と思ったので、この提案をしてみることにした。
「逆に蝶々とかに変化して、バレないように近付くとかどう?」
「それも撃ち落されて大ケガなんですよ」
大ケガなんて、そんな喧嘩商売みたいな言葉あるんだ。
人間だと思われる常連さんたちも固唾を飲んで、私たちの会話を聞いているようだった。
そんな中、ショタヌキがお腹をちょっと掻いていた。タヌキこの野郎! アホヅラでお腹をちょっと掻くじゃないんだよ! へその周り、ちゃんと洗ってるぅっ?
いやそんなことはいいとして、じゃあ、
「タヌキが弾丸に変化して、飛ばされるってどう?」
和装のお客さんは首を横に振って、
「無機物というアイデアは有効みたいですが、弾丸と言ってもそんな飛行しないんじゃないんですか?」
「いやでも狙撃ライフルとかあるじゃん」
「狙撃ライフルに変化できるタヌキがいませんよ、いたとしてもその狙撃ライフルの銃口と弾丸のサイズの調節が難しいでしょうし、狙撃ライフルの火薬に耐えられる弾丸タヌキなんて多分いません」
なるほど、長ったらしい説明だったが、これは納得。特に狙撃ライフルの火薬に耐えられる弾丸タヌキね。ショタヌキが爆裂する絵が浮かんで、ちょっと可哀想だと思った。
怜那のデカい溜息がカフェ内に響いた、ところで、新規のお客さんが入ってきて、カレーを注文してきた。
こんな時にカレーかよ、と、ちょっとだけ”こんな夜更けにバナナかよ”みたいなテンションで思ってしまった。映画、見ていないけども。
カレーをこれでも喰らえしたところで、私と怜那と吉四六はまたそれぞれの業務に戻り、和装のお客さんはもうチキンライスを食べ切ったのに、コーヒーで粘っている。
これ今日中に答えを出さないとダメなヤツ? というか、私なんかに頼るなよ。ただのカフェの店主だぞ。野田ゲーmakerに勤しむただの人間だぞ。
でも野田ゲーmakerもそうだけども、やっぱりトライ&エラーだし、と思ったところで、ショタヌキが振り返って、
「どうしたんですか?」
今更! と思いつつ、怜那がさっさと近付き、今までのいきさつを説明すると、ショタヌキがうんうん頷いてから、こう言った。
「全部氷漬けにして歩いていけばいいんじゃないんですか?」
怜那が即座に、
「そこまでの妖力を持った竜神はさすがにいないし」
と言った言葉に被せるように和装のお客さんが、
「近付くと遠距離砲を放つ罠とかもあるから」
と答えて、ショタヌキはいつも通り安定のしゅん……をしたんだけども、氷、と思って私は一個浮かんだので、その作戦を和装のお客さんに伝えると、目を輝かせて、早速今日の夕方に実行することになった。カフェが閉店したところで始めるらしい。
和装のお客さんは一旦店から退店し、また来るという話だ。
その後、私は普通にカフェ&カフェ。
コーヒーをこれでも喰らえするし、冷やしホワイトシチューもこれでも喰らえする。
私の作る、ルーを使わないホワイトシチューはバターを使わない、油分が浮かないホワイトシチューなので、見た目が良いのだ。見た目だけじゃなくてカロリーを減らしたいだけだけども。
実はホワイトシチューなんてバターを使わなくても作れる。牛乳の乳成分だけで充分まろやかになるのだ。米粉でとろみをつけるので、グルテンフリーだし。まあパン好きだから私はパンを普通に食うけども。
ショタヌキはいつもの表情に戻り、生きているだけで楽しいって感じにレジ前のイスに座っている……ショタヌキ、頑張れ、弾丸役、と心の中で唱えた。
時間になり、店先のボードをカフェの中に取り込んだところで和装のお客さんがやって来た。
和装のお客さんがショタヌキの目を見ながら説得をし始めた。
今回の作戦ではショタヌキが重要なこと、そして説得役もそのままショタヌキが行なわないといけないこと。
ふと、タヌキなら誰でもいいわけだから、あやかしの里から良いタヌキを和装のお客さんが呼べば良かったのにと思ったし、実際そう伝えたが、今現在、動けるタヌキは祥太くらいしかいないという話だった。
実はその大ケガしたタヌキというのがショタヌキの父親で、タヌキ族は脳筋が多いみたいで(そもそもあやかしは脳筋が多いらしい)、我先にと変化して突入して全員ケガしたという話だ。手柄をとりたかったらしい。
結局、今動けるタヌキはショタヌキorショタヌキの母親、とある地で隔離されているショタヌキの母親かショタヌキか。隔離って幽閉かよ。
隔離には誰も頼みたくなくてショタヌキしかいないという話だった。
急に聞かされたショタヌキはまず父親が大ケガということに落ち込み、一気に青ざめていた。
何か、ショタヌキが可哀想になってきたので、この作戦はナシにと言おうとしたその時だった。
「でも、僕、やるよ……」
と渋々というよりは、少し未来を見据えているような表情での発言だった。
自分も誰かのためになれるのなら、そんな意気込みが垣間見えた。
でも正直危険だと思う。私が考えた作戦ながら、その、父親が大ケガという話を聞いてから、私が尻込みしているような気持ち。
私はやっぱりと思って、
「祥太くん、やらなくていいよ。一応偏屈の新展開も無いんでしょ? なら誰かのケガが治ってからいいんじゃない?」
「でもほっておくとどうなるか分からないんでしょ? じゃあ僕やるよ」
「ううん、危険なことになるかもしれない。というかまともに交渉できる? 会話だけで終わるとは限らないんだよ、戦闘することになるかもしれないんだよ」
「じゃあ僕は鬼に変化するよっ」
「勝てるかどうかも分からないよ、そもそも闘ったことないでしょ?」
「でも、僕だって」
「じゃあ戦闘変化の練習をしてからにしようか、今日はもう辞めよう」
すると和装のお客さんが割って入ってきた。
「いや罠を仕掛けているあやかしに戦闘能力は皆無です。いわゆるトラップマニアとして有名だったので」
私は即座に、
「でも自分の周りにも大量の罠を仕掛けているかもしれないじゃん、暗器とか仕込んでいるかもしれないし」
「それはまあそうですけども……」
と圧されているような顔をして、背中を仰け反らした和装のお客さん。
とにかく、
「私は反対です。というか私が作った計画、つまり(C)(まるしー)私なんですから、私に従ってもらいます」
やっぱりここは強気に止めなきゃ。
ショタヌキに何かあってからでは遅い。
すると怜那が俯きながらも、
「うん、これは卯愛さんが正しいと思う」
と”うん、これは”ってウンコじゃん、とつい思ってしまった。私はこういう時でもこう思ってしまうところがある。
吉四六は唸り声をあげながら、
「まーなぁ……祥太も不安だし、俺たちも”打ち上げ”の一発勝負がうまくいくかも分かんないしなぁ」
和装のお客さんは、でも、って顔をしてから、
「ずっと何事も無いなんてありえないです! 絶対早く手を打ったほうがいいんです!」
と声を荒らげたんだけども、こっちだって負けずに、
「でも私には関係無い。私はカフェの店主だから」
と矢継ぎ早に言って、和装のお客さんを制そうと思ったんだけども、ショタヌキが、
「関係ある。僕はあやかしだから。それにもしかしたら人間界に攻めてくる場合もある。だから向こうの準備が整う前に僕がやるんだ」
ショタヌキは別にバカじゃない。
それは一緒に野田ゲーmakerを作っている時に分かった。
さすがに新しいシステムを構築する時は私に分があるけども、こうすればこうなるかもしれない、という修正の部分では割と悪くない。
ショタヌキなりに考えて、いや”なりに”なんて言い方は傲慢で失礼だ。
「本当に勝算があるんだろうね」
と私はショタヌキを睨むようにそう言うと、ショタヌキはコクンと頷いた。
これで怖気づかないのなら本気、そう私は感じて、
「じゃあやってみるかぁ」
とできるだけシリアスにならないように声をあげた。
別にシリアスなんだからシリアスでもいいんだけども、あんま重過ぎてもベストコンディションにならないだろうし。
というかどうせショタヌキはどっちにしろバキバキにキマっちゃってる。こりゃもうかかりまくって、こっちをどうにかすることは無理だ。
だからむしろ私の台詞は怜那と吉四六にきかせないといけない。
怜那は不安の面持ちを隠そうとしないし、吉四六も明らかに顔が引きつっている。
相手のあやかしがいるポイントは幾度もあった失敗により、大体確認ができているらしい。
まあ今もそこにいるかどうかは分からないのだが、そこはもう賭けるしかないという話だ。
できるだけその森の近くまで移動した。森は裏山ではなくて、裏山から東方向にズレた場所にある。
ショタヌキは砲丸のようなモノに変化して、もう待機している。
怜那が氷のレールを作る。このスキーのジャンプ台のようになっている氷のレールの上を砲丸が走り、空へ飛び出すという算段だ。
最初の勢いをつけるところは、吉四六の風で行ない、方向もそれで微調整する。
ちなみに氷のレールだけだと滑りづらいので、走らせる直前に熱湯で氷を溶かして、滑りやすくする予定だ。
氷のレールを完成させた怜那は何かを一瞬言おうと思ったけども、すぐに口をつぐんだ。
怜那が作っている間、吉四六は精神統一をしていて、目を開けた時には真剣な男の表情になっていた。
和装のお客さんがショタヌキの砲丸を持ってしゃんなりとジャンプして、ジャンプ台の上に乗り、怜那が氷のレールの上を熱湯で少し溶かしたところで、滑走スタートとなった。
音はあまり無かった。それは摩擦が少なくて良い証拠だ。
シューッと滑走していき、上空に解き放たれたショタヌキの砲丸。
それを吉四六と和装のお客さんの風で方向を微調整しながら、さらに遠くへ飛ばしていく。
「よしっ! いった!」
と叫んだのは和装のお客さんだった。彼が一番そのポイントを知っている人だから。
あとはショタヌキが説得かバトルをして……説得だけで終わってくれ、と、芯から願った。
そんな私の顔を見て思ったのだろう。吉四六が、
「俺、もう少し手前まで見てきます」
と言ってこっちの返事も聞かずに、森のほうへ走っていった。
怜那もついていこうとすると吉四六が、
「俺だけでいい! 怜那は待ってろ!」
と言って走り出し、和装のお客さんが、
「それならわたしがついていきますよ!」
と言って、吉四六と和装のお客さんで向かっていった。
私と怜那はもう待つしかない。
一緒にカフェへ歩いて戻って、とりあえずコーヒーを入れた。
今日はとてもじゃないけども、これでも喰らえという気持ちにはならず、優しく怜那の前に出すと、怜那が、
「こういう時、無力な自分が好きじゃない」
と呟いて、そんなん、
「適材適所というものがあるんだからいいんだよ、氷の滑走路を作ったのは怜那じゃん。この作戦は怜那抜きじゃできないんだよ」
「だけども」
と力なく言った怜那の気持ちも分かる。
結局私のやっていることは全て思考しかない。
こっちだって何にもできていない。
いやむしろ、ショタヌキに良くない影響を与えているかもしれないとも思っている。
ショタヌキに無駄に責任感・正義感を植え付けてしまったかもしれないと、少し後悔している。
仕事なんてさせずに、家でゴロゴロさせていれば良かったかもしれない。
私と怜那は願うしかなかった。
結論から言うと、成功した。
ショタヌキの説得が功を奏した。
ただし、そのトラップマニアのあやかしはこう語っていたらしい。
「あんなダメタヌキだったけども、ここまできた度胸はあるんだよな。この作戦は人間の作戦? 人間も悪くないかもな」
まず第一にショタヌキが裏ウケしている(表の、本当に好評なウケではなくて、ダメで、滑ってる感じがウケるという意味)。
それが良い方向に転がってしまった、と。
無事、ショタヌキが吉四六と帰ってきた時、私と怜那はマジで泣いて喜んだけども、ずっとショタヌキは反省気味だった。
ちなみに和装のお客さんはそのままトラップマニアのあやかしを拘束しに行ったらしい。罠を全部解除し、降伏したって話。
そして今、家に戻ってきてもまだ反省しているショタヌキなわけなんだけども、そんな自分の思い描いた方法で、なんてどうでも良くて。
「祥太くんが無事で帰ってきたことが一番なんだよ! 大好き!」
とハグすると、
「良かったんだぁ」
と言って急に泣き出して、本当にショタ過ぎて可愛いな、と思った。
・【16 あやかしのタワーディフェンス】
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ちょいと事件が発生し、和装のお客さん(あやかし)が私に相談をし始めた。
「実は最近、あやかしの里・正面玄関で、変な、偏屈なあやかしが生物に反応する罠をいっぱい作って閉じこもってしまい、誰も近付けなくなってしまったんです。だから交渉もできない状態で」
「あやかしの里の正面玄関?」
と私がまず最初に気になったところを聞き返すと、
「はい、メインの出入り口です。一応細い洞窟を抜ける裏口は大丈夫なので、今日もこうやって怜那も吉四六も来れているわけですが」
と和装のお客さんが言ったところで、怜那が、
「マジ最悪。細い洞窟で服汚れるし。最近ダサい服しか着れないし」
そう言えば、最近の怜那は何か安そうな白Tシャツばかりだ。
夏だし汗かくし、どうせ女子の高校生は何していても可愛いからこれでいいや、みたいなことだと思っていた。
吉四六も頷きながら、
「ちょっと、本当に狭いところがある」
と言って、まあその筋肉ならなぁ、とは思った。
和装のお客さんが続ける。
「本当、玄関を囲む形で罠を張って閉じこもっているので、何もできないんです。スマホのようなモノも持っていないみたいで。交渉ができないって、もう終わってますよね?」
「まあ偏屈だねぇ」
と答えておいたんだけども、別に何か、あやかし同士で何かやってくれよと思っていると、急に和装のお客さんが頭をさげて、
「どうか! 良いアイデアありませんか! 卯愛さん!」
と言うと、それに合わせて、怜那も吉四六も頭をさげた。
チラリとショタヌキのほうを見ると、全然気にする様子も無く、ニコニコしながら外のほうを見ている横顔がそこにはあった。
窓のほうを見ると蝶々が飛んでいて、どうやら今はそれを目で追いかけることに夢中らしい。
おいショタヌキ、もうちょい、ちょっと不穏なカフェ店内のことを気に掛けろよ、マジで食い逃げとかに反応できなさそうだな。
せっかくショタヌキの母親直後は良い感じだったのに、また株が下がってきてるぞ。
さて、罠を張っているあやかしかぁ、何か情報が少な過ぎるんだよなぁ、まあ聞くとするか。
「そのあやかしの目的は何なの?」
和装のお客さんが少し悩むような唸り声をあげてから、
「それがまあ、詳しいところは一切分からないんです。犯行声明みたいなものがあるわけではないですし」
「何それ。偏屈の塊じゃん」
偏屈団子(黒光り)かよ。
和装のお客さんは続ける。
「ただそれをやっているあやかしは声で判別できたみたいで、元々の性格的にまあ人間とあやかしが仲良くしていることが許せないみたいな、アンチ人間の連中ですね」
「じゃあさ、あやかしの、何か、術みたいなので突破できないの? 確か上級キツネとかは幻覚を見せることができるんだよね」
すると吉四六が口を挟んできた。
「確かに幻を見せられるんですが、それは匂いと風を操って、それらしく見せるだけで、そこまで広範囲じゃないというか。その玄関の周りにある森全体を罠で掌握していて」
私は頷いてから、怜那のほうを向いて、
「熱湯のレーザービームとかできないの? 上級でも無理?」
怜那はおでこを掻いてから、
「場所をサーチすることはできないし、さすがに上級でもピンポイントで当てることは不可能かなぁ。でも無機物という作戦は悪くないって言ってた」
「じゃあもう上から爆撃すればいいじゃん」
「森にそんな荒っぽいことはできないよ! あやかしに爆撃機とかないし!」
「無いの? 爆発する種とか無いの?」
「あやかしは基本自然と共存だから、そういう危険な技なんてないの!」
そうだったんだ。あやかしって人間共々全部駆逐してやれみたいなことだと思っていたけども、そうじゃないんだ。
だとしたら人間の拳銃とかのほうが怖いのかもな、あやかしにとっては。まあ銃社会じゃないから日本には基本無いけども。
そんな時でもずっと外を見て、イスからさげた足をぶらぶらしているショタヌキ。蝶々もずっと近くを飛んでいるんじゃないんだよ。
そうだ、
「タヌキのあの戦闘変化ってヤツで、がしがし進めばいいんじゃないの?」
すると和装のお客さんが、
「それはもうやってダメで、タヌキ族が結構ケガしちゃって、なんです」
私はあっ、と思ったので、この提案をしてみることにした。
「逆に蝶々とかに変化して、バレないように近付くとかどう?」
「それも撃ち落されて大ケガなんですよ」
大ケガなんて、そんな喧嘩商売みたいな言葉あるんだ。
人間だと思われる常連さんたちも固唾を飲んで、私たちの会話を聞いているようだった。
そんな中、ショタヌキがお腹をちょっと掻いていた。タヌキこの野郎! アホヅラでお腹をちょっと掻くじゃないんだよ! へその周り、ちゃんと洗ってるぅっ?
いやそんなことはいいとして、じゃあ、
「タヌキが弾丸に変化して、飛ばされるってどう?」
和装のお客さんは首を横に振って、
「無機物というアイデアは有効みたいですが、弾丸と言ってもそんな飛行しないんじゃないんですか?」
「いやでも狙撃ライフルとかあるじゃん」
「狙撃ライフルに変化できるタヌキがいませんよ、いたとしてもその狙撃ライフルの銃口と弾丸のサイズの調節が難しいでしょうし、狙撃ライフルの火薬に耐えられる弾丸タヌキなんて多分いません」
なるほど、長ったらしい説明だったが、これは納得。特に狙撃ライフルの火薬に耐えられる弾丸タヌキね。ショタヌキが爆裂する絵が浮かんで、ちょっと可哀想だと思った。
怜那のデカい溜息がカフェ内に響いた、ところで、新規のお客さんが入ってきて、カレーを注文してきた。
こんな時にカレーかよ、と、ちょっとだけ”こんな夜更けにバナナかよ”みたいなテンションで思ってしまった。映画、見ていないけども。
カレーをこれでも喰らえしたところで、私と怜那と吉四六はまたそれぞれの業務に戻り、和装のお客さんはもうチキンライスを食べ切ったのに、コーヒーで粘っている。
これ今日中に答えを出さないとダメなヤツ? というか、私なんかに頼るなよ。ただのカフェの店主だぞ。野田ゲーmakerに勤しむただの人間だぞ。
でも野田ゲーmakerもそうだけども、やっぱりトライ&エラーだし、と思ったところで、ショタヌキが振り返って、
「どうしたんですか?」
今更! と思いつつ、怜那がさっさと近付き、今までのいきさつを説明すると、ショタヌキがうんうん頷いてから、こう言った。
「全部氷漬けにして歩いていけばいいんじゃないんですか?」
怜那が即座に、
「そこまでの妖力を持った竜神はさすがにいないし」
と言った言葉に被せるように和装のお客さんが、
「近付くと遠距離砲を放つ罠とかもあるから」
と答えて、ショタヌキはいつも通り安定のしゅん……をしたんだけども、氷、と思って私は一個浮かんだので、その作戦を和装のお客さんに伝えると、目を輝かせて、早速今日の夕方に実行することになった。カフェが閉店したところで始めるらしい。
和装のお客さんは一旦店から退店し、また来るという話だ。
その後、私は普通にカフェ&カフェ。
コーヒーをこれでも喰らえするし、冷やしホワイトシチューもこれでも喰らえする。
私の作る、ルーを使わないホワイトシチューはバターを使わない、油分が浮かないホワイトシチューなので、見た目が良いのだ。見た目だけじゃなくてカロリーを減らしたいだけだけども。
実はホワイトシチューなんてバターを使わなくても作れる。牛乳の乳成分だけで充分まろやかになるのだ。米粉でとろみをつけるので、グルテンフリーだし。まあパン好きだから私はパンを普通に食うけども。
ショタヌキはいつもの表情に戻り、生きているだけで楽しいって感じにレジ前のイスに座っている……ショタヌキ、頑張れ、弾丸役、と心の中で唱えた。
時間になり、店先のボードをカフェの中に取り込んだところで和装のお客さんがやって来た。
和装のお客さんがショタヌキの目を見ながら説得をし始めた。
今回の作戦ではショタヌキが重要なこと、そして説得役もそのままショタヌキが行なわないといけないこと。
ふと、タヌキなら誰でもいいわけだから、あやかしの里から良いタヌキを和装のお客さんが呼べば良かったのにと思ったし、実際そう伝えたが、今現在、動けるタヌキは祥太くらいしかいないという話だった。
実はその大ケガしたタヌキというのがショタヌキの父親で、タヌキ族は脳筋が多いみたいで(そもそもあやかしは脳筋が多いらしい)、我先にと変化して突入して全員ケガしたという話だ。手柄をとりたかったらしい。
結局、今動けるタヌキはショタヌキorショタヌキの母親、とある地で隔離されているショタヌキの母親かショタヌキか。隔離って幽閉かよ。
隔離には誰も頼みたくなくてショタヌキしかいないという話だった。
急に聞かされたショタヌキはまず父親が大ケガということに落ち込み、一気に青ざめていた。
何か、ショタヌキが可哀想になってきたので、この作戦はナシにと言おうとしたその時だった。
「でも、僕、やるよ……」
と渋々というよりは、少し未来を見据えているような表情での発言だった。
自分も誰かのためになれるのなら、そんな意気込みが垣間見えた。
でも正直危険だと思う。私が考えた作戦ながら、その、父親が大ケガという話を聞いてから、私が尻込みしているような気持ち。
私はやっぱりと思って、
「祥太くん、やらなくていいよ。一応偏屈の新展開も無いんでしょ? なら誰かのケガが治ってからいいんじゃない?」
「でもほっておくとどうなるか分からないんでしょ? じゃあ僕やるよ」
「ううん、危険なことになるかもしれない。というかまともに交渉できる? 会話だけで終わるとは限らないんだよ、戦闘することになるかもしれないんだよ」
「じゃあ僕は鬼に変化するよっ」
「勝てるかどうかも分からないよ、そもそも闘ったことないでしょ?」
「でも、僕だって」
「じゃあ戦闘変化の練習をしてからにしようか、今日はもう辞めよう」
すると和装のお客さんが割って入ってきた。
「いや罠を仕掛けているあやかしに戦闘能力は皆無です。いわゆるトラップマニアとして有名だったので」
私は即座に、
「でも自分の周りにも大量の罠を仕掛けているかもしれないじゃん、暗器とか仕込んでいるかもしれないし」
「それはまあそうですけども……」
と圧されているような顔をして、背中を仰け反らした和装のお客さん。
とにかく、
「私は反対です。というか私が作った計画、つまり(C)(まるしー)私なんですから、私に従ってもらいます」
やっぱりここは強気に止めなきゃ。
ショタヌキに何かあってからでは遅い。
すると怜那が俯きながらも、
「うん、これは卯愛さんが正しいと思う」
と”うん、これは”ってウンコじゃん、とつい思ってしまった。私はこういう時でもこう思ってしまうところがある。
吉四六は唸り声をあげながら、
「まーなぁ……祥太も不安だし、俺たちも”打ち上げ”の一発勝負がうまくいくかも分かんないしなぁ」
和装のお客さんは、でも、って顔をしてから、
「ずっと何事も無いなんてありえないです! 絶対早く手を打ったほうがいいんです!」
と声を荒らげたんだけども、こっちだって負けずに、
「でも私には関係無い。私はカフェの店主だから」
と矢継ぎ早に言って、和装のお客さんを制そうと思ったんだけども、ショタヌキが、
「関係ある。僕はあやかしだから。それにもしかしたら人間界に攻めてくる場合もある。だから向こうの準備が整う前に僕がやるんだ」
ショタヌキは別にバカじゃない。
それは一緒に野田ゲーmakerを作っている時に分かった。
さすがに新しいシステムを構築する時は私に分があるけども、こうすればこうなるかもしれない、という修正の部分では割と悪くない。
ショタヌキなりに考えて、いや”なりに”なんて言い方は傲慢で失礼だ。
「本当に勝算があるんだろうね」
と私はショタヌキを睨むようにそう言うと、ショタヌキはコクンと頷いた。
これで怖気づかないのなら本気、そう私は感じて、
「じゃあやってみるかぁ」
とできるだけシリアスにならないように声をあげた。
別にシリアスなんだからシリアスでもいいんだけども、あんま重過ぎてもベストコンディションにならないだろうし。
というかどうせショタヌキはどっちにしろバキバキにキマっちゃってる。こりゃもうかかりまくって、こっちをどうにかすることは無理だ。
だからむしろ私の台詞は怜那と吉四六にきかせないといけない。
怜那は不安の面持ちを隠そうとしないし、吉四六も明らかに顔が引きつっている。
相手のあやかしがいるポイントは幾度もあった失敗により、大体確認ができているらしい。
まあ今もそこにいるかどうかは分からないのだが、そこはもう賭けるしかないという話だ。
できるだけその森の近くまで移動した。森は裏山ではなくて、裏山から東方向にズレた場所にある。
ショタヌキは砲丸のようなモノに変化して、もう待機している。
怜那が氷のレールを作る。このスキーのジャンプ台のようになっている氷のレールの上を砲丸が走り、空へ飛び出すという算段だ。
最初の勢いをつけるところは、吉四六の風で行ない、方向もそれで微調整する。
ちなみに氷のレールだけだと滑りづらいので、走らせる直前に熱湯で氷を溶かして、滑りやすくする予定だ。
氷のレールを完成させた怜那は何かを一瞬言おうと思ったけども、すぐに口をつぐんだ。
怜那が作っている間、吉四六は精神統一をしていて、目を開けた時には真剣な男の表情になっていた。
和装のお客さんがショタヌキの砲丸を持ってしゃんなりとジャンプして、ジャンプ台の上に乗り、怜那が氷のレールの上を熱湯で少し溶かしたところで、滑走スタートとなった。
音はあまり無かった。それは摩擦が少なくて良い証拠だ。
シューッと滑走していき、上空に解き放たれたショタヌキの砲丸。
それを吉四六と和装のお客さんの風で方向を微調整しながら、さらに遠くへ飛ばしていく。
「よしっ! いった!」
と叫んだのは和装のお客さんだった。彼が一番そのポイントを知っている人だから。
あとはショタヌキが説得かバトルをして……説得だけで終わってくれ、と、芯から願った。
そんな私の顔を見て思ったのだろう。吉四六が、
「俺、もう少し手前まで見てきます」
と言ってこっちの返事も聞かずに、森のほうへ走っていった。
怜那もついていこうとすると吉四六が、
「俺だけでいい! 怜那は待ってろ!」
と言って走り出し、和装のお客さんが、
「それならわたしがついていきますよ!」
と言って、吉四六と和装のお客さんで向かっていった。
私と怜那はもう待つしかない。
一緒にカフェへ歩いて戻って、とりあえずコーヒーを入れた。
今日はとてもじゃないけども、これでも喰らえという気持ちにはならず、優しく怜那の前に出すと、怜那が、
「こういう時、無力な自分が好きじゃない」
と呟いて、そんなん、
「適材適所というものがあるんだからいいんだよ、氷の滑走路を作ったのは怜那じゃん。この作戦は怜那抜きじゃできないんだよ」
「だけども」
と力なく言った怜那の気持ちも分かる。
結局私のやっていることは全て思考しかない。
こっちだって何にもできていない。
いやむしろ、ショタヌキに良くない影響を与えているかもしれないとも思っている。
ショタヌキに無駄に責任感・正義感を植え付けてしまったかもしれないと、少し後悔している。
仕事なんてさせずに、家でゴロゴロさせていれば良かったかもしれない。
私と怜那は願うしかなかった。
結論から言うと、成功した。
ショタヌキの説得が功を奏した。
ただし、そのトラップマニアのあやかしはこう語っていたらしい。
「あんなダメタヌキだったけども、ここまできた度胸はあるんだよな。この作戦は人間の作戦? 人間も悪くないかもな」
まず第一にショタヌキが裏ウケしている(表の、本当に好評なウケではなくて、ダメで、滑ってる感じがウケるという意味)。
それが良い方向に転がってしまった、と。
無事、ショタヌキが吉四六と帰ってきた時、私と怜那はマジで泣いて喜んだけども、ずっとショタヌキは反省気味だった。
ちなみに和装のお客さんはそのままトラップマニアのあやかしを拘束しに行ったらしい。罠を全部解除し、降伏したって話。
そして今、家に戻ってきてもまだ反省しているショタヌキなわけなんだけども、そんな自分の思い描いた方法で、なんてどうでも良くて。
「祥太くんが無事で帰ってきたことが一番なんだよ! 大好き!」
とハグすると、
「良かったんだぁ」
と言って急に泣き出して、本当にショタ過ぎて可愛いな、と思った。
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