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【適正】
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・【適正】
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「じゃあ村の中を紹介していくね!」
僕はナッツさんと一緒にまた家の外に出た。
すると、最初に目に入ったのが、魔法を使っている人だった。
杖の先端から大きな雪の結晶のようなモノを出している男性。
僕はナッツさんに聞くことにした。
「あれって、もしかすると、魔法、ですか……?」
「そうそう! 魔法! タケルが元いた世界にもあったっ?」
「いや、無いですけども、そういった概念は、聞いたこと、あります」
「えっとじゃあねぇ、あれはまあまさしく魔法で、私も使えるんだよ!」
そう言って僕のほうへ自信ありげなピースサインをしたナッツさん。
どんな魔法を使えるかどうかも気になるけども、まず、
「あの、あの人は何をしているんですかね……」
「それより私! 私! 私の魔法を聞いて!」
駄々っ子のように体をぶるぶる震わせているナッツさん。
いやでもそうか、ナッツさんのことから聞くべきだった。
どうも僕はこういう言葉の采配が苦手で、本当お笑い番組の司会者なんて夢のまた夢だなぁ……。
「えっと、じゃあ、ナッツさんの魔法って、どんな魔法なの……?」
「私はね! 風の魔法で早く動けるようになったり、風を飛ばしたりできるんだよぉっ!」
そう言って人差し指を立てて、天にかざすと、ナッツさんの周りに風が吹き出した。
「ほら! こうすると! 涼しいの!」
そう言ってこっちをニッコリと見たナッツさん。
いや
「すごいね、ナッツさんは……本当に涼しいし、そもそも、魔法を使えることがすごいよ……」
「まあねぇ、魔法って感覚的な部分が大きいから使えない人もいるからねぇ、得手不得手を自分で知る方法も少ないしぃ!」
「じゃあナッツさんは自分で、魔法の研究を、したんだ、すごい……」
「……まあ私の場合は両親が魔法の研究家だったからすぐに特性が分かったんだけどねぇ!」
と言って照れ笑いを浮かべたナッツさん。
そんなパターンもあるんだ。
じゃあ
「この村の人はみんな、ナッツさんの両親のおかげで、魔法の適性が、分かるんだねっ」
「……ううん! 家族だけにしか適正測るヤツしなかったから私だけだよ!」
「えっ? そこは助け合いじゃないのっ?」
と僕が驚くと、それ以上にナッツさんが驚愕して、
「助け合い……なんて発想……無かったかも……確かに……そうするといいよね……そうするといいよね!」
い、いや、でも、
「ナッツさんは僕のこと、助けてくれたじゃないか……助け合いって発想は、あるじゃないか……」
「あぁー、確かに私は困っている人を助けて、友達になりたいからやるけども、元々友達だったりしたらそんなにしないかもなぁ……」
そう言って俯いて、何かを頭の中で咀嚼しているようなナッツさん。
そしてナッツさんは少し悩みながら、
「いやそりゃ助けてほしいと言っていたら助けるけども、元々村の人同士って知っていたら……タケルの時みたいな危機的状況でもなければ……う~ん……」
何だかナッツさんは困っているようにも感じた。
でも、ここは思い切って、思っていることを言ってみることにした。
ナッツさんだから、きっと大丈夫だと信じて。
「あの、ナッツさん……魔法の適正って分かったほうがみんな魔法を使って助け合えるから、簡単な方法であれば適性を調べたほうがいいと思うんだ……」
ナッツさんは僕の言葉にさらにうんうん唸ってしまった。
僕的には正論のつもりだったけども、困らせてしまったのならば、やっぱり適正なんて調べなくていいと言い直そうとしたその時、
「確かにそうだよね! うん! 魔法を使えない人がいたら私! その適正調べる方法を使ってあげようと思う!」
と拳に力を込めてそう宣言したので、僕はホッとした。
そしてナッツさんは続けて、
「というかタケルの適性も調べるよ! ほらほら! 一旦家に戻ろう!」
そう言って僕の腕をまた引っ張って家に戻り、中へ入って僕はまたイスに座ることを促された。
ナッツさんはすぐに適性を調べる方法をやりたそうだったけども、僕はもう一度、気になっていたことを言ってみた。
「あの、雪の結晶みたいなのを出してた男性って、何をしていたの? 近くに食べ物があって、腐らないようにしていたの?」
「あぁ、あの人ね、あの人はきっと涼んでいただけだと思うよ、熱い熱い熱湯でね!」
「いや、雪の結晶、でしょっ……」
「そうそう! 雪の結晶で涼んでいたの! いっつも毎日そうしているよ! 朝から晩まであの人!」
と言いながらナッツさんは部屋の奥に消えていった。
朝から晩までってヒマだなぁ、あの人、と思った。
その時、ふと、僕はナッツさんの家に着くまでの村の様子を思い出していた。
それは働いている人と働いていない人の差だった。
何もせずダラダラしている人と、僕は嫌なことを言われたけども建物を建てている人や、宿屋で働いている人、その差がなんとなく激しいような気がした。
もし何もせずにダラダラしている人も働いたら、もっと発展するかも、とか考えた。
そんなことを考えていると、ナッツさんが水晶玉にコードでヘッドフォンが繋がれているようなモノを持ってきて、テーブルに置いた。
「タケル! この部分を頭に装着してみて!」
ナッツさんはヘッドフォンっぽい部分を僕に手渡ししてきたので、僕は言われるがままに装着した。
「そのまま5分くらいしてたら、この水晶にじんわり適性が浮かんでくるの!」
「そ、そんな簡単に?」
「そう! 簡単でしょ!」
自信満々に笑ったナッツさん。
いやでも
「それなら、もっと、みんなに開放するべきだと、思うよ」
「そうだよねぇ! 言われればそうだよねぇ! でも気付かなかった! ありがとう! 本当にタケルは頭が良いね!」
「いやそんなこと無いけども、その、ありがとう……」
そして5分後、水晶玉にある絵が浮かび上がった。
それはハートマークで、真ん中に線が入っていて、片方が赤く、片方が青く光っていた。
ナッツさんは首を傾げながら、こう言った。
「う~ん! 何だろう! これは! 全く分からないね!」
僕も考えながら、
「でもハートマークだから心臓……? それとも心……? 心……」
と強く心と思ったその時だった。
急にナッツさんの胸の中心が青く見え、大きく叫んでしまった。
「わっ!」
するとナッツさんの胸の中心はもっと青く淀んだ色になったので、さらに僕は血の気が引いていると、
「ど! どうしたの! タケル! 大丈夫っ? もしかすると病気っ? タケルが病気になっちゃったのっ?」
「い、いや……むしろナッツさんの、胸の中心が、青くくすんで……」
と言いながら指を差すと、ナッツさんは自分の胸のあたりを触りながら、
「いや! 何にもなっていないよ! 私は! えっ? どうしたのっ? 本当にどうしたの!」
と叫んだ。
ナッツさんの胸の中心はもう黒色に近くなっていた。
その時、僕はあることに気付いた。
それはナッツさんが動揺すればするほどに、くすんだ色になっていっていることだった。
もしかすると、
「人が動揺しているかどうか分かる、魔法……?」
と言った瞬間、ピーンと何かが浮かんだような表情をしたナッツさん、それと同時に胸の中心が一気に太陽のように明るく光った。
「そう! ハートマークってそう言えば、心の中が分かるみたいな魔法だった! あんまり無い魔法だから忘れてた!」
「うん、今、ナッツさんが分かったから、胸の中心の色が、綺麗な色に、なったよ」
「じゃあ正解だ! ……でも、あんまり使える能力ではないね……」
そう言ってションボリしたナッツさん。
確かに人が動揺しているかどうか見るだけの魔法って、何か微妙だ。
いやでも
「使える魔法が分かっただけども、本当にすごいと思う。ありがとう、ナッツさん」
僕がそう言うと、ナッツさんはうんうん頷きながら、
「確かにどんな魔法かどうか分かるだけでも違うもんねぇ! よしっ! じゃあ分かったところで、今度こそ村の中を案内するね!」
そう言って、一旦適性を調べる道具は片付けて、また一緒に家の外へ出た。
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「じゃあ村の中を紹介していくね!」
僕はナッツさんと一緒にまた家の外に出た。
すると、最初に目に入ったのが、魔法を使っている人だった。
杖の先端から大きな雪の結晶のようなモノを出している男性。
僕はナッツさんに聞くことにした。
「あれって、もしかすると、魔法、ですか……?」
「そうそう! 魔法! タケルが元いた世界にもあったっ?」
「いや、無いですけども、そういった概念は、聞いたこと、あります」
「えっとじゃあねぇ、あれはまあまさしく魔法で、私も使えるんだよ!」
そう言って僕のほうへ自信ありげなピースサインをしたナッツさん。
どんな魔法を使えるかどうかも気になるけども、まず、
「あの、あの人は何をしているんですかね……」
「それより私! 私! 私の魔法を聞いて!」
駄々っ子のように体をぶるぶる震わせているナッツさん。
いやでもそうか、ナッツさんのことから聞くべきだった。
どうも僕はこういう言葉の采配が苦手で、本当お笑い番組の司会者なんて夢のまた夢だなぁ……。
「えっと、じゃあ、ナッツさんの魔法って、どんな魔法なの……?」
「私はね! 風の魔法で早く動けるようになったり、風を飛ばしたりできるんだよぉっ!」
そう言って人差し指を立てて、天にかざすと、ナッツさんの周りに風が吹き出した。
「ほら! こうすると! 涼しいの!」
そう言ってこっちをニッコリと見たナッツさん。
いや
「すごいね、ナッツさんは……本当に涼しいし、そもそも、魔法を使えることがすごいよ……」
「まあねぇ、魔法って感覚的な部分が大きいから使えない人もいるからねぇ、得手不得手を自分で知る方法も少ないしぃ!」
「じゃあナッツさんは自分で、魔法の研究を、したんだ、すごい……」
「……まあ私の場合は両親が魔法の研究家だったからすぐに特性が分かったんだけどねぇ!」
と言って照れ笑いを浮かべたナッツさん。
そんなパターンもあるんだ。
じゃあ
「この村の人はみんな、ナッツさんの両親のおかげで、魔法の適性が、分かるんだねっ」
「……ううん! 家族だけにしか適正測るヤツしなかったから私だけだよ!」
「えっ? そこは助け合いじゃないのっ?」
と僕が驚くと、それ以上にナッツさんが驚愕して、
「助け合い……なんて発想……無かったかも……確かに……そうするといいよね……そうするといいよね!」
い、いや、でも、
「ナッツさんは僕のこと、助けてくれたじゃないか……助け合いって発想は、あるじゃないか……」
「あぁー、確かに私は困っている人を助けて、友達になりたいからやるけども、元々友達だったりしたらそんなにしないかもなぁ……」
そう言って俯いて、何かを頭の中で咀嚼しているようなナッツさん。
そしてナッツさんは少し悩みながら、
「いやそりゃ助けてほしいと言っていたら助けるけども、元々村の人同士って知っていたら……タケルの時みたいな危機的状況でもなければ……う~ん……」
何だかナッツさんは困っているようにも感じた。
でも、ここは思い切って、思っていることを言ってみることにした。
ナッツさんだから、きっと大丈夫だと信じて。
「あの、ナッツさん……魔法の適正って分かったほうがみんな魔法を使って助け合えるから、簡単な方法であれば適性を調べたほうがいいと思うんだ……」
ナッツさんは僕の言葉にさらにうんうん唸ってしまった。
僕的には正論のつもりだったけども、困らせてしまったのならば、やっぱり適正なんて調べなくていいと言い直そうとしたその時、
「確かにそうだよね! うん! 魔法を使えない人がいたら私! その適正調べる方法を使ってあげようと思う!」
と拳に力を込めてそう宣言したので、僕はホッとした。
そしてナッツさんは続けて、
「というかタケルの適性も調べるよ! ほらほら! 一旦家に戻ろう!」
そう言って僕の腕をまた引っ張って家に戻り、中へ入って僕はまたイスに座ることを促された。
ナッツさんはすぐに適性を調べる方法をやりたそうだったけども、僕はもう一度、気になっていたことを言ってみた。
「あの、雪の結晶みたいなのを出してた男性って、何をしていたの? 近くに食べ物があって、腐らないようにしていたの?」
「あぁ、あの人ね、あの人はきっと涼んでいただけだと思うよ、熱い熱い熱湯でね!」
「いや、雪の結晶、でしょっ……」
「そうそう! 雪の結晶で涼んでいたの! いっつも毎日そうしているよ! 朝から晩まであの人!」
と言いながらナッツさんは部屋の奥に消えていった。
朝から晩までってヒマだなぁ、あの人、と思った。
その時、ふと、僕はナッツさんの家に着くまでの村の様子を思い出していた。
それは働いている人と働いていない人の差だった。
何もせずダラダラしている人と、僕は嫌なことを言われたけども建物を建てている人や、宿屋で働いている人、その差がなんとなく激しいような気がした。
もし何もせずにダラダラしている人も働いたら、もっと発展するかも、とか考えた。
そんなことを考えていると、ナッツさんが水晶玉にコードでヘッドフォンが繋がれているようなモノを持ってきて、テーブルに置いた。
「タケル! この部分を頭に装着してみて!」
ナッツさんはヘッドフォンっぽい部分を僕に手渡ししてきたので、僕は言われるがままに装着した。
「そのまま5分くらいしてたら、この水晶にじんわり適性が浮かんでくるの!」
「そ、そんな簡単に?」
「そう! 簡単でしょ!」
自信満々に笑ったナッツさん。
いやでも
「それなら、もっと、みんなに開放するべきだと、思うよ」
「そうだよねぇ! 言われればそうだよねぇ! でも気付かなかった! ありがとう! 本当にタケルは頭が良いね!」
「いやそんなこと無いけども、その、ありがとう……」
そして5分後、水晶玉にある絵が浮かび上がった。
それはハートマークで、真ん中に線が入っていて、片方が赤く、片方が青く光っていた。
ナッツさんは首を傾げながら、こう言った。
「う~ん! 何だろう! これは! 全く分からないね!」
僕も考えながら、
「でもハートマークだから心臓……? それとも心……? 心……」
と強く心と思ったその時だった。
急にナッツさんの胸の中心が青く見え、大きく叫んでしまった。
「わっ!」
するとナッツさんの胸の中心はもっと青く淀んだ色になったので、さらに僕は血の気が引いていると、
「ど! どうしたの! タケル! 大丈夫っ? もしかすると病気っ? タケルが病気になっちゃったのっ?」
「い、いや……むしろナッツさんの、胸の中心が、青くくすんで……」
と言いながら指を差すと、ナッツさんは自分の胸のあたりを触りながら、
「いや! 何にもなっていないよ! 私は! えっ? どうしたのっ? 本当にどうしたの!」
と叫んだ。
ナッツさんの胸の中心はもう黒色に近くなっていた。
その時、僕はあることに気付いた。
それはナッツさんが動揺すればするほどに、くすんだ色になっていっていることだった。
もしかすると、
「人が動揺しているかどうか分かる、魔法……?」
と言った瞬間、ピーンと何かが浮かんだような表情をしたナッツさん、それと同時に胸の中心が一気に太陽のように明るく光った。
「そう! ハートマークってそう言えば、心の中が分かるみたいな魔法だった! あんまり無い魔法だから忘れてた!」
「うん、今、ナッツさんが分かったから、胸の中心の色が、綺麗な色に、なったよ」
「じゃあ正解だ! ……でも、あんまり使える能力ではないね……」
そう言ってションボリしたナッツさん。
確かに人が動揺しているかどうか見るだけの魔法って、何か微妙だ。
いやでも
「使える魔法が分かっただけども、本当にすごいと思う。ありがとう、ナッツさん」
僕がそう言うと、ナッツさんはうんうん頷きながら、
「確かにどんな魔法かどうか分かるだけでも違うもんねぇ! よしっ! じゃあ分かったところで、今度こそ村の中を案内するね!」
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