私の国宝と巡る二十五日間の旅

青西瓜

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【02 京都府宇治市木幡】

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・【02 京都府宇治市木幡】


 最寄りの駅から新潟駅に行って、新潟駅から新幹線に乗って、東京駅まで行くことに。
 私とヨータが隣同士の指定席に座ったところで、
「何か新幹線ってワクワクするね! 修学旅行以来だ!」
「僕、行ってないけども……」
 と俯いたヨータに、ワッ! 私やっちゃってる! と思い、焦りながら、
「大丈夫! それは大丈夫!」
 と声を上げると、ヨータが冷静に、
「自分に言い聞かせてるだけじゃん、自分の失敗を肯定してるだけじゃん」
「そんなわけでは! ヨータも大丈夫! こっからが勝負だから!」
「勝負なんて終わってるよ、だって僕、高校にも行っていないし」
「まだ高一だから! 夏休みの旅行終わったテンションでそのまま登校しよう!」
「いや二泊三日の旅行の勢いなんて、来週には無くなってるでしょ」
「いや! 勢いを保たせる!」
「何それ、夏休み中、僕を連れ回す気?」
「まあそういうことなんだけども」
 するとヨータは吹き出してから、
「何で、そんな僕に構うのっ」
 と言ったので私は当たり前じゃんと思いながら、
「そりゃヨータが最初の友達だからだよ」
「もう友達いっぱいいるでしょ」
「いるけども、私はヨータにビビッときたよ!」
「そんな恋愛みたいに言われてもっ」
 とヨータが笑ったところで、私は思い切りツッコむように、
「ビビッとビビットカラーのように!」
 と言うと、ヨータが、
「こんなしょうもない返しがあるなんて」
 と絶句するように言った。まあ冗談絶句だって分かるけどね。
 というか夢のようだ。またヨータとこうやってどうでもいい会話ができるなんて。あのウンコ漏らし事件までずっと一緒だったのに、あれ以来全然会話もできなくて。
 ホントLINEの定期便だけ。それじゃ嫌なんだ。私はヨータと一緒にいっぱい遊びたいんだ。だからこの計画を立てた。
 何でヨータとこんなに遊びたいのかは多分やっぱり一番最初の友達で、今も近くにいるからだと思う。
 やっぱり友達が近くにいるなら、いっぱい遊びたいからね!
 ……何かちょっと自分の中でも、何でこんなにヨータに執着しちゃうんだろうと思ってしまうところもあるけども、そりゃまあ幼馴染だし。
 幼馴染の近況を気にするって別に普通だよね、何の他意もタイ人も無いよね(ベトナム人は社会主義国家出身)。
 まあ他愛も無い会話をしながら、東京駅へ着き、すぐに乗り換えて、京都駅へ向かった。
 京都駅に着いたら、奈良線に乗り換え、あとは最寄りの木幡駅までスンスンスンだ(進みながら匂いを嗅ぐ行為)。
 車窓は変わるけども、同じ日本だからたいした変化は無い。
 ヨータも特に緊張する様子も無く、木幡駅に着いたので、一緒に民宿へ向かって歩き出した。
 私とヨータは並んで歩いていると、ヨータが私のほうを見ながら、
「何か、勝手にビジネスホテルだと思ったんだけども、民宿なんだね」
 と言ってきたので”そろそろ言ってもいいかな”と思ったところで、もう民宿に着いた。
「ここ、私の親戚がやっている民宿なんだ」
 と、とりあえずまだ”隠して”答えると、
「なるほど、そういうことね」
 と納得したように頷いたヨータ。
 まあ、それだけじゃないんだけどもね、って、うん、いつ言おう。
 民宿の扉をガラガラと開けると、受付のところに親戚ではない男性が座っていた。従業員かな?
 その男性はフランクに、かつ、明るい笑顔で、
「おっ、夏休みやねんな!」
 と言ってきたので、私はまず、
「紫雲ゆにです。木瀬夫妻の親戚です」
 と答えると、その男性は大きく手を叩きながら、
「OK! そういうことやな! 藤介さん! 来よったでぇー!」
 ドデカい声で、場からは離れず、そう声を上げた受付の男性。
 こてこての関西弁? でもどこかイントネーションに違和感がある。
 関西弁はテレビ以外で聞いたことはないんだけども、めちゃくちゃ下手な印象を受ける。
 すると、奥から女性の声がしてきたけども、全然それも(木瀬)鶴子お姉さんじゃなくて、もっと若い声だ。
「うっさい! 動け! こんな時間にはまだ普通の客は来ない!」
 キツイ声と違わぬ、キツイ目つきをした長身の女性が目の前に現れた。
 スペイン系のハーフ(今の時代、ダブルという言い方をする時もあるよね)って感じがする。
 その女性は私を見るなり、
「あっ! もしかするとゆにって子っ? で! 隣が友達の……いや! 男の子かい! 男女二人旅ぃっ?」
 ヨータは俯きがちに頷いた。どうやら人見知りが発動しているみたいだ。
 そう言えば従業員が二人いると聞いていたけども、この二人がそうみたいだ。
 じゃあ私はまず自己紹介しなきゃと思って、
「私は紫雲ゆにです。で、こっちが友達の河野葉太です」
 と言うと、すぐさまそのダブルの女性はおでこに手を当てながら、
「OH! 自己紹介は自分でしなさい! 男の子でしょ!」
 すると受付の男性が、
「いやゆにちゃんが流れで言うもんは普通やし、ウェイラのツッコミも早いねん! ちょっと待ってみて、自分で言わなかったらそのツッコミや!」
 とツッコむように言うと、ウェイラと呼ばれていたダブルの女性が、
「OH! 鱗マンに正論言われるなんて!」
 ……鱗マン? と思っていると、矢継ぎ早に鱗マンと言われた受付の男性が、
「セイロンティー」
 とドヤ顔で言って、ウェイラと呼ばれていたダブルの女性はデカい声で、
「カス!」
 と叫んで、こっちのウェイラと呼ばれていたダブルの女性、口が悪いな、とは思った。
 さて、そろそろ、と思いながら私は肘でヨータを突いていると、ウェイラと呼ばれていたダブルの女性が、
「OH! ほら言わない! アタシのツッコミ正しかったし!」
 すると鱗マンと呼ばれていた受付の男性が、
「委縮するに決まっとるやろ! ただでさえ怖い怖い見た目しとるんやから!」
 即座にウェイラと呼ばれていたダブルの女性……というか多分ウェイラさんが、
「OH! 何も怖くないし! スパニッシュでは当然の恰好! さらに日本に合わせてタトゥーもシール!」
 それに対して鱗マンと呼ばれていた受付の男性……というか鱗マン? まあもういいや、多分鱗マンさんが、
「何がスパニッシュでは当然やねん、ずっと日本におって、OHしか外国の言葉喋れんくせに。そもそもOHってアメリカやらかな、スペインちゃうからな」
「鱗マンだってエセ関西弁じゃん! 小五から引っ越してきて無理やり覚えたって言っていたし!」
「ちょい! 初顔にエセ関西弁ってバラすなや! こっから大阪のええ兄ちゃんとしてやってく予定やったのに!」
「OH! 何がええ兄ちゃんだし! アタシのことスケベな顔して見てくるアホ大学生だし!」
「全然スケベちゃうわ! というかキャミソール着て従業員やってる大学生のほうがアホやろ! 肌出し過ぎやねん!」
「OH! 鱗マンのために肌出してるわけじゃないし! キモ!」
「ハッキリ初顔の前でキモイって言うたらアカぁぁあああああああああああああああン!」
 と受付の鱗マンが受付の部屋から出てきて、そう声を荒らげた。
 ずっと受付のイスに座っていたから分からなかったけども、ちゃんと立つとかなりデカい、190センチ近くあるかも。
 ウェイラさんも170センチ後半はありそうな、モデル体型。しかもなんというか、女性の私からも目のやり場に困るくらいのスタイルをしている。
 対する鱗マンさんは半袖短パンで服からはみ出た体は細身ながらムキムキで、それはそれでモデルみたいだ。モデル以外の例えは存在しない。
 私は165センチで女子の割にはデカいほうだけども、全然小さい感じで、ヨータに至っては私より身長の低い160センチくらいなので、男子としては完全に小さい。
 こんな巨人ばっかりの民宿ってありえるの? と思っていると、鶴子お姉さんが顔を出した。
「ちょっとぉ、私の親戚の前でアホ丸出しの会話してないでよぉ」
 チラリとヨータのほうを見ると、明らかに驚いていた。
 そりゃそうだ、鶴子お姉さんは身長が180センチあるのだ。元バレーボールの選手だ。
 新潟で生まれ育ち、大阪のチームに入団して、そのまま大阪に住み、今はここで民宿を営んでいる。
 未だに筋肉質で細身というイケてる親戚のお姉さんだ(おばさんって言うと、めちゃくちゃ怒る)。
 鱗マンさんはビシッと背筋を伸ばした姿勢になり、
「はい! アホな会話してスマンかったわ!」
 と言い、ウェイラさんのほうは気だるそうに、ちょっと猫背になりながら、
「鱗マンが悪かったしぃ」
 と不満そうな顔でそう言った。
 鶴子お姉さんは手を叩きながら、
「はいはいぃ、鱗マンもウェイラも両方悪かったですぅ」
 と言って、鱗マンという呼び名はもう確定なんだ、と思った。
 さて、これからどうなるかな、と思っていると、鶴子お姉さんが大きめに一回手を叩いてから、
「じゃあぁ! みんな自己紹介! あ! 藤介! 藤介も来なさい!」
 藤介おじさんも民宿の中にいたんだ、と思っていると(でもそう言えば、受付の鱗マンさんは最初に藤介おじさんを呼んでいたからいて当然か)、
「どうもどうもー、ゆにちゃん久しぶりだねー」
 藤介おじさんがやって来て、玄関内の一番前に立ったんだけども、うん、これは、もう、身長の格差がえげつない……。
 藤介おじさんはもう普通のおじさん、よりはまあ身長が低くて155センチしかないらしい、しかもガリガリだ、食べても太らない体質で、半袖長ズボンから見える肌はとても白い、これも体質らしい。
 まあ自己紹介と言っていたし、ここはなんというか、またウェイラさんからいろいろ言われるのも嫌なので、
「じゃあヨータから軽く自己紹介しちゃって!」
 と私が名指ししながら、ヨータの腕をトントン叩くと、ヨータは俯きがちに、
「あのっ、僕は河野葉太と言います……」
 とちょっと目を泳がせながらそう言った。
 まあ分かる、何で従業員全員に挨拶しないといけないのかって思うよね、そうだね、もう”言っておくべき”だったね。
 すると即座にウェイラさんが声を上げた。
「OH! そんな元気の無さでホントに民宿の仕事できるのっ?」
 あっ、言った……と共に、ヨータが完全に挙動不審で、首までキョロキョロさせている。
 そのヨータの挙動を見た鶴子お姉さんがこう言った。
「ゆにちゃん、もしかすると言ってないのぉ?」
 私は満面の笑みで答えることにした。
「はい! 住み込みで働くことは一切秘密にしていました! 言ったらさすがに来ない可能性があったので!」
 すると矢継ぎ早にウェイラさんが、
「OH! 強引だし! じゃあ働く決意はまだってことっ? アタシ真実しか言わないけど、イヤイヤ働くのは面倒だよっ?」
 鱗マンさんはハハッと掠れ笑いをしてから、首を斜めにしながら、
「いやぁー、ゆにちゃんでいい?」
 私が頷くと、
「ゆにちゃん、それはちょっとアカンで、新潟からやろ? んで働くこと言わず連れてくるってほぼ誘拐やん、ということはもしかしたらヨータくん、ヨータくんでええよな、ヨータくんは三泊四日くらいに思っとるんちゃう?」
 するとヨータが声を振り絞るように、
「二泊、三日って、聞いて、ました……でも……住み込みって……」
 と言って、鱗マンさんが後ろ頭を掻きながら、
「おぉ、でもゆにちゃんが言うた住み込みで意味理解できとるやん、勘ええ子なら大丈夫ちゃう?」
 ウェイラさんは嫌そうな顔をしながら、
「そんな勘が必要な仕事じゃないし! むしろちゃんと仕事を覚えられるかどうかだし!」
 私は軽く挙手しながら、
「それは大丈夫です! ヨータは頭が良いんで!」
 と言うと、鱗マンさんは、
「じゃあええんちゃう? ……いやアカンわ! ヨータくんの意志がないがしろやん!」
 するとウェイラさんが、
「でもまあ可愛い女子と一緒に旅行ならどんな男子でもいいでしょ、頭良くて勘良いなら仕事もできるし、じゃっ、二十五日間だっけ? よろしくっ。あっ、アタシ、澄田ウェイラ(すみだ・うぇいら)ね、ウェイラお姉さんって呼んで」
 この人もお姉さん派閥なんだと思っていると、鱗マンさんが、
「ほな、鱗マン言うてんのずっと怪しかったやろ、俺は鱗甚哉(うろこ・じんや)。まあ鱗マンと呼ばれてるからそのまま鱗マンでも鱗マンさんでもええで」
 即ウェイラさんが、
「さん付けしてもらおうとすんなし! 鱗マンは鱗マンだし!」
「だからそれはどっちでもええって言うたやん、というか鱗マンでええで、マンにさんは付かんやろ、アンパンマンもさん付けしないわな」
「OH! 自分をアンパンマン・クラスと一緒にするなんて横暴そのものだし!」
「アンパンマンはみんなのアンパンマンだから例として適切やろ!」
 また言い合いが始まりそうになったところで、鶴子お姉さんが、
「はいはいぃ、わたしが木瀬鶴子(きせ・つるこ)。この藤介と夫妻ですぅ。鶴子お姉さんでいいからねぇっ」
 テンポ良く藤介おじさんが、
「ぼくは木瀬藤介(きせ・とうすけ)。鶴子のパートナーですー。藤介さんって言ってくれると一番嬉しいかなー」
 じゃあ一応と思いながら、
「私が紫雲ゆにです! 木瀬夫妻と親戚です! 午前働いて午後から国宝巡りの旅をする! それを二十五日間繰り返す! それが計画だよ! ヨータ!」
 と言っておくと、鱗マンさんがこう言った。
「その言い方、ホンマに今初めて言うたんか、というかヨータくんとゆにちゃんはどういう関係やねん」
 ちょっと私を叱責するように言ってきたので、私は少々困りつつも、あんまりヨータのパーソナルな情報言ってもダメなので、
「えっと、ヨータとは幼馴染の友達で、あんまり出不精だから、夏休みは一緒に旅行行こうかなと思って」
「ちょっと身勝手過ぎるやん、あれやな、俺ええ兄ちゃんやからヨータくん、帰りたかったら俺が金出すで、まあその金は後からゆにちゃんに請求するんやけども」
 私は急な展開にヤバイ! と思った。
 今のヨータならすぐにでも帰ると言い出すかも、そう思ってハラハラしていると、ヨータがさっきよりも俯きがちにこう言った。
「いえ、あの……社会勉強として……その……います……大丈夫です……」
 えぇぇえええええええええええええええええええ!
 そう答えるとは思っていなかった! 嘘! 一緒にいてくれるっ? マジで嬉しい! しかも角の立たない言い方! さすが天才だ! ギフテッド!
 すると鱗マンさんが、
「ならええわ!」
 とニカッと笑ってから、
「というか俺の本心言うと自己紹介したのにすぐ帰るなんて寂しいわ! いてくれて良かったわぁ! 今日から二十五日間よろしくやで!」
 と手を差し出した。
 するとヨータにも見えていたみたいで、そのまま手を握って握手をした。
 握手を終えた鱗マンさんが、
「ほな、ウェイラとも握手しぃや」
 と言いながら今度は鱗マンさんが私に対して手を差し出してきたので、明るい人だなぁ、と思いながら手を伸ばしたその時だった。
「OH! アタシはいいわ! というか高校生でしょっ? 高校生の男子なんて毎日オナニーしてるんだから触りたくないし! だからゆにちゃんも鱗マンの手を触らなくてもいいし! 鱗マンもオナニー三昧だし! アタシ真実しか言わないから、ホントそう!」
 即座に鶴子お姉さんが、
「すぐそういうこと言わないぃ! 握手はじゃあもうしなくていいからまずウェイラは洗濯の取り込み行きなさいぃ!」
 と怒号を飛ばした。
 ウェイラさんは体をビクンと波打たせてから、そそくさと奥のほうへ走っていった。
 藤介おじさんはまあまあといった感じに鶴子お姉さんに手を添えている。
 鶴子お姉さんは息をぜぇぜぇ言いながら、
「あの子ぉ……ホントぉ……辞めさせようかしらぁ……ちょうどぉ……ゆにちゃんもぉ……ヨータくんもぉ……来たしぃ……」
 と小さな声で言っていて、何かめっちゃ怖かった。
 親戚の集まりで鶴子お姉さんがこうなったのは一回だけだからだ(寝起きドッキリと言って映像回して以来)。
 藤介おじさんはちょっと控えめな笑顔で、
「まああのー、ゆにちゃんもヨータくんも夏休み終わったら帰るからー……」
「でもさすがにぃ、今のはダメでしょぉ……バイトすぐクビになる理由分かるわぁ……」
 すると鱗マンさんが、
「でも辞めさせへんやろ、鶴子お姉さんは。同情して雇ってるんやから」
「今回のはマジでビンタ一発ぅ……」
「アカンわ、鶴子お姉さんのビンタはバックアタックやん」
 別にアタックでいいだろ、と思いつつ、あぁそうだと、思って、
「はい! 鱗マンさん! 握手!」
 と言って私が手を差し出すと、鱗マンさんは感動したような顔をしてから、
「うわぁあああ! 天使やん! こんな子を穢せへんわ! 握手せんでよろしいわぁ!」
「いや握手しましょう! これからよろしくお願いします!」
「ヨータくんに嘘ついて連れてきたヤバイ子と思ったらめっちゃええ子やん!」
 私と鱗マンさんが握手を終えると、鱗マンさんが、
「でも人騙すのアカンわ、まだ信じへんことにするわ」
 とちょっと厳しめな顔になってそう言われてしまった。
 鱗マンさん、名前とエセ関西弁と違って、正論過ぎるんだよな、だから良いお兄さんの予感!
 藤介おじさんがちょっと空気を変えるように柏手一発叩いてから、
「じゃー! 業務の説明とかもあるしー! 靴はそこに置いて中に入ってー!」
 と言ったので、靴を脱いで民宿の中に入ることにした。
 その流れで鶴子お姉さんがヨータへ、
「怖い瞬間見せちゃってゴメンねぇ、わたしからもよろしくの挨拶ぅ」
 と言って手をヨータに差し出して、ヨータは握手を一瞬躊躇したんだけども、矢継ぎ早に鶴子お姉さんが、
「あんな未だに思春期爆発女のことは無視してぇ」
 と言ったので、ヨータも安心した表情で握手し、すぐに藤介おじさんとも握手をしていた。
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