シンデレラは落とせない

流風

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王子様の婚約者選びのパーティがあるそうです

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 ある日のこと、いつもの姉達のお下がりの、お世辞にも立派な服とは言えないボロいワンピースを身に纏い、せっせせっせと一通りの家事をこなすシンデレラの耳にきゃあきゃあと姉らの狂喜乱舞する声が入ります。

「今度お城で行われる第三王子様の15歳のお誕生日パーティーで市井からも結婚相手の候補者を募るんですって!12歳~17歳までの独身で婚約者のいない女性は貴族も平民も全員王城へ集合ですって!」

「すごいわ!私たちでも王族になれるかもしれないのね!早速準備しなくっちゃ!」

「身分問わず素晴らしい女性を候補者に……って、それって私の事よね?!」

「鏡見て言いなさいよ!私の事に決まってるでしょ!」

「あんた達、今あるドレスは型落ちだから街まで買いに行くよ。……シンデレラ!なに手を止めてんだい!働きな!誰のおかげで毎日暮らせると思ってんだい!」

 義姉は15歳と17歳。この国での成人年齢は15歳であり、結婚も20歳過ぎると行き遅れと言われてしまいます。姉達は結婚適齢期ではありますが、婚約者はいまだにいません。

「こんなチャンス、そうそう無いわよ!!絶対にモノにするわよ!」

 恋に対し……いや、婚姻に対しアグレッシブな女3人。

(こえーよ)

 そんな3人を見ながらドン引きするシンデレラ。

 優良物件が沢山いる王城へ堂々と行けるこのチャンスを逃すまいと、鼻息荒く騒いでいる女性3人を白けた目でシンデレラは見つめていました。

 それから数日間、継母らはドレスに靴、イヤリングにネックレスを買いに行ったりと忙しくしていました。当然、シンデレラの物は買ってもらえず、あいかわらず家事といつもの意地悪の変わらぬ日々。


 ーーー まぁ、シンデレラは元々パーティの参加資格を持っていませんが。
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