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15.炭焼き夫の追加
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「ユウ、ミカと結婚しない?」
「え、何?いきなり。あ、五人必要だから?」
「うん。ミカも森に住んでるし丁度いいでしょ」
「ベルのオススメなの?私と気が合いそうかな?」
「たぶん。今だって話してるし大丈夫じゃない?ミカもユウと結婚したいって言ってたし」
「へー。まあ、それでいいよ」
そうか。遊びに来てたしな。寂しかったのかもね。寂しいトコに付け込まれるとコロッとね、いっちゃったりするしね。
お話ししちゃった!よし結婚!ってなったのか?
「・・・ユウはいいの?」
「?ベルのオススメなんでしょ。信用するよ」
「うん、じゃあ明日は三人でミカの家に行こうか」
「はーい」
次の日の朝、三人で家を出てミカちゃんちに向かう。ミカちゃんちはもっと斜面を登った所にあった。
ベルがドアをノックすると、勢いよく開いてミカちゃんが焦った顔で出てきた。三人で中に入る。ミカちゃんちは森番の家より狭くて、あちこちに籠が置いてあった。
「ミカ、ユウが求婚を受けるって」
「!!・・・ほ、本当?本当に受けてくれる?」
「うん、受けるよ」
「なんで!?」
「え、まあ、良いかなと思って。断ったほうが良かった?」
「違う!・・・本当に本当に?受けてくれるの?」
「うん」
「・・・嬉しい。俺もユウって呼んで良い?」
「良いよ。私はミカちゃんて呼ぼうかな」
「・・ユウ」
「はい」
嬉しさを抑えきれないような顔をして、恥ずかしそうに目をそらすので、なんかすごく良いことした気分になって、良かったねぇとか思っちゃって、施し気分みたいで居心地が悪くなった。ミカちゃんが嬉しそうなのに、私は居心地が悪いのが申し訳なくて無表情を装う。
「それで、婚姻の儀式なんだけど、そろそろ街に行かなきゃいけないから、その時にする予定なんだ。ミカも一緒に行ける?」
「うん、まだ焼かないから一緒に行くよ」
「じゃあ、三日後に行こうか」
「わかった」
「俺達は見回りに出るから、ユウはミカと二人で話すといいよ。迎えに来るからここで待っててね」
「はーい。行ってらっしゃい」
外に出て二人を見送る。何度も振り返るアルに手を振り続けた。
ミカちゃんと二人か。このソワソワした人と。落ち着け私。いつも通り話をするんだ、そう、何でもない風に話そう。
「ミカちゃんはいつもどんな仕事してるの?」
「俺は炭を焼くんだ。木を切って薪を作って焼く。籠も作ってる」
「炭焼きなんだ。焼いてる間は目が離せないんでしょ?大変だよね。籠も編めるなんて器用なんだねぇ」
「・・籠は簡単だから」
「今日は何するの?」
「何もしなくても、いい」
「お休み?じゃあさ、籠作るの教えてよ。一番簡単なの」
「うん」
ミカちゃんはとても一生懸命教えてくれた。
ミカちゃんは好感が持てる。素直で親切で一生懸命で、いちいち照れるので可愛い。それなのに、この人とも交尾するのかーなんて値踏みしちゃって、なんだか、綺麗な気持ちを汚く踏み荒らしているような、そんな気分になった。
考えをそらしたくて、籠を編みながらミカちゃんのことを聞いた。
「ミカちゃんのことを教えてよ。好きなこととか、なんで求婚したかとかさ」
「え、何?いきなり。あ、五人必要だから?」
「うん。ミカも森に住んでるし丁度いいでしょ」
「ベルのオススメなの?私と気が合いそうかな?」
「たぶん。今だって話してるし大丈夫じゃない?ミカもユウと結婚したいって言ってたし」
「へー。まあ、それでいいよ」
そうか。遊びに来てたしな。寂しかったのかもね。寂しいトコに付け込まれるとコロッとね、いっちゃったりするしね。
お話ししちゃった!よし結婚!ってなったのか?
「・・・ユウはいいの?」
「?ベルのオススメなんでしょ。信用するよ」
「うん、じゃあ明日は三人でミカの家に行こうか」
「はーい」
次の日の朝、三人で家を出てミカちゃんちに向かう。ミカちゃんちはもっと斜面を登った所にあった。
ベルがドアをノックすると、勢いよく開いてミカちゃんが焦った顔で出てきた。三人で中に入る。ミカちゃんちは森番の家より狭くて、あちこちに籠が置いてあった。
「ミカ、ユウが求婚を受けるって」
「!!・・・ほ、本当?本当に受けてくれる?」
「うん、受けるよ」
「なんで!?」
「え、まあ、良いかなと思って。断ったほうが良かった?」
「違う!・・・本当に本当に?受けてくれるの?」
「うん」
「・・・嬉しい。俺もユウって呼んで良い?」
「良いよ。私はミカちゃんて呼ぼうかな」
「・・ユウ」
「はい」
嬉しさを抑えきれないような顔をして、恥ずかしそうに目をそらすので、なんかすごく良いことした気分になって、良かったねぇとか思っちゃって、施し気分みたいで居心地が悪くなった。ミカちゃんが嬉しそうなのに、私は居心地が悪いのが申し訳なくて無表情を装う。
「それで、婚姻の儀式なんだけど、そろそろ街に行かなきゃいけないから、その時にする予定なんだ。ミカも一緒に行ける?」
「うん、まだ焼かないから一緒に行くよ」
「じゃあ、三日後に行こうか」
「わかった」
「俺達は見回りに出るから、ユウはミカと二人で話すといいよ。迎えに来るからここで待っててね」
「はーい。行ってらっしゃい」
外に出て二人を見送る。何度も振り返るアルに手を振り続けた。
ミカちゃんと二人か。このソワソワした人と。落ち着け私。いつも通り話をするんだ、そう、何でもない風に話そう。
「ミカちゃんはいつもどんな仕事してるの?」
「俺は炭を焼くんだ。木を切って薪を作って焼く。籠も作ってる」
「炭焼きなんだ。焼いてる間は目が離せないんでしょ?大変だよね。籠も編めるなんて器用なんだねぇ」
「・・籠は簡単だから」
「今日は何するの?」
「何もしなくても、いい」
「お休み?じゃあさ、籠作るの教えてよ。一番簡単なの」
「うん」
ミカちゃんはとても一生懸命教えてくれた。
ミカちゃんは好感が持てる。素直で親切で一生懸命で、いちいち照れるので可愛い。それなのに、この人とも交尾するのかーなんて値踏みしちゃって、なんだか、綺麗な気持ちを汚く踏み荒らしているような、そんな気分になった。
考えをそらしたくて、籠を編みながらミカちゃんのことを聞いた。
「ミカちゃんのことを教えてよ。好きなこととか、なんで求婚したかとかさ」
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