ポンコツな私と面倒な夫達 【R18】

象の居る

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48.事件それぞれ

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2話投稿 1/2

―――――――


Side グラウ

また、あの女が厄介事を起こした。夫どもに守られてるからって好き勝手だ。あいつが長なんておかしいんだ。あの女も、好き勝手やらせる夫どももクズだ。

ヘルブラオに相手にされないからって、ますます執着して、夫どもも良い面の皮だ。
まあ、夫どももヘルブラオと寝てるんだ、似た者同士お似合いだ。

なぜ、ユウナギが、彼女が傷を。私が治せないのに!くそっ!
彼女は背に私を庇った。私を守るために。
私は何もできなかった。転んで驚いているうちに彼女が自分で殴り飛ばした。
はははっ、すごい。あの女を殴り飛ばすなんて。いい気味だ。ああ本当に。そうだ、やり返して良いんだ。くくくっ。

人に対し使うことは禁じられているのに、あの女は私に魔法を使う。私の他にも犠牲者はたくさんいた。なのに、罰を受けない。言い逃れをして夫どもが庇う。
あいつら、滅べば良い。


―――――――

Side エーミール

ユウナギが襲われた。

あの女殺す。夫共々、引導を渡してやる。
派閥の切り崩しに焦ったのか?それにしたって、やることが稚拙すぎる。
そこまでバカだとは思わなかった。グラウもグラウだ。あの女に逆らわない。
私の落ち度でもある。クソっ、ユウナギは治癒が効かないのに。ずっと側にいてやりたい。私など必要としていないだろう。森の夫達がいるのだから。私が側にいたかったのだ。

ああ、胸糞悪い。

ユウナギが挙げた罪状は良くできていた。それに一つ加えよう。筆頭への反逆罪を。筆頭への反論を暴力で行ったのだ、贖ってもらうぞ。


―――――――

Side アル

ユウがケガをして帰って来た。魔法使いのいざこざに巻き込まれたらしい。これが代償なのか?ユウだけが払い続けるのだろうか?俺は何もできない。魔法使いのことに手出しなんてできない。

ユウはいつも大丈夫と言う。仕方がないと。ユウは自分がこんな目に合うことを、仕方ないことだと諦めているように見える。俺達が双子という理由で蔑まれることを諦めたように。

ユウは元の国で俺達のようなめに合っていたのだろうか。だから、帰りたいと言わないのだろうか。

明日は薬を作ろう。新しく薬草を摘んで。毎日、新鮮な物を作ろう。俺にできる精一杯をしよう。ユウが仕方ないと言うことが減るように。せめて、そのときは側にいれるように。


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