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第一章 巫女ってなんなんですか
52.ずっと好きだよ ※
しおりを挟む固まって動かなかったリーリエが私にしがみつく。みこ、みこ、と小さく呼んでは唇に吸い付いた。
両手でリーリエの頭を抱き、おでこにキスをした。サラサラの銀髪に手を入れると、右側のところどころに髪の生えてない、硬くなった皮膚があった。そっと撫でて髪に指を通す。
私を呼び続けるリーリエの声を聞きながら、傷痕にも奇麗な皮膚にもキスを落とす。おでこから眉毛のない部分、まぶたも頬も、少し崩れた小鼻を舐めてもう一度、唇にふれた。
「神官じゃないリーリエを見て、好きになった」
「みこ、ほんとうに? だって、だって、みこっ」
冷や汗で湿った首筋に舌を這わせた。そこだけ熱いようなペニスをさすり、陰嚢をやわやわと揉む。
私にしがみ付くリーリエがたまらなくいじらしい。冷えて湿った体がリーリエの緊張と恐怖を語っていた。両手を取って私の頬におき、どちらにもキスをする。泣き笑いみたいな顔をしてるリーリエに笑いかけてから体を倒し、白く変色した小さな乳首を舌で弾く。恐る恐る私の肩を撫でるリーリエの手を愛しく思った。
薄っぺらい胸とお腹にキスをしながら顔を下げ、リーリエの足の間に座って、足の付け根を舐め上げた。そのまま、お腹に反り返ったペニスの根元も舌先でチロチロ舐める。右側の陰嚢の付け根も少しただれてた。ペニスはなんともないみたい。じっくり観察してから口に含み、唾液をためてから舌で亀頭をぐるりと舐めた。
「あっ、みこ、あ、こんな、ダメです」
そんなこと言って嫌がるそぶりはまったくない。確かめるために動きを止めたら、太ももを震わせて喘ぎながら腰を振ってくる。聞き流すことにして根元まで咥え込み、舌で撫でながら頭を上下に動かした。
「みこ、ああぁ、お勤めが、みこっ、ああっあ、あっ、あぁ、んっっ」
細い指でシーツを握り締め、腰を上げて甘い声を上げる。吸い付いて唇でしごくと顔を振りながら腰を揺らした。吐息の合間に途切れる声で私を呼び口の中で跳ねる。張り詰めた亀頭に舌を這わせ鈴口をクニクニほじくったら、仰け反って私に押し付けながら射精した。ギュッと丸まった足の指が可愛くて撫でると、甘いため息を漏らして蠕動したまま腰を揺らした。
可愛いなと思いつつ、口を離して立ち上がりテーブルの上の手ぬぐいに精子を吐き出す。水を飲んで口の中を洗い流してからリーリエを見たら泣いていた。
え、本当にダメだったの? でも、自分で押し付けてきたし。え、なに。
焦ってそばにいき頭を抱きしめたら抱き付いてきた。
「どうしたの? 嫌だった?」
「巫女、だってお勤めが。……こんなことで、出して、おかしくないのでしょうか? ……巫女が私を、好きだと。でも巫女、この姿で。本当に? だって」
めっちゃ混乱してるな。リーリエのおでこに頬ずりをしてキスをした。
「リーリエ、リーリエ、大好き」
「巫女、本当に? だって巫女、こんな、こんな、だって、みに、くい」
「醜くない。私は醜いと思わない」
「……みにくくない?」
「今のリーリエがいい。可愛い」
「かわいい……?」
「うん。今のリーリエが好き」
私にギュウギュウと抱き付き、震えている。
「巫女、みこ、好き? それなら、お勤めしたら、ちゃんと生まれるのに。なのに、もう、出してしまって、巫女、私は失敗ばかりで、巫女、せっかく好きだと言って、みこ」
えぐえぐ泣きながら子供のように話すリーリエが可哀想で可愛くて、顔中にキスをした。
「明日もあさっても、その次もずっとリーリエが好きだよ。だから大丈夫」
「……巫女、ずっと? みこ、明日も?」
「ずっと」
リーリエの頬を濡らしたしょっぱい涙を舐めとって唇を食んだ。唇の合わせ目を何度も舐めていると、待ち切れなくなったのかリーリエの舌がおずおずと私にふれる。柔らかな舌先を優しく優しく触れ合わせた。リーリエの口中もゆっくり撫でるように舐めまわす。大丈夫だって、可愛いと思ってるって伝わるといいな。また硬くなったペニスに手を伸ばして軽く握ると大きく息を吐いた。
「リーリエ、まぐわいは好き?」
「…………、はい」
「リーリエ、気持ち良い?」
「…………はい。発情期でもないのにお勤めに関係無いのに、私がおかしいから」
「私は気持ち良いほうがいい」
「巫女は、巫女はいいのです。私は神官で、妖精族で」
「リーリエも気持ち良いほうが私は嬉しい」
「……みこ」
「私が良い状態だと良い精霊が生まれるんでしょ? 私が喜ぶんだから、リーリエが気持ち良くなるのは大事だし、必要なことだよ」
「みこ、私は、だって、おかしいのですっ。初めてお勤めしたときから、ずっと、朝も夜も、巫女の中にいたくて、足りなくて、巫女に、巫女に振り向いてほしくて、お勤めをしたくて、私の日じゃないときも。必要ないのに巫女に、触れてみたくて、でも、許されないことだから我慢したのに、ゲルトは裸で抱き合って。私は、私ではしてもらえないのに、ヨアヒムは会えるのに」
また、震え出しておかしくなりそうなリーリエを思い切り抱きしめると、静かになった。
そういえば、そのあとからおかしさに拍車がかかったよね。てっきり、お勤めに不必要な行為をしてるから、もっと真面目になれって説教かと思ってたら、自分もしたいアピールだったのか。
「今は裸で抱き合ってるね」
「……はい、巫女」
「嬉しい?」
「はい」
泣いた目元をほんのり染めてすごく嬉しそうにするから、心臓が跳ねてしまった。可愛いな。
自分を押し殺したせいで拗らせて、バレないように擬態を懸命にした結果が頭おかしい人とは。なんてこったい。
リーリエの頭を撫でて、またキスをする。ひとしきり絡ませてから唇を離して潤んだ目を見つめた。
「リーリエからして」
「私から? 巫女に?」
仰向けに寝て、困った顔をしているリーリエの腕を引っ張って上に跨らせた。首に腕をまわして引き寄せる。
「して、リーリエ」
切なげに目を細め、ゆっくり唇を合わせる。そっと何度も啄んで、そっと舌先で舐められ、背中にゾクゾク鳥肌が立つ。そっと進むキスにもどかしさがつのるけど、リーリエの邪魔はしたくなくて受け入れて動きを合わせるだけにする。なのに、ゆっくり動くリーリエの舌に焦らされてるようで、どうしようもなくてリーリエに足を絡めた。
リーリエの小さい乳首を親指の腹で撫でると息を零した。さっきよりも動くようになった舌が私の舌に絡みつき、深く重なった口に吐息と唾液が流れ込んできた。疼いて揺れる腰をリーリエに擦りつけながら唾液を飲み込む。もう夢中になって舌を動かすリーリエの腰につかまり、また硬くなったペニスへ腰を上げてぬかるんだ割れ目を擦りつけた。
「っあ、巫女っ、はぁ」
こすりつけるたびに喘ぐリーリエが可愛くて、どんどんヌルヌルになっていく。腫れたように下腹が痺れ、擦り上げてほしくてたまらない。
「みこ」
リーリエが潤んだ目で私を見る。何かを訴えるような、そんな目で。
「リーリエ、ちょうだい、リーリエ」
飢えた頭でリーリエはいつもマグロだったことを思い出し、足を開いて手で誘導し亀頭だけ咥えた。それでも、ほしがってた体は反応して声が出そうになる。
「リーリエ、このままきて」
リーリエの腰に足をまわし、ゆっくりと繋がりを深くする。
「ぁあっ、……っふ、あぁ」
「みこ、みこ」
ふるえるような快感がせり上がる。根元まで深く繋がって抱き合った。
「気持ち良い?」
「はい」
「良かった。もっとよくなろう、リーリエ」
「巫女」
泣きそうに笑うリーリエの腰を撫でて気持ちが落ち着くのを待った。ぎこちなく動き出し、だんだんスムーズになっていく。リーリエが動くたびに粘膜が擦られて下腹がジンジンと喜び、奥を叩かれるたび腰が浮き上がりそうな快感に襲われる。
「巫女っ、みこ、ああっ、あぁぁっ、んっくっ、あっあっあぁあ」
腰を押し付けてリーリエが硬直する。
抱き合ってリーリエの動きを感じる。蠕動が収まり、リーリエの潤んだ金色の目が私を見た。抱き合ったままの腕に力を入れる。
「巫女?」
「もっとして、リーリエ」
驚いてからの笑った顔にドキドキしてしまった。泣きそうな笑顔なんだもん。
繋がったままキスをして腰を動かし始める。息を切らしながら『巫女』とつぶやくリーリエの声が切なくて下腹が疼いた。リーリエと一緒に動き、擦り上げられる下腹にたまらない刺激が与えられる。
「ああぁっ、リーリエ、ああ、もっと」
「巫女、みこ、あっああ、中が、こんなに」
「っふぁあっ、んっ……あああぁぁーーーアアあぁぁ」
「みこ、あぁ、こんな、んっくんぁああ、っあ」
二人分の蠕動を抱き合って感じる。弛緩したあとも抱き合ったまま話をした。
「巫女は気持ち良いですか?」
「気持ち良い、すごく」
「……今までは?」
「全然」
「……すみません、私とお勤めしたくないのも当然です」
「知らなかったんだから仕方がないよ」
「すみません」
「リーリエ、気持ち良い?」
「はい、とても」
「もっとしたい?」
黙ってしまったリーリエと繋がったままの下腹に力を入れて、気を引いてみた。
「っ、巫女」
「したい?」
「……でも、これ以上は」
でも、まだ柔らかくない気がする。
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