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第一章 巫女ってなんなんですか
53.柔らかな笑顔 ※
しおりを挟む今日はリーリエのカウンセリングだから、とことんまで付き合おうと覚悟を決めて問いかける。
「したいならするし、したくないならしない」
「いえっ、したくないわけでは、なく……巫女の体が」
「大丈夫。辛くなったら言うからリーリエがしたいだけ」
「巫女、でも」
「ね、リーリエ、たくさん精霊作ろう。リーリエがしたぶん、たくさん生まれるよ、きっと」
そう言ったらギュウギュウ抱き付かれた。
「たくさん作りたいです、巫女」
「うん」
「巫女と、巫女と何度もお勤めしたいです」
「うん、可愛いリーリエ。好き」
潤んだ目で私を見つめて首筋に顔を埋めた。熱い息と一緒に何度も私を呼ぶ。
「巫女、巫女、っぁ、あ、みこ、っあぁ」
抱き合ったまま緩やかに動き出した腰に合わせて、切ない声を出すリーリエはすごく色っぽかった。
射精して荒い呼吸をしているリーリエの、汗でひたいにはりついた髪を耳に掛けた。
リーリエに向かって両腕を広げると嬉しそうに抱き付いてきた。体をまわし横向きに向かい合う。
「もう自分で罰しちゃダメ」
「でも、巫女、そうしないと私は、おかしいから、罰を与えないと」
「ダメ」
強く言うと困った顔をした。リーリエの頭を撫でて言い聞かせる。
「リーリエは私の神官なんだから、私が罰を与える」
「巫女が?」
「そう。罰が必要なら夕食のあとで私の部屋においで」
「……はい」
不安そうにするリーリエ抱きしめた。そんな怖いことはしないよ。気持ちを和らげようと思い、リーリエがしたいと言ってたことをホントにするか聞いてみる。
「リーリエ、私に触りたいの?」
「……はい」
「じゃあ触って」
リーリエの両手を取って私の頬に当てた。泣きそうな目が揺れる。
「どうしたらいいのか、わからないのです」
「したいように触って。好きにしていいから」
「好きに?」
「そう、リーリエの好きに」
のどぼとけが動いて唾を飲み込んだあと、手がゆっくりと顔を撫でる。右手を外して私に触らないようにするので、捕まえて手の平にキスをした。
「両手で」
そう言ったら困った顔で微笑み、両手で私の頬を撫でた。右手の引き攣った皮膚は少し硬くて凹凸がある。
唇を指先で撫で、首筋から肩をたどり、震えながら乳房を包んだ。弱い力でフニフニ揉んで、恐る恐る指先で乳首にふれる。弱い刺激が体の奥を疼かせて、そっと触れられるたび身じろぎしてしまう。
「巫女……」
息と共に呟き乳房に頬ずりをしながら繰り返しキスをする。甘える仕草が可愛くてあやすように髪を優しく梳いた。乳首をチュッチュッと吸うのも甘えてるからに見える。
繰り返される吸いつきで腰がウズウズし出した。舌先で遠慮がちに乳首を舐めるからもどかしくて体が捩れそうになる。ゆっくり弾かれると背中がぞくぞくしてたまらない。リーリエの頭を撫でまわして刺激を欲しがる腰を揺らした。
リーリエの手が下腹へ伸び陰毛をツルツル撫でる。その先を探る指先がクリトリスを掠り、腰が跳ねた。陰唇をヌルヌルと動き回る指にひくついた膣口を撫でられるたび、ぎゅっとお尻に力が入った。あちこちを這いまわる指先が浅くはまって思わず腰があがる。
「っん、ああっ」
「巫女、ここに、ここに私が? 巫女、また」
「リーリエお願い、きて。お願い、ちょうだい」
ゾクゾクする体を少し起こして、また勃ちあがっているリーリエにお願いした。
「巫女が私を」
「ね、リーリエ、ここに」
ペニスをそっと掴んで誘導し、先端で膣口を撫でた。そのまま腰を進めて私の中に割り入ってくる。
膣口が広がり中が擦り上げられ、奥までリーリエで埋め尽くされる
「んーーーっあ、ぁ、リーリエ」
「みこっ、熱いです」
喘ぎながら私の腰を掴み、もっと奥まで入れたそうに根元をグリグリ擦りつけてくる。押しつけられる恥骨とクリトリスが擦れて体が跳ねた。
「リーリエ、あっあぁ、あっ、ぁ」
「あっ、巫女、みこ、あっくぅっ、ああ」
うずうずともっと擦られたいと待っている腰を動かす。リーリエを見上げたら、金色の目と濁った目と目が合った。
「リーリエ、ちょうだい。リーリエじゃないとダメだから」
「私、じゃないと?」
「リーリエだから、たくさん作れるでしょ。ね、リーリエ」
「……はい、巫女。私ならたくさん注げます」
「リーリエ、リーリエ、ちょうだい」
「はい、巫女、注ぎます」
リーリエが腰を打ち付け、肉がぶつかり、掻きまわされる水音が響く。私とリーリエはお互いを呼び交わす。
穿たれる奥が引き絞られて絶頂した。硬直した私に覆い被さってるリーリエも叫び声を上げて硬直する。一緒に蠕動する下腹がリーリエをちゃんと抱きしめられたしるしに思えた。弛緩した体で抱き合ってキスを交わす。
そのあとも休憩を挟みつつ、リーリエは何度も動いた。
夜が薄くなってきたころにようやく体を横たえ、2人で布団にくるまって向かいあう。
「巫女、ありがとうございます」
「なんで」
「私を、見てくださって」
リーリエは自分の引き攣った右手を見ながら、小さな声で言った。
私はリーリエの頭を胸に抱き寄せてキスをする。
「リーリエが頑張ったから。怖かった?」
「……はい」
「もう大丈夫」
私を抱きしめて震えるリーリエの髪を何度も撫でた。
体の中が動き出す感覚がして夜明けが近いことに気付いた。寝ないで注がれたリーリエの精子は私の中で精霊の卵と結びつき、夜明けに精霊となって私から抜け出し空へ溶けていく。
体からスーっと小さなものが抜けていく感覚がする。今までリーリエとしたときはすぐ終わったけど、今日は比べ物にならないくらい抜けていく。
目を開けると天窓へ昇るいくつもの光に囲まれて私が光ってるみたいだった。いつもより明るく見える。私から抜けた光はベッドの上で唖然と座り込んでいるリーリエを慰めるように包み込んで柔らかく瞬いた。緩やかに流れ、夜明けの光が差し込むガラスの天窓から外へ消えていく。
最後の光を見送ってリーリエに視線を戻すと天窓を見上げて泣いていた。腕を撫でた私の手を強く握って顔を埋める。
「巫女、私も、お勤めが、ちゃんとできました」
「うん。明るい精霊がたくさん生まれたね」
「巫女、巫女と私の精霊が、あんなにたくさん」
「リーリエで良かった。リーリエだからたくさん生まれたんだよ」
「巫女、私は、私はこれからも、しっかりお勤めします」
「うん」
毎回、一晩中は困るからほどほどでいいけどね。
眠くなってきた。精霊が抜けると体が怠くなって眠くなる。
「私は眠るね。リーリエも少し眠ったら?」
「私はなんだか胸が騒いで眠れそうにありません」
「そっか。無理しないようにね」
「はい」
そう言って笑ったリーリエは、初めて見る柔らかい顔をしていた。
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