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第一章 巫女ってなんなんですか
55.獣化はなかなかいい ※
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2021/9/17 抜けていたこの話を割り込み投稿しました。
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リーリエのカウンセリングも終わってめでたいけど疲れた。大丈夫大丈夫言い聞かせたけど、あれでいいのかな。すごく頑張ったつもりだけども。リーリエも満足そうだったからいいか。プロじゃないんだし問題あったら、その都度修正ってことで。
リーリエが教えてくれたところによると、妖精族は選民意識が強いらしい。基準に満たない劣った者には慈悲を施すってか。見た目が重要な種族らしいからリーリエ大変だな。
ゲルトも見張りはまだ必要だろうし、私すごく頑張ってない? 来世に期待できるかな。
「リーリエ、今日の待機もよろしくね」
「はい、お任せください。……あの、見張りのあとラルフとまぐわうんですよね?」
「たぶん」
「……私も、いいですか?」
「ラルフにまぐわいが好きだって知られちゃうけどいいの?」
「……そうですね。止めておきます」
目を泳がせたあと俯き小さな声で言った。
「ラルフは内緒にしてくれると思うけど」
「…………でも」
「ムリにじゃなくて、知ってもらったら楽かと思っただけ。今は2人の秘密だね」
「はい」
今日のゲルトも前回と同じように意識が吹っ飛んで獣化した。そのあとの展開も前回と同じ。ゲルトが寝たら手を洗い、リーリエにお礼を言ってドアまで見送る。
「ありがとう、リーリエ」
「……はい」
何か言いたげなリーリエの唇に軽くふれる。
「みこ」
「また明日」
寂しそうに目を伏せて、ときどき振り返りながら自分の部屋に戻っていった。ベッドに戻るとラルフに抱きしめられる。
「神官とずいぶん仲良くなったな」
「うん、っ」
首筋や耳を良く動く薄い舌で舐めながら喋るから、耳に息がかかってゾクゾクする。
「なんかあった?」
「んっ、話して、仲良くなっただけ」
「それにしちゃ、神官が熱っぽい」
「あっ、私が、初めての相手、っん、だからじゃ」
「そうか?」
「そうだよ、っ、ぁっ、ん、あぁっ」
ワキを舐められるのはいつも恥ずかしい。なんどもいえないむず痒さで背中がムズムズする。
「全員気に入ってんだもんな」
「……っ、ん、うん」
「ふっ、はは。明日、休みだろ?」
「うん」
「じゃ、今日はオレに付き合ってもらうか」
ニヤっと意地悪に笑って私を見下ろすラルフは色気があってドキドキした。
ラルフのセリフを私に気があるように受け取ってしまうな。バイアスがかかってるから判断が偏るのは仕方ないとはいえ、少し苦しい。
「また獣化して」
「気に入ったのか?」
「うん」
いつもより雑になるのがいい。体だけだって思えるから。大事にされてると感じなくて済むから。ラルフだけどいつものラルフと違うから。
「いいけど、オオカミ族の鼻づらは噛まねぇようにな」
「なんで?」
「ボスが下を抑えつける意味があるから、知らずにやったとしてもカッとする奴がいるんだ」
「わかった。オオカミ族は噛まない。撫でるのはいい?」
「ああ。撫でるのはいいけど、場所によっては押し倒されるぞ」
わざとらしく耳を舐めてささやいた。ニヤニヤしてるラルフの耳の付け根を指先で掻き回す。押し倒された方がいいな。
「楽しそうだね。試すから獣化してみて」
「クハッ、すげぇな。お手柔らかに」
楽しそうに笑って獣化した。体が一回り大きくなったオオカミがベッドの上に座って私の顔を舐める。
「横になってくれる?」
私の言葉に大人しく大きな体をベッドに横たえた。
毛深くなった体毛に指を埋め、少し固めな背中の毛を首から尻尾の付け根まで撫でる。付け根を指で軽く掻き回すと、ラルフは喉を低く鳴らしフサフサした尻尾でシーツを撫でた。元は人型だけど今はまるっきりオオカミで、これでセックスしたけどあらためて見るとまるっきり獣姦だなと思い、ちょっと笑えた。
柔らかなお腹の毛に頬ずりをしながら、お尻に回した手で付け根を掻いて尻尾の先まで撫でる動作を繰り返す。ラルフは首をよじってシーツに擦り付け途切れ途切れに唸るような声を出し始めた。
毛に埋めてた顔を上げると充血して勃ち上がったペニスが目の前にあった。ツヤツヤした薄そうな皮に赤色が透けていて、内臓という感じがする。カリ首はないけど先端に向かって少し太くなってる。根元には浮き輪のような膨らみがついてる不思議な形。傷つきやすそうな張り詰めたペニスに慎重に舌を這わせる。唾液で唇を湿らせてから粘膜同士を合わせるようにそっと食んだ。ラルフが唸りながら上になっている後ろ足で落ち着きなくシーツをカシカシ蹴っている。舌を広げてペニスの先端まで撫で上げ、上体を起こしているラルフを見上げた。
「されるのヤダ?」
ガフガゥッと何か言いたそうに唸ってから、起き上がって体を離し、獣化を解いた。人型になったラルフが私を押し倒し頬ずりをする。
「んな、エロいことしたらおかしくなるだろ」
「エロい?」
「獣化したオオカミ族を舐めるヤツなんていねぇよ」
「そうなんだ。ダメって言わなかったから」
「やるなんて思うわけねぇだろ、んなこと。ああもう、サヤカ、オレおかしくなりそう」
潤んだ黄色の目が私を見下ろしてる。あれだけで様子が変わったラルフが微笑ましくて笑ったら、私の胸を両手で掴んで顔を埋めた。むずがるように頬ずりしてからベロリと舐める。
「笑うなよ、サヤカだけ余裕なのはズリィな」
「だってなんか気に入ったみたいだから」
「あんなん、反則だって。っくぅ、ぁは、たまんねぇ」
「っあ、もう、しないほうが、っん、いい?」
喋りながら乳首を舌でグニグニ潰され背中が仰け反る。意地悪するラルフの耳を指で挟んで揉みながら聞き返した。
「意地悪ぃなぁ。っふ、今度、ヴェルナーと一緒んときに、やってよ」
「ん、ぁあっ、うん、あぁっ、んん、いいよ、っは」
「なぁ、もういい? 我慢できねぇ」
「うん」
指で広げられた入り口にゆっくり入ってこられると、何とも言えない痺れが腰を震わせる。奥まで入り込んだラルフが呻き声をあげ、大きく息を吐いた。私の腰を両手で掴み、ズルズル擦りつける緩慢な動きのもどかしさに体が捩れる。
「んーー、ああぁっ、あっ、あっ、はっあ」
「あぁ、イイ、サヤカ、サヤカ、うぁっは、くぅっ」
ゆるやかな動きが感度を上げて刺激を余さず味わおうと体が貪欲になった。快感に飲み込まれそうなのに縋るものがなくて不安になる。シーツを握り締めても心許なくてラルフに腕を伸ばして助けを求めた。
「ラルフ」
「ん、ああ、サヤカ、大丈夫」
ぎゅっと抱き合って鳥肌の立つ体を柔らかい毛の中に埋めた。
「このままして」
「ああ、カワイイな」
そう言ってまた動き始めた。すぐそばで聞こえる荒い息が愛おしい。優しく包んでくれるたくましい体に安心する。好きだな、と思った。胸が締め付けられて抱かれる喜びに下腹疼く。
「もっと、ラルフ、あっあ、んぁ」
「はっ、あぁ、そんな、カワイイこと言ったら、ガマンできねぇぞ」
「うん、ねぇ、酷くして」
「サヤカ?」
「お願い」
「……、ああ、わかった」
そうしてラルフはいつもより少しだけ乱暴にしてくれた。でも力加減して『乱暴さ』を作らなきゃいけないから、いつも以上に気を遣うのかもしれないな、と終わった後で思った。それなら何も言わないほうがいいのかもしれない。
抱きしめられて眠り、目覚めて精霊が産まれるのを眺める。眩しい赤と静かな緑。ラルフへの気持ちを押し潰そうとしてるから? ラルフに好かれてないから? 両方?
目をつぶって涙を引っ込める。頭を優しく撫でるのはラルフの手。私の手を遠慮がちになでるのはゲルト。
私は眠る。夢は見たくない。
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リーリエのカウンセリングも終わってめでたいけど疲れた。大丈夫大丈夫言い聞かせたけど、あれでいいのかな。すごく頑張ったつもりだけども。リーリエも満足そうだったからいいか。プロじゃないんだし問題あったら、その都度修正ってことで。
リーリエが教えてくれたところによると、妖精族は選民意識が強いらしい。基準に満たない劣った者には慈悲を施すってか。見た目が重要な種族らしいからリーリエ大変だな。
ゲルトも見張りはまだ必要だろうし、私すごく頑張ってない? 来世に期待できるかな。
「リーリエ、今日の待機もよろしくね」
「はい、お任せください。……あの、見張りのあとラルフとまぐわうんですよね?」
「たぶん」
「……私も、いいですか?」
「ラルフにまぐわいが好きだって知られちゃうけどいいの?」
「……そうですね。止めておきます」
目を泳がせたあと俯き小さな声で言った。
「ラルフは内緒にしてくれると思うけど」
「…………でも」
「ムリにじゃなくて、知ってもらったら楽かと思っただけ。今は2人の秘密だね」
「はい」
今日のゲルトも前回と同じように意識が吹っ飛んで獣化した。そのあとの展開も前回と同じ。ゲルトが寝たら手を洗い、リーリエにお礼を言ってドアまで見送る。
「ありがとう、リーリエ」
「……はい」
何か言いたげなリーリエの唇に軽くふれる。
「みこ」
「また明日」
寂しそうに目を伏せて、ときどき振り返りながら自分の部屋に戻っていった。ベッドに戻るとラルフに抱きしめられる。
「神官とずいぶん仲良くなったな」
「うん、っ」
首筋や耳を良く動く薄い舌で舐めながら喋るから、耳に息がかかってゾクゾクする。
「なんかあった?」
「んっ、話して、仲良くなっただけ」
「それにしちゃ、神官が熱っぽい」
「あっ、私が、初めての相手、っん、だからじゃ」
「そうか?」
「そうだよ、っ、ぁっ、ん、あぁっ」
ワキを舐められるのはいつも恥ずかしい。なんどもいえないむず痒さで背中がムズムズする。
「全員気に入ってんだもんな」
「……っ、ん、うん」
「ふっ、はは。明日、休みだろ?」
「うん」
「じゃ、今日はオレに付き合ってもらうか」
ニヤっと意地悪に笑って私を見下ろすラルフは色気があってドキドキした。
ラルフのセリフを私に気があるように受け取ってしまうな。バイアスがかかってるから判断が偏るのは仕方ないとはいえ、少し苦しい。
「また獣化して」
「気に入ったのか?」
「うん」
いつもより雑になるのがいい。体だけだって思えるから。大事にされてると感じなくて済むから。ラルフだけどいつものラルフと違うから。
「いいけど、オオカミ族の鼻づらは噛まねぇようにな」
「なんで?」
「ボスが下を抑えつける意味があるから、知らずにやったとしてもカッとする奴がいるんだ」
「わかった。オオカミ族は噛まない。撫でるのはいい?」
「ああ。撫でるのはいいけど、場所によっては押し倒されるぞ」
わざとらしく耳を舐めてささやいた。ニヤニヤしてるラルフの耳の付け根を指先で掻き回す。押し倒された方がいいな。
「楽しそうだね。試すから獣化してみて」
「クハッ、すげぇな。お手柔らかに」
楽しそうに笑って獣化した。体が一回り大きくなったオオカミがベッドの上に座って私の顔を舐める。
「横になってくれる?」
私の言葉に大人しく大きな体をベッドに横たえた。
毛深くなった体毛に指を埋め、少し固めな背中の毛を首から尻尾の付け根まで撫でる。付け根を指で軽く掻き回すと、ラルフは喉を低く鳴らしフサフサした尻尾でシーツを撫でた。元は人型だけど今はまるっきりオオカミで、これでセックスしたけどあらためて見るとまるっきり獣姦だなと思い、ちょっと笑えた。
柔らかなお腹の毛に頬ずりをしながら、お尻に回した手で付け根を掻いて尻尾の先まで撫でる動作を繰り返す。ラルフは首をよじってシーツに擦り付け途切れ途切れに唸るような声を出し始めた。
毛に埋めてた顔を上げると充血して勃ち上がったペニスが目の前にあった。ツヤツヤした薄そうな皮に赤色が透けていて、内臓という感じがする。カリ首はないけど先端に向かって少し太くなってる。根元には浮き輪のような膨らみがついてる不思議な形。傷つきやすそうな張り詰めたペニスに慎重に舌を這わせる。唾液で唇を湿らせてから粘膜同士を合わせるようにそっと食んだ。ラルフが唸りながら上になっている後ろ足で落ち着きなくシーツをカシカシ蹴っている。舌を広げてペニスの先端まで撫で上げ、上体を起こしているラルフを見上げた。
「されるのヤダ?」
ガフガゥッと何か言いたそうに唸ってから、起き上がって体を離し、獣化を解いた。人型になったラルフが私を押し倒し頬ずりをする。
「んな、エロいことしたらおかしくなるだろ」
「エロい?」
「獣化したオオカミ族を舐めるヤツなんていねぇよ」
「そうなんだ。ダメって言わなかったから」
「やるなんて思うわけねぇだろ、んなこと。ああもう、サヤカ、オレおかしくなりそう」
潤んだ黄色の目が私を見下ろしてる。あれだけで様子が変わったラルフが微笑ましくて笑ったら、私の胸を両手で掴んで顔を埋めた。むずがるように頬ずりしてからベロリと舐める。
「笑うなよ、サヤカだけ余裕なのはズリィな」
「だってなんか気に入ったみたいだから」
「あんなん、反則だって。っくぅ、ぁは、たまんねぇ」
「っあ、もう、しないほうが、っん、いい?」
喋りながら乳首を舌でグニグニ潰され背中が仰け反る。意地悪するラルフの耳を指で挟んで揉みながら聞き返した。
「意地悪ぃなぁ。っふ、今度、ヴェルナーと一緒んときに、やってよ」
「ん、ぁあっ、うん、あぁっ、んん、いいよ、っは」
「なぁ、もういい? 我慢できねぇ」
「うん」
指で広げられた入り口にゆっくり入ってこられると、何とも言えない痺れが腰を震わせる。奥まで入り込んだラルフが呻き声をあげ、大きく息を吐いた。私の腰を両手で掴み、ズルズル擦りつける緩慢な動きのもどかしさに体が捩れる。
「んーー、ああぁっ、あっ、あっ、はっあ」
「あぁ、イイ、サヤカ、サヤカ、うぁっは、くぅっ」
ゆるやかな動きが感度を上げて刺激を余さず味わおうと体が貪欲になった。快感に飲み込まれそうなのに縋るものがなくて不安になる。シーツを握り締めても心許なくてラルフに腕を伸ばして助けを求めた。
「ラルフ」
「ん、ああ、サヤカ、大丈夫」
ぎゅっと抱き合って鳥肌の立つ体を柔らかい毛の中に埋めた。
「このままして」
「ああ、カワイイな」
そう言ってまた動き始めた。すぐそばで聞こえる荒い息が愛おしい。優しく包んでくれるたくましい体に安心する。好きだな、と思った。胸が締め付けられて抱かれる喜びに下腹疼く。
「もっと、ラルフ、あっあ、んぁ」
「はっ、あぁ、そんな、カワイイこと言ったら、ガマンできねぇぞ」
「うん、ねぇ、酷くして」
「サヤカ?」
「お願い」
「……、ああ、わかった」
そうしてラルフはいつもより少しだけ乱暴にしてくれた。でも力加減して『乱暴さ』を作らなきゃいけないから、いつも以上に気を遣うのかもしれないな、と終わった後で思った。それなら何も言わないほうがいいのかもしれない。
抱きしめられて眠り、目覚めて精霊が産まれるのを眺める。眩しい赤と静かな緑。ラルフへの気持ちを押し潰そうとしてるから? ラルフに好かれてないから? 両方?
目をつぶって涙を引っ込める。頭を優しく撫でるのはラルフの手。私の手を遠慮がちになでるのはゲルト。
私は眠る。夢は見たくない。
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