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第二章 精霊産みといろいろ
78.気持ちはわかるけども ※
しおりを挟む夜はお尻、朝は普通のサイクルで3日過ごし、玩具を使って2回くらいイクと朝も一回で済んだ。それなら他の人も一回くらい寝てもいいかなと、最近目つきがあやしいヴェルナーを思い出しながら考えた。
夜、ことが終わって眠るベッドの中でリーリエにそう話したら、薄い胸板で抱き付いたうえ足まで絡みつけて縋り付かれた。
「嫌です。どこにも行かないでください」
「どうしたの?」
背中を撫でながらわけを聞く。いつも精霊産みに熱心なのに。
「巫女と離れたくありません」
「じゃあ、この部屋にきてもらう?」
「嫌です。繁殖期は私だけだと言ったのに。巫女、いかないでください」
巫女、と何度もつぶやきながら唇を食む。熱い吐息の必死さを怪訝に思う。もしかしたら繁殖期は独占欲も湧くのかもしれない、面倒なことに。
執拗に絡みついてくるいじらしい舌を唇に咥えて甘噛みをする。舌の裏側を舐めて軽くすいついたら、また硬くなった腰を押し付けてきた。
リーリエの手が両方の乳房を強く揉み乳首を押し撫でる。
「巫女、私の巫女。みこ」
うわ言みたいに呟いて、強引に寄せたくっつきそうな両乳首をいっぺんに口へ入れた。舌で左右を弾いて両方から刺激を送られると腰が浮いてしまう。
逃げられないほど必死さに興奮を搔き立てられ、疼く下腹がヒクついて絶頂を待ち焦がれる。甘噛みの歯で背骨に電流が走って弾け、体が仰け反った。
「リーリ、エっ、っぁアアっあーーー」
リーリエの肩を掴んで硬直してるあいだ、リーリエは噛み付いたままだった。
力が抜けた体をシーツに投げ出して息をする。足のあいだに割り入ったリーリエが私の体の内側に自身を埋め込んだ。
「っあぁ、みこ、みこ、いやです、わたしの、わたしのみこ」
倒れるように首筋へ顔を埋め、腰を打ち付ける。首にかかる熱い吐息と切実な言葉にゾクゾクした。奥へ奥へと押し付けられる腰にクリトリスが擦られ火花のような刺激に何度も焼かれる。疼いてたまらない部分を自分から擦りつけてせり上がる快感の波に乗った。
「っぁあ、リーリエ、あぁっ、あ、んっんぁあーーーー」
「ぁっ、ああっ、みこっ、あぁあっっ」
リーリエもギュッと押し付けて硬直した。
息切れが多少治まると抱き付いておでこをすり付ける。
「みこ、みこを気持ち良くします、がんばります。だからいかないでください。みこ、どこへもどこへも行かないで私といてください。みこ、すてないで、すてないでください。いやです、みこ」
体を震わせて様子のおかしいリーリエの頭を撫でる。抱きしめて届く場所全部にキスをした。
「好きだよ、リーリエ。大丈夫」
「だって、だってみこ、みこが」
「リーリエと一緒にいる」
「みこ」
涙声のリーリエのヌルついた舌で口内を満たされる、溺れそうなキスをされた。そのあとも何回かして抱き付いたまま眠ってしまった。
なんか、繁殖期ってとんでもないな。あと二週間もあるぜよ。
何日か後、眠ってしまったリーリエをベッドに置いてパジャマとガウンを着た。甘えてくるのは可愛いけど、がんじがらめにしがみつかれると疲れてしまう。夜中のトイレで離れても、お風呂に入っても起きないことを確認したし、今日は外に行くことにした。リザと話して気分転換しよう。
「今晩は、巫女。どうしました?」
「今晩は、リザ。気分転換に」
「お尻の調子は?」
「満足してるみたい。潤滑油をまた頼んでもいい?」
「はい」
お尻の調子って聞かれると痔の話みたい。
「毎日お尻使っても大丈夫かな?」
「ちゃんと解して潤滑油使えば大丈夫ですよ。一晩中してないですよね?」
「してない」
「じゃあ平気ですよ。慣れました? そろそろ初心者用のオモチャから卒業して、少し冒険してみてもいいんじゃないですか?」
「……どんなのがあるの?」
リザからオモチャ談義を聞いてるあいだ、リザの先輩は離れた場所で渋い顔をしていた。
しばらく話を聞いたあと、会陰も刺激できてあまり太さの変わらないオモチャを頼んでしまった。なんか良さげだったから……という言い訳など。
おやすみの挨拶をして部屋に戻る。リザの攻め談義を聞くと楽しくて気分転換になった。ガウンとパジャマを脱いで裸になり隣に寝転ぶと、眠ってると思ってたリーリエに強く抱きしめられた。ヒヤリと湿った体が小刻みに震えている。
「……どうしたの? 心配だった? ごめんね」
「みこ、だって、でも、一緒にいるといったから、まってました、でも、みこ」
「リーリエを可愛がるオモチャの相談にいってたの。内緒にして驚かそうと思って。でも心配させてごめんね」
「みこ、ほんとに? イヤになってない? みこ」
おかしいと思うのに自分でどうにもできなくて、不安で仕方ないのだと気付いた。おかしくなっちゃう自分が怖いよね。だけど止まらないし、止めようと我慢したら余計におかしくなったりする。
声を押し殺して泣くリーリエを抱きしめて撫でた。
「不安にさせてごめんね。本当にずっと好きだよ、リーリエ。一緒にいる」
「だって、みこ。……みこ、ずっといてください。私と。きえないでみこ、みこ」
「うん、大丈夫。消えないでずっといるよ」
「みこ、ほんとうに?」
「本当に」
消えないでって精霊産みが終わったときのことかな。どうにもできないことだってリーリエも知ってるのに。その場しのぎでも安心が欲しいのだと思い、口だけで返事をする。
泣き止んでおっぱいに頬ずりをして吸い付くリーリエの頭を撫でる。この行為が許されるのは受け入れられてるから。甘えさせてもらえるのは、それだけの気持ちが向けられているから。自分に向けられる愛情のあたたかさは心地良い。ヨアヒムに甘やかされている安心感を思い出してリーリエを抱きしめた。
ある日の昼食後、リーリエが食事のワゴンを下げに産屋棟を出た直後、足早に近づいたヴェルナーに抱きしめられた。
「我慢している。口付けならいいだろう?」
「うん。……あーっ、ちょっと、まって!」
「なぜだ?」
「なんでここで、人前なのに」
「三人のときはいつも人前だろう?」
「それは、ベッドだし、三人だし、夜だし……」
「恥ずかしいのか?」
「当たり前でしょ!」
「私の部屋で2人きりだと押し倒さない自信がない」
まあ、そうだよね。ヴェルナーならやりそう。でもこんな、五人の前でとかは無理。
「精霊王産みのときは人前になるだろう?」
「そうだけど、そうだけど、夜だし。ベッドで準備したあとだし」
「夜のベッドでならいいのか? 口付けだけで終われなくても?」
「それは困る、けど」
顔が熱くなってきた。何でキスするしないで揉めてんの。いい年して中学生かよ。ヤリまくってんのにキスくらいで。恥ずかし過ぎる。でもこんな人前でベロベロすんの無理。そりゃ、みんなとしてるけどみんなの前でするのは違う。
やたら恥ずかしくなって手で顔を隠して悩んでたら、ムリヤリ手を外されて強引にキスされた。抵抗してもかなうはずなく、頭を押さえられて舌を捩じ込まれる。片方の手で腰を引き寄せられ硬いモノをゴリゴリ押し付けられた。
何考えてるの!? 慌てて胸を叩くけどビクともしない。それどころか息も荒い。
「ヴェルナー、止めなよ。嫌がってるのに」
ヨアヒムの助け舟! と思ったのに止めないどころかお尻を強めに揉まれる。その刺激に体が反応してしまった。押し付けられる硬いモノがクリトリスを擦ってピリピリした刺激を送ってくる。
ヤバイ。いつもより感じる。ヤバすぎる。自分が危ないので、手で顔を思い切り押して離したらヴェルナーが不服そうな声を上げる。
「なにを」
「なにをじゃない!」
「サヤカだって……」
「わーーっ」
体が反応したことを言われると思って咄嗟に叫んだ。驚いたスキに体を離して階段を駆け上り、部屋へ逃げ込んだ。息が切れる。
ひーっなんなのあの人は。人前でゴリゴリに勃起してんじゃないよ。あー見せつけで興奮するんだった! 最高のスパイスじゃん。酷い、酷過ぎる。バカヴェルナーめ。あ、ヨアヒムにお礼言うの忘れた。もーばかー。
恥ずかしくてベッドの上でバタバタ暴れた。
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