6人の夫と巫女になった私が精霊作りにはげむ1年間の話【R18】

象の居る

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番外編 実家への挨拶回りと結婚式

2.ゲルトの実家 後編 Side ゲルト ※

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 Side ゲルト

「あの、魔力のことがなくても、サヤカといたいと思ってました。……好きです」

 2人きりになろうと誘ってもらえた嬉しさで舞い上がり、強く抱きしめて勢いにまかせに言った。サヤカの暖かい手が抱きしめ返してくれる。

「嬉しい。ありがとう、ゲルト。引っ越し準備も大変だったでしょ。ありがとう」

 微笑んでお礼を言われ顔が熱くなる。あなたにならなんでもしてあげたい。俺のできることぜんぶ。

「……俺を捧げます。サヤカ」

 頭に血が昇って変なことを口走った。途端に後悔する。捧げるなんて図々しい。受け取ってほしいのは俺の我儘なのに。
 恥ずかしい俺の言葉を気にせず、サヤカは明るく笑った。

「じゃあ、ゲルトは私のものだね。ずっと仲良くしてくれますか?」

 俺をあなたのものに? 『ずっと』を望む?

「……はい」
「私に、何かこれだけは! っていうのある?」

 愛して。愛して欲しい。笑いかけて欲しい。俺を求めて欲しい。……でも、これは俺の言動が影響することだから、自分で気をつけなきゃいけない。他に何か。

「……教えてください。良いことも悪いことも。サヤカの思うこと全部を」
「そうだね。ゲルトも教えて。私、ゲルトの好きなこととか知らない」
「サヤカです」
「それは知ってる。……ふふ、嬉しい」

 恥ずかしそうに枕に顔を埋めて笑った。髪からのぞくうなじに口付けると、甘い息をこぼす。
 嬉しい? 俺に好かれて? さっきから切なくて胸が掴まれたように苦しい。

 あぁ、サヤカ。
 触れ合って巻き付きたい。肌を合わせて一つになりたい。
 俺の、俺の妻。

 抱きしめたサラリとした肌がウロコに馴染む。暖かい体が俺の腕の中にある。触れ合い、これをどんなに望んだか。自分の不出来をどんなに恨んだか。きつくきつく抱いて一つになりたい。あなたを飲み込んで一つになりたい。
 サヤカの腕が俺にまわされて女性の力で抱きしめられると、全身のウロコが波打つようにゾクゾクする。
 ぴたりとくっついた肌が湿度を帯びて俺のウロコにしっとり吸い付くのが好きだ。肌が離れるのを惜しんでるように思える。
 鼻先を埋めた首筋の香りが頭まで突き抜けて体の中に火がともる。魔法で燃える火のように、チリチリと火花が散って全身が痺れる。
 サヤカの手が俺の背中や腕を撫で、喉から顎までくすぐる。その優しい指先に喉が仰け反った。
 サヤカ。あぁ、あなたが欲しい。俺の妻になったと確かめたい。教えてほしい。
 丸みを帯びた短い舌が牙を舐める。奥まで届かないもどかしさが、あなたを求める情動に変わる。裸で抱き合って口付けしながら体をまさぐり合う、興奮と喜びに胸が震える。
 体温を肌を愛しさを交感できる幸せを教えて与えてくれた。

 手の中で硬くなった乳首を揉み込むとサヤカが体を捩る。俺に擦りつけられる足のあいだから興奮した雌の香りが漂ってクラクラする。
 舐めて味わいたい。
 太ももを押さえた指のあいだに柔らかい肉が盛り上がる。舌でくすぐり、そのまま割れ目まで這わせた。濡れた花びらのあいだの蜜を舐めとると足に力が入る。
 サヤカの香りが俺を包んで誘う。小さな裂け目からトロリと溢れ出た蜜を舌ですくって味わった。硬くなり過ぎて鈍く痛むペニスから先走りが漏れている。
 入れたいし味わいたい。
 ピチャピチャ音を立てて味わい、裂け目に舌先を捩じ込んだ。腰が跳ねて、入り口が舌を飲み込もうとヒクつく。皮から顔を出している膨れた粒へそっと掠める程度に触れただけなのに、サヤカが叫び声を上げた。何度か往復して掠めると切ない声で俺を呼ぶ。
 上体を起こしてサヤカの潤んだ目を見つめながらあてがった。ゆっくり挿入すると眉を寄せて喉を仰け反らせる。熱く蠢く肉が俺に絡んで吸い付く。体も心も求め合いたい。

「サヤカ」
「……ゲルト」
「俺の妻になってくれますか?」
「よろこんで」

 薄っすらと微笑んだサヤカの腰を掴み、擦り上げ打ち付ける。

「好きです、サヤカ。愛してます。サヤカ、サヤカっ……く」
「っぁぁあ、ゲルト、うん、すき、……あっあ、ゲルト、私も」

 キラキラと輝く目で俺を見て、俺に向かって腕を伸ばす。強く抱き合って一緒に揺れる。
 サヤカ、俺の望み。俺が欲しかったものすべて。俺のモノ。俺の妻。俺の。

「っ、サヤカっ」
「あっああーーーーアーー」

 グイグイと飲み込むサヤカの中へ熱を放つ。体の中もすべて俺の。ああ、足りない、サヤカ。体の中で渦巻く熱が、もっともっとと急き立てる。
 ヘビ族は2日休まず性交できる者もいる。でもサヤカの脆い体は耐えられないだろう。でも今日だけは、今日だけは朝まで離したくない。お願いまだ眠らないで。

「サヤカ、……獣化しても?」
「うん」

 離れて獣化し、サヤカに巻き付いた。顎を肩に擦り付ける俺の頭を撫でてくれる。片方を入れてもう片方で後ろの穴を押すように揉む。

「んっ、あぁ、ゲルト、……ぁ、ねぇ、動いて」
「シュァ、ィ」

 獣化すると上手く話せない。空気が抜ける音か唸る音になってしまうのに、サヤカは面白いと笑って獣化で増えた細かい牙をザラザラ舐めた。
 ヘビ族の獣化を嫌がる女性は多い。そもそも同族以外からはそういった対象に見られない。
 ねぇなんで俺を抱きしめてくれたの。俺を伴侶にしてくれたの。ねぇ、サヤカ。

 締め付けたい衝動は、尻尾の先を丸めてくねらせることで抑えた。
 サヤカと巻き付いた俺のあいだが生暖かい湿度に満たされる。あごを首を肩を乳房を口に咥え、舌でなぞる。サヤカの汗の匂いでザワつく腰を動かして後ろの穴を刺激する。

「……入れたい?」
「イルェ、アィ」

 サヤカが息を乱しながら自分で広げて押し付けてくれた。震える息を吐いて精液でヌルついた後ろ穴にゆっくり埋めていく。

「んーーっ……あぁあー」

 少しお尻を上げるうつ伏せの体勢になるように巻き付き、ゆっくり動かす。ぬちゅ、くちゅと淫靡な音が結合部から聞こえる。サヤカが蜜を溢れさせて吸い付き、離さない。
 2本一緒に搾り上げられる、甘い快感がたまらず顔をシーツに擦り付けて耐えた。

「あっああーーあアアぁーーーーーー」

 叫び声とぬるい液体が俺にかかる。サヤカがしがみつく快い締め付けに恍惚とした。
 真っ白に飛びそうな頭を振って切れそうな理性をつなぎ止め、ゆっくり体を離した。獣化を解いてからサヤカを抱きしめる。

「サヤカ、愛してます」
「ゲルト、ん」

 小さく頬ずりするサヤカに口付けを落とす。力の抜けた足を割り、余韻でヒクつく肉に埋め込んだ。

「んーーっ、ぁ……ん、ああ」

 熱く柔らかくなって優しく包み込まれる。ベタベタに濡れた下半身が、俺と紡いだ欲望の証。

「好き、好きです」

 たまらなく。ああ、また巻き付きたい。ダメだ飛んでしまう。サヤカ、あなたに溺れたい。湧き上がる情動と一緒に射精した。抜いたら溢れ出すくらい。サヤカから俺の匂いが漂う。
 息も絶え絶えなサヤカを挿入したまま横向きにした。足が楽になるように閉じさせて抱きしめる。耳を食むと鳥肌を立てて震え、掠れた声で喘ぎ咳き込んだ。

 ずっと喘ぎ声を出していたと気付き水を手渡した。満足するまで飲み、落ち着いて一息ついたサヤカを抱きしめる。

「すいません、気付かなくて」
「うん。夢中だったの?」
「はい」

 俺を見て笑う。その笑顔に胸がいっぱいになった。

「好きです」

 こみ上げるたびに口をついて出る。何度言っても足りない。

「ゲルト、ありがとう。私も」

 サヤカの唇が俺の口を食む。小さな舌に牙と歯茎をなぞられるとゾクゾクして体の中が震えた。乳房を揉んで膨らんだ乳首の先端を引っ掻けば、熱い吐息が吹き込まれた。興奮で俺の息もあがる。たまらない。サヤカの蕩けた窪みに押し込んだら、ブルブルと痺れが走った。
 ああ、サヤカ、サヤカ。抱きしめて口付けて繋がって。サヤカ。
 中が膨らんで扱きあげる刺激が強くなる。搾り取られているみたいだ。もっと欲しがってほしい。俺を。俺の精子を。俺の匂いを。サヤカ。

「っう、ぁあっくうっーーーー」
「あぁアア―――――、あぁぁあああ」

 蠕動して吸い付く肉の中に思い切り射精した。たっぷりと匂いをつけるために。
 そのまま動く。蜜と精液がトプトプまとわりつく。匂いを塗り込めるために擦りつけてる俺へ、柔らかく絡みついてくる。抱き合う手足も、声と一緒に力が入る指先も俺に向けてのものだ。嬉しい。愛しいサヤカ。

 たまに休憩して夜を越え、繋がったまま朝焼けに照らされた。

「……ん、もう、おしまい」
「はい、これで」

 名残惜しい気持ちで奥を抉り、狭い窪みでしごいて最後の精を放った。俺たちはドロドロに汚れ、サヤカはぐったりしている。力の入らないサヤカを抱えて下の浴室へ行った。
 冷めたお湯を温め、つかる。サヤカを後ろから抱いて、濡れて頬に張り付いた髪を後ろへ流した。

「片づけは俺がするので、眠ってください」
「んー、甘えさせてもらう。ありがとう」
「俺に合わせてくれてありがとうございます」
「んーん。嬉しいよ。毎回は無理だけど」

 腰に回した俺の手にキスをして頬を当てる。
 俺の求めを嬉しいと。サヤカ。
 喜びが心を震わせ、背中がゾクゾクした。後ろから強く抱きしめて後頭部に鼻を埋めた。

「巫女、サヤカ、お早うございます」

 いきなり浴室の扉が開き、リーリエが入ってきた。

「リーリエ、おはよう。勝手に入ってくるのはよくないよ」
「私はサヤカのお世話をするのでいいんです」
「もーリーリエは。私はこれから眠るから起こさないでね」
「なぜですか?」
「眠ってないから」

 サヤカは仕方なさそうにため息をついて、湯船から上がった。髪を拭くリーリエにおとなしく任せている。俺も上がって声を掛けた。

「サヤカのベッドは片付けるから俺の部屋で眠っててください」
「ありがとう。ゲルトも眠るでしょ? 待ってるね」
「……はい」

 ゆるむ頬を手で隠して返事をした。

 片付けてから部屋に戻ると、サヤカはもう眠っていた。隣に寝転び、背中から抱きしめて目をつぶる。
 あなたの香りに包まれて一緒に眠れる幸せを感謝します。大事にすると誓います。サヤカ、愛しています。


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