6人の夫と巫女になった私が精霊作りにはげむ1年間の話【R18】

象の居る

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番外編 実家への挨拶回りと結婚式

6.ヨアヒムの実家 前編 ※

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 ラルフの実家から無事に家に戻り、ヴェルナーからとても熱くるしい抱擁を受けた。

 サミーの実家と港町を挟んで反対方向にヨアヒムの実家がある。ヴェルナーの実家は行くのに2週間かかるらしいので、結婚してから長期休みをもらって行く予定。

 今回はヨアヒム、護衛と御者のラルフ、救急箱のリーリエ、私で、二日休んでから出掛けた。

 途中にある村に寄ったり野宿したり、7日でヨアヒムの実家がある町についた。字を読める人がいないらしいので手紙は出してないから、突然の訪問だ。家族とは仲がいいけど義姉さんからは嫌われていると聞いてるので緊張する。
 宿を取ってから実家にみんなで向かった。ドアを開けてくれた女性がヨアヒムを見て少し驚き、冷めた顔で応対する。

「久しぶりです」
「……ええ、久しぶり」
「どなた? ――ヨアヒムっ!」
「母さん、久しぶり」

 小さいお義母さんが大きいヨアヒムを抱きしめて、ヨアヒムも抱きしめ返すほのぼのした光景に和む。

「まあまあまあ、神殿のお勤めが終わったのね。安心したわ。元気だった? そちらの方は? さあ、家に入って」
「うん。母さんも元気だった?」
「ええ、ええ、もちろん。親方の所にご挨拶したの?」
「まだだよ。それで話があって。俺、結婚するんだ」
「えええっ!? あらあらあら、こちらの方と?」
「そう。サヤカ」
「初めまして」
「こちらこそ、初めまして。まあ、すごく驚いたわ。突然なんですもの」
「うん。この二人が他の夫、ラルフとリーリエ。俺たち、港町にすむことになったんだ」
「え、あら、まあ、家に戻らないの? ……そうよね、結婚するんですものね。なんだか急だから驚いて。あら、ごめんなさい、どうぞ座って」

 お義母さんは落ち着きなく手を揉んで椅子に座った。ヨアヒムのお義姉さんがお水を出してくれた。
 お土産を渡しつつ家と仕事が決まった話を伝える。お義姉さんは口が軽いらしいので私が巫女だとは伝えない。お義母さんは馴れ初めとかグイグイ聞いてくるから、馬車で口裏を合わせた話をした。
 お義姉さんは話に入らず、冷めた顔で水を飲んでいる。

「夕食は家で食べるでしょう? お父さんもヨーゼフも会いたがってるわ」
「おかあさん、準備が何も」
「買ってくるわよ。私が作るんだから」
「ううん、これから親方に挨拶しにいくんだ。明後日戻るから、明日の夕飯を一緒に食べよう。どこかに食べに行く?」
「私が作るわよ。あなたの好きな物作って待ってるわね」
「ありがとう、母さん。父さんと兄さんによろしく言っておいて」

 挨拶して家を出た。

「店はまだ忙しい時間だから、もうちょっと遅くなってから行こう。先に晩ご飯たべちゃおうか?」
「そうだな」

 地元でも人気ある、地方の名物料理を出すお店に入った。
 骨付き豚肉をホロホロになるまで煮込んだものと、山菜と豚肉の炒め物、クルミパン、葉物野菜のスープを食べる。

「美味しい!」
「良かった」

 嬉しそうに笑うヨアヒムとみんなで楽しく食事をして、ヨアヒムと2人で親方の店に向かう。
 ちょうど店じまいの時間に着き、親方がヨアヒムの背中をバンバン叩きながら歓迎してくれた。結婚するとヨアヒムが私を紹介したら、驚き過ぎてフリーズしたあと、大きな声で笑ってお祝いを言ってくれた。
 神殿の話と、最近の店の話、そして引っ越しの話もする。

「そうか、勤め先が決まったんなら良かった。しっかりやるんだぞ」
「はい。神殿でも毎日パンを焼いてました」
「お前は真面目に頑張るから、儂も安心だ。あとは気の弱いとこだけだな」
「大丈夫です、俺、結婚するんでしっかりやります」
「ガハハハッ、嫁さんのためか。お前も成長したな」
「親方、育ててくれてありがとうございました」
「……ハハッ、まだまだこれからだろ」
「はい。里帰りしたときはまた顔を出すので、元気でいてください」
「おう、儂もまだまだやるからな。お前も頑張れよ」

 最後はちょっとしんみりしつつ、笑って別れた。宿へ帰り、ラルフに戻ったことを告げて、自分たちの部屋に入る。

「可愛いお義母さんだね」
「そうかな。あ、小さいから?」
「優しいから。ヨアヒムはお父さんに似たの?」
「ううん、なんでか俺だけ大きいんだ」
「へー」
「明日は俺の実家の荷物片づけるから。これで甥っ子の部屋が出来て喜ぶよ」

 静かに話すヨアヒムの頭を胸に抱きしめた。

「寂しい?」
「うーん、そうなのかも。でも本当はもっと前に家を出なきゃいけなかったんだ。兄さんが結婚した時に。俺がいつまでも家にいるから義姉さんも嫌だったんだと思う」
「まあ、お義姉さんとは相性が悪いんじゃない? 単純に」
「そうかな」
「うん。その代わり、私と相性が良い」
「へへ、それなら嬉しい」

 ヨアヒムが笑って胸に頬ずりする。

「俺、幸せなんだ。サヤカがいて。パンも焼けるし」
「ふふ、パンが大好きだね」
「うん、サヤカも大好き」
「私もヨアヒムが大好き」

 2人で笑いながら抱き合った。

 ヨアヒムの唇が私にふれる。顔中にキスしてから唇を食まれた。優しい触れ合いで息があがり、だんだん深くなっていくのが好きだ。ヨアヒムの厚い舌で口の中がいっぱいになるのも好き。大きな手で胸を揉まれるのも好き。

 指先で乳首を優しく擦られて鳥肌が立つ。硬くなった先端を温かい舌に舐められて腰が揺れた。

「あぁっ、ああ、ヨアヒム、っあ、ぁあ」

 舐められる甘さに軽く噛まれる刺激が混じって高まっていく。ヨアヒムの髪の毛を軽く掴んで掻きまわす。舌で執拗に弾かれて背中が仰け反った。体が強張って足が伸びる。

 ヨアヒムは優しく笑い、弛緩した私の足を広げた。


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