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8.きっとずっと欲しい ※
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ロラの吐息に混じる高ぶりをビダルも感じていた。ビダルは素早くロラをベッドへ座らせて取って返し、水桶を抱えて戻る。ひざまずいたビダルと座っているロラの目線が同じ高さで交わり、ロラはうっとり笑ってビダルの顎の線を指で撫でた。
「脱がしてくれるの?」
「うん。脱がしたい」
「嬉しい。ね、ビダル、私、おかしくなっちゃいそう」
「……俺も。ロラと会ってからずっとおかしい」
ビダルはごくりと唾を飲んでロラの足を手にとった。これは大切なもの。ロラの踵をスリリと撫でてサンダルの紐をゆっくりと解く。紐の流れる曲線で飾られた足がひどく儚げに見えた。サンダルを脱がして手の中に収めた足に鼻先で触れ、つつましくペロリとひと舐めする。それから静かに水へ浸し、指で揉むように洗った。側面の突き出た骨や丸いかかと、土踏まずの曲線を通って小さくて短い指へ至る。傷はもうすぐ消えそうなかさぶたになっていてビダルを安心させた。足の指のあいだまで一本一本洗ってから布でまた一本一本拭き上げる。ロラのくすぐったそうな笑い声に混じる官能に、ビダルは尻尾の先を震わせた。もう片足も同じように、もっと丁寧に洗って拭いてから、ビダルは立ち上がって服を脱いだ。
ズボンを押し上げてた物が腹について糸を引く。それにかまわず自分の足を桶に突っ込んでゴシゴシ洗った。
その様子を笑うロラも服を脱ぎ、ビダルのほうを向いて座る。雑に拭いて終わらせようとしていたビダルから布を受け取って、足をむけてもらった。
手に比べてがっしりしてる足の肌は硬い。長めの指から飛び出てる爪は、これだけ見たら怖くなるような鋭さだけれど、ギュッと指を丸めて爪を当てないようにしてる仕草のせいか、怖さじゃなく自分とは違う造形の不思議さが印象に残る。
「拭くから伸ばして」
「危ない」
「気をつけるから。私も拭きたいの」
ビダルがそろそろと伸ばした指を一本取って拭く。くすぐったいのかピクリと動く足がおもしろくて楽しくなる。ロラは両足を拭いてから、待ってたように尻尾の先を捕まえた。
「触ってみたかったの」
こっちは足より柔らかいと、内側と外側で違う鱗の感触を確かめながら布を滑らせる。
自分が触りたい対象になると思っていなかったビダルは、意味が飲み込めなくて首をかしげた。
「尻尾、ないから?」
「そうなのかな? でもビダルの尻尾、動くのとか可愛いから。もっとさわっていい?」
「うん、好きに」
うん、ロラの好きにして。
ビダルはぶるりと体を震わせた。ロラに好きにされると思うとゾクゾクしてたまらない。
ロラは尻尾を持ち上げてその先端を口に含んだ。ぺろぺろ舐めて甘噛みする。
「あ、ロラ、……ぁ」
ビダルは腹の奥がゾワリと動いた気がした。
ロラは尻尾の内側へ舌を這わせ、徐々に上へ滑らせていく。あいまにチュッと音を立てて口づけし、指先はヨダレで濡れた部分をくるくるとからかうようになぞる。ビダルは波打ってしまう尻尾を止められない。せめて力を抑えようと緊張させたせいで、ロラの愛撫をより敏感に感じてもっと悶えることになった。
「あっ、あ、ロラ、ぁ、はっ、あ、ロラ、ァ」
ビダルは顎を仰け反らせて喘ぎ、シーツに両手をつけて浮かせた腰を揺らしては甘えた声をこぼした。尻尾へ受ける初めての愛撫、味わったことのない快感と好きな相手自らが手を伸ばしたという歓びでビダルをぐずぐずにする。
「ビダル可愛い。気持ちいい?」
「きもちいい、あ、すごく、きもちいい、ロラ、ぁ、は」
尻尾の根元を指先でくすぐられ、ビダルは腰をねだるように揺する。ロラは尾てい骨から伸びる太い尻尾を掴んでビダルを横向きに寝かせ肉食獣みたいに笑った。尻尾の根元を一度撫で、歯を立てる。
「ああっ」
瞬間、ビリリとしたものがビダルの体を走り抜けた。ロラは甘噛みしながら舐め、ときおり強く吸い付いてはビダルに声を上げさせる。反対側の手でお尻の割れ目から足の間を通り、ぬるぬるしているペニスが出てきた穴の縁を撫でた。
「あアッ、ア、あ、ロラ、ロラロラ、ああっ」
ビダルは体を跳ねさせ、背中を仰け反らせて叫ぶ。
「あ、ロラ、あ、出る、でちゃう」
「どっちから?」
「わからないっ、ロラ、あ」
こんなふうにイキそうになるのが初めてで、頭を抱えて悶えるビダルの片方をロラはキュッと握った。
「こっちにするね?」
「うん、ろら、あ、あ、アああっああ」
ロラが軽く何度か擦っただけで勢いよく弾けた。ビダルはロラの手の上から握って腰を必死に振っている。
射精が終わってもロラの手を離せなかった。温かいロラの手が気持ちよくてたまらなくてこのままもっと擦りつけたい。
「ロラ」
「可愛いね」
「……ロラ、くちつけたい」
ビダルは寝ころんだまま背中を丸めてロラの顔の近くにズリズリ移動する。
ビダルを見下ろしてるロラの、上気した笑顔が近づいて頬に唇が触れた。ビダルの上半身にロラの肌が触れる。それだけで息がこぼれた。
「は、ぁ、ロラ」
「ん」
ビダルの横顔に走る口の縁から舌を割り込ませたロラはビダルの細かい尖った歯をゆっくりなぞる。ビダルは開けた口からよだれがダラダラこぼれるのもかまわず、舌を必死に伸ばして自分の中で蠢くロラの舌へ絡みついた。
ビダルを握っているロラの手が動く。上下するたびさっき吐き出した精子がグチュグチュと音を立てた。ロラのもう片方の手は尻尾の裏側を優しくくすぐる。ビダルは腰を揺すり、握りしめたロラの手へ夢中になって擦りつけた。
「はっ、……ぁ、ふ……あ、ろら、……あ、ぁ」
ビダルはロラの手に縋りついて、ロラから与えられる気持ちよさを貪る。
目を見開いて喘ぐビダルが可愛くて、ロラはたくさんのキスと囁きを降り注いだ。
「可愛い。気持ち良くなってるの可愛いね。ビダル、もっとしよ」
「ろら、ろら、あ、あ、きもちいい、きもちい、ああ、あっあっあっ」
ビダルの腰の動きが早くなる。
「出そう?」
「うん、ろら、出る、あ、あ、ろら」
「いっぱい出して。ビダルにかけられたい」
「ろらっ、あ、あ、でる、あっ、ああああっ――――、あ、あ、あ、あ、ぁ」
ロラが指をキュッとすぼませて刺激を強めるとビダルは尻尾を跳ねさせて硬直した。体を丸めて、握っているロラの手の中へ一度二度と放つ。それは収まりきらずにビダルのお腹を汚し、たらたらとシーツにこぼれた。
息を切らすビダルの頬へキスを落としたロラは、さっきの布を取って綺麗に拭いた。
ビダルはロラの片付けが終わるのを待って背中から抱き着き両手両足尻尾までロラに巻きつける。
ロラの頭に頬ずりをして甘えるビダルにロラは笑って寄りかかった。寄りかかってもびくともしない、自分をつつむ大きな体に安心し、そしてドキドキする。
「気持ちよかった?」
「うん、ロラ」
「なぁに?」
「わからない。くっつきたい」
「んふふ、私もくっつきたい。いっぱいくっつきたい」
嘘だ
ビダルの胸の内で何かが叫んだ。いきなりすぎて自分でも驚き、心臓が早鐘を打つ。
なんだこれ
息が荒くなっている。なんで。くっついてこなかった。隙間をあけた。違う。ロラ俺を好きだって言った。じゃあなんで。
考えも気持ちもぐちゃぐちゃで、ロラを囲う腕の力が強まった。心臓が強く音を立てる。
「……でも」
「ん?」
「……ロラは離れてた」
「え?」
「ロラの家で。離れてって言ったから……、なんで?」
ロラに甘やかされて蕩けた心が、ようやく不安を吐露して言葉にする。
俯いて腕の中にロラを閉じ込めたビダル。その握りこぶしをロラは撫でた。
「えーと、あれは、私が調合で臭かったから……」
「俺は、臭くないって言った」
「うん、その、そこまで臭わないよっていう、気遣いかと思って」
「俺はロラに嘘を言わない」
「嘘というか、そこまでじゃないって意味かなって思って。近寄ると匂いもキツクなるし、その、ビダルに臭いって思われるの嫌だったし」
「嘘じゃなかった。俺は平気だった」
「じゃあ逆に聞くけどビダルはなんでそこで止めたの?」
平行線になった話にイラっとしたロラはビダルに疑問をぶつける。
「ロラが、体痛くなったのは俺のせいで、……ロラが俺を怖くなってるかもしれない」
「怖い人を家にいれないよ!」
「ロラに嫌がられたら、……」
ビダルの声がか細くなって消えた。俯いたままのビダルに胸が痛んで、ギュッと抱きしめる。
「ごめん。不安にさせてごめんね」
たしかにちょっと避けたっぽかったかもしれない。まだお互いよく知らないし、それは不安になっても仕方がない。
落ち着いて立ち止まれば自分を振り返る余裕もできた。
それに、うん。ビダルは臭くないって言ったし、それを気を遣ってるだけって解釈したのは私で。師匠にも思い込むなって怒られてたっけ。いや、だって、ちょっとは良く見られたい乙女心が。って、言い訳するからダメなんだよね……。
「私もごめん。ビダルの話をちゃんと聞かなかった。それと、嫌じゃないから。嫌なことだったら嫌って言うから」
「俺が触ってもいい?」
「いいよ、もちろんもちろん。ビダルなら好きな時に触っていいよ。調合中以外。さっきビダルが好きって言ったでしょ。私だって嘘つかないよ」
「さっきは触っていいって言わなかった」
「えーーー、そういうこと言う?」
「いいかどうかわからない」
「うーん、たしかにベタベタされるの好きじゃない人はいるし、まあ、そーなんだけど。いや、勝手に判断しないビダルが正解なのか? よし、じゃあ、触っていいって言ったからもう大丈夫でしょ?」
「うん。……触っていいけど、ロラは、ロラは俺に触られたい?」
不安と期待が混じるビダルの声がかすれる。
「そりゃそうでしょ。好きな人には触られたいでしょ。ビダルはどうなの?」
「俺も触られたい。ロラに触りたい。ロラに、触りたいって思って欲しい」
「だよねっ。おなじおなじ。もー、気になったらすぐ言って。寂しいでしょ、誤解されてるの」
「……うん」
「でも本当に臭くなかった?」
「うん。知らない色んな匂いだったけど」
「ビダルには平気な匂いなのかな? なんか、獣系の人だとさーめちゃくちゃ臭がられたりしたから、ビダルもやや臭くらいを我慢してんのかもって思って」
「嘘じゃない。臭かったら言う」
「えー、ちょっとそれもどうなの。まあ、ハッキリ言われたほうが対処しやすいけど」
ロラはため息をついてビダルに寄りかかる。誤解がとけて体の力が抜けたら、笑いがこみ上げてきた。
「ん、ふふふ、あははは。あはは、もー雰囲気グダグダ。なんで臭いとかいう話してんだろ」
「ごめん」
「あーそうじゃなくてさ、こうやってなんでも話せるっていいね」
「うん」
ビダルの腕からも緊張が抜けてロラの囲いは緩いものに変わった。ロラは立ち膝になってビダルのほうを向き、長い首に腕を回した。自分を見てる縦長の瞳孔に向かって微笑む。仕切り直しだ。
「続きするよね?」
「する。したい。ロラの中に入りたい」
ビダルは低い声で囁き、ぺろりとロラの唇を舐めた。
自分の気持ちを、望みを口に出して伝える。大事なことだから。ロラにわかってほしいから。ロラに何回だって許されたい。
「ん、……私も、ん、したい」
ビダルの返事に胸がキュンとする。
ロラも舌を出してビダルの大きな舌をぺちょぺちょ舐めながら伝えた。口から出して舌をねぶり合ういやらしさにロラの潤いが増す。ビダルの立ちあがり始めた二又を濡れたヒダに擦りつけ、もう少し先の熱さを予感して下腹の奥が引きつった。
「はっ、ぁ、あ」
ビダルはすぐに硬くなってその先を目指すようにそそり立つ。ロラの尻を両手で捕らえて、先端で膣口をひっかけるように腰を振った。ほんの少し引っ掛かって滑って外れ、でもその引っ掛かりがもどかしくて待ち遠しい。ここで繋がるのだと教える熱い湿り気がビダルを煽る。首をかしげて深く繋げた舌は執拗にロラの舌へ絡みつき、声も息も飲み込んで嚥下した。
ロラがビダルの片腕を取って胸の上に置いた。自分を求めるロラがとても愛しく感じる。可愛い。いじったらロラが歓びの声を上げるところ。ふにゃふにゃ柔らかい人間にしかない部分。
手の中で形を変える。硬くなるとこが、ペニスに似ていると思う。触ると気持ちよくなるところも、いじったらイってしまうところも。
乳首を摘むとロラの体がビクリとして肌が粟立った。ロラの反応が嬉しくてクリクリ回すと腰の揺れが大きくなる。ロラは腰の角度変えてを肉芽を押し付けるように揺らす。割れ目の中の肉ヒダにヌルヌル撫でられてビダルも息を荒げた。興奮のままロラの舌に絡みつき、しこった乳首を押しまわす。
「あああっ、あ、あっあっあっ、ビダル、ああ」
快感が強くなったロラは背中を仰け反らせて高い声をあげる。ビダルは目の前に差し出された乳房へむしゃぶりつくためにロラの腰を抱きかかえて持ち上げた。パクリと口に咥え、大きな舌でほじくるように舐め弾く。
「あーっ、あっ、あっ、ああ、んん、はっ」
仰け反りが大きくなるロラの背中をもう片腕で支え、乳房を口から出さずに執拗に舐めた。
悶えるロラの手がビダルの後頭部から首をさまよう。くすぐったくて気持ちいい。胸に当たるロラのお腹が温かくて、大きく吸う息と一緒にもっとロラを抱き寄せた。
胸からの刺激はロラを快感の波に浸した。信号が体のあちこちに送られて、もっと欲しいと貪欲さを連れてくる。もっと、もっと欲しい。
ロラはビダルに恥丘をキツク押し付けた。ズリズリ擦りつけるたびロラの潤みがビダルの胸を濡らす。腰を上下に振って絶頂のきざはしに手を伸ばした。
「あーーー、あっあっ、いい、は、ああ、あ、ビダル、いい、あ、イク、ああっ、あ-----」
ビダルはグッと反ったロラの頭を支えた。ロラの手がビダルの肩を掴んでる。とても強く。温かい手に強く掴まれてゾクゾクと尻尾が波打った。
腕の中のロラは強張って動けない。俺がぜんぶささえてて、ロラはぜんぶを俺に任せてて。……たまらない。
ロラの力が抜けてから体を降ろした。胸の濡れた部分にロラの頭があたりそうなので拭いてから抱きしめる。座って抱きしめると手足ぜんぶでロラを囲えるから良いな。嬉しい。
「ビダル」
ロラは甘い声でビダルを呼び、ビダルの足の上にまたがった。ビダルの根元を掴み、腰を浮かせて膣口に先端を当てる。濡れた目で見上げてビダルの意識を奪って。
「あ、ふ、おっきい、ん」
「ロラ、あ、は、ぁ」
ロラが腰を降ろしてビダルを飲み込んでいく。ゆっくり、焦らすように。ビダルは喘ぎながら、喉をそらせて目を閉じるロラを見ていた。
「ん、ビダル、手」
ロラがビダルの両手を取って自分の尻に当てる。それから腕を伸ばして前かがみになったビダルの首に掴まった。
「苦しくない?」
「苦しくない。嬉しい」
ロラが俺の手を欲しがったのも俺に掴まるのも嬉しい。
「私も嬉しい。ビダルが嬉しいと思ってくれるのが嬉しい。あはは、照れるね」
「可愛い」
「もー、……好き」
「俺も好き。ロラが好き」
体の奥が痺れる。ロラはキュッと締め付け、ビダルは痛いほど硬くなった。
ロラが腰をゆっくり上下に動かす。押し込むたびに甘い声が後を引く。大きなビダルの手でお尻全体を揉みしだかれると、中をむちゃくちゃ擦りつけたくなる。腰の動きを早めたロラを手伝うビダルの手は、ロラの気持ちを満たして自由にした。
ビダルの大きいペニスが膣口から押し広げて最奥まで隙間なく擦り上げる。腰を落として回せば最奥を抉られ、ロラの下腹がキツク締まった。
「あ、いい、すごく、いいの、あっ、あっ、ビダル、もっと」
「ロラ、うん、あ、あ、こんな、あ、うぁ」
ロラの背中越しに見える尻がひどく卑猥な動きでビダルを翻弄する。ビダルに吸い付いて搾り上げる動き。快感を追うロラの媚肉はしゃぶりつくように蠢いてビダルにまとわりついた。ロラの動きは早くなり、ビダルを追い詰めていく。
ビダルはもっと早く腰を振って突き上げたいのを耐える。が、ロラに合わせて動かす手の尻肉を捏ねまわす動きで、ねだっているのが丸わかりだった。
「あ、ロラ、気持ちい、いい、あ、あぁ」
「ん、あ、あぁ、ビダル、ね、イキたい?」
「イキたい、ロラ、あ、ロラ」
「ん、もっと、ビダル、して、奥、突いて、あっ、あ、ね、ビダル」
ビダルの指に力が入りロラの尻肉が指の形にへこむ。ロラの体がゾクゾクと歓びに粟立った。硬くなった乳首が揺れの振動に反応する。ビダルが下から突き上げロラの奥を抉った。バチュバチュと肉のぶつかる音を立てて何度も突き上げる。ロラを逃がさないように腰を掴んで何度も。
せり上がる快感は意識を曖昧にして湧き上がるものが溢れ出す。
「ロラっ、アアッ、あっ、ロラ、好き、好き、ロラっ、あ、イク、出ちゃう、ロラ、あああっ――」
「あッ、ビダル、ア、あああっぅくーーー――――」
「あ、ぁ、ロラぁっ」
愛しい男の絶頂に興奮したロラも深く達して弓なりに反る。激しい射精中に搾り上げられたビダルはブルリと震えて潮までもを噴き上げた。
混乱しても気持ち良いのは確かで。ただただ本能に従ってロラの腰を離さずに最後まで中に注いだ。
ロラが弛緩するのを待ってから、ビダルは背中を手で支えて起こした。胸に抱き寄せて抱きかかえる。あったかくて柔らかいものが腕の中にいる。快感の名残と肌の暖かさが混ざる。心地よい怠さと繋がった場所から溢れた汁や精液で尻の下まで濡れた不快さ。その対比がロラと交わった実感を生々しくビダルに伝え、入れたままのロラの中でビクリと跳ねた。
「ん、ビダル、お水ちょうだい」
「うん」
くっついたまま離れたくないのは変わらない。でもなんとなく大丈夫だと思える。大丈夫、俺を待っていてくれる。
頷いたビダルの頬にロラの手が伸びた。引かれるままかがむとロラがビダルの口先をペロリと舐める。
「ふふ、ありがとう」
「うん」
ビダルもペロリと唇を舐めて返事をする。これだけのやり取りがなんでかすごく嬉しい。
ロラを降ろしてぐしょぐしょになったシーツと自分たちを片付けてから、水を取りにいった。
二人で喉を潤してベッドに寝転がる。新品らしいシーツを敷き直したあとは、ロラを抱き寄せて少しも離れようとしないビダルにロラは声を立てて笑った。
「なに?」
「んー、ビダル可愛い」
甘くて甘くて溶けそう。ずっとビダルとこうしてたいな。
ビダルに足をかけると尻尾がやってきてロラの足に絡んだ。
でも、種族違うんだよなぁ。そこんとこどうなんだろ。
「ねぇ、種族違うと子供作れないって知ってるでしょ?」
「知ってる」
「それでもずっと一緒にいる?」
「いる。俺はロラがいい」
「ふふ、私もビダルがいい」
ビダルがギュッと抱きしめてくるので背中を撫でる。かわいい。
「そーいえば人間はちょっと違うらしいよ」
「え?」
「たまーにできちゃうんだって、師匠が言ってた」
「え、ロラに俺の卵?」
「あー、人間は卵じゃなくて赤ちゃんを産むの。そこが違うから鱗人と子供ができたって話は聞いたことないらしい。他の人系とか獣系とかだって」
俺とはないのか。もともと関係ないから変わらない。
「でもさー面白そうじゃない? 人間が卵産むの」
「え?」
「まあ、あり得ないだろうけど、面白そうだから産めたら楽しいなーって」
「……ロラは欲しい?」
「自分に当てはまるなんて考えたことないんだよね。師匠は結婚してないし子供もいなくて、私もそうなるだろうなって思ってたから。今も面白そうってだけだし」
「俺はよくわからない」
「だよねぇ。私もわかんない。あり得ない可能性だけど、ちょっと思い出したから。それと、もしもよもしも、お腹膨らんでも相手はビダルしかいないからね」
「わかった」
ビダルが答えるとロラはニッと笑ってビダルの口先にキスをした。
わかった。ロラが俺以外に抱かれないって、そう決めてるってわかった。
胸がギュッとなってロラをもっとギュッと抱きしめたいけど、力が入りすぎるような気がしてそっと抱きしめる。ロラの顔のあちこちをペロペロ舐めた。
丸い鼻の頭、瞼のくぼみ、不思議な形の耳も。ロラのことをぜんぶ知りたい。あとで聞こう。卵じゃない話となんで温かいのかと、いつから一緒に住むのかも。いまはそれよりロラが欲しい。きっとずっとロラが欲しいんだろう、ビダルはそう確信してロラの頬を舐めた。
「脱がしてくれるの?」
「うん。脱がしたい」
「嬉しい。ね、ビダル、私、おかしくなっちゃいそう」
「……俺も。ロラと会ってからずっとおかしい」
ビダルはごくりと唾を飲んでロラの足を手にとった。これは大切なもの。ロラの踵をスリリと撫でてサンダルの紐をゆっくりと解く。紐の流れる曲線で飾られた足がひどく儚げに見えた。サンダルを脱がして手の中に収めた足に鼻先で触れ、つつましくペロリとひと舐めする。それから静かに水へ浸し、指で揉むように洗った。側面の突き出た骨や丸いかかと、土踏まずの曲線を通って小さくて短い指へ至る。傷はもうすぐ消えそうなかさぶたになっていてビダルを安心させた。足の指のあいだまで一本一本洗ってから布でまた一本一本拭き上げる。ロラのくすぐったそうな笑い声に混じる官能に、ビダルは尻尾の先を震わせた。もう片足も同じように、もっと丁寧に洗って拭いてから、ビダルは立ち上がって服を脱いだ。
ズボンを押し上げてた物が腹について糸を引く。それにかまわず自分の足を桶に突っ込んでゴシゴシ洗った。
その様子を笑うロラも服を脱ぎ、ビダルのほうを向いて座る。雑に拭いて終わらせようとしていたビダルから布を受け取って、足をむけてもらった。
手に比べてがっしりしてる足の肌は硬い。長めの指から飛び出てる爪は、これだけ見たら怖くなるような鋭さだけれど、ギュッと指を丸めて爪を当てないようにしてる仕草のせいか、怖さじゃなく自分とは違う造形の不思議さが印象に残る。
「拭くから伸ばして」
「危ない」
「気をつけるから。私も拭きたいの」
ビダルがそろそろと伸ばした指を一本取って拭く。くすぐったいのかピクリと動く足がおもしろくて楽しくなる。ロラは両足を拭いてから、待ってたように尻尾の先を捕まえた。
「触ってみたかったの」
こっちは足より柔らかいと、内側と外側で違う鱗の感触を確かめながら布を滑らせる。
自分が触りたい対象になると思っていなかったビダルは、意味が飲み込めなくて首をかしげた。
「尻尾、ないから?」
「そうなのかな? でもビダルの尻尾、動くのとか可愛いから。もっとさわっていい?」
「うん、好きに」
うん、ロラの好きにして。
ビダルはぶるりと体を震わせた。ロラに好きにされると思うとゾクゾクしてたまらない。
ロラは尻尾を持ち上げてその先端を口に含んだ。ぺろぺろ舐めて甘噛みする。
「あ、ロラ、……ぁ」
ビダルは腹の奥がゾワリと動いた気がした。
ロラは尻尾の内側へ舌を這わせ、徐々に上へ滑らせていく。あいまにチュッと音を立てて口づけし、指先はヨダレで濡れた部分をくるくるとからかうようになぞる。ビダルは波打ってしまう尻尾を止められない。せめて力を抑えようと緊張させたせいで、ロラの愛撫をより敏感に感じてもっと悶えることになった。
「あっ、あ、ロラ、ぁ、はっ、あ、ロラ、ァ」
ビダルは顎を仰け反らせて喘ぎ、シーツに両手をつけて浮かせた腰を揺らしては甘えた声をこぼした。尻尾へ受ける初めての愛撫、味わったことのない快感と好きな相手自らが手を伸ばしたという歓びでビダルをぐずぐずにする。
「ビダル可愛い。気持ちいい?」
「きもちいい、あ、すごく、きもちいい、ロラ、ぁ、は」
尻尾の根元を指先でくすぐられ、ビダルは腰をねだるように揺する。ロラは尾てい骨から伸びる太い尻尾を掴んでビダルを横向きに寝かせ肉食獣みたいに笑った。尻尾の根元を一度撫で、歯を立てる。
「ああっ」
瞬間、ビリリとしたものがビダルの体を走り抜けた。ロラは甘噛みしながら舐め、ときおり強く吸い付いてはビダルに声を上げさせる。反対側の手でお尻の割れ目から足の間を通り、ぬるぬるしているペニスが出てきた穴の縁を撫でた。
「あアッ、ア、あ、ロラ、ロラロラ、ああっ」
ビダルは体を跳ねさせ、背中を仰け反らせて叫ぶ。
「あ、ロラ、あ、出る、でちゃう」
「どっちから?」
「わからないっ、ロラ、あ」
こんなふうにイキそうになるのが初めてで、頭を抱えて悶えるビダルの片方をロラはキュッと握った。
「こっちにするね?」
「うん、ろら、あ、あ、アああっああ」
ロラが軽く何度か擦っただけで勢いよく弾けた。ビダルはロラの手の上から握って腰を必死に振っている。
射精が終わってもロラの手を離せなかった。温かいロラの手が気持ちよくてたまらなくてこのままもっと擦りつけたい。
「ロラ」
「可愛いね」
「……ロラ、くちつけたい」
ビダルは寝ころんだまま背中を丸めてロラの顔の近くにズリズリ移動する。
ビダルを見下ろしてるロラの、上気した笑顔が近づいて頬に唇が触れた。ビダルの上半身にロラの肌が触れる。それだけで息がこぼれた。
「は、ぁ、ロラ」
「ん」
ビダルの横顔に走る口の縁から舌を割り込ませたロラはビダルの細かい尖った歯をゆっくりなぞる。ビダルは開けた口からよだれがダラダラこぼれるのもかまわず、舌を必死に伸ばして自分の中で蠢くロラの舌へ絡みついた。
ビダルを握っているロラの手が動く。上下するたびさっき吐き出した精子がグチュグチュと音を立てた。ロラのもう片方の手は尻尾の裏側を優しくくすぐる。ビダルは腰を揺すり、握りしめたロラの手へ夢中になって擦りつけた。
「はっ、……ぁ、ふ……あ、ろら、……あ、ぁ」
ビダルはロラの手に縋りついて、ロラから与えられる気持ちよさを貪る。
目を見開いて喘ぐビダルが可愛くて、ロラはたくさんのキスと囁きを降り注いだ。
「可愛い。気持ち良くなってるの可愛いね。ビダル、もっとしよ」
「ろら、ろら、あ、あ、きもちいい、きもちい、ああ、あっあっあっ」
ビダルの腰の動きが早くなる。
「出そう?」
「うん、ろら、出る、あ、あ、ろら」
「いっぱい出して。ビダルにかけられたい」
「ろらっ、あ、あ、でる、あっ、ああああっ――――、あ、あ、あ、あ、ぁ」
ロラが指をキュッとすぼませて刺激を強めるとビダルは尻尾を跳ねさせて硬直した。体を丸めて、握っているロラの手の中へ一度二度と放つ。それは収まりきらずにビダルのお腹を汚し、たらたらとシーツにこぼれた。
息を切らすビダルの頬へキスを落としたロラは、さっきの布を取って綺麗に拭いた。
ビダルはロラの片付けが終わるのを待って背中から抱き着き両手両足尻尾までロラに巻きつける。
ロラの頭に頬ずりをして甘えるビダルにロラは笑って寄りかかった。寄りかかってもびくともしない、自分をつつむ大きな体に安心し、そしてドキドキする。
「気持ちよかった?」
「うん、ロラ」
「なぁに?」
「わからない。くっつきたい」
「んふふ、私もくっつきたい。いっぱいくっつきたい」
嘘だ
ビダルの胸の内で何かが叫んだ。いきなりすぎて自分でも驚き、心臓が早鐘を打つ。
なんだこれ
息が荒くなっている。なんで。くっついてこなかった。隙間をあけた。違う。ロラ俺を好きだって言った。じゃあなんで。
考えも気持ちもぐちゃぐちゃで、ロラを囲う腕の力が強まった。心臓が強く音を立てる。
「……でも」
「ん?」
「……ロラは離れてた」
「え?」
「ロラの家で。離れてって言ったから……、なんで?」
ロラに甘やかされて蕩けた心が、ようやく不安を吐露して言葉にする。
俯いて腕の中にロラを閉じ込めたビダル。その握りこぶしをロラは撫でた。
「えーと、あれは、私が調合で臭かったから……」
「俺は、臭くないって言った」
「うん、その、そこまで臭わないよっていう、気遣いかと思って」
「俺はロラに嘘を言わない」
「嘘というか、そこまでじゃないって意味かなって思って。近寄ると匂いもキツクなるし、その、ビダルに臭いって思われるの嫌だったし」
「嘘じゃなかった。俺は平気だった」
「じゃあ逆に聞くけどビダルはなんでそこで止めたの?」
平行線になった話にイラっとしたロラはビダルに疑問をぶつける。
「ロラが、体痛くなったのは俺のせいで、……ロラが俺を怖くなってるかもしれない」
「怖い人を家にいれないよ!」
「ロラに嫌がられたら、……」
ビダルの声がか細くなって消えた。俯いたままのビダルに胸が痛んで、ギュッと抱きしめる。
「ごめん。不安にさせてごめんね」
たしかにちょっと避けたっぽかったかもしれない。まだお互いよく知らないし、それは不安になっても仕方がない。
落ち着いて立ち止まれば自分を振り返る余裕もできた。
それに、うん。ビダルは臭くないって言ったし、それを気を遣ってるだけって解釈したのは私で。師匠にも思い込むなって怒られてたっけ。いや、だって、ちょっとは良く見られたい乙女心が。って、言い訳するからダメなんだよね……。
「私もごめん。ビダルの話をちゃんと聞かなかった。それと、嫌じゃないから。嫌なことだったら嫌って言うから」
「俺が触ってもいい?」
「いいよ、もちろんもちろん。ビダルなら好きな時に触っていいよ。調合中以外。さっきビダルが好きって言ったでしょ。私だって嘘つかないよ」
「さっきは触っていいって言わなかった」
「えーーー、そういうこと言う?」
「いいかどうかわからない」
「うーん、たしかにベタベタされるの好きじゃない人はいるし、まあ、そーなんだけど。いや、勝手に判断しないビダルが正解なのか? よし、じゃあ、触っていいって言ったからもう大丈夫でしょ?」
「うん。……触っていいけど、ロラは、ロラは俺に触られたい?」
不安と期待が混じるビダルの声がかすれる。
「そりゃそうでしょ。好きな人には触られたいでしょ。ビダルはどうなの?」
「俺も触られたい。ロラに触りたい。ロラに、触りたいって思って欲しい」
「だよねっ。おなじおなじ。もー、気になったらすぐ言って。寂しいでしょ、誤解されてるの」
「……うん」
「でも本当に臭くなかった?」
「うん。知らない色んな匂いだったけど」
「ビダルには平気な匂いなのかな? なんか、獣系の人だとさーめちゃくちゃ臭がられたりしたから、ビダルもやや臭くらいを我慢してんのかもって思って」
「嘘じゃない。臭かったら言う」
「えー、ちょっとそれもどうなの。まあ、ハッキリ言われたほうが対処しやすいけど」
ロラはため息をついてビダルに寄りかかる。誤解がとけて体の力が抜けたら、笑いがこみ上げてきた。
「ん、ふふふ、あははは。あはは、もー雰囲気グダグダ。なんで臭いとかいう話してんだろ」
「ごめん」
「あーそうじゃなくてさ、こうやってなんでも話せるっていいね」
「うん」
ビダルの腕からも緊張が抜けてロラの囲いは緩いものに変わった。ロラは立ち膝になってビダルのほうを向き、長い首に腕を回した。自分を見てる縦長の瞳孔に向かって微笑む。仕切り直しだ。
「続きするよね?」
「する。したい。ロラの中に入りたい」
ビダルは低い声で囁き、ぺろりとロラの唇を舐めた。
自分の気持ちを、望みを口に出して伝える。大事なことだから。ロラにわかってほしいから。ロラに何回だって許されたい。
「ん、……私も、ん、したい」
ビダルの返事に胸がキュンとする。
ロラも舌を出してビダルの大きな舌をぺちょぺちょ舐めながら伝えた。口から出して舌をねぶり合ういやらしさにロラの潤いが増す。ビダルの立ちあがり始めた二又を濡れたヒダに擦りつけ、もう少し先の熱さを予感して下腹の奥が引きつった。
「はっ、ぁ、あ」
ビダルはすぐに硬くなってその先を目指すようにそそり立つ。ロラの尻を両手で捕らえて、先端で膣口をひっかけるように腰を振った。ほんの少し引っ掛かって滑って外れ、でもその引っ掛かりがもどかしくて待ち遠しい。ここで繋がるのだと教える熱い湿り気がビダルを煽る。首をかしげて深く繋げた舌は執拗にロラの舌へ絡みつき、声も息も飲み込んで嚥下した。
ロラがビダルの片腕を取って胸の上に置いた。自分を求めるロラがとても愛しく感じる。可愛い。いじったらロラが歓びの声を上げるところ。ふにゃふにゃ柔らかい人間にしかない部分。
手の中で形を変える。硬くなるとこが、ペニスに似ていると思う。触ると気持ちよくなるところも、いじったらイってしまうところも。
乳首を摘むとロラの体がビクリとして肌が粟立った。ロラの反応が嬉しくてクリクリ回すと腰の揺れが大きくなる。ロラは腰の角度変えてを肉芽を押し付けるように揺らす。割れ目の中の肉ヒダにヌルヌル撫でられてビダルも息を荒げた。興奮のままロラの舌に絡みつき、しこった乳首を押しまわす。
「あああっ、あ、あっあっあっ、ビダル、ああ」
快感が強くなったロラは背中を仰け反らせて高い声をあげる。ビダルは目の前に差し出された乳房へむしゃぶりつくためにロラの腰を抱きかかえて持ち上げた。パクリと口に咥え、大きな舌でほじくるように舐め弾く。
「あーっ、あっ、あっ、ああ、んん、はっ」
仰け反りが大きくなるロラの背中をもう片腕で支え、乳房を口から出さずに執拗に舐めた。
悶えるロラの手がビダルの後頭部から首をさまよう。くすぐったくて気持ちいい。胸に当たるロラのお腹が温かくて、大きく吸う息と一緒にもっとロラを抱き寄せた。
胸からの刺激はロラを快感の波に浸した。信号が体のあちこちに送られて、もっと欲しいと貪欲さを連れてくる。もっと、もっと欲しい。
ロラはビダルに恥丘をキツク押し付けた。ズリズリ擦りつけるたびロラの潤みがビダルの胸を濡らす。腰を上下に振って絶頂のきざはしに手を伸ばした。
「あーーー、あっあっ、いい、は、ああ、あ、ビダル、いい、あ、イク、ああっ、あ-----」
ビダルはグッと反ったロラの頭を支えた。ロラの手がビダルの肩を掴んでる。とても強く。温かい手に強く掴まれてゾクゾクと尻尾が波打った。
腕の中のロラは強張って動けない。俺がぜんぶささえてて、ロラはぜんぶを俺に任せてて。……たまらない。
ロラの力が抜けてから体を降ろした。胸の濡れた部分にロラの頭があたりそうなので拭いてから抱きしめる。座って抱きしめると手足ぜんぶでロラを囲えるから良いな。嬉しい。
「ビダル」
ロラは甘い声でビダルを呼び、ビダルの足の上にまたがった。ビダルの根元を掴み、腰を浮かせて膣口に先端を当てる。濡れた目で見上げてビダルの意識を奪って。
「あ、ふ、おっきい、ん」
「ロラ、あ、は、ぁ」
ロラが腰を降ろしてビダルを飲み込んでいく。ゆっくり、焦らすように。ビダルは喘ぎながら、喉をそらせて目を閉じるロラを見ていた。
「ん、ビダル、手」
ロラがビダルの両手を取って自分の尻に当てる。それから腕を伸ばして前かがみになったビダルの首に掴まった。
「苦しくない?」
「苦しくない。嬉しい」
ロラが俺の手を欲しがったのも俺に掴まるのも嬉しい。
「私も嬉しい。ビダルが嬉しいと思ってくれるのが嬉しい。あはは、照れるね」
「可愛い」
「もー、……好き」
「俺も好き。ロラが好き」
体の奥が痺れる。ロラはキュッと締め付け、ビダルは痛いほど硬くなった。
ロラが腰をゆっくり上下に動かす。押し込むたびに甘い声が後を引く。大きなビダルの手でお尻全体を揉みしだかれると、中をむちゃくちゃ擦りつけたくなる。腰の動きを早めたロラを手伝うビダルの手は、ロラの気持ちを満たして自由にした。
ビダルの大きいペニスが膣口から押し広げて最奥まで隙間なく擦り上げる。腰を落として回せば最奥を抉られ、ロラの下腹がキツク締まった。
「あ、いい、すごく、いいの、あっ、あっ、ビダル、もっと」
「ロラ、うん、あ、あ、こんな、あ、うぁ」
ロラの背中越しに見える尻がひどく卑猥な動きでビダルを翻弄する。ビダルに吸い付いて搾り上げる動き。快感を追うロラの媚肉はしゃぶりつくように蠢いてビダルにまとわりついた。ロラの動きは早くなり、ビダルを追い詰めていく。
ビダルはもっと早く腰を振って突き上げたいのを耐える。が、ロラに合わせて動かす手の尻肉を捏ねまわす動きで、ねだっているのが丸わかりだった。
「あ、ロラ、気持ちい、いい、あ、あぁ」
「ん、あ、あぁ、ビダル、ね、イキたい?」
「イキたい、ロラ、あ、ロラ」
「ん、もっと、ビダル、して、奥、突いて、あっ、あ、ね、ビダル」
ビダルの指に力が入りロラの尻肉が指の形にへこむ。ロラの体がゾクゾクと歓びに粟立った。硬くなった乳首が揺れの振動に反応する。ビダルが下から突き上げロラの奥を抉った。バチュバチュと肉のぶつかる音を立てて何度も突き上げる。ロラを逃がさないように腰を掴んで何度も。
せり上がる快感は意識を曖昧にして湧き上がるものが溢れ出す。
「ロラっ、アアッ、あっ、ロラ、好き、好き、ロラっ、あ、イク、出ちゃう、ロラ、あああっ――」
「あッ、ビダル、ア、あああっぅくーーー――――」
「あ、ぁ、ロラぁっ」
愛しい男の絶頂に興奮したロラも深く達して弓なりに反る。激しい射精中に搾り上げられたビダルはブルリと震えて潮までもを噴き上げた。
混乱しても気持ち良いのは確かで。ただただ本能に従ってロラの腰を離さずに最後まで中に注いだ。
ロラが弛緩するのを待ってから、ビダルは背中を手で支えて起こした。胸に抱き寄せて抱きかかえる。あったかくて柔らかいものが腕の中にいる。快感の名残と肌の暖かさが混ざる。心地よい怠さと繋がった場所から溢れた汁や精液で尻の下まで濡れた不快さ。その対比がロラと交わった実感を生々しくビダルに伝え、入れたままのロラの中でビクリと跳ねた。
「ん、ビダル、お水ちょうだい」
「うん」
くっついたまま離れたくないのは変わらない。でもなんとなく大丈夫だと思える。大丈夫、俺を待っていてくれる。
頷いたビダルの頬にロラの手が伸びた。引かれるままかがむとロラがビダルの口先をペロリと舐める。
「ふふ、ありがとう」
「うん」
ビダルもペロリと唇を舐めて返事をする。これだけのやり取りがなんでかすごく嬉しい。
ロラを降ろしてぐしょぐしょになったシーツと自分たちを片付けてから、水を取りにいった。
二人で喉を潤してベッドに寝転がる。新品らしいシーツを敷き直したあとは、ロラを抱き寄せて少しも離れようとしないビダルにロラは声を立てて笑った。
「なに?」
「んー、ビダル可愛い」
甘くて甘くて溶けそう。ずっとビダルとこうしてたいな。
ビダルに足をかけると尻尾がやってきてロラの足に絡んだ。
でも、種族違うんだよなぁ。そこんとこどうなんだろ。
「ねぇ、種族違うと子供作れないって知ってるでしょ?」
「知ってる」
「それでもずっと一緒にいる?」
「いる。俺はロラがいい」
「ふふ、私もビダルがいい」
ビダルがギュッと抱きしめてくるので背中を撫でる。かわいい。
「そーいえば人間はちょっと違うらしいよ」
「え?」
「たまーにできちゃうんだって、師匠が言ってた」
「え、ロラに俺の卵?」
「あー、人間は卵じゃなくて赤ちゃんを産むの。そこが違うから鱗人と子供ができたって話は聞いたことないらしい。他の人系とか獣系とかだって」
俺とはないのか。もともと関係ないから変わらない。
「でもさー面白そうじゃない? 人間が卵産むの」
「え?」
「まあ、あり得ないだろうけど、面白そうだから産めたら楽しいなーって」
「……ロラは欲しい?」
「自分に当てはまるなんて考えたことないんだよね。師匠は結婚してないし子供もいなくて、私もそうなるだろうなって思ってたから。今も面白そうってだけだし」
「俺はよくわからない」
「だよねぇ。私もわかんない。あり得ない可能性だけど、ちょっと思い出したから。それと、もしもよもしも、お腹膨らんでも相手はビダルしかいないからね」
「わかった」
ビダルが答えるとロラはニッと笑ってビダルの口先にキスをした。
わかった。ロラが俺以外に抱かれないって、そう決めてるってわかった。
胸がギュッとなってロラをもっとギュッと抱きしめたいけど、力が入りすぎるような気がしてそっと抱きしめる。ロラの顔のあちこちをペロペロ舐めた。
丸い鼻の頭、瞼のくぼみ、不思議な形の耳も。ロラのことをぜんぶ知りたい。あとで聞こう。卵じゃない話となんで温かいのかと、いつから一緒に住むのかも。いまはそれよりロラが欲しい。きっとずっとロラが欲しいんだろう、ビダルはそう確信してロラの頬を舐めた。
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