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第一章 変わる関係
5話 いけない秘密
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先輩と男子生徒がこちらに来る……!
制服を脱ぎかけた先輩が男子生徒に手を引かれて歩いてくる!
どうする?どうすればいい!?
今さら慌てて逃げたところで絶対に姿を見られるだろう。
後から気まずくなるくらいなら、今ここで謝った方が良いんじゃないか!?
いや、どっちにしろ気まずくはなるか……
くそったれめ、覗きなんてしないで二人が熱中している隙に静かにするりと退散するべきだった。
「あ? 誰だてめえは」
そうこう考えてるうちに二人は準備室に入ってきた。
男の方は俺に対して敵意を剥き出しにしている。
「澄谷、君?」
先輩は驚きの表情を見せて声を詰まらせる。
「え、あ、えっと、いや、どうも……」
気が動転している俺は何とも歯切れの悪い返答をしてしまう。
「てめえ、いつから此処に居やがった」
男は殺気立ちながら俺に詰め寄ってくる。
「ええと……いつから、だったかなあ……」
「ふざけてんのかテメェ!!」
「がはっ……!」
俺が雑にはぐらかそうとすると、男は声を荒げて俺の胸ぐらを掴み、勢いよく壁に叩きつけてきた。
「っつ……てぇな……なに、するんだよ」
「てめえが質問に答えねえからだろ」
男は前腕を俺の喉元に押し付け、首を締め上げる。
「くっ……かっ……」
男の腕には相当な力が入っており、腕を引きはがそうとしてもピクリともしない。
こいつの身長は俺よりも高く、ガタイも俺より大きく、力の差は歴然で、俺は息をするので精一杯だった。
「澄谷君……正直に話して欲しいの」
先輩は愁いを帯びている表情で俺に問いかける。
壁に押し付けられている俺の方へゆっくりと近づいてきた。
「私たちのしていたこと…………見たの?」
先輩の声は震えていて、瞳にはうっすらと涙が浮かんでいる。
出来る事なら見なかった事にしたいのだが、この状況では誤魔化せないだろう。
それならば正直に話した方がダメージが少なくなるのではないかと、そう思った。
……これ以上の暴力は勘弁してもらいたいしな……
「……みま、した」
押さえつけられた喉元から、無理やりに声を出し、俺は答えた。
「……そっか…………見たんだ……」
先輩は悲しそうな表情を見せた後、視線を足元に移し、両手で顔を覆った……
その様子を見たら途端に申し訳ない気持ちが湧き上がってくる。
思春期の女子があんなところを見られるのは相当ショックなはずだ。
今更ながら自分のした覗きという行為に罪悪感を覚える。
先輩を傷つけてしまった……
「すい、ませんでした……」
謝ってどうにかなるとも思えなかったが、俺は出来る限りの声を絞り出し、謝罪をした。
すると、俺を押さえつけていた男は力を緩めて俺を解放した。
俺は少しせき込み、深く深呼吸をして、先輩の前に立った。
「先輩、俺……」
誠心誠意、謝ろう、
そう思った時だった。
「があ”あッ……!?」
腹部にとんでもない衝撃が飛んできた。
あまりの痛さに腹をおさえ、膝をついてしまう。
呼吸が上手く出来ず、開いた口から涎がしたたり落ちる。
――俺は先輩に腹を蹴られた
まさか……あの先輩が……なんで……
こんな事をされるとは微塵も思っていなかった。
そのため俺の腹は無防備で、やわらかい状態を晒していて、そこに先輩の渾身の蹴りがさく裂したのだ。
腹に食らった衝撃はもちろんのこと、精神的にも大きなダメージを負った。
明滅する視界で先輩のことを見上げると、彼女はゴミを見るような目で俺を見下している。
「覗きをするなんて最低ね」
先ほどまでの愁いを帯びた先輩とはまるで別人である。いや、今までだってこんな冷酷な表情の先輩など見たことが無かった。
「貴志、押さえつけて」
男は先輩の言葉に頷き、俺の背中に蹴りを入れた。
「がっ……!」
俺は腹の痛みで身体に力が入らなく、蹴られた衝撃でそのまま前方へと倒れこんだ。
すると男は俺の頭を鷲掴みにして、そのまま地面に押し付けてくる。
背中には膝をおいて体重を乗せられ、俺はピクリとも動けなくなった。
「いっっ……てぇ……」
蹴られた腹と背中が痛む。
背中には体重がかけられているせいで呼吸は苦しい。
――何故ここまでされないといけないのか。
確かに覗きをした俺が悪いが、これはさすがにやり過ぎじゃないのか。
「どうして……こんなこと……するんですか」
俺は先輩に訴えかける。
「あんたが見ちゃいけないものを見たからよ」
先輩の声は低く冷めきっている。
「…………言いふらしたりなんか、しませんよ……」
「信用できるわけないでしょう?」
先輩は膝をつき、地面にある俺の顔を覗き込むようにしてそう言った。
「仮に、もし、バレたとしても……あんたらなら……お似合いのカップルだって……そう思われる、だけでしょう?……」
俺は圧迫される肺から絞り出すように声を発し、言葉を繋ぎ合わせる。
「もう、高校生なんだから……アレくらいの事、誰でもやってますって……」
当然、俺はやったこと無いのだが……
「…………」
それを聞いた先輩は深く長い溜息をついた。
「澄谷君。そのうち分かる事だと思うから今言うけど……この子は生徒会に入ることになってるの」
この子っていうのは現在進行形で俺を押さえつけてる男のことだよな?
「そう、なんですか……」
それが今の状況と何の関係があるんだよ。
苦しいから早く解放してもらいたいのだが……
「名前は新庄貴志」
だからそれがなんだって……
……え?
…………新庄って、
「私の弟よ」
制服を脱ぎかけた先輩が男子生徒に手を引かれて歩いてくる!
どうする?どうすればいい!?
今さら慌てて逃げたところで絶対に姿を見られるだろう。
後から気まずくなるくらいなら、今ここで謝った方が良いんじゃないか!?
いや、どっちにしろ気まずくはなるか……
くそったれめ、覗きなんてしないで二人が熱中している隙に静かにするりと退散するべきだった。
「あ? 誰だてめえは」
そうこう考えてるうちに二人は準備室に入ってきた。
男の方は俺に対して敵意を剥き出しにしている。
「澄谷、君?」
先輩は驚きの表情を見せて声を詰まらせる。
「え、あ、えっと、いや、どうも……」
気が動転している俺は何とも歯切れの悪い返答をしてしまう。
「てめえ、いつから此処に居やがった」
男は殺気立ちながら俺に詰め寄ってくる。
「ええと……いつから、だったかなあ……」
「ふざけてんのかテメェ!!」
「がはっ……!」
俺が雑にはぐらかそうとすると、男は声を荒げて俺の胸ぐらを掴み、勢いよく壁に叩きつけてきた。
「っつ……てぇな……なに、するんだよ」
「てめえが質問に答えねえからだろ」
男は前腕を俺の喉元に押し付け、首を締め上げる。
「くっ……かっ……」
男の腕には相当な力が入っており、腕を引きはがそうとしてもピクリともしない。
こいつの身長は俺よりも高く、ガタイも俺より大きく、力の差は歴然で、俺は息をするので精一杯だった。
「澄谷君……正直に話して欲しいの」
先輩は愁いを帯びている表情で俺に問いかける。
壁に押し付けられている俺の方へゆっくりと近づいてきた。
「私たちのしていたこと…………見たの?」
先輩の声は震えていて、瞳にはうっすらと涙が浮かんでいる。
出来る事なら見なかった事にしたいのだが、この状況では誤魔化せないだろう。
それならば正直に話した方がダメージが少なくなるのではないかと、そう思った。
……これ以上の暴力は勘弁してもらいたいしな……
「……みま、した」
押さえつけられた喉元から、無理やりに声を出し、俺は答えた。
「……そっか…………見たんだ……」
先輩は悲しそうな表情を見せた後、視線を足元に移し、両手で顔を覆った……
その様子を見たら途端に申し訳ない気持ちが湧き上がってくる。
思春期の女子があんなところを見られるのは相当ショックなはずだ。
今更ながら自分のした覗きという行為に罪悪感を覚える。
先輩を傷つけてしまった……
「すい、ませんでした……」
謝ってどうにかなるとも思えなかったが、俺は出来る限りの声を絞り出し、謝罪をした。
すると、俺を押さえつけていた男は力を緩めて俺を解放した。
俺は少しせき込み、深く深呼吸をして、先輩の前に立った。
「先輩、俺……」
誠心誠意、謝ろう、
そう思った時だった。
「があ”あッ……!?」
腹部にとんでもない衝撃が飛んできた。
あまりの痛さに腹をおさえ、膝をついてしまう。
呼吸が上手く出来ず、開いた口から涎がしたたり落ちる。
――俺は先輩に腹を蹴られた
まさか……あの先輩が……なんで……
こんな事をされるとは微塵も思っていなかった。
そのため俺の腹は無防備で、やわらかい状態を晒していて、そこに先輩の渾身の蹴りがさく裂したのだ。
腹に食らった衝撃はもちろんのこと、精神的にも大きなダメージを負った。
明滅する視界で先輩のことを見上げると、彼女はゴミを見るような目で俺を見下している。
「覗きをするなんて最低ね」
先ほどまでの愁いを帯びた先輩とはまるで別人である。いや、今までだってこんな冷酷な表情の先輩など見たことが無かった。
「貴志、押さえつけて」
男は先輩の言葉に頷き、俺の背中に蹴りを入れた。
「がっ……!」
俺は腹の痛みで身体に力が入らなく、蹴られた衝撃でそのまま前方へと倒れこんだ。
すると男は俺の頭を鷲掴みにして、そのまま地面に押し付けてくる。
背中には膝をおいて体重を乗せられ、俺はピクリとも動けなくなった。
「いっっ……てぇ……」
蹴られた腹と背中が痛む。
背中には体重がかけられているせいで呼吸は苦しい。
――何故ここまでされないといけないのか。
確かに覗きをした俺が悪いが、これはさすがにやり過ぎじゃないのか。
「どうして……こんなこと……するんですか」
俺は先輩に訴えかける。
「あんたが見ちゃいけないものを見たからよ」
先輩の声は低く冷めきっている。
「…………言いふらしたりなんか、しませんよ……」
「信用できるわけないでしょう?」
先輩は膝をつき、地面にある俺の顔を覗き込むようにしてそう言った。
「仮に、もし、バレたとしても……あんたらなら……お似合いのカップルだって……そう思われる、だけでしょう?……」
俺は圧迫される肺から絞り出すように声を発し、言葉を繋ぎ合わせる。
「もう、高校生なんだから……アレくらいの事、誰でもやってますって……」
当然、俺はやったこと無いのだが……
「…………」
それを聞いた先輩は深く長い溜息をついた。
「澄谷君。そのうち分かる事だと思うから今言うけど……この子は生徒会に入ることになってるの」
この子っていうのは現在進行形で俺を押さえつけてる男のことだよな?
「そう、なんですか……」
それが今の状況と何の関係があるんだよ。
苦しいから早く解放してもらいたいのだが……
「名前は新庄貴志」
だからそれがなんだって……
……え?
…………新庄って、
「私の弟よ」
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