4 / 29
第4話 死刑囚ラーナ・エークレー
しおりを挟む
「にしても、アレ何なんだろうね」
ギギラは対戦相手であるラーナを凝視する。
彼女の背中から這いずり出ていた悪魔は次第と液状に溶けてき、ラーナの体と混ざりあう。
そして数秒後、衝撃波と共に彼女の変身が始まった。
「あれって、悪魔と合体したのか?」
「だねぇ……ギギラ的に言えば、あの子が悪魔を取り込んでるって感じだけど」
ラーナの体はボロボロの布切れから一変して淡い青色のドレスに変わっていた。
ドレスから顔をだす手や足は真っ黒に変色しており、指先は鋭利な凶器へ様変わり。
背中からはコウモリの様な羽が生えている始末だった。
「あぁ……あれが武器に変えられた人間。なんて汚らわしい」
ラーナは杖となっているバランを見るなり、翼を大きく広げ始めた。
ものすごいスピードで彼女は前へ進み、その爪をギギラの首元へ送った。
「っとぉ」
ギギラはバランの刃物部分でその攻撃を防ぐ。
案外筋力は高くないんだなと、ラーナの事を見定めながら。
「禁術によって性質を変化させられた者は、術者が消えると一緒に死ぬみたいですね」
「そ~みたいだねぇ。そんな事ギギラに聞かせて何のつもり?」
「宣言ですよ。貴方を殺して、貴方に囚われた魂を開放するんです」
「うえぇぇ?!それ俺にとっては全然俺嬉しくないんですけど」
ラーナの四肢は今や全て刃物となっているも同義。
右の拳を止められたなら左の拳を。
左の拳を止められたなら右の拳を。
それを悪魔から奪った力で続けるだけで平凡な相手は殲滅出来る。
「はは~ん、なるほどなるほど。ギギラ分かっちゃった」
ラーナにとって不運だったのは、ギギラ・クレシアは平凡な相手などでは無かった事だ。
「君さ、戦うの慣れて無いでしょ」
「一体なんの話を」
「こんなのとか避けられないんじゃない?」
ガキン!!と音が鳴った。
ギギラの持つ杖とラーナの右腕が派手にぶつかり鍔迫り合いをする。
次は誰が仕掛けるか?
先ほどと同じ様にラーナが殴り倒すだろうよ。
ギギラが鍔迫り合いで押し勝つんじゃないか?
そんな予想を観客達が飛ばす中、誰も考えなかった展開が巻き起こった。
「うぉぉぉぉぉ!!!足掻きの混沌魔弾」
そう、ギギラの使う武器は全て元人間。
そして、バランはその中でも唯一、自由に行動し、言語を話す存在だ。
ゆえに、彼が自主的に魔法を放つ事も可能なのである。
「うわぁ?!」
不意をつかれたラーナはその魔法をもろに喰らう。
足掻きの混沌魔弾、バランが扱える全ての属性の魔弾を一気に放射する一見すれば高威力の魔法。
しかし、バランが吐き出す魔法のスケールは全て極貧な物へ調整される。
ゆえに、この一撃も相手の体勢を崩すので精一杯の威力しか出力できない。
そのあまりにも滑稽なギャップがまた、ラーナの意識の中に隙を作った。
その隙をギギラは逃さない。
「よいしょ~!!」
バランの先端にある刃物でラーナの首をギギラが捌く。
回避行動の遅れたラーナは首から血を垂らし、咳き込みながらギギラとの距離を取った。
「あ、バラン君のリーチが無いから殺し損ねた」
「俺のせいだって言うのかよ?!」
「アハハ~。冗談だよ、冗談。バラン君のお陰で分かった事もあるしね」
ラーナの首は気づいた頃には再生されていた。
悪魔の力があるのだ、あのレベルの傷が再生されてもおかしくないと考察しながらギギラは話かける。
「君、ラーナだっけ?」
「そうですが、何か?」
「君さぁ、この監獄に来る前は戦いと無縁だったでしょ。てか、人を殺すのだってこのコロシアムの中でしか経験してないよね」
「……へぇ、貴方、分かるんですね」
「ギギラ、人を見る目には自信があるからね。まぁ、女なんか観察したって面白くないけど」
ギギラの言葉を聞いたラーナは静かに笑いだした。
「えぇえぇそうですよ!!私、外の世界で喧嘩なんかした事無いですし、ましてや人殺しなんて恐ろしい事はしていません」
その笑いは次第に声を纏い、彼女の中にある狂気を帯びていく。
「なにせ私は、冤罪で死刑になってるんですから」
「冤罪?」
「ええ、そうですよ。だって私、誰にも被害を与えていないですから」
ラーナのその言葉に対し、観客達が罵詈雑言の言葉をかける。
なぜなら観客達にとって、ラーナの犯した罪は火を見るより明らかだからだ。
「私はただ、皆さんを救うためにこの力を得ただけなんですよ。それで死刑なんて、おかしな話ですよね」
ギギラは対戦相手であるラーナを凝視する。
彼女の背中から這いずり出ていた悪魔は次第と液状に溶けてき、ラーナの体と混ざりあう。
そして数秒後、衝撃波と共に彼女の変身が始まった。
「あれって、悪魔と合体したのか?」
「だねぇ……ギギラ的に言えば、あの子が悪魔を取り込んでるって感じだけど」
ラーナの体はボロボロの布切れから一変して淡い青色のドレスに変わっていた。
ドレスから顔をだす手や足は真っ黒に変色しており、指先は鋭利な凶器へ様変わり。
背中からはコウモリの様な羽が生えている始末だった。
「あぁ……あれが武器に変えられた人間。なんて汚らわしい」
ラーナは杖となっているバランを見るなり、翼を大きく広げ始めた。
ものすごいスピードで彼女は前へ進み、その爪をギギラの首元へ送った。
「っとぉ」
ギギラはバランの刃物部分でその攻撃を防ぐ。
案外筋力は高くないんだなと、ラーナの事を見定めながら。
「禁術によって性質を変化させられた者は、術者が消えると一緒に死ぬみたいですね」
「そ~みたいだねぇ。そんな事ギギラに聞かせて何のつもり?」
「宣言ですよ。貴方を殺して、貴方に囚われた魂を開放するんです」
「うえぇぇ?!それ俺にとっては全然俺嬉しくないんですけど」
ラーナの四肢は今や全て刃物となっているも同義。
右の拳を止められたなら左の拳を。
左の拳を止められたなら右の拳を。
それを悪魔から奪った力で続けるだけで平凡な相手は殲滅出来る。
「はは~ん、なるほどなるほど。ギギラ分かっちゃった」
ラーナにとって不運だったのは、ギギラ・クレシアは平凡な相手などでは無かった事だ。
「君さ、戦うの慣れて無いでしょ」
「一体なんの話を」
「こんなのとか避けられないんじゃない?」
ガキン!!と音が鳴った。
ギギラの持つ杖とラーナの右腕が派手にぶつかり鍔迫り合いをする。
次は誰が仕掛けるか?
先ほどと同じ様にラーナが殴り倒すだろうよ。
ギギラが鍔迫り合いで押し勝つんじゃないか?
そんな予想を観客達が飛ばす中、誰も考えなかった展開が巻き起こった。
「うぉぉぉぉぉ!!!足掻きの混沌魔弾」
そう、ギギラの使う武器は全て元人間。
そして、バランはその中でも唯一、自由に行動し、言語を話す存在だ。
ゆえに、彼が自主的に魔法を放つ事も可能なのである。
「うわぁ?!」
不意をつかれたラーナはその魔法をもろに喰らう。
足掻きの混沌魔弾、バランが扱える全ての属性の魔弾を一気に放射する一見すれば高威力の魔法。
しかし、バランが吐き出す魔法のスケールは全て極貧な物へ調整される。
ゆえに、この一撃も相手の体勢を崩すので精一杯の威力しか出力できない。
そのあまりにも滑稽なギャップがまた、ラーナの意識の中に隙を作った。
その隙をギギラは逃さない。
「よいしょ~!!」
バランの先端にある刃物でラーナの首をギギラが捌く。
回避行動の遅れたラーナは首から血を垂らし、咳き込みながらギギラとの距離を取った。
「あ、バラン君のリーチが無いから殺し損ねた」
「俺のせいだって言うのかよ?!」
「アハハ~。冗談だよ、冗談。バラン君のお陰で分かった事もあるしね」
ラーナの首は気づいた頃には再生されていた。
悪魔の力があるのだ、あのレベルの傷が再生されてもおかしくないと考察しながらギギラは話かける。
「君、ラーナだっけ?」
「そうですが、何か?」
「君さぁ、この監獄に来る前は戦いと無縁だったでしょ。てか、人を殺すのだってこのコロシアムの中でしか経験してないよね」
「……へぇ、貴方、分かるんですね」
「ギギラ、人を見る目には自信があるからね。まぁ、女なんか観察したって面白くないけど」
ギギラの言葉を聞いたラーナは静かに笑いだした。
「えぇえぇそうですよ!!私、外の世界で喧嘩なんかした事無いですし、ましてや人殺しなんて恐ろしい事はしていません」
その笑いは次第に声を纏い、彼女の中にある狂気を帯びていく。
「なにせ私は、冤罪で死刑になってるんですから」
「冤罪?」
「ええ、そうですよ。だって私、誰にも被害を与えていないですから」
ラーナのその言葉に対し、観客達が罵詈雑言の言葉をかける。
なぜなら観客達にとって、ラーナの犯した罪は火を見るより明らかだからだ。
「私はただ、皆さんを救うためにこの力を得ただけなんですよ。それで死刑なんて、おかしな話ですよね」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
王宮メイドは今日も夫を「観察」する
kujinoji
恋愛
「はぁぁ〜!今日も働くヴィクター様が尊すぎる……!」
王宮メイドのミネリは、今日も愛しの夫ヴィクターを「観察」していた。
ヴィクターが好きすぎるあまり、あますところなく彼を見つめていたいミネリ。内緒で王宮メイドになり、文官である夫のもとに通うことに。
だけどある日、ヴィクターとある女性の、とんでもない場面を目撃してしまって……?
※同じものを他サイトにて、別名義で公開しています。
30歳の英雄王は転生勇者を拾い無双に育てます
蒼井青龍
ファンタジー
山奥の小屋でのんびり暮らしていた
かつて英雄王と呼ばれていたライに、現世から転生してきた赤ん坊を立派な無双勇者に。
そして、たくさんの人との出会い、別れをへて成長し世界を魔王族から守る
〜新英雄王譚〜
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる