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第22話 逆転の為の3つ
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『私だけが何もない』
贋作ちゃんが『目無し』の女の偽物を始める前の事。
もう当人は名前や自分の家族の事すら忘れてしまっているのだが、覚えている事が一つだけ存在する。
『私は……何物でも無い』
別に最初から歴史に残る偉大な人間に成ろうとしていた訳じゃない。
努力もちゃんとしていたし、普通の人生を歩むには十分な程の環境は取り揃えていた。
でも、何処か自分の存在意義を見出せない。
理由がはっきりとは分からないけれど。
ただ漠然と、どこに行っても自分がモブの様に感じてしまう。
あまりにも小さな悩みで、だからこそ苦しい。
誰にも相談できず、一人苦しむ毎日。
そんな彼女を悩みを最初に聞いたのが『目無し』の女だった。
『助けてあげようか?#####』
『どうして私の悩みを知ってるの?誰にも話したことないのに』
贋作ちゃんの素朴な疑問に対して、『目無し』の女は自分の顔を指さした。
『私の顔に目がない理由を知ってるかい?』
『事故とかに合ったとか?それとも、それとも、戦争での傷?』
『残念、不正解。正解はね、私にはもう目という感覚器官は必要ないから消えて無くなったでした』
困惑する少女を前に、『目無し』の女はゆっくりと近づいた。
『私にはね、この世界のありとあらゆる情報が入って来るんだ。この町に住む一人一人が何を考えているのか、遠くの大地で何が起こっているのか、モンスターの討伐状況や、この世界を作った存在の意思さえも。それさえ分かれば視覚なんて必要ないのさ』
『でも、目が無いと何も見えないよ?』
『情報さえあれば問題ないさ。君だって小説ぐらい読んだことあるだろ?文字を読んで情景を思い浮かべるのと一緒さ』
そう言って『目無し』の女はニッコリと頬を上げる。
目の無い奇妙な顔立ちであるというのにその笑顔は暖かく、何処か安心できる物だった。
聞けば彼女は【禁術】と言う特別な力を他人に渡しているらしい。
慈悲深い訳ではなく、彼女が気に入った人間に力を与えてその様子を観察しているんだとか。
人間臭い一面と、神秘的な一面と、紳士的な一面と、変人的な一面。
様々な個性を併せ持つ雰囲気と、世間を騒がしている神のごとき力。
その両方を持つ『目無し』の女に少女は憧れた。
全く同じ物にじゃなくて良い。
でも、彼女に近づける何かに成れたなら……きっと自分も『何者か』に成れるはずだ。
そんな願いを持って彼女は【偽物の禁術】を手に入れたのだ。
◇
「攻略法が分かったってマジぃ?」
「もちろん。ギギラに任せてよ」
ギギラはそう言うとバランを宙に浮かせ、手に持っていた弓をゲートに戻した。
「この最、どうしてギギラ達の情報を知っているのかは置いておくよ。考えても仕方ないし」
「って事は。どうしたらアイツに攻撃が通るのか、だな」
「そういう事。それじゃあバラン君、確かめたい事あるから付き合って」
ギギラは改めてバランを握り直す。
彼女の中にある攻略法に間違いが無いか、それを確かめる為の攻防を始めるために。
「さぁ、こっからはギギラ達のターンだよ」
「今更その武器で何が出来るって?」
バランから数多の弾幕が飛び交う。
贋作ちゃんはその猛攻に目もくれず、ギギラの方向へと突進してきた。
「まず一つ、君に武器を使った攻撃は届かない」
「暗殺拳:蛇撃!!」
贋作ちゃんの拳が蛇の様にうねりながらギギラのこめかみを狙う。
それに対し、ギギラはバランの放つ風の魔弾を自分に向かって放ち、その衝撃使って緊急回避。
その勢いを生かしたままカウンターの回し蹴りを披露した。
「ッ、暗殺拳:牢撃」
「二つ、ステゴロの攻撃なら君に届く。バラン君の弾幕は適当に受ける癖に、ギギラの回し蹴りは必死に守ってるのがその証拠だよ」
二人はパッと距離をとって互いに構えながら睨みあう。
両者ともに、ニヤリとした表情を崩さないままに。
「つまり、ギギラの禁術じゃ君に有効打を出せない。そういう魂胆なんでしょ」
「うんうん。正解正解」
贋作ちゃんは笑顔を崩さずに攻撃を続けていた。
彼女は確信しているのだ。
ギギラ・クレシアにこの状況を打開する方法は無いと。
「近接格闘においては無敵レベルの力を持つこの武器をコピーできて良かったよ」
【悲哀懐古の殺人鉄拳グラーケ】。
ギギラにとって4番目の彼氏にあたる彼は異常なまでの近接格闘能力を有していた。
無敵とまでは言わなくとも無敗。
相性の良い敵には圧勝し、相性の悪い敵には逃げか引き分けへ持っていく。
バランを手に入れるまで、とりあえずグラーケを装備していれば安心だとギギラに言わしめた切り札 なのだ。
「君も大概キビキビ動くけどさ、この暗殺拳には絶対勝てない。それが私の【偽物の禁術】再現したレプリカだとしても。で、武器という攻撃手段を奪われた今、君は私を攻略不可能なわけ」
「おいギギラ!!!本当に攻略法なんてあるのか?!話聞けば聞くほど絶望的だぞ」
バランの声につられるように観客が湧く。
『あのギギラ・クレシアがついに負けるのか』と。
『ここまですれば流石に』と。
完全にアウェーな状況で、完璧に絶望的な状況で、徹底的に心が折られてしまいそうな光景の中。
「だぁいじょうぶだよ。今ので最後の確認が出来た」
それでもギギラは笑っていた。
最後に勝つのは自分だと、確信をもって。
「君さぁ、さんざんギギラの事知ってる風でいたけど全部は知らないでしょ」
「へぇ負け惜しみ?」
「例えば今ギギラが考えている事。彼氏の情報も全部は知らないよね、だって彼を知っているならこんな戦略立てないし」
ギギラの手元にワームホールが開く。
彼女はそこからいつものように武器を取り出した。
「確かにギギラはさっき言ったよ。ギギラの禁術じゃ君に有効打は出せないって」
「だったらさっさとー」
「だから、彼が持ってる禁術を借りる」
その言葉を聞いてバランは思い出す。
総勢70人いる彼女の彼氏の中には、禁術を持っていた人間が二人いた事を。
その内の一人、【禁断の愛錠骸龍グレア・クレシア】と一緒に戦った事を。
「彼はお兄ちゃんと違って我が強くてさ、完全な武器にすることは出来なかったんだ」
「それってもしかして、贋作ちゃんの耐性を突破出来る可能性があるって事だよな」
「そういう事。武器ってよりかは、彼の趣味を押し付けられる呪いの装備って感じでさ」
「だったら使わせなければ良いだけの事じゃん」
そう言って贋作ちゃんが走る。
ワームホールに手を伸ばすギギラを押し倒してしまうために。
だけどー
「バラン君、時間稼ぎ!!」
「OK……って雑に投げんな?!」
誰だって、目の前に杖を投擲されればその動きは一瞬止まる。
その一瞬のうちにギギラはその武器を取り出した。
「【禁術×禁術】」
そういってギギラが取り出したのは一つの仮面だった。
仮面舞踏会などでよく見るような、目だけを隠す優雅な仮面。
「彼氏No56、【野生回帰の変態仮面ディール】」
そこにはどこか悪趣味に思えるような装飾がなされていた。
「君の趣味に付き合ってあげるよ。2分間だけね」
贋作ちゃんが『目無し』の女の偽物を始める前の事。
もう当人は名前や自分の家族の事すら忘れてしまっているのだが、覚えている事が一つだけ存在する。
『私は……何物でも無い』
別に最初から歴史に残る偉大な人間に成ろうとしていた訳じゃない。
努力もちゃんとしていたし、普通の人生を歩むには十分な程の環境は取り揃えていた。
でも、何処か自分の存在意義を見出せない。
理由がはっきりとは分からないけれど。
ただ漠然と、どこに行っても自分がモブの様に感じてしまう。
あまりにも小さな悩みで、だからこそ苦しい。
誰にも相談できず、一人苦しむ毎日。
そんな彼女を悩みを最初に聞いたのが『目無し』の女だった。
『助けてあげようか?#####』
『どうして私の悩みを知ってるの?誰にも話したことないのに』
贋作ちゃんの素朴な疑問に対して、『目無し』の女は自分の顔を指さした。
『私の顔に目がない理由を知ってるかい?』
『事故とかに合ったとか?それとも、それとも、戦争での傷?』
『残念、不正解。正解はね、私にはもう目という感覚器官は必要ないから消えて無くなったでした』
困惑する少女を前に、『目無し』の女はゆっくりと近づいた。
『私にはね、この世界のありとあらゆる情報が入って来るんだ。この町に住む一人一人が何を考えているのか、遠くの大地で何が起こっているのか、モンスターの討伐状況や、この世界を作った存在の意思さえも。それさえ分かれば視覚なんて必要ないのさ』
『でも、目が無いと何も見えないよ?』
『情報さえあれば問題ないさ。君だって小説ぐらい読んだことあるだろ?文字を読んで情景を思い浮かべるのと一緒さ』
そう言って『目無し』の女はニッコリと頬を上げる。
目の無い奇妙な顔立ちであるというのにその笑顔は暖かく、何処か安心できる物だった。
聞けば彼女は【禁術】と言う特別な力を他人に渡しているらしい。
慈悲深い訳ではなく、彼女が気に入った人間に力を与えてその様子を観察しているんだとか。
人間臭い一面と、神秘的な一面と、紳士的な一面と、変人的な一面。
様々な個性を併せ持つ雰囲気と、世間を騒がしている神のごとき力。
その両方を持つ『目無し』の女に少女は憧れた。
全く同じ物にじゃなくて良い。
でも、彼女に近づける何かに成れたなら……きっと自分も『何者か』に成れるはずだ。
そんな願いを持って彼女は【偽物の禁術】を手に入れたのだ。
◇
「攻略法が分かったってマジぃ?」
「もちろん。ギギラに任せてよ」
ギギラはそう言うとバランを宙に浮かせ、手に持っていた弓をゲートに戻した。
「この最、どうしてギギラ達の情報を知っているのかは置いておくよ。考えても仕方ないし」
「って事は。どうしたらアイツに攻撃が通るのか、だな」
「そういう事。それじゃあバラン君、確かめたい事あるから付き合って」
ギギラは改めてバランを握り直す。
彼女の中にある攻略法に間違いが無いか、それを確かめる為の攻防を始めるために。
「さぁ、こっからはギギラ達のターンだよ」
「今更その武器で何が出来るって?」
バランから数多の弾幕が飛び交う。
贋作ちゃんはその猛攻に目もくれず、ギギラの方向へと突進してきた。
「まず一つ、君に武器を使った攻撃は届かない」
「暗殺拳:蛇撃!!」
贋作ちゃんの拳が蛇の様にうねりながらギギラのこめかみを狙う。
それに対し、ギギラはバランの放つ風の魔弾を自分に向かって放ち、その衝撃使って緊急回避。
その勢いを生かしたままカウンターの回し蹴りを披露した。
「ッ、暗殺拳:牢撃」
「二つ、ステゴロの攻撃なら君に届く。バラン君の弾幕は適当に受ける癖に、ギギラの回し蹴りは必死に守ってるのがその証拠だよ」
二人はパッと距離をとって互いに構えながら睨みあう。
両者ともに、ニヤリとした表情を崩さないままに。
「つまり、ギギラの禁術じゃ君に有効打を出せない。そういう魂胆なんでしょ」
「うんうん。正解正解」
贋作ちゃんは笑顔を崩さずに攻撃を続けていた。
彼女は確信しているのだ。
ギギラ・クレシアにこの状況を打開する方法は無いと。
「近接格闘においては無敵レベルの力を持つこの武器をコピーできて良かったよ」
【悲哀懐古の殺人鉄拳グラーケ】。
ギギラにとって4番目の彼氏にあたる彼は異常なまでの近接格闘能力を有していた。
無敵とまでは言わなくとも無敗。
相性の良い敵には圧勝し、相性の悪い敵には逃げか引き分けへ持っていく。
バランを手に入れるまで、とりあえずグラーケを装備していれば安心だとギギラに言わしめた切り札 なのだ。
「君も大概キビキビ動くけどさ、この暗殺拳には絶対勝てない。それが私の【偽物の禁術】再現したレプリカだとしても。で、武器という攻撃手段を奪われた今、君は私を攻略不可能なわけ」
「おいギギラ!!!本当に攻略法なんてあるのか?!話聞けば聞くほど絶望的だぞ」
バランの声につられるように観客が湧く。
『あのギギラ・クレシアがついに負けるのか』と。
『ここまですれば流石に』と。
完全にアウェーな状況で、完璧に絶望的な状況で、徹底的に心が折られてしまいそうな光景の中。
「だぁいじょうぶだよ。今ので最後の確認が出来た」
それでもギギラは笑っていた。
最後に勝つのは自分だと、確信をもって。
「君さぁ、さんざんギギラの事知ってる風でいたけど全部は知らないでしょ」
「へぇ負け惜しみ?」
「例えば今ギギラが考えている事。彼氏の情報も全部は知らないよね、だって彼を知っているならこんな戦略立てないし」
ギギラの手元にワームホールが開く。
彼女はそこからいつものように武器を取り出した。
「確かにギギラはさっき言ったよ。ギギラの禁術じゃ君に有効打は出せないって」
「だったらさっさとー」
「だから、彼が持ってる禁術を借りる」
その言葉を聞いてバランは思い出す。
総勢70人いる彼女の彼氏の中には、禁術を持っていた人間が二人いた事を。
その内の一人、【禁断の愛錠骸龍グレア・クレシア】と一緒に戦った事を。
「彼はお兄ちゃんと違って我が強くてさ、完全な武器にすることは出来なかったんだ」
「それってもしかして、贋作ちゃんの耐性を突破出来る可能性があるって事だよな」
「そういう事。武器ってよりかは、彼の趣味を押し付けられる呪いの装備って感じでさ」
「だったら使わせなければ良いだけの事じゃん」
そう言って贋作ちゃんが走る。
ワームホールに手を伸ばすギギラを押し倒してしまうために。
だけどー
「バラン君、時間稼ぎ!!」
「OK……って雑に投げんな?!」
誰だって、目の前に杖を投擲されればその動きは一瞬止まる。
その一瞬のうちにギギラはその武器を取り出した。
「【禁術×禁術】」
そういってギギラが取り出したのは一つの仮面だった。
仮面舞踏会などでよく見るような、目だけを隠す優雅な仮面。
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