元・愛玩奴隷は愛されとろけて甘く鳴き~二代目ご主人様は三兄弟~

唯月漣

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24)愛玩奴隷のプライド

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「我慢しなくていいと言ったはずだ。勃起すればするほど、尿が出せなくなるぞ」


 そう仰る水湊様は、楽しそうに私の性器をゆるりと扱いた。
 確かに、ココが完全に勃起してしまえば、男の体の構造上すぐには排尿が出来なくなってしまう。
 それは射精後しばらくも同じだった。
 
 だが無理矢理水を飲む事はまだしも排尿の欲求は、我慢したからといってやり過ごせるものではない。

 
「あ……のっ……、水湊、様……っ」
「なんだ?」


 私は震える唇で水湊様の名を呼ぶと、水湊様は私の口元に顔を寄せて私の声に耳を傾けてくださる。


「お、お風呂場にっ。せめてお風呂場に……移動してもっ、宜しい……でしょうか……?」


 ここは脱衣場なので、数歩歩けばお風呂場だ。
 
 けれどもこの発言はつまり、自分が我慢の限界を訴えていることと同義だ。板張りの脱衣所を自分の粗相で穢すのは、さすがに申し訳なさすぎる。
 
 ならばせめて、掃除の簡単な水場で……と思う。


「くくく。健気だな。まぁ、そのくらいは許そうか」


 水湊様はそう仰って、私の脇の下に両腕を差し込んで、軽々と抱き上げた。


「な、なにを……?」


 私を抱き上げて風呂場へと移動された水湊様は、浴槽の縁に腰を掛けられ、あろうことが私をご自身の膝の上に乗せて下さった。
 
 前の旦那様は、早くに背が伸びてしまって以降、膝に私を乗せてくれたことはなく、主人の膝に乗せて頂くのは数年ぶりだ。


「やっ……、そのような……いけません……っ」


 私は細身ではあるが、身長はそれなりにある。
 決して気軽に膝の上に乗せて頂けるほど、軽くないはずだ。
 
 慌てて立ち上がろうとした私を抱き寄せる形で制した水湊様は、首筋に唇を寄せられた。


「いいから。このまま足を開きなさい」
「……で、ですが……っ」


 なおも問答を続けようとした私の膝に手をおかけになった水湊様は、強い力で私の片足を大きく開いてしわまれた。
 そうされるとつま先が床面から僅かに離れてしまい、バランスを崩したところを水湊様の腕に支えられる。
 太腿や背面に水湊様の体温を感じて、私は畏れ多さにギュッと目を瞑った。

 やがてお腹の辺りを支えていた水湊様の手が、やんわりと私の下腹に伸びた。限界まで伸び切った膀胱の袋が腹の内側でピリリと痛んで、いよいよ決壊が近いことを伝えるように震える。


「我慢するなと言っているのに、強情…………いや、きっと日和は不器用なのだな。――手伝ってやろうか?」


 
 水湊様はそう仰って、突然私の萎んだモノに手を添えられた。手の中でやわやわと揉まれて、ぞわぞわと複雑な感情がこみ上げる。



「あっ、あ、ああ……っ!」


 
 羞恥心、プライド、情けなさ、そして快楽。
 初めて直接手で触れられた衝撃と、強い尿意。
 そして、みっともなく膝の上で漏らして、新しいこの主人に嫌われてしまうのではという恐怖。
 
    それらが私の涙腺を弛ませて、私の目からはついにポロポロと涙が溢れた。
 そして、それに釣られるように私のペニスの先からチョロチョロと温かい液体が漏れ出すのが分かる。


「そう、いい子だ」
「うう………、うあ…………ッ」


 初めは溢れる程度であった水流は、水湊様の言葉に理性を溶かされるかのように次第に勢いを増していく。
 
 広いバスルームで小さな弧を描いて吹き出した恥ずかしい水流は、水湊様の手の中からバスルームの床へと細い流れを作って排水口へと流れ落ちる。
 
 新しい主人と過ごす初めての夜に、このようなみっともない姿を晒すなんて……。
 
 いくらその主人に許されての行為とはいえ、愛玩奴隷にだって人としてのプライドや羞恥心は残っている。
 
 嗚咽とも泣き声ともつかぬ声が漏れ出そうになるのを、私は必死に堪えるので精一杯だった。


「……………………」

 
 永遠とも思えるような数秒間。

 私の中の羞恥が頂点に達する頃、それはようやく止んだ。
 その間も涙は流れ続け、私の頬をびしょびしょに濡らしている。


「うっ、うう…………っ、申し訳ありませ……」


 私はまだ震える両足を叱咤して立ち上がると、側にあったシャワーノズルを掴んだ。

 汚れてしまった浴室の床を流そうと蛇口を捻ると、背後にいた水湊様が私からノズルを取り上げて浴室の床や足を流してくださる。


「謝らなくていい。これで折檻は終わりだ。言い付け通りに出来たじゃないか。偉かったな」
「え…………」


 聞き返そうとした私を抱き寄せた水湊様は、不意に私の顔へ自身の顔をお寄せになった。


「あっ…………」


 近い……。

 そう思ったときには、私の唇は水湊様によって奪われていた。
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