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52)三分間の試練
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静かな室内に、私の悲鳴じみた嬌声だけが響く。狂おしいほどの快楽に翻弄されながら、内側から込み上げてくる尿意に似た何かが迫り上がってくるのを私は必死に耐えた。
「あっ、あっ。やっ、やめ……っ……!」
「あと一分だよ」
詩月様の言葉に、私はもはや半泣きだった。もうとっくに限界を超えて耐えているのに、まだ続くなんて……。
「うう……つ、ああ……っ、だめっ、もう、漏れ……――――っ!!!」
せり上がる何かが堪えきれず、わずかに先端から漏れ出る。
それが尿なのか精液なのかすら分からない。
私は情けなさで呻きながら、漏らしてしまった体液の生温かい感覚に泣きたくなった。
早く止めなければ、詩月様の手を汚してしまう……。
そう思ったけれど、快楽に痺れきった体は私の思うようには動いてくれない。
情けなさと羞恥、未知の感覚への恐怖と申し訳無さで、私は泣きながらシーツにすがる。
ぬるりと動いたガーゼの隙間からなおも体液が飛び出して、詩月様のお召し物に跳ねた。
けれども詩月様はガーゼの刺激をやめてくださらず、その体液は何度かに分けて勢いよく吹き出す。
「や、やめ……っ、もう……無理、無理です……!」
「――無理? なら、ギブアップする?」
「え……っ!? ――ぁああっ!」
ギブアップ……そう言えばそんな事を初めに言われた気がする。
「………………」
詩月様との初めての夜に、私がギブアップ……?
それは、鳴けない私を鳴けるようにしようとして下さっている詩月様のご期待を、裏切ることにはならないだろうか?
「僕はどっちでもいいけど。……どうする?」
「あっ、や……っ、や……ぁ……ッ」
「やめるの?」
返事を促されて、私は少し迷った末に首を横に振った。
新たな主人と出会い、ようやく叶った念願の夜伽。
ここで逃げるのは、絶対にダメだ……!
「続け、てくださ……、やりま、す……っ」
「あはは。そうこなくっちゃ。日和のそういうとこ、ホント好きだよ」
「…………えっ」
ナチュラルに言われた『好き』という言葉に、私は詩月様を見やった。すぐに詩月様と目が合って、一瞬ドキンと心臓が騒いた気がした。
「詩月、さま……っ、ぁ……」
詩月様が私を……好き、とは?
その瞬間。ふと、ピタリと詩月様の手の動きが止まる。
「――はいっ、三分経過。よく耐えたね」
「あ……」
唐突に止んだ刺激に脱力しつつ、ハァハァと呼吸を整える。
涼しいお顔で微笑まれる詩月様を見た瞬間、私はハッと我に返って脱いだ服のポケットからハンカチを取り出すと、先程汚してしまった詩月様のお召し物を拭いた。
「申し訳ございません……! お洋服が……」
先程私が出したものは精液ではなく、透明な液体だったようだ。尿を漏らした訳ではなかった事に、とりあえずは安堵する。
けれど、詩月様の高級そうな仕立てのシャツには私のせいでみっともない染みができてしまっていた。
「こんなの、気にしないよ。それより、ピッタリ三分。凄いね、日和。大丈夫? 思いの外日和が頑張るから、ココ……真っ赤になっちゃった」
「大丈夫です、けど……」
強烈な快楽から開放されたそこは、確かに少し赤くなってしまっている。テラテラといやらしく光るそこをまじまじ見つめられて、私は恥ずかしさに思わず股間を隠した。
射精に至らぬままのペニスがジンジンして、どうしようもなく疼く。それだけではない。小さな栓が嵌められたお尻の中心は、疼くようにほんのり熱を持っていた。
すると見透かすように私に顔を寄せた詩月様が、頬に優しいキスをしてくださった。
「いい子。媚薬も効いてるし、イキたいよね? 自分でオナニー、出来る?」
「あ……」
「日和はいい子だから出来るよね。僕が傍で見ててあげるから」
そう仰った詩月様は、私を再びベッドへ寝かせた。片膝を持ち上げてご自身の肩に乗せられると、体全体を使って大きく私の片足を持ち上げ、奥に潜む菊蕾に触れる。
「日和がオナニーしてる間、ココ、弄ってあげるね。日和は処女なんだから、まずは中に何か挿入れられたままイク感覚を覚えて」
そう仰って、不意に挿入っぱなしだった小さなアナルプラグが抜かれた。ようやく異物感から開放されたその中心を、詩月様が指の腹でぬるりと撫でる。皺に丁寧に媚薬を塗り込めるようにクリクリと円を描かれて、私は擽ったさに少しだけ身を捩った。
すると間髪入れずに詩月様の華奢な指が差し挿れられたので、私は驚きのあまりそこをキュッと締めてしまう。
「あっ、あっ。やっ、やめ……っ……!」
「あと一分だよ」
詩月様の言葉に、私はもはや半泣きだった。もうとっくに限界を超えて耐えているのに、まだ続くなんて……。
「うう……つ、ああ……っ、だめっ、もう、漏れ……――――っ!!!」
せり上がる何かが堪えきれず、わずかに先端から漏れ出る。
それが尿なのか精液なのかすら分からない。
私は情けなさで呻きながら、漏らしてしまった体液の生温かい感覚に泣きたくなった。
早く止めなければ、詩月様の手を汚してしまう……。
そう思ったけれど、快楽に痺れきった体は私の思うようには動いてくれない。
情けなさと羞恥、未知の感覚への恐怖と申し訳無さで、私は泣きながらシーツにすがる。
ぬるりと動いたガーゼの隙間からなおも体液が飛び出して、詩月様のお召し物に跳ねた。
けれども詩月様はガーゼの刺激をやめてくださらず、その体液は何度かに分けて勢いよく吹き出す。
「や、やめ……っ、もう……無理、無理です……!」
「――無理? なら、ギブアップする?」
「え……っ!? ――ぁああっ!」
ギブアップ……そう言えばそんな事を初めに言われた気がする。
「………………」
詩月様との初めての夜に、私がギブアップ……?
それは、鳴けない私を鳴けるようにしようとして下さっている詩月様のご期待を、裏切ることにはならないだろうか?
「僕はどっちでもいいけど。……どうする?」
「あっ、や……っ、や……ぁ……ッ」
「やめるの?」
返事を促されて、私は少し迷った末に首を横に振った。
新たな主人と出会い、ようやく叶った念願の夜伽。
ここで逃げるのは、絶対にダメだ……!
「続け、てくださ……、やりま、す……っ」
「あはは。そうこなくっちゃ。日和のそういうとこ、ホント好きだよ」
「…………えっ」
ナチュラルに言われた『好き』という言葉に、私は詩月様を見やった。すぐに詩月様と目が合って、一瞬ドキンと心臓が騒いた気がした。
「詩月、さま……っ、ぁ……」
詩月様が私を……好き、とは?
その瞬間。ふと、ピタリと詩月様の手の動きが止まる。
「――はいっ、三分経過。よく耐えたね」
「あ……」
唐突に止んだ刺激に脱力しつつ、ハァハァと呼吸を整える。
涼しいお顔で微笑まれる詩月様を見た瞬間、私はハッと我に返って脱いだ服のポケットからハンカチを取り出すと、先程汚してしまった詩月様のお召し物を拭いた。
「申し訳ございません……! お洋服が……」
先程私が出したものは精液ではなく、透明な液体だったようだ。尿を漏らした訳ではなかった事に、とりあえずは安堵する。
けれど、詩月様の高級そうな仕立てのシャツには私のせいでみっともない染みができてしまっていた。
「こんなの、気にしないよ。それより、ピッタリ三分。凄いね、日和。大丈夫? 思いの外日和が頑張るから、ココ……真っ赤になっちゃった」
「大丈夫です、けど……」
強烈な快楽から開放されたそこは、確かに少し赤くなってしまっている。テラテラといやらしく光るそこをまじまじ見つめられて、私は恥ずかしさに思わず股間を隠した。
射精に至らぬままのペニスがジンジンして、どうしようもなく疼く。それだけではない。小さな栓が嵌められたお尻の中心は、疼くようにほんのり熱を持っていた。
すると見透かすように私に顔を寄せた詩月様が、頬に優しいキスをしてくださった。
「いい子。媚薬も効いてるし、イキたいよね? 自分でオナニー、出来る?」
「あ……」
「日和はいい子だから出来るよね。僕が傍で見ててあげるから」
そう仰った詩月様は、私を再びベッドへ寝かせた。片膝を持ち上げてご自身の肩に乗せられると、体全体を使って大きく私の片足を持ち上げ、奥に潜む菊蕾に触れる。
「日和がオナニーしてる間、ココ、弄ってあげるね。日和は処女なんだから、まずは中に何か挿入れられたままイク感覚を覚えて」
そう仰って、不意に挿入っぱなしだった小さなアナルプラグが抜かれた。ようやく異物感から開放されたその中心を、詩月様が指の腹でぬるりと撫でる。皺に丁寧に媚薬を塗り込めるようにクリクリと円を描かれて、私は擽ったさに少しだけ身を捩った。
すると間髪入れずに詩月様の華奢な指が差し挿れられたので、私は驚きのあまりそこをキュッと締めてしまう。
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