元・愛玩奴隷は愛されとろけて甘く鳴き~二代目ご主人様は三兄弟~

唯月漣

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99)復習するのは大事です。

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 性器に触れていないのに、律火様の体で繰り返し玩具を突かれる度、性器がずくんと疼いてピクピクと痙攣した。

 私の背中に顔を寄せた律火様が、時折肩甲骨や背中に触れるようなキスを落として下さる。
 
 それすらも、敏感になり切った今の私の体には、快楽として甘く溶けていく。

 いつも冷静な律火様の吐息が、明らかに乱れている。
 それが何よりも嬉しくて、抱きしめたくて。
 
 けれどもそれはこの体勢では叶わないから……。
 私はかわりに傍にあった枕をぎゅっと抱き寄せた。


「感じてる日和さん、すっごく可愛い」
「りっ、律……っ、あっ、ふ……っ」
「日和さん……大好きだよ」
「わっ……私も……、律火様が…………だい好き、ですっ。あっ、あっ、イク……ッ」
「う……ん。イッても、良いよ。僕もそろそろ……っ」


 律火様の体が一層激しく動いた。
 玩具に貫かれた奥もまた、連動するように深く私の内側入り込む。

 
「――――ッ、あっ……! は、くっ……んん」

 
 堪らず枕に爪を立てた私は、精を吐き出して果てる。
 
 ビクビクと痙攣を続けて何度か精を零し続ける間に、律火様も小さく呻いて果て、私の内股やお腹を濡らした。


「――あっ」

 
 律火様が……主人が私でイッて下さった――!
 
 それがとても嬉しくて、私はぼーっとする意識の中で自らの太ももを伝う白濁をしばし見つめていた。

 まだ呼吸を乱したままの律火様よりほんの一呼吸ばかり早く、私はとろけて重だるい体を持ち上げる。


「律火様、あの……。ありがとうございます」
「――? 急にどうしたの?」


 この嬉しい気持ちをどう伝えて良いものか分からなくて、だけどどうしても伝えたかった。だから……。

 
「先ほどは思わず枕にしがみついてしまったのですが、その……」


 怒られないと分かっていても、やっぱり私は主人にわがままを言うことに不慣れで。冷静になってしまうと、なかなか言い出せない。
 
 そんな私を見透かすように、律火様は微笑みを浮かべながらじっと私の言葉を待ってくださった。

 
「あっ、あの。――ハグ、しても?」
「ふふ、勿論。日和さんならいつでも大歓迎だよ」

 
 私はベッドに座った律火様をぎゅっと抱きしめる。
 律火様は呼吸を整えながらも、私の体を抱き締め返して下さった。

 
「それで、あの……っ」
「うん?」
は……律火様と向き合って、その……し、シたくて」
「――――!」
「次はその……コンドームもきちんとこちらでご用意させて頂きますので……っ」


 消え入りそうな声でそう言って、私は恥ずかしさに視線を逸らす。
 
 珍しくそんなことを言う私に驚いたのか、律火様は黙って話を聞いてくださっていた。


「ん……えっと。日和さん。日和さんはつまり。僕を……」


 律火様も心なしか、少し頬が紅潮なさっている気がする。

 そんな会話の最中さなか、律火様の鞄の中から突如着信音が鳴り響いた。


「……!」

 
 弾かれたように律火様から体を離した私は、鞄からスマートフォンを取り出して応答する律火様を見ていた。

 通話を終えて振り返った律火様は、悪戯な笑みを浮かべて私を振り返った。


「椎名さんに『書類を届けに帰っただけなのに、いつまで油を売っているのか』って怒られちゃった」
「――――あっ! ももももも、申し訳ございません!! 私のせいで律火様が叱られてしまうようでしたら、私が代わりに椎名さんに謝罪を……!」


 サーッと青くなる私を横目に、律火様はクスクスと笑ってもう一度ハグをしてくださった。


「大丈夫。スペアと言えど、これでもグループの後継者の一人だからね」
「――? スペア??」
「ううん、なんでもない。けど、今日はさすがに仕事に戻るね」
「はいっ、申し訳ありませんでしたっ」 
「謝らないで。僕から言い出したことだし、僕も楽しかったから」

 
 そう言って頂けると、私も少しホッと出来る。
 
 律火様はベッドから降りると、乱れた衣服を整える。
 
 慌てて立ち上がってお手伝いをしようとする私を制止した律火様は、私の頭をくしゃっと撫でて微笑まれる。
 

「日和さん。を中に挿れたまま立つのは危ないよ」
「……!!」


 そう声をかけられて思わず中にキュッと力を入れてしまった私は、現在なおあらぬ所に当たるその玩具の先端を締め付けてしまう形になる。
 
 ピクンと反応してしまった後にへたっと座り込んだ私にクスクスと笑みを向けた律火様は、その長い指の先で悪戯でもするかのように、トンッとその持ち手部分をつついた。


「戴してごめんね」
「――? ……?」
「『ご馳走になってすぐに帰ってしまってゴメンね』って意味」
「――!」 
「埋め合わせはまた次の機会に。それじゃあ、行ってきます。宿題頑張って」

 そう仰って、律火様はあっさり部屋を出て行ってしまわれた。
 

「律火様…………」



『またの機会』。その言葉が嬉しくて、私は律火様の出ていかれた部屋のドアをしばし見つめていた。

  
 その後、火照る体に流されるまま私が宿題のをしたのは、私だけの秘密だ。
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