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1章 最強のウィザード様

嗚呼、私のウィザードさま 「誰のウィザード様?」

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会社

マリアが資料を見ながら独り言を言う
「明日は タヘス村とメンデール村… これでアウターサイドの村は全て終わるから 今度はセンターサイドの灯魔を終わらせるべき?それとも…」
課長が咳払いをして言う
「う、うんっ マリア君?」
マリアがハッとして慌てて言う
「は、はいっ!課長っ!」
課長が言う
「今見ていたのは 何処の商社の資料かね?」
マリアが衝撃を受け困って言う
「あ… いえ… その…」
課長が資料を渡して言う
「先ほど提出された書類 数字が間違っている 趣味の書類を見ている暇があるのなら しっかりと見直しをしたまえっ!」
マリアが資料を受け取りつつ言う
「す、すみません…」
課長が文句を言いつつ立ち去る
「まったく…」
マリアが資料を見つつ表情を困らせて席に座りながら言う
「あぁ… こんな初歩的なミスするのなんて 何年振りだろう… 課長が怒るのも無理ないなぁ 気を付けなきゃ…」
課長がリナの前で言う
「リナ君」
マリアが呆気に取られて課長とリナを見る 課長が言う
「どうしたんだね?先ほど商社から連絡があったが 君があの様なミスをするとは 今回は私の方から 先方へ謝罪を行っておいたが…」
リナが課長へ言う
「申し訳ありません 課長」
課長が言う
「風邪でも引いたのかね?今 うちの部署では 君に倒れられては困るから 遠慮なく休める時に 休みは取っておなさい」
マリアが言う
「リナが仕事でミスするなんて 珍しい…」
マキが言う
「リナ最近寝不足で辛いって言ってたから~ そのせいかもー?」
マリアが言う
「そうなの?最近寝不足って… どうかしたのかな?」
マキが言う
「本人は 新しいプロジェクト任されたせいだって 言ってたけど~ どう考えても彼氏さんのせいかなー?だって 毎日 彼氏さんの部屋に行ってるらしいから?」
マリアが衝撃を受けて言う
「え?毎日っ!?」
マキが笑んで言う
「にしし~ マリア知らないでしょー?リナ毎晩 彼氏さんに夕食作ってあげてるんだよ~ リナの手料理にすっごく喜んでくれたらしくて それから 毎晩一緒に食べてるんだって!」
マリアが感心して言う
「へぇ~?知らなかった」
マキが言う
「だから 私の誘いじゃ イタリアンのお店も 行けないってさ~ やっぱり 女友達より 彼氏さん優先ですかー?マリア先輩もー?」
マリアが衝撃を受け慌てて言う
「だ、だからっ 私は そんなんじゃなくてっ!」
課長が怒りの咳払いをする マリアが衝撃を受け仕事をする マキが苦笑してから仕事に戻る マリアが思う
(新しいプロジェクトが始まってたなんて 知らなかった… 以前なら リナに声が掛かるときは 私にも 声が掛けられていたのに…)
マリアが言う
「やっぱり 副業のせいかな… はぁ~…」

マリアが書類作成を終えて言う
「よしっ!今度こそ完璧!」
マリアが書類を見ながら言う
「あ… 出来ればこの会社 一度 直接商談をしたいなぁ きっと上手く話を進められそうだし …でも 商談するとしたら 木曜日しかないから 明日だなぁ…」
マリアが思う
(明日は 奉者の仕事が あるし…)
マリアが考えてから気付いて言う
「ん?でも 良く考えたら 会社に寄る時間は無いけど 商談だけなら出来るかも?」
マリアが思う
(そうよね… 会社の方は休暇だけど 休暇に商談をしちゃ いけないなんて規則はないし)
マリアが時計を見て思う
(朝一番に商談をお願いして 2時間もあれば十分 タへス村には30分あれば間に合うから 10時じゃなくて10時半でも間に合う!)
マリアが言う
「よし!そうしよう!」
マリアが電話に手を伸ばす

マンション前

タクシーが到着する マリアが急いでエレベータへ向かい 乗り込むとホッと気を吐いて言う
「はぁ… 思ってたより時間掛かっちゃった… でも 上手く話を進められたし これで 課長にも最近の失敗を 帳消しにしてもらえるかも?」
エレベータが到着する マリアが急ぎながら思う
(ううんっ 1度や2度じゃ 失敗の上塗りは難しいから もっと頑張らなきゃ!)
マリアがインターフォンを押して ドアを開けて言う
「お早う御座います ウィザード様 お迎えに上がりました!」
レイが言う
「マリア?」
マリアが言う
「さぁ 行きましょう!」
レイが言う
「う、うん マリア どうかしたのか?今日は?」
マリアがさっさとドアを出て行く レイが疑問して追い掛ける マリアが足早にエレベータへ向かう レイが足早に追って行く

エレベーター 内

下降するエレベーター内で レイが言う
「マリア?」
マリアが苦笑して言う
「今日は神館の場所が ここから近い場所だったので こちらに来る前に 1つ仕事をしていたんです」
レイが言う
「そうか マリアは 忙しいんだな?」
マリアが苦笑して言う
「奉者を始めた影響で ちょっと 仕事に支障が出てしまったので それを挽回しようと思って …実は午後にも もう1件!」
レイが言う
「そうなのか?」
レイが考える エレベータが到着する マリアが降り レイが続く

会社

課長が言う
「マリア君!」
マリアが慌てて言う
「は、はいっ!?課長!」
課長が言う
「流石は マリア君だ!素晴らしい成績じゃないか!」
マリアが呆気に取られて言う
「え?」
課長がマリアの下へ来て資料を渡して言う
「最近どうしてしまっていたのかと思っていたら 何だ 新規の取引先を 一挙に狙っていたのか!いや、そうとは知らずに あのマリア君が どうしてしまったのかと 私は心配していたのだよ?はっはっはっ!」
マリアが苦笑しつつ言う
「あ… は、はい…っ 実は そうだったんです?あは… はは…?」
マリアが心の中で思う
(あ~ 実は たまたま 商談した新規の2社と 偶然にして取引が成功した だなんて 言えない…)
課長が喜んで言う
「この調子で どんどん頼むよ!?マリア君!」
マリアが言う
「は… はい…」
マリアが思う
(まぁ 良いか… お陰で 私の課長への信用も 戻ったみたいだし?)
マリアがリナを見て思う
(リナには 悪い事しちゃったかなぁ…?)
課長がリナに言う
「リナ君 悪いが やはりプロジェクトの方は マリア君の方へ…」
マリアが表情を落として思う
(ごめんね リナ… そんなつもりは 無かったんだけど… その新規の取引先が まさか プロジェクトに関連していたなんて…)
マリアが視線を逸らして言う
「でも… もしかしたら 偶然じゃなくて その影響で商談が上手く行ったのかも…?」
リナが微笑して言う
「良いんです 課長 私には元々荷の重いプロジェクトでした マリアなら新規の顧客とも 上手く話を進められると思いますので 彼女の方が適任です」
マリアが驚いてから表情を落として言う
「リナ…」
リナがマリアへ向いてウィンクをする マリアが苦笑して頷く

昼休み

マリアが驚いて言う
「た、退職っ!?」
リナが微笑して言う
「ええ」
マリアが言う
「そんなっ!?どうして!?」
マリアがハッとする リナが軽く腹を撫でて苦笑して言う
「うん、実は そう言う事」
マリアが気を落ち着け言う
「で、でも… そんなに急に辞める事 無いじゃない?それこそ 出産の2、3ヶ月前ぐらいでも…?」
リナが言う
「マキから聞いてるかもしれないけど 私 今、彼の家から出勤しているの そうすると この会社って ちょっと 遠いのよ… だから この際 すっきり辞めてしまって 彼の家の近くにある会社か 後々の事も考えて パートでも良いかなって?」
マリアが残念そうに言う
「そう… でも それならしょうがないね?もちろん 結婚するんだよね?結婚式も… やるの?」
リナが言う
「うん、まだ ハッキリ決まっては居ないんだけど もし結婚式をやる様なら マキにもマリアにも 招待状送るからね?」
マリアが微笑して言う
「うん… 楽しみに待ってる」
リナが言う
「ありがと …後 プロジェクトの方 ごめんなさい 結局 マリアにやってもらう事に なってしまって」
マリアが慌てて言う
「え?う、ううんっ!?私こそっ 途中で取っちゃうみたいで… たまたま 上手く行った商談に 課長が気を良くして それだけなのっ その… ごめんね!?折角の最後の大仕事を…っ」
リナが苦笑して言う
「あ… 違うのよ?マリアの顧客リストに マルエツ商事とミハマ商事の資料入れたの… アレ、私なの」
マリアが驚いて言う
「えっ?」
リナが言う
「マリアなら あの条件の2社があれば きっと商談を進めてくれると思って こっそり…」
マリアが苦笑して言う
「なんだ… そうだったんだ?通りで 話が上手く進み過ぎると思った どちらの会社も 今売り出し中の新商品を 喜んで欲しがるんだもん 冷静になって考えたら 可笑しな話…」
リナが言う
「試したりなんか するつもりは無かったのよ?ただ 本当にマリアが こっちの仕事を続けるつもりなのか ちょっと 心配で…」
マリアが呆気に取られる リナが言う
「本当はね?マキに譲ろうと思ってたの でも マキ 今の時期って お爺さんの田畑を手伝う時期でしょ?農家の子だから しょうがないって言うのはあるけど… いつもこの時期に1週間以上休む事になるから そう言う状態で 今進めているプロジェクトは 任せられないかなって… それで」
マリアが言う
「そっか… 分かった 仕事の方は心配しないで?私やマキに任せて 幸せになってね!リナ!」
リナが微笑して言う
「ええ!ありがとう マリア!」

10日後 会社

マキが言う
「お久し振りに おっはようございまーす!」
マリアがマキに抱き付いて言う
「マキー!」
マキがふざけて言う
「きゃー マリア先輩ー!愛が苦しいです~!?」

昼休み

マキが言う
「そっかぁ~ それで 私もリナも居なくて マリア 1人で大変だったんだ~?」
マリアが言う
「もぅ~ 大変所じゃないったら~ 2人が居なくて この10日間大忙しよ~」
マキが苦笑して言う
「ごめん ごめん それじゃ 少しだけでも 手伝いに来れば 良かったね?」
マリアが苦笑して言う
「でも、マキも忙しかったんでしょ?いつも収穫期が終わると こっちの仕事の方が断然楽だって言ってるもんね?」
マキが言う
「あ~ 実は 今回は収穫の手伝いの為に 休んだんじゃなかったんだ…」
マリアが疑問して言う
「え?でも マキリンストリートの周りの田畑は 収穫されていたよ?私 奉者の仕事で ウィザード様のお部屋に行く時に いつも見ているもの?」
マキが苦笑して言う
「お爺ちゃんがね?この町に そのウィザード様が ご滞在されるようになったから もう安心だって?それで あの一帯の田畑を全部 お父さんに譲ったの それで お父さんは 家族でやるより しっかり人を雇ってやった方が良いって …お父さんも小さい頃から 手伝いさせられてきたから 家族でやるには限界だって 考えていたらしいんだ」
マリアが言う
「そっか… それじゃ マキ 今回の休みは?」
マキが微笑して言う
「それは~ 内緒~!今回は切り替え時期だったから 課長にもバレなかったけど 来年はそうは行かないと思うから!」
マリアが言う
「あ~ 良いんだ?マキが長期休暇を満喫している間 私は 1人で大変だったんだから~」
マキが言う
「ごめーん!今度ケーキおごる!」
マリアが呆気に取られた後 マリアとマキが笑う

朝 マリアの部屋

マリアがベッドに寝ていると携帯が鳴る マリアが寝苦しそうに起きて言う
「ん~ もぅ… 折角の休日なのに こんな早くに誰~?」
マリアが携帯を手に取って衝撃を受けて言う
「えっ!?奉者協会からっ!?」
マリアが気を引き締めて携帯を着信させて言う
「は、はいっ マリア・ノーチスです!」
マリアが携帯に返事をしながら言う
「…はい 各村への灯魔儀式は 周囲の状況を確認した上で 進めているつもりですが 何か問題が…?」
マリアが驚いて言う
「え?…大灯魔台の灯魔儀式に?」
マリアが慌てて言う
「し、しかしっ この町の管轄にある灯魔台の灯魔は まだ 終わっていません!それに 通常 大灯魔台の灯魔儀式は 全ての町の灯魔がなされた後に 行うものだと習いましたが!?」

マンション レイの部屋

マリアが言う
「それで 急を有する為に 6つの町が既に灯魔作業を終えているので 残る1箇所として この町のウィザード様に 参加して頂きたいと…」
レイが言う
「そっか でも 断るしかないな?」
マリアが一瞬驚いた後言う
「え?それは… やっぱり この町の灯魔作業が 終わっていないから …と言う事ですか?私も そう思って聞いてみたんですけど そちらは 気にしなくて良いと言われてしまって…」
レイが言う
「ああ、そっちは別に 気にしなくても良いだろうけど そうじゃなくって」
マリアが言う
「そうではなくて?」
レイが言う
「うん 早く行かないと 今日の灯魔儀式に 間に合わなくないか?」
マリアがハッとして時計を見て言う
「あっ!ほ、ホントっ!大変!」

灯魔台神館

レイが灯魔儀式を行っている マリアがホッとして見つめながら思う
(最近 このパターンが定着して来た気がする… 私の気が緩んでいるのかもしれないけど いつも 時間や次の灯魔場所を 教えてくれるのは ウィザード様になってる…)

周囲に砂が巻き上がり 上部に集中する 人々が驚き驚愕する中 マリアが思う
(お陰で 出発時間のギリギリに行っても間に合うし 私が必死に資料を見て 灯魔場所を考える必要も無くなって… 私はただ 灯魔神館へ儀式の連絡をして その儀式に付いて行ってるだけって感じ…)

上部に集中した砂が一気にレイへ向かって来る 人々が息を飲む中 砂の攻撃がレイの前にある杖に防がれる マリアが見つめる中 レイが杖を掴み振りかざすと 砂が上部に弾かれ灯魔台に叩き込まれる 人々が怯える中 マリアが思う
(お陰で 大分助かった… 正直 その辺りが 以前のままだったら プロジェクトも リナから引き継いだ仕事も きっと出来なかったと思う)

辺りが静まった中 灯魔台から静かに砂が流れ始める 周囲の装置にも同じ様に砂が流れる  人々が言葉を失う レイが向き直り来た道を戻り歩く 人々が慌ててレイへ信仰の眼差しを向け 祈るようにレイの歩みを見守る マリアが苦笑して思う
(これじゃ 何の為に 奉者って居るんだろう?もしかし 私 ウィザード様に甘え過ぎなのかな?)

マリアの横に居た管理人がマリアへ向き言う
「本当に有難う御座いました マリア奉者様」
管理人が深々と頭を下げる マリアが一瞬呆気に取られた後 苦笑して言う
「いえ それでは…」
マリアの横をレイが過ぎ去る マリアが言う
「失礼します」
マリアがレイを追う

マンション レイの部屋

レイとマリアが現れる マリアが言う
「お疲れ様でした ウィザード様」
レイが言う
「うん お疲れ様 次の出発は1時か?」
マリアが言う
「いえ、今日からは 以前と同じ様に 2時の出発で予定しています」
レイが言う
「そっか それなら 少しゆっくり出来るな?」
マリアが言う
「あ… やっぱり 1時だと 大変でしたか?」
レイが言う
「大変って程じゃなかったけど 2時なら ゆっくりお茶を飲んで その後 休憩していられるから 気が休まるな?」
マリアが言う
「では… すみませんでした 私の仕事に合わせてもらってしまって…」
レイが言う
「マリアが忙しいなら しょうがないだろ?俺は”マリアのウィザード様”なんだからさ?そのくらい いくらでも協力するぞ?」
マリアが苦笑して言う
「有難う御座います… ウィザード様」
レイが微笑して言う
「礼には及ばないよ」
マリアが言う
「では… また2時に お迎えに上がります」
レイが言う
「うん」
マリアが部屋を出て行く

中央公園

マリアが手作り弁当を食べつつ 軽く溜め息を吐いて言う
「ふぅ… プロジェクトも終わって マキも帰って来てくれて 灯魔儀式の時間も元に戻って 何だかやっと 一息着いた感じ…」
マリアがふと思い出す

レイが言う
『マリアが忙しいなら しょうがないだろ?俺は”マリアのウィザード様”なんだからさ?そのくらい いくらでも協力するぞ?』

マリアが苦笑して言う
「”マリアのウィザード様”かぁ… そう言えば ウィザード様って 初めて会った時からそうだった」
マリアが思い出す

マリアが言う
『…いえ、なら ウィザード様は 何でウィザード様になったんですか!?』
レイが言う
『それは もちろん』
レイがマリアを抱きしめて言う
『”マリアのウィザードさま”になる為だよ!マリア!』

マリアが思う
(あの時は すっかり 軟派なウィザード様だと思っちゃったけど 結局 こう言う事だったのかなぁ…?だとしたら 本当に ”私のウィザード様” なのかも?)
マリアが空を見上げて思う
(う~ん… でも どうなんだろう?もし… ウィザード様の奉者が 私じゃなかったら?そうしたら ウィザード様は ”誰のウィザード様”になるんだろ?それは やっぱり…)
マリアが視線を落として思う
(その 奉者の ウィザード様に なるのかな…?)
マリアが思う
(そうよね… きっと そう言う事…)
マリアが溜息を吐く
「はぁ~…」
リナが言う
「なぁ~に~ マリア?相変わらず ウィザード様を思っての溜息?」
マリアが驚き顔を向けて言う
「リナっ!?どうして!?」
リナが近くへ来て言う
「今日って マリアは休暇を取る曜日だったでしょ?だから お昼時は もしかして ここに居るんじゃないかと思って?」
マリアが微笑して言う
「あ… そう言えば リナの実家って ここの近くだもんね?今日は何?引越し?」
リナが言う
「ええ 引越しの立会いで でも 今は業者の人たちが お昼休みだから」
マリアが言う
「そうなんだ 私もそう お昼休み!」
リナが言う
「奉者様は ウィザード様と お昼を一緒にしたりはしないの?折角なのに?」
マリアが苦笑して言う
「しないよ?それに ウィザード様は修行中ですから!お昼ご飯は基本 食べないらしいの」
リナが言う
「そうなの?大変ね?」
マリアが言う
「そのせいか 食事代わりに飲でいる紅茶は とっても美味しいけどね?」
リナが言う
「へぇ~ ウィザード様が飲用する紅茶って言うと やっぱり 最高級の紅茶とか?」
マリアが言う
「ううん 紅茶の銘柄は 一般的なの紅茶だったよ?私たちが飲むのと同じ …ただ、ウィザード様が入れる時には 魔法を掛けるから えっと… 活性魔法って言ってたかな?」
リナが言う
「それじゃ 本当に魔法の紅茶?そんな紅茶を頂けるだなんて 奉者の役得ね?」
マリアが気付いて言う
「言われてみれば そうだね?誤解のせいもあって 最初は断ってたけど その内 忙しくなって それ頃じゃなくなっちゃって」
リナが呆気に取られてから苦笑して言う
「ふ~ん?…あぁ そうね?ごめんなさい 忙しくさせちゃって」
マリアが気を取り直して言う
「ああっ 良いの良いの!マキも戻って来たし プロジェクトも終わったから 今はもう 落ち着いたから」
リナが言う
「そう なら 良かった」
マリアが言う
「それで そっちはどうなの?今日引越しして …もう籍は入れたの?」
リナが言う
「ううん 引越しは今日だけど 籍とか そっちの方はまだなの 彼の方が今は仕事が忙しいらしくて 私も 今は彼の実家の 家業を手伝っているんだけど 割と忙しいかな?彼も後々は 家業を継ぐ予定みたいなんだけど 今は 別の仕事に没頭してて」
マリアが言う
「あれ?保育園の保育士さんだよね?」
リナが言う
「ううん… そっちは 辞めたの 今は別の仕事を始めたらしくて」
マリアが言う
「何をしているの?」
リナが苦笑して言う
「それが… 落ち着くまで 秘密みたい」
マリアが言う
「え…?」
リナが言う
「もしかしたら 少し言い辛い仕事なのかもしれないから 向こうが言える様になるまで 黙って待っていてあげようと思って」
マリアが言う
「そうなんだ… リナ凄いね 本当に彼の事が好きなんだ?」
リナが微笑して言う
「ええ 大好きだから 何があっても… だから 待っていられるわ」
マリアが微笑する


続く
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