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2章 魔法使いのウィザード様

嗚呼、私のウィザードさま 「普通のデート」

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店内

4人が席に座る 後輩1が言う
「このお店 可愛いですね!マリア先輩!?」

マリアが言う
「うん そうだね」

後輩1がメニューを見て言う
「わぁ スウィーツの種類も 一杯あるみたい!」

フランツが言う
「好きな物を 頼むと良いよ ご馳走するから」

後輩1が言う
「え?ホントぉ?嬉しい!」

マリアが苦笑する フランツがマリアへ向いて言う
「マリアさんもどうぞ?ご馳走しますよ 飲み物だけではなく お好きな物を」

マリアが言う
「いえ そんな 申し訳ないですから」

フランツが言う
「こちらが無理を言って 誘ったのですから これ位 ご馳走をさせて下さい」

マリアが思う
(どうしよう?元々休憩する予定だったし それに 初めて会った人に…)

フランツがレイへ言う
「魔法使いさんも 折角ですから?」

マリアが反応する レイが言う
「俺は良いよ 別に お前たちに 付き合っている訳じゃないからな?」

フランツが苦笑して言う
「そうですか では 無理にとは言いません」

マリアが微笑して言う
「私も 誘って頂いたのですから?それに 私、こう見えても 彼女の先輩ですからね?こう言う時は 支払う側であるべきだと思いますので!ですので… 今は その分は 彼女の方へ」

マリアが後輩1を見て微笑する 後輩1が呆気に取られた状態から微笑して言う
「やっぱり マリア先輩って 大人ですよねぇ!」

フランツが微笑して言う
「そうだね 本当に 素敵な先輩を持ったね?君は」

マリアが微笑して思う
(良かった 上手く断れたわ …言い方はキツイけど ウィザード様のお陰で…)

マリアがレイを見る レイがメニューを軽く見てから椅子に身を静める マリアがその様子に微笑してから メニューを見て思う
(そう言えば このお店 以前には良く3人で来たんだっけ?それで… そう言えば ケーキの種類は多いけど お茶は2種類しかなくて)

店員が来て言う
「ご注文はお決まりでしょうか?」

フランツが言う
「ホットコーヒーを1つ」

店員が言う
「はい」

後輩1が言う
「あ~ん 迷っちゃう どうしようかなぁ?マリア先輩 決まりましたかぁ?」

マリアが言う
「あ、うん …えっと ガトーショコラを1つと…」

マリアがレイを見て言う
「紅茶で良いですか?」

レイがマリアへ向き微笑して言う
「うん」

マリアが店員へ向いて言う
「紅茶を2つ お願いします」

店員が言う
「はい」

マリアが後輩1へ向いて言う
「決まった?」

後輩1が言う
「えっとぉ それじゃ 思い切って プリンアラモードと …メロンソーダで!」

店員が言う
「はい 畏まりました」

店員が立ち去る マリアが思う
(プリンアラモード… 懐かしいなぁ マキが大喜びで注文したっけ…?プリンが2つも付いてておっ得~!なんて はしゃいでたっけ?懐かしいなぁ…)

マリアが微笑する フランツが言う
「マリアさんは」

マリアがハッとして言う
「は、はい?」

フランツが言う
「この町の大学を 出ていらっしゃるそうですね?専攻の方は?」

マリアが言う
「専攻は 経営経済学部です」

フランツが言う
「ほう… それは凄いですね?そう言った事に ご興味が?」

マリアが言う
「はい… 少し… 今の仕事では 余り生かされていませんが それでも 今の仕事は とても遣り甲斐を感じているので」

フランツが言う
「お仕事は あちらの会社ですと 企業の仲介業務がメインですよね?製造業も多少はしているようですが」

マリアが言う
「はい そうですね」

フランツが言う
「他の会社同士を 結び合わせる と言うお仕事が…?」

マリアが言う
「はい、双方の会社が上手く行くようにって 色々な資料を集めたり 時には少しお説教したり… ただの仲介業と言っても 遣り甲斐があるんですよ?」

マリアが微笑する フランツが微笑して言う
「そうですか なるほど 実は奥の深い 職種なんですね?考えを改めさせられます」

マリアが苦笑して言う
「…と言っても 本当に頑張って 良い物を作ったり それを必要とする人へ渡すのは それらの各企業ですから 私たちは それを ちょっと お手伝いしているだけだと 思ってます」

フランツが言う
「いや、そんなことはありませんよ 良い会社へ 相応の会社を結びつける …とても 大切な職種だと 痛感しました マリアさんのお陰です」

マリアが苦笑して言う
「え…?いえ、そんな…」

フランツが言う
「と、なりますと… やはり 今 御社のライバル社と言うのは ミッシェルリンク社ですかね?」

マリアが思う
(ミッシェルリンク社ね… 確かにそうだったけど)

マリアが苦笑して言う
「いえ、もう あちらの会社は…」

マリアが思う
(…ん?あれ?)

マリアがふと 後輩1の表情に気付き言う
「あ、いけない つい…」

フランツが気付き苦笑して言う
「…ああ、失礼しました まるで 商談の様でしたね?」

マリアが苦笑して言う
「いえ、私も…」

フランツが言う
「マリアさんがそれだけ 今の会社を大切にされている と言う事は よく分かりました」

マリアが微笑して言う
「そうですね 大切にしています」

マリアがレイを見る レイが微笑する マリアが微笑する フランツが2人を見ている

店員が来て言う
「お待たせ致しました」

店員が配膳する 後輩1が自分の前に置かれたプリンアラモードに喜んで言う
「わぁ 美味しそう!」

マリアが後輩1を見て微笑し 自分の前に置かれたガトーショコラを見て思う
(あぁ… 懐かしいな… あの時リナが食べていて なんだか 大人っぽく見えたのよね …あの時の私は まだ 苺ケーキだったから)

マリアが苦笑して紅茶を見て思う
(このお店の飲み物は 皆カップやグラスに入れられた状態で 出されちゃうから 今日は ウィザード様の 魔法の紅茶は お預けになっちゃった… ちょっと残念だけど)

マリアがレイを見る レイが紅茶を飲んでいる マリアが思う
(…たまには しょうがないよね?)

マリアが紅茶を一口飲み苦笑してから ガトーショコラにフォークを当てる マリアがガトーショコラを食べて思う
(うん… やっぱり チョコレートケーキとは違って 少しカカオの苦味が… でも そんなにキツくないかな?紅茶を一緒に飲んだら 丁度良いって 感じで…)

マリアが紅茶を一口飲んでホッとして思う
(リナはホットコーヒーを飲んでたけど… 私にはやっぱり 紅茶の方が良いみたい …それに 魔法の紅茶じゃなくても …2人きりじゃなくても …ウィザード様と一緒に 同じ紅茶を…)

フランツが言う
「それにしても」

マリアがレイへ向けようとしていた視線をフランツへ向ける

フランツが微笑して言う
「何故 本日は 魔法使いさんと お買物を?」

マリアが呆気に取られて言う
「え?」

フランツが苦笑して言う
「ああ… そう言えば 今日は月曜日でしたね?別の会社に勤めている お友達とは 休日が合わなかったのですか?」

マリアが言う
「いえ?特にそう言う訳では…」

フランツが苦笑して言う
「折角 シャネールの新店へ 向かわれたのでしたら 他の方の方が お連れとしては 宜しかったのでは?」

マリアが疑問して思う
(え?それは 一体どう言う意味?…あ、女性服専門店だから 女友達と行くべきだって事かな…?)

マリアが言う
「えっと… 確かに女性服の専門店ですが 店内には その女性客の連れとして 男性の方も 同数いらっしゃいましたよ?」

マリアが思う
(そうそう むしろ 女性同士で来ている人の方が 見当たらない位だった…)

フランツが言う
「確かに 店内はその様な様子でしたね?先に行った マキリンストリートの同店には 女性同士のお客が多かった様ですが… ストリートの特色と言った所でしょうか?落ち着きのある こちらのライトストリートの方は」

後輩1が気付いて言う
「あ、マリア先輩!フランツは ファッション関係の お仕事をしてるんですぅ!」

マリアが納得して思う
(ああ、そう言う事?だから ファッション店の事にも詳しくて… でも それとこれとで なにか…?)

フランツが言う
「ええ、そんな訳で 今日は 午前中はマキリンストリートのファッション店を 彼女の希望で …午後は 私の希望で こちらのライトストリートのファッション店 特に シャネールの新店を 確認しておきたかったのです」

マリアが言う
「では 店内はもう ご覧になったのですよね?」

フランツが言う
「はい、このストリートに到着して 最初に向かいましたから …しかし もう少し待ってから向かえば 良かったですね?そうすれば マリアさんが ご来店した時と重なって 直接 シャネールの洋服を マリアさんが 身に纏っていらした姿を 目に出来ましたでしょうに 残念です」

マリアが思う
(なるほど?展示してある状態じゃなくて 実際に人が着ているのを見たかったって事ね?…ん?それなら…?)

マリアが言う
「それでしたら 彼女にモデル役を お願いしたら良かったのでは?」

後輩1が言う
「あっ!私も モデルって言うか?ちょっと 着てみたんですけどぉ」

フランツが苦笑して言う
「シャネールは… 丁度 マリアさんの様な 大人の魅力がある方ではないと」

マリアが驚いて言う
「え?いえ…っ そんなっ!?」

マリアが視線を泳がせる フランツが微笑して言う
「ご購入をされているのですから きっと とてもお似合いだったのでしょう?」

マリアが思う
(そ、そっか… 似合わない物を 買うなんて事… 増して 高級ブランドなんだから…)

レイが紅茶を飲み干して言う
「ああ、すげぇ 似合ってたよ 服の仕事をしてるって言うなら お前にも 見せてやりたい位だったな?店内に居た どの女よりも 似合ってたよ」

マリアがレイへ慌てて言う
「そ、そんなっ 褒めすぎですよっ」

マリアが思う
(ウィザード様っ!)

レイがマリアを見て言う
「俺は そう思ったよ?マリアに どれが良いかな?ってさ?周りを見てたから 良く知ってるんだ」

マリアが言葉に詰まり頬を染めつつ思う
(そ、そんな 素直に言われたら…っ もう誤魔化せないし…っ ど、どうしよう?ウィザード様に そう言ってもらえたのは 嬉しいけど…っ 人前で…っ)

フランツが苦笑して言う
「どうやら 相当 素敵だった様ですね?惜しい物のを 見逃しました」

マリアが言う
「いえっ そんな… それよりその…っ」

マリアが思う
(何か話題を…っ)

マリアが視線をめぐらせると フランツが言う
「マリアさんは とても謙虚ですね?その様な女性は 実に好感が持てます」

マリアが苦笑して言う
「えっと…」

マリアが思う
(謙虚だと思うなら もうそれ以上 褒め言葉とかは… 私、人にそう言う事を言われるのが 実は苦手で…)

マリアが言う
「ふ、普通だと…?」

フランツが苦笑して言う
「では 尚更 分かりませんね?何故… それこそ 普通の男性ではなく 魔法使いさんと?」

マリアが言う
「え?」

マリアが思う
(今度は… どう言う意味?)

フランツが言う
「普段も彼と デートを… いえ、お買物などを されているのですか?他にも… 例えば何処かへ遊びに行ったり なども?」

マリアが言う
「えっと…?お買物は 初めてですね?遊びに… は 行った事が…」

マリアが思う
(もしかして 今度は 私じゃなくて ウィザード様の事を 知りたいとか…?)

フランツが言う
「あぁ… では 付き合いは短いのですか?最近お知り合いに?」

マリアが言う
「い、いえ… それ程 長くはないですが… 最近と言う訳では 無いですね 遊びではないですが 一緒に…」

マリアが思う
(あぁ でも?灯魔儀式とか言っても 分からないだろうし… どう言ったら?)

後輩1が言う
「あれ?でも 休日はいつも 魔法使いさんと 一緒に 何処かへ行った って言ってましたよね?えっとぉ… なんだっけ?何とか~儀式?」

フランツが言う
「儀式?」

マリアが苦笑して言う
「あ… はい…」

マリアが思う
(あぁ… 色々聞かれていた時に 思わず口を滑らせた事を… 良く覚えているなぁ…)

フランツが苦笑して言う
「儀式… ですか… なるほど 魔法使いさんらしいですね?それは… 何か 悪魔祓い 的な?…フッ クック…」

フランツが失笑を堪える マリアが苦笑して言う
「悪魔祓い… ではないですけど…」

マリアが思う
(この様子じゃ きっと 説明しても無理かな…?アウターとかって言葉までは 普通かもしれないけど 結界を張ってるとか 灯魔台なんて言葉は 私だって…)

フランツが言う
「いえ、失礼しました 魔法使いさんにとっては きっと 何か 大切な事… なのでしょうね?それで マリアさんは その… 儀式 を一緒に見て 面白いのですか?」

マリアが言う
「え?いえ?面白いと言うか… 遊びではないので 真剣に 無事を お祈りしてます」

フランツが言う
「ふむ… なるほど?しかし、魔法使いではない マリアさんが それでも 魔法使いさんたちに付き合って その儀式の無事を お祈りすると言うのは… やはり マリアさんらしいですね?とても お優しくて」

マリアが言う
「え?」

マリアが思う
(どうなんだろう…?確かに 私は魔法使いやウィザードじゃないけど でも 灯魔儀式で作られる結界は そんな 私たちの事だって 守ってくれている大切な物なんだから… そのための 儀式の成功を祈るのは 当然なんじゃ…?)

フランツが言う
「しかし、たまには そう言った事への お祈りの他にも 休暇を楽しんでみては如何ですか?今日の様に お買物も 良いかもしれませんが それ以上に もっと普通の… そうですね?例えば 映画を見たり ドライブをしたり …そう言った事をなさってみては?」

マリアが言う
「は、はい… そう…ですね…?」

マリアが思う
(確かに デートって言ったら 普通 そう言う事よね…?でも 私とウィザード様だと なんだか 全然 現実味が… …って そもそも 私とウィザード様は!?)

マリアが苦笑する フランツが苦笑して言う
「そう言う普通の事をする と言うのは… やはり 魔法使いさんには 難しいのでしょうかね?」

マリアが驚く フランツがレイを見る

レイが言う
「車の運転なんかは 俺は出来ないけど 映画なら ただ見れば良いだけだろ?マリアが そうしたいって言うなら 俺は一緒に行くよ」

マリアが思う
(…そうなんだ?ドライブは分かるけど ウィザード様が 一緒に映画を見てくれるなんて 考えた事も無かったかも…?でも 確かに ”ただ見れば良いだけ”よね?一緒に…)

フランツが言う
「そうですか?では これから 向かいましょうか?マリアさん?」

マリアが驚いて言う
「へ?」

フランツが言う
「お茶も飲み終わりましたし お買物も終わっている様でしたら 今度はそちらへ ご一緒をしましょう?」

マリアが言う
「え?いえっ!?だって そちらは デートの途中では?」

マリアが後輩1を見る 後輩1が呆然としていた様子からハッとする マリアが思う
(ほら… 私とばかり 話していたから 彼女だって…)

マリアが微笑して言う
「お茶の休憩も終わりましたし そちらは その… デ、デートの続きを?」

フランツが言う
「はい、デートの続きと言う事で これから映画にでも と 思っていたのですよ ですから 折角ですし そちらまで ご一緒しましょう?」

マリアが言う
「え、え~と…」

マリアが思う
(ど、どうしよう…?)

マリアが後輩1を見る 後輩1が呆然としている

フランツが言う
「君もそうしたいだろう?折角 ここでマリア先輩と 会えたのだから 次の映画まで ご一緒したいと?」

後輩1が呆気に取られた後喜んで言う
「う、うん!そうね!私もそう!フランツと同じよ!?マリア先輩!一緒に!映画を見に行きましょうよぉ?」

マリアが表情を困らせて思う
(あぁ… あんな風に言われたら そう言うしかないよね?それに 私も これじゃ 断れなくなっちゃったなぁ… ウィザード様は 私次第だろうし… 私は…)

マリアがちょっと考えてから思う
(確かに 男の人と映画に行く… その… デ、デート みたいな事に 憧れが無かった訳じゃないけど… でも、ウィザード様と 映画に行くなんて 考えた事は無かった …だけど 確かに これは …ちょっとだけ 嬉しい…かな?あ、でも?ウィザード様は 機械が嫌いで TVだって分からない人で… 大丈夫かな…?)

マリアがレイを見る レイがマリアを見て言う
「俺は 話だけで 実際に 見た事は無いんだけどさ?そんなに 面白いものなのか?」

マリアが苦笑して言う
「は、はい!面白いかどうかは 作品次第かもしれませんが… 映画館って言うのは ちょっと独特ですから?そう言う意味でも 少し面白いかもしれませんね?」

マリアが思う
(もしかしたら ウィザード様は そんなに嫌ではないかな?)

フランツが言う
「真っ暗な部屋の中で 椅子に座って スクリーンに映される映像を 見ているだけですよ?」

レイが言う
「そうか なんだか退屈そうだけど マリアが居るなら 俺は それで良いぞ?」

マリアが苦笑して言う
「はい では… 折角の お誘いですし そちらまで ご一緒しましょうか?」

マリアが思う
(大体 映画なら 元々2人きりのデートも 何もないものね?それなら …そこまでなら ご一緒しても良いかな?)

フランツが微笑して言う
「では 参りましょう マリアさん」

マリアが言う
「は、はい…」


映画館

スクリーンに映画が上映されている

椅子に座っているマリアが周囲を軽く見て思う
(やっぱり 平日の昼間の映画館なんて言うと こんな感じなのね… なんて言うか…)

マリアの視線の先 少ない観客たちが カップルでイチャ付いている

マリアが苦笑して思う
(まぁ… しょうがないのかな?あれもデートならではの 映画の楽しみ方って言うか… 周りが暗いから 皆 恥かしげもなく そんな事…)

マリアがスクリーンを見る スクリーンの中で主人公が言う
『ここで 僕が行かなければ 君を守る事が出来ない 分かってくれ』

ヒロインが言う
『嫌よっ!ここで分かれたらっ 私たち もうっ…!』

主人公が言う
『どうか 僕の分も幸せに… 君は生きるんだ!』

ヒロインが言う
『そんなの無理よ!貴方が居ない この世界で 私は幸せになんか なれないわっ!』

マリアが思う
(そうよね そんなの勝手よね?私もそう思う… きっと リナも…)

マリアが一度視線を落とす 隣の方でむせび泣く声が聞こえ マリアが顔を向ける マリアの視線の先 後輩1が泣きながらスクリーンを見ている マリアの隣ではフランツが 普通に見ている

マリアが思う
(彼女が泣いているんだから… 何か… 優しくしてあげたら良いのに…?)

マリアが軽く息を吐きスクリーンを見る スクリーンの中 主人公とヒロインが抱き合っている所に 大量の怪物が押し寄せる

主人公が言う
『さあっ!ここは 僕に任せてっ!君は行ってくれっ!』

ヒロインが言う
『必ず帰って来てっ!私、待ってるわ!貴方が帰ってくるまでっ!絶対に待っているからっ!』

主人公がヒロインへ振り向いた状態から 正面へ向き言う
『ありがとう そして… さようなら』

後輩1が声を漏らしてなく
「うっうっ…ぐすん ひっく…」

マリアが苦笑して思う
(確かに 彼女の為に… 世界の為にって あの怪物の中へ 1人で立ち向う主人公は 素敵かもしれない けど… 何だろう?なんて言うか… もちろん 私も ストーリーは良いと思うんだけど… その…)

マリアがスクリーンを見る スクリーンでは主人公の前に沢山の怪物が居る 主人公が必死に逃げる

マリアが思う
(うん… そうなのよ… あの怪物なんだけど… その… …それこそ ウィザード様が居れば …魔法で 一撃なんだけどなぁ… なんて…?)

マリアが苦笑する マリアの肩に何か当たり マリアが疑問して顔を向けると レイがマリアの肩を枕に寝ている 

マリアが苦笑して思う
(…そうですよね?詰まらないですよね?眠くなっちゃいますよね?ここまでの間に 主人公の仲間たちが 一杯死んじゃいましたけど…)

マリアが思う
(ウィザード様が居れば… それこそ… 誰1人死ななかった ですから…っ)

マリアが苦笑してスクリーンを見る スクリーンでは主人公が怪物に囲まれピンチな状態が映されている

マリアが思う
(この状態だって… ウィザード様が居れば この主人公を連れて 彼女のもとへ お得意の風の移動魔法で すぐに連れて行ってあげられるのに…)

マリアが欠伸を噛み殺して思う
(あぁ… なんだか そんな風に考えると 私まで 眠くなって来ちゃった… …でも 折角 映画に誘ってもらったのに その 彼の隣の席で 寝ちゃう訳には…)

マリアが視線を泳がせた先 カップルたちが皆イチャイチャしている

マリアが苦笑して思う
(う~ん… やっぱり そう言う事が目的の人たちにとっては この状況って… 丁度 良いのかなぁ?音も大きいし… 暗いし…)

マリアが眠そうな目で 視線落とし軽く息を吐いて思う
(はぁ~… 駄目… もう スクリーンへ向く事も…)

マリアが眠りそうになっていると マリアの身体が腕に抱かれる マリアが一瞬驚いて顔を向けた先 レイがマリアに抱き付いて来る

マリアが驚いて思う
(ウィ、ウィザード様っ!?まさか ウィザード様までっ!?って …あ、あら?)

マリアが疑問してレイを見る レイが眠っていて言う
「… ぅん… マリア…」

マリアが呆気に取られて思う
(ね、寝てる…?なんだ びっくりした… えっと… こう言う場合は?)

マリアが困って視線をめぐらせた先に カップルたちの状態が映る

マリアが気を落ち着かせて思う
(でも これなら?…この状態なら?人前ではあるけど …大丈夫 かな?だって 皆 同じ様な感じで… それに…)

マリアがレイを見てから苦笑して思う
(何だか この腕の中に居るのって 凄く久し振りな気がする… 何でだろう?ちょっと前までは 会う度に いつも こんな感じで マリアー!って?…あ、そうだ?私が…)

マリアが微笑して思う
(私が いつも 人前では 恥ずかしいからって… 会社の前も お家の玄関の前も… だから 玄関の中にしようとしたんだけど… なんだか それも いつの間にか…)

マリアがレイの感触へ意識を向けつつ思う
(そうだった… 今日だって 本当は ちょっとだけ お買物へ行って その後は 3時のお茶を お家で… また こうやって ”仲良く” 一緒に お茶を飲もう って… そう思っていたのに…)

マリアが微笑して思う
(そっか… 私… 人前では恥ずかしいけど… それこそ 抱き付いてくる ウィザード様の自身にさえ 恥ずかしいと思っちゃうけど… 私は 本当は… ウィザード様に こうしてもらえるのが… 好き …なのかもしれない だって… とっても…)

マリアが微笑してレイの腕に触れようとした瞬間 フランツがレイの腕を叩く マリアが驚くと レイが目を覚ましマリアを見てから言う
「うん…?あ… ごめん… マリア…」

マリアが思わず言う
「え…?」

レイが自分の席に落ち着き 一人で眠りに付く マリアがレイを見たまま思う
(どうして?周りでは 他の人も 同じ様にしてるんだから… あのままでも…?)

フランツが小声で言う
「大丈夫ですか?マリアさん?」

マリアがハッとして振り向く フランツが微笑して言う
「絡まれてしまいましたね?」

マリアが言う
「あ… いえ…」

フランツが微笑して軽く頷いて見せてから スクリーンへ向く

マリアが思う
(そっか… 恋人でもない人に 抱き付かれて 困ってるって… 気を使ってくれたんだ… お礼… 言わなきゃ だったかな?…でも)

マリアがレイを見る レイはすっかり寝入っている マリアが苦笑してから スクリーンへ向き直り 間を置いて思う
(…あぁ 駄目… もうこれ以上は我慢出来ない… それに もう… 貴方だって そんな無理しないで… …ウィザード様に お願いしたら 良いのに…)

マリアが居眠りをする スクリーンの中では 主人公が襲い来る怪物と必死に戦っている


映画館 外

後輩1が言う
「映画 凄っく良かったですね~!私、泣いちゃいましたぁ!」

マリアが苦笑して言う
「う、うん… そうだね?」

マリアが思う
(…で、結局 最後はどうなったんだろう…?途中から寝ちゃって 気が付いたらエンドロールで…)

フランツが言う
「まぁ 彼女の為に 必死になるのは 男なら当然かもしれませんが 彼女が最後まで信じて待って居てくれた と言う所は とても良かったですね?」

マリアが言う
「そ、そうですね…」

後輩1が言う
「私だって 絶対待ってるぅ!」

マリアが思う
(あぁ そうなんだ?彼女は待っていたのね?それで… あの彼氏は どうなったんだろう…?)

後輩1がマリアへ向いて言う
「やっぱり 映画って 良いですよね~!?マリア先輩!」

マリアが言う
「え、え~と… そ、そうだね?たまには…」

フランツが苦笑して言う
「魔法使いさんは 初めての映画は 残念ながら 楽しめては 無かったようですね?」

レイが言う
「ああ 途中までは見てたけどさ?あんなに必死になって 世界を守ろうと頑張るなら 俺が助けてやるよ!…って 思ったら もう 寝てたな?」

マリアが苦笑して思う
(そうなのよね… 私も 同じ様な感じで…)

フランツが言う
「では 魔法使いさんの魔法でなら あの怪物の群れも 何とかなると?」

レイが言う
「あんなの 一撃だな?」

マリアが笑いを隠す フランツが苦笑して言う
「あぁ… そんなでは とても 映画は楽しめませんね?」

レイが言う
「一応 経験になったらさ?礼は言っておいてやるよ」

フランツが一瞬呆気に取られた後苦笑して言う
「…そうですか では、お誘いして 良かったです」

レイが言う
「ああ」

マリアが微笑して思う
(ウィザード様が そう言うのなら 私も… 良かった…)

マリアが微笑して言う
「お誘い 有難う御座いました!…私も ちょっとだけ 寝ちゃって …ごめんなさい」

マリアが苦笑する フランツが一瞬呆気に取られた後 微笑して言う
「いえ こちらこそ 無理にお誘いしましたので そう言って頂けるのなら 嬉しいですよ」

マリアが微笑した後 言う
「それでは 今度こそ」

後輩1が微笑する フランツが言う
「それでしたら お別れの前に」

マリアが疑問して言う
「え?」

フランツが言う
「お別れが 映画の中とは言え 怪物の群れでは 印象が悪いではありませんか?」

マリアが言う
「は、はい?」

フランツが時計を見てから言う
「そう… ですね ディナーには 少々時間が早いので… あぁ そうです それこそ 綺麗な物を 見に行きませんか?」

マリアが言う
「でも…」

フランツが言う
「今から向かえば 丁度 良い時間になるでしょう どうですか?町を一望できる場所まで ドライブを兼ねて 一緒に向かいませんか?」

マリアが困惑して言う
「それこそ 2人で…?」

フランツが言う
「このストリートへ来るまでの間に 2人でのドライブも 終わらせましたので 今度はマリアさんも一緒に …ああ、もちろん 魔法使いさんも 宜しければ?」

レイが言う
「今度はドライブか?」

フランツがマリアへ言う
「魔法使いさんは 車の運転はなさらないとの事でしたから マリアさんも ドライブを楽しむ良い機会でしょう?行き先は とても素敵な場所ですよ 是非 マリアさんにも お見せしたいです」

マリアが苦笑して言う
「しかし そこまで ご一緒しては それこそ 彼女とのデートが…」

フランツが言う
「彼女だって マリアさんの事は大好きですからね?私は 彼女の為にも マリアさんをお連れしたいのですよ こちらの都合ばかりで 申し訳ありませんが 是非?」

マリアが思う
(えっと… これはどうしたら良いの?お茶も映画も終わって お別れするには とても良い状態だと思うんだけど… それでも 誘うって言うのは 本当にそうして欲しいって思っているのかな?…彼女の為に?)

後輩1が苦笑して言う
「マリア先輩!行きましょうよぉ!?折角 フランツが お勧めの場所があるって言うんですし!一緒に 行きましょぉ!?」

マリアが苦笑して言う
「う、う~ん… そ、それじゃ…?」

マリアが思う
(確かに… ただ 車に乗るって言うんじゃなくて ”ドライブ”って… どんな感じなんだろう?…デートと言えば 彼氏とドライブ?良く聞く話だけど… 映画以上に 私とウィザード様じゃ 絶対に無いだろうし…)

マリアがレイを横目に見て思う
(これも… 一応 経験…?)

レイが言う
「マリアは その ドライブって奴は やった事はあるのか?ただ車に乗るのとは 違うのか?」

後輩1が言う
「彼の車は スポーツカーなんですよぉ!?オープンカーにもなるんですぅ!」

レイが言う
「それが 何か普通の車と違うのか?よく分からないな?」

後輩1が一瞬呆気に取られてから困って言う
「え?え~とぉ~…」

マリアが苦笑して言う
「それじゃ 折角ですし ”一応 経験” させて 頂きましょうか?ウィザード様?」

レイが言う
「うん そうだな?その方が 早そうだな?」

フランツが言う
「ええ そうしましょう では ご案内します」

フランツに続き後輩1が言う
「こっちですよぉ~!」

レイが続こうとして マリアを振り返る マリアが微笑して レイを追って歩きながら思う
(何だか ちょっと 楽しいかも…?やっぱり これが デートって言うのかな?)

マリアがレイを見る レイがマリアを見て微笑する マリアが微笑する


車が海岸線を走っている

後輩1が窓の外を見て言う
「わぁ 綺麗ですよぉ!夕日が 海に沈んで行くみたいですぅ!?」

後輩1の言葉に マリアが顔を向けて言う
「ホント 綺麗だね?」

フランツが言う
「そうですね こう言う時こそ オープンカーは 気持ち良く走れますよ?ちゃんとした作りの オープンカーは 暖房さえ入れていれば オープンにしても それほど寒くはありませんから」

フランツがボタンを押す 車の屋根が収納されて行く マリアがその様子を見ながら言う
「わぁ…」

車の屋根が収納される マリアが周囲を見てから 微笑して言う
「そうですね?思っていたほど 寒くないです」

マリアが思う
(って言っても 一応 ちょっと寒いけど… でも 景色は良く見えて 良いかも?)

後輩1が言う
「私、オープンカーって 今日 初めて乗ったんですけどぉ 気持ち良いですよね!?まるで お空を飛んでいるみたいで!」

レイとマリアが反応して マリアが微笑して言う
「…うん そうだね?風を受けながら 走るのは気持ち良いね?」

マリアが思う
(でも 本当にお空を飛ぶと もっと開放的で… それに)

マリアが首元を軽く整えて思う
(全く 寒くなんか 無いんだけど…)

レイがマリアを見てから 人知れず軽く杖を傾ける 後輩1が言う
「あ、もう 太陽が沈んじゃう」

マリアが周囲を見て言う
「急に暗くなって来たね?」

フランツが言う
「もうすぐ到着しますよ」

後輩1が言う
「わぁ 楽しみぃ~!」

マリアが後輩1を見て微笑してからレイを見る レイが帽子を押さえ 退屈そうにしている マリアが苦笑する


丘の上の公園

フランツが先を示して言う
「どうですか?こちらからの 町の夜景は?」

後輩1とマリアがフランツの示す方を見て 後輩1が言う
「わぁ~ 綺麗~!」

マリアが微笑して言う
「うん 綺麗だね」

レイがマリアの横に立つ フランツが言う
「ここからだと 町が一望出来るのですよ これだけ全体的に見られる場所は ここしかありません」

マリアが思う
(確かに 全体的に見えて とっても綺麗 …でも)

マリアが視線を向けて思う
(ライトストリートは ちょっと遠くなっちゃったなぁ… あのイルミネーションの飾り付けが 夜 どんな風になるのか… ちょっと気になってたんだけど …ウィザード様も 今日会った時に 綺麗だって言ってたし… あ、そっか?それなら ウィザード様に?)

マリアがレイへ向こうとする

フランツが言う
「どうですか?マリアさん?」

マリアが呆気に取られて言う
「え?」

フランツが言う
「お茶を飲んで 映画を見て… ドライブをして 夜景を見る …この後は もちろん ディナーをご一緒に」

マリアが言う
「は、はい?」

フランツが言う
「この様な 普通の お付き合いと言うのは?」

マリアが言う
「え、えっと…?」

マリアが思う
(それはつまり 基本通りの デートコースって 事?)

フランツが言う
「マリアさんは とても 清楚で謙虚でいらっしゃるのに 一緒に居られる お相手が 魔法使いさんでは 落ち着かないでしょう?この際 お考えになられては?」

マリアが思う
(え?お考えって…?)

レイがフランツを見る フランツがレイを見て言う
「それこそ 職種として 魔法使いと言うのは 面白いかもしれませんが… せめて 女性と一緒に歩いたり 高級なお店に入る予定でしたら 相応の格好をされた方が 宜しいのではないですか?」

マリアが言う
「あ、いえ それは…」

マリアが思う
(それは 私も… ライトストリートへ来た時には 思ったんだけど… でも それは…)

フランツがマリアへ言う
「とんがり帽子にマント、杖まで持って いかにも 魔法使いでは 周囲の目を引いて マリアさんも ご気分が悪かったでしょう?」

マリアが慌てて言う
「い、いえっ そんな事っ」

マリアが思う
(確かに 周囲の目は引くと思ったけど…っ でも そんな…っ ”気分が悪い”だなんてっ!?)

フランツが苦笑して言う
「私が 今日 マリアさんを お茶へ誘ったのも それが理由ですよ?あのままでは 本人は兎も角 マリアさんが周囲の失笑に 晒され続けてしまうと思い そこで、店へ入ろうと言ったのです」

マリアが困って思う
(そんな… 私たちはただ… ちょっと休憩しようと思ってて それで ついでにって言うから… ううん!?そうじゃなくてっ 今はっ!)

マリアが言う
「あ、あの…っ!」

マリアがフランツへ意見しようと見上げた先で 後輩1が心配そうに見ている

マリアが後輩1に気付いて思う
(あ… でも… 彼女の前で その彼氏を 怒ったりなんかしたら…?)

レイが言う
「魔法使いは 周囲に その危険性を知らせる為に この格好をしてなきゃいけないんだよ 一緒に歩くマリアには悪いが それが 力を持つ者の 義務だからな?」

マリアがハッとして思う
(力を持つ者の義務… そっか… 他を圧倒する 力を持つからこそ そうでは無い人と 一緒に 居る為に…)

マリアが微笑して言う
「私は 彼の事 素敵だと思いますよ?確かに 一緒に歩くと あちこちから視線を感じますけど その魔法使いやウィザードが 私たちと一緒に暮らす この世界を守って くれているんですから」

レイとフランツが驚く マリアが言う
「ですから これからも 一緒に 仲良く また お茶を飲みましょう?映画は眠っちゃうかもしれませんけど 4人で一緒に 何かをするって言うの 私、とっても 楽しかったです!私たちにとっては 貴重な ”普通の経験”をさせて頂きました フランツさん それに エミリィちゃんも 今日は本当に 有難う御座いました!」

後輩1とフランツが呆気に取られた後 後輩1が微笑し フランツが苦笑して言う
「いえ、どういたしまして …こちらこそ 貴重な 魔法使いさんとの 時間を 有難う御座いました マリアさん」

マリアが一瞬呆気に取られてから 微笑して言う
「では 私たちは これで失礼します」

レイがマリアを包み 2人が風に消える


自宅 前

レイとマリアが現れる

レイが言う
「はい 到着!それとも ライトストリートの イルミネーションを 見に行きたかったか?マリア?」

マリアが振り向いて言う
「いえ それは またの機会で… だって ウィザード様?早くしないと 食堂の時間が 終わっちゃいますよ?」

レイが衝撃を受けて言う
「あっ!そうだったっ 映画館で寝たもんだから 時間の感覚がズレてたみたいだっ!」

マリアが苦笑して言う
「急がないと 閉まっちゃいますね?」

レイが言う
「ああ!そうだな!ありがとな マリア!」

マリアが言う
「こちらこそ 今日は 本当に有難う御座いました ウィザード様」

レイが向かおうとして言う
「礼には及ばないよ!それじゃ!…あ、その前に マリア?」

マリアが疑問して言う
「はい?」

レイが言う
「あいつらには ”普通のデート”って奴を 教えてもらったけどさ?」

マリアが言う
「はい、そうですね?」

マリアが思う
(けど それは…)

レイが言う
「けど マリア!それなら 今度は 俺と一緒に ”普通じゃないデート”を しような!?」

マリアが言う
「え?普通じゃない って…?」

マリアが思う
(それは…?つまり ”いつも通り”って 事なんじゃ…?)

レイが言う
「”マリアのウィザード様”なら 映画よりもっと面白い事を 出来るぞ?もちろん ドライブより 空を飛んだ方が気持ち良いし!夜景だって もっと良い場所がある!俺なら連れて行けるからさ!そんな 普通じゃない デートを 今度はしような!マリア!」

マリアが呆気に取られてから 微笑して言う
「…はい!ウィザード様っ」

レイが言う
「うん!それじゃ!お疲れ様!お休み!マリア!」

レイが風に消える

マリアが微笑して言う
「”普通じゃない” デート か…」

マリアが苦笑して 玄関へ向かいながら思う
(そうよね?やっぱり ”私のウィザード様”なら…)

マリアがふと思い出して 自分の手を見て 慌てて言う
「え?あ… あれ?そう言えば 荷物はっ!?」

マリアがハッとして思う
(185万円のお洋服がっ!?)

マリアが玄関を見て呆気に取られた後 苦笑して言う
「いつの間に…」

マリアが玄関のドアノブに掛かっている荷物を手に取って思う
(やっぱり 魔法って)

マリアが言う
「凄いよね?流石 私のウィ…!」

マリアが思う
(ううん?私の… 風の魔法使いさん…)

マリアが苦笑してから 玄関へ入って言う
「ただいまー!」

マリアが玄関ドアを閉める


続く
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