32 / 55
19章
アールスローン戦記Ⅱ 防衛戦
しおりを挟む
アースと秘書の視線の先 メリが微笑して言う
「お迎えに上がりました ハブロ・アーク・フォライサー」
秘書が怯えて後ず去る アースがメリへ視線を向けたまま秘書へ言う
「君は下がり 司令塔へ連絡を」
秘書が怯えつつ言う
「は、はい…っ」
秘書が慌てて本部内へ走って行く
【 ART 第一訓練所 】
グレイゼスが怒って言う
「大体 訓練用じゃない 本物の武器を使うって時点でっ!こうなるって事がっ!分かるでしょうっ!?」
ハイケルが沈黙している ラミリツが苦笑して言う
「いや それはもちろん?その可能性はあるかな~?位には思ったんだけど…?」
グレイゼスが怒って言う
「あるかな~?じゃなくてっ!目に見えてあるんだって事が!君たちには分からないのかなぁあっ!?攻撃の兵士さんに 悪魔の…っ!」
緊急警報が鳴り響く
『緊急事態発生 緊急事態発生』
グレイゼスとハイケルとラミリツ ART1隊員たちがハッとする 緊急警報が鳴り響く
『ART全隊員は 直ちに 各自の待機場所へ向かって下さい 繰り返します 緊急事態発生 緊急事態発生 ART全隊員は…』
ラミリツが言う
「緊急警報っ!?」
ハイケルが言う
「状況は?」
グレイゼスがコンソールへ向かい操作を行うと モニターにART出入り口前の映像が映り メリの姿が映る 皆が驚き ラミリツが言う
「あの女性ってっ!」
隊員Bが言う
「はー!隊長ぉー!あの女性は 重要人物の おねーさーんでありますー!少佐ぁー!あれー?」
ハイケルが言う
「我々の敵 ベガの側近 名は メリ・アーク・フォライサー」
グレイゼスが言う
「ART1 総員 マシーナリーを緊急起動!戦闘準備を整え 現場へ急行だ!」
ハイケルが言う
「ART1 了解」
ART1隊員たちが言う
「「了解!中佐ぁーっ!」」
ART1が準備に向かう ラミリツが言う
「僕もっ ART2の誰かのマシーナリーを使って 直ぐに 向かうからっ!」
グレイゼスが言う
「そうしてくれっ!俺は 司令塔へ向かう 後は無線で!」
ラミリツが言う
「待って!ART2の緊急招集は!?」
グレイゼスが言う
「敵は既に目前に居る そうとなれば間に合わないが 必要とあれば その指示は ハブロス司令官が行う筈だ 現行 このART本部には…」
館内放送に イリンゼスの声が聞こえる
『こちら ARTゼロ隊長マスターイリンゼス!俺らの準備は万端だぜ 司令塔!出動許可を!』
ラミリツが衝撃を受けて言う
「えぇえっ!?アイツが隊長になってたのっ!?」
【 ART 出入り口 】
メリが微笑して言う
「さぁ 私と共に 我らが神ベガ様の下へと 参りましょう?ハブロ・アーク・フォライサー?」
アースが言う
「人違いだ 私の名は アース・メイヴン・ハブロス 貴女のお探しの者ではない様だが?」
メリが軽く笑って言う
「貴方は変わった方ですね?神の力を与えられた者を示す アークの名と共に 我々と同族を示すフォライサーの名を頂いても 光栄とはせずに 果てには 人々の神の名誉たる その証さえも 隠してしまうとは…」
アースが言う
「何の話だ?」
メリが苦笑して言う
「しかし その貴方を 我らが神 ベガ様がお呼びなのです 私と共に 神の国へと 参りましょう?」
アースが言う
「生憎だが 私は 名を変えられる事はもちろん 私の意識を殺されたくもない そうとなれば 当然 貴女の迎えを受け入れる訳には行かない」
メリが言う
「それでしたら 貴方も ベガ様へ 忠誠を誓って下さい そうしませば 今の貴方の意識を持って 私どもの一族となられるでしょう?そして、貴方の呼び名も どうしても そちらが良いと言うのでしたら 私どもは 貴方の好む名で 貴方を呼んでも構いません」
アースが苦笑して言う
「貴女方の名と言うものは 随分と安いものだな?私であるなら 少なくとも 同族の名を断る者を 己の一族と認めはしない そして 何より…」
周囲の地面にある緊急出動装置が起動して ARTゼロマシーナリーたちがセットされる アースが言う
「私は 貴女方の同族になるつもりも無ければ 私や私の仲間たちの敵である貴女方の神 ベガへ忠誠を誓うと言う事も その奴が求める 私の身体を奪われると言う事も それら 全てを 断るっ!戻って 奴へと伝える事だ」
メリが微笑して言う
「そうですか 貴方のお気持ちは分かりました しかし 私は その貴方を連れて来るようにと 命じられているのです そうとなりましては 如何なる方法を用いてでも 私は 貴方をベガ様の下へと連れて戻らねばなりません」
アースが言う
「そうか では これが最後の警告だ 怪我をしたくなければ さっさと消えろ 以上だ」
アースとARTゼロがメリを見る メリが言う
「返答が必要ですか?」
緊急出動装置が起動して ART1マシーナリーたちとMラミリツがセットされる アースが言う
「そうだな?では 一応 レディーファーストだ」
メリが微笑して言う
「紳士的ですね 私どもの一族として 歓迎します アース・メイヴン・ハブロス」
メリが杖を掲げる ラミリツが視線を強めて言う
「総員 回避っ!」
メリの杖から吹雪が放たれる ARTマシーナリーたちが回避すると アースの目前で吹雪が防がれる アースの目前を含む ART本部にシールドが張られている
【 ART 司令塔 】
オペ子Aが言う
「ART本部 対アウター仕様シールドへの衝撃を確認!」
オペ子Bが言う
「シールド損傷率 0.5%!」
グレイゼスが言う
「よしっ 何とかシールドは持ちそうだな!?問題は…っ!」
グレイゼスが視線を上げ モニターに映っているメリを見る
【 ART 出入り口 】
Mラミリツが言う
「ART1 放てーっ!」
ART1マシーナリーたちがそれぞれの銃を放つ メリの周囲に突風が吹き銃撃が全て無効化される ART1隊員たちが気付く ラミリツが視線を強めて言う
「銃撃が効かないっ」
Mラミリツがプラズマセイバーを構えて言う
「そうとなればっ!」
Mラミリツがメリへ向かいながら言う
「ART1!援護をっ!」
M隊員Fが小銃を構えて言う
「了解っ!隊長っ!」
M隊員Cが衝撃を受けて言う
「えっ!?援護ってっ!?」
M隊員Bが言う
「えー?」
Mラミリツがプラズマセイバーをメリへ振るう メリが杖を掲げると 襲い来るプラズマセイバーの刀身を吹雪が抑える Mラミリツが一瞬の後回避すると メリがMラミリツを視線で追う 隊員Fが視線を強めて言う
「今だっ!」
M隊員FとM隊員Iが小銃を放つ メリがハッとして上空へ回避する 隊員Bが言う
「あー!あの技はー!」
隊員Aが言う
「と、飛んだぁっ!?」
アースが舌打ちをして言う
「チッ…」
アースがイヤホンを押さえて言う
「マスターグレイゼス中佐っ」
M隊員BがMラミリツの近くへ行って言う
「隊長ぉー!ターゲット 射程圏外でありますー!隊長ぉー!?」
Mラミリツが顔を向けて言う
「ART1 誰か!あの距離でも当てられる人は居ないのっ!?フレッド隊員はっ!?」
M隊員Fがラミリツへ向いて言う
「距離は行けますが さっきので 通常弾は効かないものと…っ」
メリが微笑して言う
「さて、今度は こちらの番ですね?新人類… お前たちの神 アークの力 その目に焼き付けなさい」
メリが杖を掲げると 吹雪が舞い周囲が凍結する Mラミリツが叫ぶ
「総員 回避っ!」
メリが杖を傾けると強烈な突吹雪が放たれる ARTマシーナリーたちが回避する中 M隊員Dが逃げ遅れ片足が凍結する 隊員Dが片足への通電に悲鳴を上げて言う
「いっ!?」
【 ART 司令塔 】
スピーカーから隊員Dの悲鳴が聞こえる
『痛てぇええっ!イテテテテイテッ!痺れっ!痺れるっ!』
グレイゼスがハッとして言う
「ART1!ドルト隊員の神経接合を全面カットっ!」
ラキンゼスが言う
「了解!ART1!ドルト隊員の神経接合を全面カットっ!」
オペ子Aが言う
「ターゲットに再び攻撃反応!エネルギー波!ART1 ドルト隊員へ 急速接近!」
グレイゼスがハッとして言う
「しまったっ!」
【 ART 出入り口 】
隊員Dが表情を怯えさせて言う
「ヒィッ!」
隊員Dが目を瞑って顔を逸らすと 爆発音が響き 隊員Dが疑問して目を開くと驚いて言う
「なっ!?」
M隊員Dの前 ARTゼロマシーナリーたちがプラズマセイバーを重ねた防御体勢へ プラズマ銃のエネルギーを追加した盾を作り上げている ラミリツが驚いて言う
「プラズマセイバーに プラズマ銃で威力を増して 盾にしたって事っ!?」
Mイリンゼスがプラズマ巨大ハンマーを振り下ろして言う
「どっこいせーっ!っと!」
巨大ハンマーでM隊員Dの凍結した足を地面から外させると Mイリンゼスが言う
「よし これで… 後は 誰か コイツを退場させてやってくれ!」
ARTゼロマシーナリーが M隊員Dの首根っこを掴んで退場させる M隊員Dが言う
「あ~れ~?」
Mラミリツが自身のプラズマセイバーを見て言う
「刀身の伸縮は知ってたけど 形まで変えられたんだ…?」
グレイゼスの声が聞こえる
『いや 残念ながら あれはARTゼロの連中のナノマシーンの成せる技だから ラミリツ隊長 及び ART2の皆には 真似は出来ないんだ ごめんな?』
ラミリツが言う
「あぁ そう言う事?」
Mイリンゼスがプラズマ巨大ハンマーを振り回してから言う
「さぁ~て?お次は~?あの空を舞う 綺麗なネーチャン… いやっ チョウチョさんを どうやって捕まえるか~?」
Mイリンゼスのプラズマ巨大ハンマーがプラズマ虫取り網に変形する ラミリツが衝撃を受け不満そうに言う
「…いや 僕らには 出来なくて良いや …あの技は」
ナノマシーンイリンゼスが言う
「『我らが兄弟 グレイゼス?作戦は?』」
イリンゼスの脳裏にナノマシーングレイゼスの声が聞こえる
『我らがアニキに聞いてくれ イリンゼス』
イリンゼスが衝撃を受けて言う
「えっ!?アニキにって…?」
Mイリンゼスがアースを振り返る Mイリンゼスの中にラミリツの声が聞こえる
『マスターイリンゼスっ!?今のは!?アニキって!?』
イリンゼスが衝撃を受けて言う
「え!?あっ!いやっ!それ言うと 一生涯減給だってっ アニキにっ!…痛ぇえっ!?」
イリンゼスが頭を抱えて言う
「ナノマシーンのお怒りが…っ」
オペ子Aの声が聞こえる
『ターゲット 再び 攻撃態勢っ!』
イリンゼスがハッとして意識を向ける Mイリンゼスの視線の先 メリの杖に吹雪が纏っている アースが表情を顰めて言う
「雪女め…っ」
アースがイヤホンを押さえて言う
「マスターグレイゼス中佐っ 作戦決行だっ!」
イヤホンからグレイゼスの声が聞こえる
『しかしっ 今ここで失敗しようものなら…っ!』
アースが言う
「構わんっ!使えようが使えまえが タイミングが全てだっ!やれっ!命令だっ!」
グレイゼスが一度息を飲んでから言う
『…っ 了解 司令官!』
メリが杖を掲げて言う
「次は ここにある全てのモノを凍らせて見せましょう アース・メイヴン・ハブロス 貴方の愛する新人類の彼らを 永遠の氷の世界へと…」
ラミリツが思う
(せめて時間稼ぎを…っ!?)
Mラミリツが言う
「ART1 放てーっ!」
ART1マシーナリーたちが銃撃を行う メリが杖を持たない手を向けると周囲に突風が吹き銃撃が弾かれる メリが言う
「これで お仕舞いにしましょう?」
メリが杖を傾ける
【 ART 司令塔 】
オペ子Aが言う
「ターゲット 攻撃予測 8秒前!」
オペ子Bが言う
「ART第一出動口 起動!地表到達 5秒前!」
オペ男Aが言う
「ART本部防衛シールド最大範囲へ!防衛範囲5メートル前方へ!」
オペ男Bが言う
「RTD210マシーナリー改!ジェットエンジン起動っ!」
グレイゼスが言う
「作戦開始だっ!ハイケルっ!」
【 ART 出入り口 】
第一出動口が上昇して アースの横にM210が現れると ハイケルが言う
「作戦開始 了解 ジェットエンジン及び機体感覚 問題なし 行ける!」
Mハイケルが顔を上げる アースが言う
「ハデに逝って来い ハイケル少佐」
Mハイケルが言う
「…了解 司令官」
グレイゼスの声が聞こえる
『縁起でも無い事 言わないで下さいっ!司令官っ!』
Mハイケルが滑走して行く アースの横で緊急出動口が更に上昇する
メリの杖に纏っていた突吹雪が放たれる Mラミリツが言う
「総員 後退っ!」
ARTマシーナリーたちが後退する中 Mハイケルが突っ切り Mハイケルの中ハイケルの意識が上を向いて思う
(今だっ!)
Mハイケルがジャンプすると同時に ジェットエンジンが噴射され 出力が上がり Mハイケルが上空へ向けて飛んで行く Mラミリツが衝撃を受けて言う
「あーっ!?あれっ!?ART2の技なのにっ!?」
メリがハッと驚くと 目の前にMハイケルが到達して プラズマセイバーを振り上げる メリが慌ててMハイケルの攻撃に備えて杖でシールドを放つ グレイゼスが言う
『今だっ!全力で行けっ!ハイケルっ!』
Mハイケルが言う
「了解 グレイゼス 全力で…っ!」
Mハイケルがプラズマセイバーを振り下ろそうとすると ジェットエンジンが噴射してMハイケルが飛んで行く
【 ART 司令塔 】
グレイゼスが呆気に取られて言う
「ハ… ハイケル…?」
ハイケルの声が聞こえる
『すまん グレイゼス 全力の意識が ジェットエンジンへ行ってしまった』
グレイゼスが慌てて言う
「なぁああっ!?何やってんのぉっ!?あの絶好のタイミングを 外すなんてっ!?すみませんっ!ハブロス司令官っ!作戦失敗…っ!」
ラキンゼスが言う
「ART1 PM700 出力最大!」
グレイゼスが衝撃を受けて言う
「えっ!?」
アースの声が聞こえる
『よしっ ターゲットは予定通り 囮へと食い付いた!』
グレイゼスが衝撃を受けて言う
「お、囮って… まさかっ!?」
アースが言う
『奴がハイケル少佐から目を逸らす そのタイミングを逃すなよ?シーナ隊員!』
シーナの声が聞こえる
『了解っ!司令官っ!タイミング 逃しませんっ!』
グレイゼスが呆れて言う
「そっちのタイミングだったのか…」
【 ART 出入り口 】
アースの横の緊急出動口の中でMシーナがPM700を構えている オペ子Bの声が聞こえる
『RTD210改へ搭乗のハイケル少佐 上空100メートルへ到達』
グレイゼスが慌てて言う
『まだ飛んでたのっ!?』
オペ子Aが言う
『ART1隊長ハイケル少佐より 行動指示の要請が入ってますが…?』
アースが言う
「捨てて置け」
グレイゼスが慌てて言う
『止めて下さい ハブロス司令官っ!技術部へ連絡っ!ワンマス会長に 出力指示を仰いでっ!』
アースが言う
「シーナ隊員!ターゲットは 敵 保有武器 杖型のロストテクノロジーだ!確実にキメろっ!」
Mシーナが言う
「了解 司令官っ!確実にキメますっ!」
メリが空を見上げ呆気に取られていた状態から疑問して言う
「な… 何だったのでしょう…?」
メリが視線を変える
アースが言う
「今だっ!放てーっ!」
MシーナがPM700を放つ
【 ART 司令塔 】
ラキンゼスが言う
「PM700 発射っ!」
グレイゼスと周囲の隊員たちがモニターへ向く サブモニターに映っているハイケルがモニターへ向く
【 ART 出入り口 】
メリがハッとするとプラズマレーザーが杖に当たり メリが驚き杖を押えて言う
「…きゃあっ!?」
メリが杖を押えたまま その場に留まる アースが言う
「2打目 放てーっ!」
MシーナがPM700を放つ メリの杖にプラズマレーザーが再び当たる メリが落下して行く
Mシーナの中 シーナがハッとして言う
「3打目!行けますっ!ハブロス司令官っ!」
アースの声が聞こえる
『攻撃停止っ 充填維持状態にて 待機だっ!』
シーナが驚いて言う
「しかしっ 司令官!」
アースの声が聞こえる
『命令だっ 従え!』
シーナがハッとして言う
「りょ、了解…っ」
アースの声が聞こえる
『…良くやった 次のタイミングも 期待しているぞ?シーナ隊員』
シーナが呆気に取られてから微笑して言う
「はい!了解!司令官!」
Mシーナが言う
「次のタイミングへ向け 充填維持状態にて 待機しますっ!」
アースが視線を向けないまま軽く笑う
「フ…ッ」
【 ART 司令塔 】
グレイゼスが苦笑して言う
「あぁ… すっかり シーナ隊員を ご自分のメインアームにと…?」
オペ子Aが言う
「ターゲット地上20メートルまで落下!尚も降下中!」
グレイゼスが気を取り直して顔を向けて言う
「映像詳細表示へ!総員 警戒態勢を崩すな!」
【 ART 出入り口 】
M隊員Cが小銃の照準を向けたまま言う
「ど、どうする!?撃っちゃうっ!?撃たないっ!?どっち…っ!?こ、こんな時は…っ 少佐ぁー!?…ってっ!?」
M隊員Cがハッとして周囲を見渡して言う
「そ、そうだったっ!少佐はさっき 飛んでっちまって!?」
M隊員AがMラミリツへ向いて言う
「ラミリツ隊長っ!どうしたらっ!?」
Mラミリツの中 ラミリツが思う
(相手はアーク…っ 油断は出来ない そうとなれば…っ!?)
ラミリツが言う
「ART1 総員!シールド内にて支援体勢!ターゲットへはっ 私が向かうっ!」
Mラミリツがプラズマセイバーを装備する ART1隊員たちが言う
「「了解!隊長!」」
Mラミリツがプラズマセイバーを構えて滑走する
【 ART 司令塔 】
オペ子Aが言う
「映像から ターゲット 着弾衝撃による 失神の可能性 有り」
グレイゼスが言う
「捕らえますか!?ハブロス司令官!?」
アースの声が聞こえる
『撃破しろ』
グレイゼスが驚いて言う
「え…?」
アースが言う
『ターゲットはアークだ 身を破壊した所で 命を失いはしない』
グレイゼスが言う
「えっ?あの…っ?」
【 ART 出入り口 】
Mラミリツの中ラミリツが呆気に取られて言う
「それって…?」
アースの声が聞こえる
『アークは我々新人類とは異なり その身体を失えば 別の身体へ 同じ意識を持った命を灯す事が出来る 遠慮は不要だ ヤれっ!ラミリツ隊長!』
ラミリツが言う
「そう言う事…?うんっ それならっ!」
Mラミリツが向かいながら言う
「遠慮はしないっ!このタイミング!僕は 逃しはしないよっ!貰ったっ!」
Mラミリツがプラズマセイバーを振るう メリが閉じていた目を開きMラミリツを見る ラミリツがハッとすると Mラミリツの動きが止まる メリが微笑する メリの杖に吹雪が纏う
【 ART 司令塔 】
オペ子Aが言う
「ターゲットに 攻撃反応!」
グレイゼスが言う
「ラミリツ隊長っ!回避だっ!」
オペ子Bが言う
「ターゲット攻撃開始!ラミリツ隊長 回避 間に合いませんっ!」
オペ子Aが言う
「ART2-02号機の凍結を確認っ!」
ラミリツの悲鳴が聞こえる
『うぁああーっ!』
グレイゼスが言う
「ラミリツ隊長のマシーナリー 神経接合 全面カットだ 急げっ!」
【 ART 出入り口 】
アースが怒って言う
「あのガキがっ」
Mラミリツの中 ラミリツが感電から開放され息を吐いて言う
「…うっ はぁ…はぁ…」
グレイゼスの声が聞こえる
『大丈夫かっ!?ラミリツ隊長っ!?』
ラミリツが気を取り直して言う
「ごめん 大丈夫…っ それより!?」
ラミリツが操縦桿を動かしながら言う
「マシーナリーが!動かないよっ!?」
Mラミリツの表面が凍結していて起動シグナルが点滅する グレイゼスの声が聞こえる
『そのマシーナリーは 現在 凍結させられている 恐らく 凍結からの破損を回避する為に AIが作動制限を…っ』
メリが杖を構え直すと 杖に風が纏う オペ子Aの声が聞こえる
『ターゲットに 再び 攻撃反応!エネルギーの充填を確認!』
ラミリツが顔を向けて言う
「えっ!?それってっ!?」
グレイゼスの声が聞こえる
『ART2-02号機 緊急ロック解除だ!』
オペ子Bが言う
『ART2-02号機 緊急ロック解除 信号確認 …ロック装置動きませんっ!』
ラミリツが呆気に取られ表情を困らせて言う
「え?そんな…?それじゃ…っ!?」
オペ子Bが言う
『こちらも恐らく 凍結による 解除障害が…っ』
グレイゼスが言う
『ARTゼロ!フォローをっ!』
イリンゼスの声が聞こえる
『マシーナリーが動かねぇんだっ!これって また あの時みたいに ナノマシーンがビビってるんだろっ!?』
オペ子Aが言う
『ターゲットのエネルギー充填率から 攻撃規模を算出!総員 シールド内まで 退避して下さいっ!』
ラミリツがモニターを見ながら言う
「動けないのに…っ どうやってっ!?」
M隊員BがM隊員Cへ向いて言う
「どうしようっ!?サッちゃんっ!?」
M隊員Cが衝撃を受けて言う
「何で 俺に聞くかなーっ!?」
グレイゼスの声が聞こえる
『そうだっ!マスターラキンゼスっ!お前なら動けるんじゃないのかっ!?』
M隊員Cが衝撃を受けて言う
「えぇえ!?俺がーっ!?」
M隊員Bが言う
「そうだよ!サッちゃんっ!あの時だって サッちゃんは動けたんだしーっ!?」
M隊員Aが言う
「そうだ!サキ!今こそ 最低限のマスターである お前の出番だろっ!?サキっ!?」
M隊員Cが言う
「ぜってぇえ無理ーっ!」
【 ART 司令塔 】
隊員Cの声が聞こえる
『大体 動けた所で 俺に どうしろって言うんだよ!?あのネーチャン めっちゃ怖ぇえんだよっ!?』
グレイゼスが気付いて言う
「そ、そうだったっ 相手はアーク 俺たちにとっては神様だっ サキシュ隊員が1人動けた所で…っ」
アースの声が聞こえる
『何をしている グレイゼス!お前まで ビビッているのかっ!?』
グレイゼスが衝撃を受けて言う
「ハ、ハブロス司令官っ!?しかし…っ!」
アースが言う
『安全な司令塔内に居る お前までその様な状態では 後の戦いには勝利出来ないぞ!我々の敵は アークなどでは無い そのアークの神である ベガだっ!』
グレイゼスが言う
「そうは言われましてもっ!今は そのアークの攻撃を防ぐ術すら…っ ナノマシーンが拒否をすると言う事は 既に敵の攻撃は抑えきれないものだとっ」
【 ART 出入り口 】
Mラミリツの中グレイゼスの声が聞こえる
『ビビっている いないの問題ではなくっ!技術的に不可能であると言う事ですからっ!』
ピット内の空気が冷たくなり ラミリツの吐く息が白くなり ラミリツが耐え切れずに身体を押さえる オペ子Bの声が聞こえる
『ART2-02号機 コックピット内の温度 急低下していますっ!マ、マイナス25度っ!?このままでは 操縦者が…っ』
ラミリツがモニターを見る メリが微笑して言う
『神の情けです 今 楽にして差し上げましょう』
メリが杖を傾ける ラミリツが目を見開く ART1隊員たちが息を飲む イリンゼスが震える手を握り締めて言う
「悪ぃっ シェイム…っ」
メリの杖から突風が放たれMラミリツへ向かう ラミリツがモニターから顔を逸らす イリンゼスが目を瞑って思う
(俺は お前の弟を 見殺しに…っ!)
激しい衝突音が響き皆が驚くと 隊員Bが言う
「あー!あの技はー!」
皆の視線の先 アースがメリの前で気合波を放ち突風を打ち消す 隊員Cが衝撃を受けて言う
「で、出た…っ 悪魔の必殺技…!」
ラミリツがモニターを見て言う
「ハブロス司令官…っ!」
Mラミリツが言う
「だ、駄目だよっ!シールドから 出たら…っ!」
アースがその手をMラミリツへ向けて意識を向けると Mラミリツの凍結が破壊される Mラミリツの中 ラミリツがハッとすると 空調システムが稼動して オペ子Bの声が聞こえる
『ART2-02号機 凍結の解消を確認!空調システム優先稼動っ!システムチェック オールクリア!』
メリが言う
「思った通り… 貴方の属性を考えれば 貴方の方から 来てくれるものと思っていました」
アースがメリを見て言う
「彼の命を奪うつもりは 無かったと 言いたいのか?」
メリが微笑して言う
「そちらは 気に留めて 居りませんでした」
ラミリツがゾクッと身を震わせる メリが杖を動かす アースが身構えると メリが杖を持たない手をアースへ向け アースと共に上空へ飛び上がる Mラミリツが慌てて言う
「ハブロス司令官っ!」
メリが上空で杖を掲げ風の力を集めながら言う
「さぁ 貴方を手に入れました これで私は ベガ様からのご命令通りに 貴方をベガ様の下へと お連れする事が出来ます」
アースが言う
「言った筈だ 私は 奴の下へ行くつもりは無いと」
メリが言う
「では どうしますか?この高さから落ちれば 新人類の貴方は助かりません 私から離れる事が出来ないのは 貴方の方でしょう?」
アースのイヤホンからオペ子Aの声が聞こえる
『ターゲット及びハブロス司令官 高度40メートルへ到達!中佐っ!指示をお願いしますっ!このままでは また ハブロス司令官がっ!』
ラミリツの声が聞こえる
『マスターグレイゼス中佐っ!何か作戦は無いのっ!?』
メリが微笑して言う
「作戦…?そうでしたか… そちらの機械で… 貴方が新人類の者と 言葉を交わしている事には 気付いていましたが どうやら 私の作戦勝ちの様ですね?」
アースが言う
「お前が?誰の作戦に勝ったと?アークとは言え 素人の作戦に アールスローン1の司令官である この私が 負ける筈がないだろう?」
メリが一瞬呆気に取られてから 微笑して言う
「では?」
オペ子Aの声が聞こえる
『ターゲット及びハブロス司令官 高度50メートルへ到達!』
アースが視線を強め メリの杖を掴み掲げると言う
「シーナ隊員っ!」
メリが驚いて言う
「何を…っ!?」
【 ART 司令塔 】
グレイゼスが驚いて言う
「ハブロス司令官っ!?まさかっ!?」
アースの声が聞こえる
『放てーっ!』
【 ART 出入り口 】
シーナが言う
「了解!司令官っ!」
シーナがトリガーを引く MシーナがPM700を放つ 皆が驚く中 メリの杖にプラズマレーザーがヒットして 杖が大破する アースが杖から手を離す メリが目を見開くと アースの身体がゆっくりと落下して行く メリがアースへ手を向けて言う
「手をっ!私から 離れてはいけませんっ!アース・メイヴン・ハブロス!」
アースが笑んで言う
「悪いな?執着する女は 好みじゃない」
アースがメリの手を払うと落下する メリが驚き 慌ててアースを追う
ラミリツが慌てて言う
「ハブロス司令官っ!」
Mラミリツが数歩走ってから ラミリツが操縦桿を握り締めて言う
「う…っ!駄目だっ 感覚が…っ!ART1!誰かっ!?」
MラミリツがART1マシーナリーたちへ振り返って言う
「一番 繊細な操作が出来る人っ!ハブロス司令官をっ!」
M隊員Bが M隊員Cへ向いて言う
「サッちゃん!出番!」
M隊員Cが衝撃を受けて言う
「何で俺ーっ!?」
グレイゼスの声が聞こえる
『駄目だっ!最低限なんかじゃ!』
隊員Cが衝撃を受けて言う
「遂に 最低限の名で 呼ばれた…」
グレイゼスが言う
『高度50メートルからの落下を受け止めるには 相応の緩和処置が必要だっ!マスターイリンゼス隊長っ!お前ならっ!?』
イリンゼスの声が聞こえる
『俺 豪快さには評価あるんだけど 繊細さは全力で無理ーっ!』
M隊員Bが言う
「やっぱ サッちゃん!出番ーっ!」
M隊員Cが衝撃を受けて言う
「だからっ 何で 最低限の 俺に戻るかなーっ!?」
M隊員FがM隊員Aへ向いて言う
「ここはやっぱり 仮隊長でっ!」
M隊員Aが衝撃を受けて言う
「お、俺っ!?分かったっ 何とか やって…っ」
M隊員Iが言う
「人1人の命がっ しかも ARTトップの司令官の命が掛かってるけどっ 頑張ってくれ!アラン隊員!応援だけしてるっ」
M隊員Aが衝撃を受けて言う
「それ言われたら 俺も 全力で無理ーっ!」
M隊員Bが言う
「えー?」
M隊員NとM隊員Vが言う
「こうとなればっ!?」 「俺たちでっ!?」
M隊員NとM隊員Vが顔を向けると遠い距離がある M隊員NとM隊員Vが衝撃を受けて言う
「「って 遠ぉおーっ!」」 「最高にーっ!」 「後退してたーっ!?」
【 ART 司令塔 】
グレイゼスが慌てて言う
「ART1、ARTゼロのデータ参照っ!マシーナリーの操作性に 秀でている隊員をっ!」
アースの声が聞こえる
『何をしているっ!マスターグレイゼス中佐っ!』
グレイゼスが言う
「すみません!ハブロス司令官っ!今直ぐに…っ!」
アースが言う
『奴が射程範囲に入るぞっ!タイミングを逃すなっ!』
グレイゼスが驚いて言う
「…って!?それ所じゃっ!?」
オペ男Aが言う
「ハブロス司令官に エネルギー反応っ!」
グレイゼスが衝撃を受けて言う
「ま、まさか…っ!?」
【 ART 出入り口 】
オペ男Bの声が聞こえる
『ハブロス司令官 必殺技充填率 既存最高値100%突破っ!』
隊員Cが衝撃を受けて言う
「それって…っ」
アースが体勢を反転させ 地上へ向けて気合波を放つ ARTマシーナリーたちが地表への衝撃に思わず身を守る アースが気合派の反動で衝撃緩和をして地上へ着地して身を起こす M隊員Cが衝撃を受けて言う
「やっぱりーっ!?」
M隊員Bが言う
「ハブロス司令官 すっげー?」
オペ男Aが言う
『ハブロス司令官 無事 ご帰還ですっ!』
グレイゼスが言う
『そんな使い方も 出来たんですね…』
隊員Cが表情を引きつらせて言う
「もうよ?あの人1人で 戦えるんじゃね…?」
隊員Iが苦笑して言う
「ハブロス司令官って 非戦闘員じゃなかったっけ…?」
アースが言う
「ART総員!何をしているっ!目下の戦いは終わってなど居ないぞっ!」
隊員Aが苦笑して言う
「戦闘員 兼 司令官… かな?」
隊員Fが苦笑して言う
「戦闘員になれそうな 司令官だと思うけど…?」
メリが表情を顰めて言う
「どうやら… 少々 貴方を 侮っていた様です アークの力は 使いこなせない者だと 思っていました」
アースが言う
「確証のない力は 基本作戦へ組み込む事はしないが 必要とあれば 全ての可能性を使うまでだ」
メリが言う
「なるほど… とても計れない方ですね 手を抜くのは 止める事にします」
メリが手を振るうと アークの姿になり杖を握る アースが言う
「そうか まだ行うと言うのなら 相手をするが」
Mラミリツがアースの前に構える アースが続けて言う
「これ以上戦いを行い その壊れた杖さえ失おうとも 泣き付いてはくれるなよ?どれほど頼まれても 私はお前を 奴の下へ 送ってやるつもりなどは無いからな?」
メリが一瞬驚き杖を見る 杖は崩壊寸前に壊れている メリが表情を強めてから苦笑して言う
「…そうですね 折角 貴方を捕らえようとも その貴方をベガ様の下へ 送る事が出来ないのでは意味がありません 今日の所は 一度下がらせて頂きます」
メリが備えを解除して言う
「近い内に また お迎えに参ります それまでの間に 貴方がベガ様への思いを 変えて下さる事を期待しています」
メリが杖を掲げると 風に消える オペ子Aの声が聞こえる
『ターゲット 消失!』
オペ子Bが言う
『周囲100メートルの範囲に ターゲットのエネルギー反応 見受けられません!』
グレイゼスが言う
『ハブロス司令官っ!?』
アースが言う
「ターゲットの逃亡と認識 現時刻を持って 本防衛作戦を終了する」
隊員たちがホッとする オペ子Aが言う
『ART司令塔 了解 防衛作戦は終了 警戒態勢を準警戒態勢へ移行 出動機動隊員は 順次 ART本部内へ帰還して下さい 繰り返します 防衛作戦は終了』
【 ? 】
オペ子Aの声が聞こえる
『…警戒態勢を準警戒態勢へ移行 出動機動隊員は 順次 ART本部内へ帰還して下さい』
Mハイケルが言う
「作戦の終了を認識 及び…」
M210が川に沈みかかっている Mハイケルが言う
「私の沈没を認識… この経験により 次に必要とされる マシーナリーへの 改善機能は… 水泳機能…か?」
M210が沈んで行く グレイゼスの声が聞こえる
『そいつは 空を飛ぶよりは現実的だが 今はそれより 臨時使用RTD210マシーナリーのハッチロックを緊急解除する!ハイケル!中身だけ浮いて来いっ!ハイケル!』
ハイケルが水面に現れて言う
「ぷはっ!流石は マスターの中で1番の マスターグレイゼス 迅速な改善だった」
オペ子Aの声が聞こえる
『ハイケル少佐の発信機信号を確認 ハイケル少佐 メンテス地区アールスローン運河を南下中』
グレイゼスの声が聞こえる
『誰か!ハイケルを 回収しに行ってやってくれ!』
隊員Aの声が聞こえる
『了解 中佐!では ART1仮隊長の俺が…っ!』
ラミリツの声が聞こえる
『捨てとけば?』
グレイゼスの声が聞こえる
『駄目ですよっ!何言ってるんですかっ!?ラミリツ隊長までっ!?』
隊員Bの声が聞こえる
『えー?』
ハイケルが沈んで行く オペ子Aが言う
『ハイケル少佐の発信機信号から ハイケル少佐の沈没を確認』
グレイゼスが慌てて言う
『ハイケルーっ!?救助隊員 誰でも良いから 急いで行ってくれっ!ハイケルの沈没座標は…っ!』
翌日
【 ART マシーナリー研究開発室 】
ハイケルがやって来ると見上げて言う
「これは…?」
グレイゼスが振り向いて言う
「お?来たか ハイケル 丁度 今 お前用のマシーナリーの設定が終わった所だ 第一訓練所へ向かうんだったら ついでに こいつを持って行ってくれると手間が省けるんだが?」
ハイケルが言う
「了解 …だが マシーナリーへは あのジェットエンジンを取り付ける 予定ではなかったのか?」
ハイケルが単体のジェットエンジンを見る グレイゼスが言う
「それは予定ではあるが 本格導入には もう少し実験と検証が必要だ ハブロス司令官からも 安全性を重視しろと言われているしな?」
ハイケルが言う
「私は そのハブロス司令官の命令で 昨日先行して 導入されたマシーナリーを用いた 作戦を決行したのだが?」
グレイゼスが衝撃を受けてから苦笑して言う
「ああ… まぁ その昨日の結果もある事だし 今のまま 1回使用する度に 水難救助作戦も付属になる様じゃ とても実戦的では無いだろう?プクク…ッ」
ハイケルが言う
「そうだな 水難救助訓練及び水泳訓練は 訓練内容へ組み込んだ事がない そうとなれば…」
グレイゼスが衝撃を受けてから言う
「あぁーっ!?いや いや!その訓練はやらなくても良いように 導入までにはしっかりセッティングを行って置くから」
ハイケルが言う
「そうか では…」
グレイゼスが言う
「それと ハイケル?今日はART1は公休だろう?それでも来たって言うのなら お前なりに何か個人的に訓練でも して置きたかったのかもしれないが…」
ハイケルが言う
「いや 特にその様な予定は無いのだが?」
グレイゼスが言う
「そうか それなら 少し その… ラミリツ隊長の様子を 見て置いて貰えないか?」
ハイケルが言う
「ラミリツ隊長がどうかしたのか?今日はラミリツ隊長にも ART2の隊員らが居る そうとなれば 何も問題は無い筈だが?」
【 ART 第二訓練所 】
ART2マシーナリーたちが訓練を行っている ラミリツが視線を落し考えている ハイケルがやって来て言う
「ラミリツ隊長」
ラミリツが反応し顔を向けると言う
「ん?ああ… アンタも来てたんだ?」
ハイケルがART2マシーナリーたちを見てから ラミリツを見て言う
「部隊訓練指導が行えない 心境であると言うのであれば 昨日の礼に 私が受け持っても構わないが?」
ラミリツが呆気に取られて言う
「え?部隊訓練指導が 行えない心境って…?」
ハイケルが言う
「昨日の作戦時に置ける 自身の失態に落ち込んでいる様子だと マスターグレイゼス中佐より 話を聞いた」
ラミリツが不満そうに言う
「もう… マスターの癖にそう言う気配りって言うのは 分からないのかなぁ 余計な事言うんだから…っ それに 落ち込んでいるんじゃなくて 僕は …悩んでいるって言うか?」
ハイケルが言う
「落ち込んでいると 悩んでいると言うのは ほぼ同じ定義であると私は 認識しているが?」
ラミリツが衝撃を受けてから言う
「そ…?なら どっちでも良いけど …そうだよね?作戦通りだったとは言え あんな絶好のタイミングを飛び逃しちゃう 悪魔の兵士よりは よっぽど…」
ハイケルが衝撃を受けてから言う
「…っ …悪かったな」
ラミリツが思い直して言う
「…ねぇ?それじゃさ?」
ハイケルが疑問してラミリツを見る ラミリツがハイケルを見て言う
「あの瞬間 もしあのまま ターゲットを飛び逃しちゃう事が無かったら アンタは… あの女性のアークを 斬る事が出来た?」
ハイケルが言う
「私は そちらの予定だったのだが?」
ラミリツが視線を落して言う
「…そ?…だったら …アンタはやっぱ 優秀な悪魔の兵士なのかもね?」
ハイケルが疑問して言う
「私が優秀な…?いや?私は… 真に不甲斐なく申し訳ない 悪魔の兵士だが?」
【 ART マシーナリー研究開発室 】
ワンマスが言う
「…と言う事で 現状のART1とART2の特性から考えると」
グレイゼスが言う
「なるほど 420マシーナリーは確かに機敏性には優れているが その性能故に各所の軽量化を含めて全体的に繊細に作られている 対する210マシーナリーは初期タイプらしい頑丈さと 機械的に無骨な造りのお陰で 各所のパーツやシステムも単純故に剛性が高い」
ワンマスが言う
「そうです ですから ART2は兎も角として 元々重量の大きい 銃火器を装備するART1に置いては むしろ 420ではなく210マシーナリーの方が 向いているのではないかと思われるのですが 現に昨日の戦いの様子を見ていても ART2のラ… ラ、ラミ ラミリ… 隊長は…」
グレイゼスが苦笑して思う
(あぁ… やっぱり まだ 呼び辛いんだ?頑張ってるのは 分かるんだが…)
ワンマスが苦笑して言う
「…いえ!ART2隊長はっ!」
グレイゼスが衝撃を受けて思う
(名前を呼ばない作戦で打ち消したっ!?)
ワンマスが言う
「前線へ向かい 多くの動きをこなしていましたが 他の 特に銃火器を構えたART1のマシーナリーたちは 基本的な動きは少なく 後方からの支援と言う形で それは 今回に限らず 元々 銃火器と言うものは 狙いを定めて撃つものなのでしょうから 必要なのは機敏性よりも安定性では無いかと そして、そうであるのなら尚更に このジェットエンジン自体も ART1とART2では 別々のジェットエンジンを用いる方が 良いと思うのです」
グレイゼスが言う
「別のジェットエンジンを用いると言うと?それは…?」
ワンマスが言う
「そもそも 遠距離攻撃が可能なART1へは 着地への緩和だけで 上空まで向かう機能と言うのは 不要でしょう?」
グレイゼスがハッとする ワンマスが苦笑して言う
「昨日も あのピンク色のマシーナリーの銃撃のタイミングを計ったのは その衝撃が強過ぎると言う事から あえて その衝撃の緩和が図られる上空50メートルまで 射撃命令を留めていたのですから」
グレイゼスが言う
「そうですね!?それらはっ 仰る通りだと思います では…っ!」
グレイゼスが思う
(210マシーナリーと420マシーナリー 2つのマシーナリーを使ってのシュミレーションと設計を!)
グレイゼスが微笑して言う
「早速!」
出入り口からラミリツが言う
「あ、居た居た!」
グレイゼスが声に反応して振り返ると言う
「うん?ラミリツ隊長?ああ ラミリツ隊長からのご注文の あの装置は 420による実験や そもそもの調整が必要ですから まだ もう少し… って?」
ラミリツに続いてハイケルがやって来る 2人がグレイゼスの前にやって来ると グレイゼスが疑問して言う
「うん?2人揃って 俺に何か…?…ハッ!」
グレイゼスが衝撃を受けて閃くと ラミリツが微笑して言う
「マスターグレイゼス中佐!」
ハイケルが言う
「…グレイゼス」
グレイゼスが表情を顰めて言う
「まさか…?」
ラミリツが言う
「ごめーん?」
ハイケルが言う
「すまない…」
【 ART 第二訓練所 】
MハイケルとMラミリツが大破している ラミリツが微笑して言う
「僕のマシーナリー 壊れちゃった!」
ハイケルが言う
「私のマシーナリーが 破損した」
グレイゼスが怒って言う
「壊れちゃったでも破損したでもなくてっ 壊したんでしょっ!また 君たちがぁああっ!」
ART2隊員たちが呆れている
【 ART マシーナリー研究開発室 】
グレイゼスがコンソール席へ腰を降ろして言う
「まったくっ 落ち込んでいたと思ったらっ」
グレイゼスが顔を上げると 微笑して思う
(…でも 元気になってくれて良かった)
グレイゼスの視線の先モニターに 食堂の映像が映っていて ART2隊員たちとラミリツとハイケルが食事をしている様子が見える ラミリツは軽く笑ったりしている グレイゼスが苦笑して言う
「まぁ その代償は ちょっと大きかった訳だが…」
グレイゼスがコンソールを操作すると 第二訓練所から大破したMラミリツとMハイケルが搬出されている グレイゼスがコンソールを操作して言う
「結局 昨日 緊急調達を依頼したマシーナリーは 全て その彼らに消費されてしまったのだし…」
モニターに塗装室の映像が映され M420がART2カラーリングにされている グレイゼスが言う
「昨日の内に2機じゃなくて 2、3機って言っておいたのは正解だったな?もし 用意してもらっていたのが2機だったら ラミリツ隊長の為に また取り急ぎ調達してもらわなければいけなかった …それじゃ」
グレイゼスがコンソールを操作しながら思う
(ハイケルのマシーナリーを用意するのは この際 明日でも良いだろう?今日は210マシーナリーを使った実験に また付き合ってもらえば)
グレイゼスが言う
「この予定なら 後は調達依頼を掛けてさえ置けば いつもの通り明日の朝には 調達して来てくれるだろうから …我らが司令官様は お忙しいからな?となると?えーと 420を取りあえず3機… いや この際5機位にして置くか?後は」
グレイゼスがふと気付いて思う
(あれ?そう言えば…)
グレイゼスが首を傾げて言う
「210マシーナリーの在庫って 何機あったかな?」
グレイゼスが立ち上がり部屋を出て行く
【 ART マシーナリー保管庫 】
グレイゼスが苦笑して言う
「あっちゃぁ~…」
グレイゼスの視線の先 210以外のマシーナリーの在庫しかない グレイゼスが思う
(そうだった 210なんて 初期の初期マシーナリーだから それこそ 必要ないだろうって…)
グレイゼスが苦笑して言う
「たまたま 運ばれて来たものも 初期実験なんかに使われて そもそも在庫管理さえしていなかったんだ」
グレイゼスが考えながら言う
「参ったなぁ?330は機体形状が異なるし 560に関してはあのデカイ図体を 空へ飛ばすなんて事は持っての外だ ここへ来て まさかマシーナリーの初世代を必要とするとは…」
グレイゼスが衝撃を受けて思う
(しょ、初世代の重要性が…)
グレイゼスの脳裏にハイケルの姿が映り言う
『真に不甲斐なく申し訳ない 初世代の悪魔の兵士だっ 悪かったな』
グレイゼスが苦笑する エミーが出入り口から言う
「あ、居た居た!」
グレイゼスが衝撃を受けて言う
「えっ!?まさか またっ!?…って 何だ エミー君か…」
グレイゼスがホッとする エミーが疑問して言う
「え?誰だと思ったんですか?マスターグレイゼス中佐?」
グレイゼスが苦笑して言う
「あぁ、いや?また ラミリツ隊長かと思って… けど 彼らは今昼休憩中だし 今度こそ 訓練中に実戦武器を使用しない様にって キツく言って置いたから 大丈夫だと思うんだけど」
エミーが軽く笑って言う
「そうですね また整備したばかりのマシーナリーを壊されては 大変ですからね?」
グレイゼスが言う
「ホントだよ 今朝の今朝に用意したマシーナリーを…」
エミーが言う
「そのラミリツ隊長やART2の皆が昼食を終えたみたいなので 私たちも休憩にして食堂に行こうと思うんですけど 中佐も行きませんか?」
グレイゼスが言う
「ああ、そうだな それじゃ …あ、いや?その前に」
通路
グレイゼスが歩きながら言う
「流石に今必要とする 420も210も無いとなれば やっぱり 緊急で依頼を掛ける外に無い 昨日の今日で これもまた… それこそ 俺が怒られそうだけど」
グレイゼスが溜息を吐いて思う
(これって 俺のせいなのか?むしろ やんちゃな攻長閣下や その誘いに毎回乗ってしまう 悪魔の兵士さんのお陰なんだけど…)
グレイゼスが言う
「って言えば お許しをもらえるかな…?」
グレイゼスが苦笑して顔を向けて思う
(とは言え 今日も我らが司令官様の午後は忙しかったりするのか?だとすると 流石に今日も休憩中にとは 行かないか…?)
グレイゼスが言う
「となると… うん?」
グレイゼスの視線の先 秘書の席が空席になっている グレイゼスが疑問して言う
「あら?」
グレイゼスが時計を確かめてから思う
(昨日より 早い時間だが?もう昼休憩に入ってしまったかな?)
グレイゼスが周囲を見てから言う
「え~っと それじゃ…?」
グレイゼスがドアを見て思う
(秘書からのコールは無しでも 入って良いのかな?)
グレイゼスが秘書席のコンソールを操作してから言う
「うん 中には居るみたいだし…」
グレイゼスが思う
(なら 良いか?…あれ?それとも ここの電話から内線を入れて 入室許可を取るべきか?えーと…?)
グレイゼスが表情を困らせて言う
「…参ったな?普通はこう言うの …どうしたら良いものなんだ?」
グレイゼスが思う
(あぁ… こんな時はやっぱり 高位富裕層の世界を知らない 最下層の俺には分からない所で…)
グレイゼスが困って言う
「うーん…」
秘書がトレーに紅茶を乗せやって来ると 気付いて言う
「マスターグレイゼス中佐?」
グレイゼスが反応して振り返ると表情を明るめて言う
「お?助かった!」
グレイゼスが思う
(あのティーカップは… そうか 給湯室へ ハブロス司令官のお茶の用意をしに 行っていたんだな?)
秘書が言う
「ハブロス司令官へ 御用件ですか?」
グレイゼスが言う
「ああ、そうなんだよ またコールしてもらえるかな?」
秘書が微笑して言う
「でしたら 私も只今入室致しますので どうぞご一緒に?私はこちらをお出しして 直ぐに下がりますので」
グレイゼスが言う
「ああ そういうもの?分かった それなら」
秘書が言う
「はい」
秘書が一度デスクへトレーを置くと 簡易冷蔵庫から林檎の幼果を取り出し 銀の皿へ置く グレイゼスが気付いて思う
(うん…?あの… 林檎?確か 昨日も?)
秘書がトレーを持ち直して言う
「では 参りましょう?」
グレイゼスが反応して言う
「あ、うん」
秘書とグレイゼスがドアへ向かう
【 ART 司令官室 】
秘書とグレイゼスがやって来ると グレイゼスが疑問して思う
(あれ?食後のお茶を 持って来たって言うのに…?)
秘書が言う
「お疲れ様で御座います ハブロス司令官 お昼のお茶をお持ち致しました」
アースが作業をしつつ時計を見て言う
「うん?ああ そうか 今日の午後は少し早いのだったな?」
秘書が言う
「はい 先方のご都合に合わせますので こちらのART本部を30分ほど早く 12時30分頃お出になられると 丁度良いと思われます 少々お時間を変える事になりますが 昨日のご予定でしたものを 本日へ変更させて頂きましたもので」
グレイゼスが思う
(なるほど つまり 昨日の あの時行く予定だったものを 変更したと… それじゃ)
アースが言う
「そうだな そちらは仕方が無い では 今から1時間休憩を…」
アースがグレイゼスに気付いて言う
「うん?マスターグレイゼス中佐?」
グレイゼスが気付き言う
「あ、はい 失礼します」
秘書がデスクへお茶の用意をして言う
「何か御用件がおありとの事でしたので …では 私は これで」
アースが秘書へ言う
「ああ」
秘書が下がって行く グレイゼスが秘書を見てからデスクに置かれたお茶の用意と周囲の様子を見て思う
(うん?あれ?…どう言う事だ?先ほどの様子と言い この状態は とても 昼食を取っていた様子では無いんだが…?)
アースが言う
「それで?」
グレイゼスがハッとする アースが言う
「何か用があるのだろう?」
グレイゼスが言う
「あ、はい その…」
グレイゼスが思う
(そうだった 今はそれより…)
アースが言う
「また マシーナリーの緊急調達依頼か?」
グレイゼスがハッとして言う
「あ、はいっ そうです」
アースが軽く息を吐いて時計を見てから言う
「そうか では そちらも… 今度は何を何機だ?」
アースが角砂糖へ手を伸ばす グレイゼスが言う
「はい えー…と」
グレイゼスが思う
(この香りは スフォールティーだな?となれば 砂糖は少なめに… むしろ入れずに その香りと 元から感じられる まろやかな風味を…)
グレイゼスが言う
「420と210を… 実験用に3機と ART1用に30機…」
アースが衝撃を受けてから不満そうに言う
「その数が緊急調達要請か?」
グレイゼスがハッとして言う
「…あっ!ああっ いえ!そうでした!…えっと そうなると… そうですね?えー…?」
グレイゼスが思う
(しまった…っ 他の事に考えが行っていて 肝心のマシーナリーの 緊急要望数を考え忘れてたっ!)
グレイゼスが言う
「ちょ、ちょっと待って下さい?今 考え直しますので…」
アースが呆れて言う
「…考えずに来ていたのか?」
グレイゼスが苦笑して言う
「すみません…」
アースが軽く息を吐く グレイゼスが思う
(えっと…?今必要なのは…?まずは… そうだな?何と言っても 実験に必要な 210マシーナリーを…)
アースがグレイゼスを一瞥してから軽く息を吐き 書類を確認してからモニターを見て 思い出したように紅茶へ砂糖を3つ入れる グレイゼスが思う
(…と?スフォールティーに角砂糖を3つ…?へぇ?意外と甘党なんだな?どちらかと言えば 弟のアーヴィン君の方が甘党であるように見えるが… やっぱり 人は見掛けに寄らないと言うか?これでも一応 喫茶店のマスターとして それなりに 客を見れば大体の好みが分かるつもりでは居たんだが…?)
アースが一度グレイゼスを見る グレイゼスがハッとして思う
(あっ!いかんいかんっ 今はそんな事より…っ)
アースがグレイゼスを訝しんでから 紅茶へ角砂糖を2つ追加する グレイゼスが衝撃を受けて思う
(なぁああっ!?2つ追加したっ!?スフォールティーに!?いや!?そもそも紅茶に 角砂糖5つって!?それはいくらなんでも 多過ぎっ!)
アースが不満そうに言う
「考えは纏まったのかっ!?マスターグレイゼス中佐っ!?」
グレイゼスが衝撃を受けて言う
「ああっ!?い、いえっ す、すみませんっ」
アースが苛立ちを抑えつつ紅茶をかき混ぜ一口飲むと衝撃を受ける グレイゼスが苦笑して思う
(…いや 甘いでしょう?それは それこそ… とても飲めない位に…?)
アースが紅茶の甘さに思わず言う
「…クッ」
グレイゼスが苦笑して思う
(コーヒーなら兎も角 紅茶でそこまで甘くしてしまったとあっては もはや 新しいのを入れ直すしか…)
アースが紅茶を一気に飲み干す グレイゼスが衝撃を受けて思う
(って!?飲んだーっ!?)
アースがティーカップをコースターへ置いて言う
「でっ!?」
グレイゼスが衝撃を受けて言う
「ハッ!?」
【 ART 食堂 】
ハイケルが言う
「では 実験は12時30分以降と言う事だな?」
グレイゼスが昼食を食べながら言う
「いや、その頃にハブロス司令官が 210マシーナリーを2機持って来てくれる筈だから そいつにジェットエンジンを取り付けて まずは昨日までと同じセッティングを施した上で 上昇機能ではなくて降下機能の方のチェックを行う予定だから 実験開始時間は… そうだなぁ?」
ハイケルが言う
「了解 …では そちらのセッティングが終わった頃にでも 研究開発室へ向かう それまでの間は 第二訓練所にて ART2の様子を確認して置く 呼び出しコールを頼む」
グレイゼスが言う
「ああ、そうだな?了解!」
ハイケルが頷いてからコーヒーを飲み干して立ち上がる グレイゼスがふと気付いて言う
「あ、そうだ ハイケル?」
ハイケルが動作を止めてグレイゼスを見る グレイゼスがハイケルの手にある紙コップを見てから言う
「ちょっと聞きたいんだが お前 ハブロス家で ハブロス司令官と 夕食を一緒に食べたりしているんだろ?」
ハイケルが言う
「そうだな 可能な限り そちらの時間に合わせるようにと言われている」
グレイゼスが言う
「ああ、それなら 食後のお茶なんかも一緒に飲んでるよな?ハブロス司令官は …普段も割りと甘党なのか?紅茶に角砂糖5個も入れるくらいに?」
グレイゼスが思う
(まぁ あれは ひょっとしたら 俺の返答が遅い事への 苛立ちだったのかもしれないが)
ハイケルが疑問して言う
「ハブロス司令官が 甘党?紅茶に角砂糖5個?」
グレイゼスが思い出してから言う
「あぁ~ いや、5個はちょっと 大げさと言うか… うん!それでも 3個は入れているだろう?さっきも 最初に入れたのは3個だったし?」
ハイケルが考えてから言う
「…俺の記憶にあるハブロス司令官は お茶といえば いつもコーヒーを飲んでいるのだが?」
グレイゼスが反応して言う
「あら?そうなのか?…なら それでも 砂糖は割と多めに?」
グレイゼスが思う
(甘党でコーヒーを飲むと言ったら それこそ 5個位は入れるかもな?)
グレイゼスが苦笑して言う
「もしかしたら さっきのは その癖で…?」
ハイケルが言う
「いや?ハブロス司令官は 砂糖は入れない」
グレイゼスが疑問して言う
「え?」
ハイケルが言う
「俺も同じポットから注がれるコーヒーを飲んでいるが 元から入っているという様子も無い そうとなれば やはり 砂糖は入れていないものと思われるが… それが どうかしたのか?」
グレイゼスが呆気に取られて言う
「…そうなのか?あ、いや?特に 何って訳じゃないんだが…」
ハイケルが言う
「そうか では 呼び出しコールを頼む」
グレイゼスが言う
「ああ、分かった」
ハイケルが立ち去る グレイゼスが疑問して思う
(なら あれは…?)
グレイゼスが言う
「何だったんだ?」
グレイゼスが首を傾げる
【 帝国 】
アースがM210の前でエレキギターを弾いている M210のレッドシグナルが消灯し グリーンシグナルが灯る アースが言う
「よし これで2機目 後は出来れば420を1機と言われたからには 昨日の様に」
アースが顔を上げギターを構えようとすると衝撃を受け口を押さえて思う
(やはり 砂糖5個は多かった… お陰で 気分が…)
アースが表情を苦しめてから 時計を確認して言う
「最低ノルマの210を2機は達成した 情けないが今日はこれで良いか…?」
アースが立ち去ろうとしてから気を取り直して言う
「…いやっ 駄目だ!私はっ!」
アースが思う
(それこそ たかが砂糖の甘さになどにっ 負けていられるかっ!)
アースが気を取り直してギターを構える
【 ART マシーナリー保管庫 】
グレイゼスがコンソールを操作するとゲートが開かれるM210が2機に続いてM420が2機付いて来る グレイゼスが気付いて言う
「あら…?」
グレイゼスが思う
(時間的に 休憩時間中に持って来られるのは 昨日と同じ位だって言うから 210を2機と出来れば420を1機と頼んだんだが… これなら3機と1機で頼んでおくべきだったか?…いや?)
グレイゼス苦笑して言う
「元はと言えば 210を2機でも 十分だったんだし?そこまでは言えないな…?」
マシーナリーが到着して先頭のマシーナリーのコックピットが開かれ アースが出て来るとグレイゼスが言う
「今日も休憩中に すみませんでした 210だけでなく 420も …2機も 持って来て頂きまして?」
アースがM420を見てから言う
「420は1機を誘っていた所 もう1機も付いて来た為に そのまま連れて来ただけだ」
グレイゼスが衝撃を受けて言う
「え?あ… そう言う事もあるんですね?」
アースが言う
「今までは無かったのだが… そうだな 少し 気合を入れ過ぎたのかもしれん」
グレイゼスが衝撃を受けて思う
(き、気合を…?)
アースが視線を逸らして思う
(…嘘は言っていない まぁ、実際は吐き気を晴らそうと 歌っていた影響なのかもしれないのだが …流石に そちらは言えないからな?)
アースが気を取り直して言う
「…まぁ そう言う事だ では これで良いな?」
グレイゼスが言う
「あ、はい 本当に助かりました 有難う御座います」
アースが言う
「ああ」
アースが立ち去る グレイゼスがマシーナリーたちへ顔を向けて言う
「さて それじゃ 早速」
マシーナリーたちの起動シグナルが消えているが 内1機のM420だけがアースの去った先へ向いていた状態から起動シグナルが消える グレイゼスが呆気に取られてから 苦笑して言う
「本当に 不思議だよなぁ?このマシーナリーって奴らは…?」
【 ART 第二訓練所 】
ART2マシーナリーが銃撃訓練をしている ラミリツが見上げていて言う
「どお?何か違う?」
ART2マシーナリーがラミリツを見下ろして ART2マシーナリーハイケルが言う
「いや 特に 普段使用している ART1のマシーナリーと変わりない」
ラミリツが言う
「あれ?そうなんだ?」
ART2マシーナリーハイケルが言う
「ART2のマシーナリーへは 銃撃プログラムは設定されていないとの話だが そちらの違いも感じられない」
ラミリツが疑問して言う
「え?それじゃぁさ?ひょっとして アンタ そのマシーナリーに設定されている ART2用の剣術プログラムも 感じられないんじゃない?」
ART2マシーナリーハイケルが言う
「そうだな 特に その様なプログラムなども 感じられない」
ラミリツが言う
「何だ それじゃ 折角取り入れているプログラムの意味 無いじゃない?つまり ART1は皆 設定プログラムを無視して マシーナリーを使ってるって事?」
ART2マシーナリーハイケルが言う
「いや 私を除いた ART1の隊員たちは そちらのプログラムを使用している… 予定だ そちらのプログラムを使用する事で ART1スペシャル隊員であるシーナ隊員の技が 使用出来るものと認識している」
ラミリツが言う
「そ?なら つまり 隊員たちは使っている予定でも アンタ自身は使ってない予定… って言うか そもそも感じられない様じゃ それって使えない予定って事?」
ART2マシーナリーハイケルが衝撃を受けてから言う
「そちらの予定… である予定なのかもしれない」
ラミリツが溜息を吐いて言う
「呆れた やっぱ 欠陥品?」
ART2マシーナリーハイケルが言う
「悪かったな」
所内放送が聞こえる
『こちらマシーナリー研究開発室 マスターグレイゼス中佐 ART1隊長ハイケル少佐 そちらに居るか?』
ラミリツが顔を上げて言う
「あ、アンタの呼び出し?」
ART2マシーナリーハイケルが言う
「マシーナリー研究開発室へ 返答を…」
ART2マシーナリーハイケルがコンソールへ向くと衝撃を受ける ラミリツが呆れて言う
「…オマケに天然?マシーナリーと同化してるって事 忘れてたの?」
所内放送が聞こえる
『こちらマシーナリー研究開発室 マスターグレイゼス中佐 ART1隊長ハイケル少佐 そちらに居ないのか?』
ART2マシーナリーハイケルが起動停止する ラミリツが様子を見て言う
「まったく 世話が焼けちゃうよ?」
ラミリツがコンソールへ向かいスイッチを押して言う
「こちらART2隊長 ハイケル少佐なら居るよ そっちへ向かわせれば良い?」
ART2マシーナリーハイケルのコックピットが開かれハイケルが顔を出す
【 ART 食堂 】
TVでニュースが流れていてキャスターが言う
『こんにちは 午後3時のニュースをお伝えいたします まず最初のニュースです 本日午後1時過ぎ 政府管轄の懇談会に…』
休憩を取っているART2隊員たちがTVへ顔を向ける
【 ART マシーナリー研究開発室 】
ワンマスがメガホンを持って言う
「では 状態そのままで!作業班!30メートルまで ワイヤー上げてくれ!」
ワンマスの前M210マシーナリーがワイヤーにつるされた状態でジェット噴射を行っている 作業員たちが機材の操作を行いM210を見ると M210がワイヤーに引かれて上昇して行く ラミリツが見上げて言う
「もしかして ワイヤーで支えながら 上昇させて 様子を見ようって作戦かな?」
ラミリツが視線を向けると グレイゼスがコンソールで操作を行っている ラミリツが微笑してからそちらへ向かい グレイゼスの横で言う
「マスターグレイゼス中佐!」
グレイゼスがハッとして振り向くと言う
「うん?ああ、ラミリツ隊長?えっと…?何か?」
ラミリツが言う
「ううんっ 別に?用って訳じゃないんだけど 状況はどんな感じなのかなって?今やってるあの実験は?あれって 僕が頼んだ奴でしょ?」
グレイゼスがラミリツの示すものを見てから言う
「あぁ、いやいや あちらは 210マシーナリーの… ART1の衝撃緩和システムの最終実験で ラミリツ隊長に頼まれた方は 今 こっちの420で…」
グレイゼスがコンソールのモニターを見る ラミリツが疑問して言う
「え?210と420って…?それじゃ ひょっとして?ART1とART2のマシーナリーは 別のものになるって事?」
グレイゼスが微笑して言う
「あ、そう言えば お知らせして無かったですね?そうなんです 今回から ART1はRTD210マシーナリーを ART2は現行のままRTD420マシーナリーを基に そちらへジェットエンジンや それぞれ必要なセッティングを整えて 専用のマシーナリーを作ろうと言う事になりまして!…ですので 今実験を行っている210マシーナリーはART1のものです そして ART2の方も…」
グレイゼスが示すとその先でジェットエンジンの付いたM420が整備されている グレイゼスが言う
「あちらの420マシーナリーを使った実験を行い 最終セッティングを決定すると言った所です 420に関しては昨日取ったデータがあるので 上手くすれば 明日にもラミリツ隊長のART2の隊員を使った 試運転が出来るかもしれませんよ?」
ラミリツが表情を明るめて言う
「そうだったんだ!?何か 良いね?それ!それぞれの長所を生かしたマシーナリーが 専用に用意されるって事でしょ?」
グレイゼスが一瞬呆気に取られた後微笑して言う
「…そうですね?そう言う事になります!」
グレイゼスが思う
(言われて見れば 整備をする側の俺たちにしてみれば それぞれの短所を補えるマシーナリーを選択したつもりだったが それは 逆に考えれば それぞれの長所を生かすと言う事にも なるのかもしれないな?)
グレイゼスが言う
「比較的重量のある銃火器を扱うART1とは異なり 元の重量そのものは軽いセイバーを使い 機敏に動き回るART2へは やはり 身軽で繊細な動きの出来る 次世代型の420マシーナリーが向いていますからね?それと その重量バランスの違いからも 210マシーナリーのセッティングは 420マシーナリーには使えないと言う事が データ上でもはっきりと現れています」
ラミリツが言う
「そうなんだ?それじゃ 尚更 そこはしっかりと実験も やって置かないとね?」
グレイゼスが言う
「はい ですので ART2のラミリツ隊長や皆さんには もうしばらくお時間を頂きますが ご了承を?」
ラミリツが微笑して言う
「了解!」
グレイゼスが微笑する 後方でM210が着陸すると ワンマスが言う
「これで こちらの210マシーナリーの実験は終わりです お疲れ様で御座いました ハイケル・ヴォール・アーヴァイン少佐」
ハイケルがM210のコックピットから出て来る グレイゼスが振り向いて言う
「お?終わったか それじゃ ハイケル 次は昨日の続きで420マシーナリーの実験だ」
ハイケルが言う
「了解」
ラミリツが気付いて言う
「え?…ねえ!?ちょっと待ってよ?」
グレイゼスが疑問して言う
「はい?何か」
ハイケルが疑問する ラミリツが言う
「さっきの210マシーナリーは ART1専用だって言うんだから分かるけどさ?次に実験する420マシーナリーは 僕らART2専用になるって事でしょ?」
グレイゼスが言う
「はい そうですね?」
ラミリツが言う
「なら 実験だって ART2の… って言うかさ?それなら 僕がやるよ?」
グレイゼスが驚いて言う
「え!?いや それは…っ!」
ラミリツが言う
「何?駄目なの?」
グレイゼスが苦笑して言う
「お気持ちは分かりますが そちらの420マシーナリーの実験は まだ2回目ですので…」
ラミリツが言う
「だったら 何?」
グレイゼスが言う
「え?何って… もちろん 危険ですから?」
ラミリツが言う
「危険だからって?コイツがやるのと僕がやるのと 何か違うって言うの?それに 違うのなら 尚更 それこそ ART2の隊長である 僕がやるべきだと思うけど?」
グレイゼスが言う
「我々としましても ART2専用にすると決まっている以上は そのART2のラミリツ隊長に ご協力を頂ける事は嬉しいのですが ジェットエンジンを用いた実験には 命の危険がありますので… 現に昨日行った 1度目の実験は失敗しまして」
ラミリツが言う
「あぁ、そう言えば… だけど それで?結局 どうなったの?」
ラミリツがハイケルを見る ハイケルが言う
「私は無事だったが 420マシーナリーが1機 破損した」
ラミリツが言う
「何だ それじゃ無事だったんじゃない?」
ハイケルが言う
「共に その時得られた感覚によって 後の210マシーナリーの実験の際も 応用が可能となった 従って あの実験は失敗ではあったが 体感を得るという意味に置いては 有益な実験内容だった」
ラミリツがハイケルを見て言う
「それなら 尚更?」
グレイゼスが言う
「ああ、それなら これから行う 420マシーナリーの2回目の実験も 上手く行くかもしれないな?」
ハイケルが言う
「そうだな そちらの可能性が示唆される」
ラミリツが言う
「待ってよ!?それじゃ やっぱ駄目なんじゃない?」
グレイゼスとハイケルがラミリツを見る ラミリツが言う
「実験は失敗をしても 体感を得るという意味に置いては 成功だったんでしょ?だったら やっぱ 420マシーナリーを使う その実験は 僕がやる!これ 絶対っ!」
ジェットエンジンが取り付けられた420マシーナリーのコックピットにラミリツが居る グレイゼスがモニターに映るラミリツへ言う
「それではこれより 前回の実験の続きを… と言いますか」
モニターに映っているラミリツが言う
『その前回の実験に参加した アイツから ジェットエンジンの作動スイッチを押す前に マシーナリーの上体を 上げるようにするってレクチャーなら聞いたよ?それに アンタが作った状態固定プログラムだって設定されているんだったら これなら 絶対 大丈夫でしょ?』
グレイゼスが困り苦笑でコンソールを操作しながら言う
「それは組み込みはしましたけど そもそもそちらのプログラム実験だって 初めてな訳ですから…?」
グレイゼスが困りながらコンソールを操作して思う
(一応 大丈夫な予定なんだが?そもそも それだって 予定であって… 確定じゃなくて しかも 実験の被験者は 何度でも蘇る悪魔の兵士ではなくて 一度も蘇る事がない攻撃の兵士 またの名を 国家家臣攻長閣下であって …)
グレイゼスが苦笑して言う
「あぁっ もうっ 心配だなぁあ~っ!?」
グレイゼスが思う
(…助けてくれよぉ?ハイケル?)
【 ART 第二訓練所 】
ハイケルが言う
「この後の訓練は ラミリツ隊長に代わり 私が受け持つ事になった …とは言え 行う訓練は 通常通りで良いとの事だったのだが?」
シュナイゼルが言う
「はい 我々ART2の午後の通常訓練は 一日の訓練の成果を見る為に 模擬実戦訓練を行う事となっております」
ハイケルが言う
「そうか では そちらを… 必要ならば 私も 手を貸すが?」
ART2隊員たちが顔を見合わせる シュナイゼルが微笑して言う
「そうして頂けますと 助かります」
ハイケルが言う
「了解 では ラミリツ隊長から使用許可は得ている」
ハイケルがART2-01号機を見る ハイケルが続けて言う
「それと共に 私は ラミリツ隊長の剣術を見た事がある 従って お前たちの相手は セイバーを用いた ラミリツ隊長の真似にて相手をしようと思うが …それで良いか?」
シュナイゼルが言う
「お願い致します ハイケル少佐」
ハイケルが言う
「了解」
【 ART マシーナリー研究開発室 】
M420にフックが付けられ持ち上げられて行く M420内 作業員の声が聞こえる
『実験機420マシーナリー 上昇開始 高度10メートルを突破… 15メートル… 20メートルを突破…』
ラミリツが操縦桿に付けられているスイッチを見てから 正面へ向き直り意を決して言う
「…今度こそ 迷わないっ」
M420のグリーンシグナルが点滅する
【 ART 出入り口 】
アースと秘書が入って来て 秘書が言う
「15分程しか お時間は取られませんが そちらで宜しいでしょうか?」
アースが言う
「分かった 直ぐに戻る」
秘書が出入り口に留まると SPが言う
「我々は…?」
秘書が言う
「ARTの館内に置かれましては 危険は御座いませんので こちらでお待ち下さい」
SPが言う
「分かりました」
SPの2人が秘書の近くに留まる
通路
アースが歩きながら思う
(先ほどの感覚は何だ?まるで 以前の時と同じ…?)
アースの記憶に 実験でMハイケルが落ちた時の映像がフラッシュバックする アースが思う
(それも 今度は あの… 私の誘いに付いてきた 420マシーナリーが…?)
アースがマシーナリー保管庫の扉を開けて中へ入ると 周囲を見渡してから 近くにあったM420を見上げ 間を置いて言う
「…うん?お前と共に連れて来た もう1体の420マシーナリーはどうした?」
M420が起動してアースへ向き直るとグリーンシグナルが点滅する
【 ART マシーナリー研究開発室 】
M420のグリーンシグナルが点滅する 作業員の声が響く
「実験機 50メートルラインへ到達!」
M420の中 モニターに目下の映像が映る ラミリツが一瞬驚いて言う
「これが高度50メートル…っ」
ラミリツが思う
(下から見ているより ずっと高く感じる…っ 怖いっ)
ラミリツが震える手を押さえて思う
(けど ハブロス司令官は マシーナリーに乗らない状態でだって 平気で居たんだからっ それなら 僕だってっ!)
ラミリツが意を決して正面を見据える 作業員の声が聞こえる
『機体状態固定プログラム正常!マシーナリー角度異常なし!』
グレイゼスの声が聞こえる
『では ラミリツ隊長 実験を開始するが…』
ラミリツが言う
「了解!」
グレイゼスが言う
『うん では… ハイケルから聞いた通り 重心を後方へな?意識をしっかり持って?』
ラミリツが言う
「分かった 大丈夫 重心は 基本的に いつも後方へ向けているし 僕が失敗しても その時は 状態固定のシステムがフォローしてくれるんでしょ?」
グレイゼスが言う
『それは 予定ではあるんだが… それはそうとしても 最も重要なのはマシーナリーの操縦を行う 操縦者の操作になるから くれぐれも前方へは向けない様に!』
ラミリツが言う
「了解!絶対 後方ね?」
グレイゼスが言う
『ああ、そちらで… ではっ』
ラミリツが視線を強め 操縦桿を握る
グレイゼスが言う
「実験 開始!」
エミーが言う
「実験開始!フック解除します!」
皆が見上げる先 M420のフックが外されM420が落下する 作業員が言う
「実験機 40メートルラインを降下!」
グレイゼスが言う
「ジェットエンジン点火!」
ラミリツの声が聞こえる
『了解!』
M420の中 ラミリツが操縦桿を引き上げスイッチを押す M420が上体を引き上げてジェットエンジンを点火する M420が安定して下降を軟化する 皆が表情を和らげて言う
「「おおー!」」
M420の中 ラミリツが身を堅くしていた状態から 成功に気付いて気を和らげる エミーが言う
「成功っ!」
グレイゼスがホッとする モニターに表示がなされる エミーが一瞬驚いて言う
「え?プログラムが…?じょ、状態固定プログラム 始動を確認!」
グレイゼスが疑問して言う
「え?このタイミングで?…ハッ!まずいっ!」
M420の中 モニターに表示が現れる ラミリツが疑問して言う
「え?何か…?…うわっ!?」
M420がラミリツの操縦を無視した動きで後方へ反転する
M420が後方へ半回転するとジェットエンジンの影響で急落下する グレイゼスが叫ぶ
「実験中止っ!システムオールカットっ!」
作業員たちが自分の持ち場のレバーやスイッチを切る M420の中 電源が全て切られ真っ暗の中 ラミリツが叫ぶ
「うわぁああーっ!?」
グレイゼスが叫ぶ
「ラミリツ隊長っ!!」
皆が息を飲む M420の中 ラミリツが衝撃緩和された感覚の後 疑問して目を開くと 視線の先が透明シールドへ変わり その先を見て 呆気に取られて言う
「…え?」
皆の視線の先 M420がもう1機のM420にキャッチされている 皆が呆気に取られた状態からグレイゼスを見る グレイゼス呆気に取られた状態から言う
「あ…っ あのマシーナリーは…?保管庫にあった420!?一体誰がっ!?」
グレイゼスが意識を向けると M420のコックピットが無人だと分かる グレイゼスが疑問して思う
(無人?…それは そうだよな?そもそも 未調整のマシーナリーなんだから …となると?マスターの誰かが…?)
グレイゼスがハッとして顔を向けると 通路への出入り口から誰かが立ち去る姿が見える エミーがグレイゼスへ向いて言う
「中佐!実験機への入力 再開します!良いですか?」
グレイゼスがハッとして言う
「あ、ああ 実験機の再起動を!」
エミーが言う
「了解!ラミリツ隊長!聞こえますかー!?マシーナリーのシステムを復旧したので 再起動を!」
グレイゼスが通路へ向かうと 左右を見て気付いて言う
「あれは…っ?」
グレイゼスが思う
(ハブロス司令官…っ!?)
【 ART 出入り口 】
アースがやって来て言う
「待たせたな」
秘書が言う
「いえ お時間はご心配に及びません …ご用の方は如何でしたか?」
アースが言う
「ああ、原因が分かった 一度助ければ 後は何とかなるだろう 問題ない」
秘書が微笑して言う
「左様に御座いますか では これで安心して向かえますね?」
アースが苦笑して言う
「そうだな?」
アースと秘書とSPたちが立ち去って行く
【 ART マシーナリー研究開発室 】
エミーが言う
「今の実験は プログラムが稼動する前までは 状態は安定していたので これならもう!」
エミーが顔を向ける グレイゼスが苦笑して言う
「ああ まさか 安全の為に設置したシステムが 誤作動を起こすとは …おかしいな?設定上は上手く行く筈だったんだけど」
ラミリツがM420のコックピットから出てきて言う
「ねぇ!?今の実験って!」
グレイゼスが言う
「はい 実験は成功です 余計なプログラムのせいで 危険な目に合わせてしまって 本当に申し訳ありませんでした ラミリツ隊長」
ラミリツが苦笑して言う
「良いよ 安全の為に作ってくれたプログラムでしょ?結果は兎も角として 善意で行ったものを責める事はしないよ?」
グレイゼスが苦笑して言う
「有難う御座います しかし 本当に危ない所でしたから…」
ラミリツが言う
「そんなに気にしないでよ?大体 そのアンタが助けてくれたんでしょ?僕が乗っていた あの実験機を?」
グレイゼスが呆気に取られて言う
「え?」
ラミリツが言う
「流石マスターだよね?あんな高い所から落ちてくるマシーナリーを 衝撃緩和してキャッチするなんてさ?しかも 僕ら常人が抑えたら 神経接合ユニットに 凄い電流受けてただろうけど マスターの遠隔操作ならそっちの心配も無いもんね?」
グレイゼスが言う
「あ… いや あれは… あの420マシーナリーを操作していたのは 俺では無くて」
ラミリツが疑問して言う
「え?アンタじゃなくて?けど あのマシーナリー 無人でしょ?動き見れば分かるよ?動かされているって感覚がまったくなかったからね?あー言う動かし方出来るのって アンタたちの特徴だって 僕 知ってるし?」
グレイゼスが呆気に取られて思う
(…へぇ?流石は 俺たちと一緒に長い事 マシーナリー開発に携わってきただけの事はあるな?俺でさえ 見た目では分からない事を…?)
ラミリツが周囲を見渡して言う
「じゃぁ 誰だったの?お礼を 言わないと?」
グレイゼスが衝撃を受けて言う
「あっ えっと…っ!」
グレイゼスが思う
(ついでに 俺も俺で あのハブロス司令官の性格は 分かっているつもりだから… これは 参ったな?きっと 本当の事を言ったら 余計な事を言うなと…)
グレイゼスが苦笑して言う
「それこそ 殴られるかも?」
ラミリツが疑問して言う
「え?殴られるって?」
グレイゼスが慌てて言う
「あっ いえっ!その… 実は…」
グレイゼスが苦笑して思う
(仕方が無い ここは…)
グレイゼスが言う
「実はさっき… アニキさんが…」
ラミリツが衝撃を受けて言う
「えっ!?アニキがっ!?」
周囲の作業員らが顔を向ける ラミリツがハッとして口を押さえてから 気を取り直して言う
「あ… う、うんっ いや… あ、兄上が?」
グレイゼスが衝撃を受けてから苦笑して言う
「は、はい その… 兄上さんが そちらの通路から チラッと?その… 実験を覗いてらした様で?」
ラミリツが慌てて言う
「そうだったのっ!?嘘ぉっ!?」
ラミリツが慌てて通路へ出て左右を見る グレイゼスがやって来て苦笑して言う
「自分が確認した時には 既に 立ち去っていたので もう 見えませんよ?」
ラミリツが落ち込んで言う
「何だ… そうだったんだ…」
ラミリツが通路の先を見て言う
「アニ…」
作業員たちが注目している ラミリツがハッとして言う
「ア、アニ… あに… 兄上が…?な、何か!?よ、用だったのかな?僕に?それとも…?」
グレイゼスが苦笑して思う
(アニキ様… そのハブロス司令官は 今更だが ラミリツ隊長も… 高位富裕層って 俺ら最下層の人間が思っていたより 意外と 大変なんだな?)
【 メイリス家 食堂 】
ラミリツが食卓に着いていて疑問して言う
「あれ?兄上は…?」
メイドが言う
「シェイム様は 本日はまだ ご帰宅をされていらっしゃいませんが?ご確認を致しますか?」
ラミリツが言う
「そうなんだ?珍しい… あ、確認は良いよ?別に 用があるって訳じゃないから?」
ラミリツが思う
(あの時マスターグレイゼス中佐が言っていた アニキって 兄上じゃなくて… あっちのアニキの事だよね?僕は 兄上の事 兄貴って 呼んだ事はないし…)
ラミリツが疑問して言う
「…あ、でも?」
ラミリツが思う
(最下層の人って 誰でも 兄上の事 兄貴って呼ぶのかな?だとしたら あの時マスターグレイゼス中佐が言ったのは やっぱ 兄上だったって可能性も…?)
ラミリツが溜息を吐いて言う
「どっちにしても 会えなかったから しょうがないんだけど…」
ドアが開きフレイゼスが現れると 食卓を見てから言う
「おや?シェイム殿は まだお戻りではあられないようですね?」
ラミリツが言う
「うん そうみたい 何かあったのかな?政府警察で?」
フレイゼスが席に座ると言う
「そうですね 現在政府警察には1件 少々 面倒な事件がありまして」
ラミリツが言う
「え?そうなの?」
フレイゼスが言う
「はい、既にメディアでも 騒がれ始めているのですが 主に 政府系企業を狙った事件で 企業同士の会談や会合の場を襲撃し 大胆にもその場に居合わせた企業トップの者らを人質に その当人らに 自身の身代金を振り込ませるという手口でして」
ラミリツが呆気に取られて言う
「へぇ…?面白いね?」
フレイゼスが衝撃を受けて言う
「え?えぇっと… ラミリツ殿?こちらは事件ですので 決して 面白がって良いものでは…?」
ラミリツが言う
「だってそんなの 直ぐに捕まるの 目に見えてるじゃない?身代金を振り込ませるんだったら その振込み先や その銀行口座を洗えば 犯人たちなんてすぐ見付かるでしょ?」
フレイゼスが言う
「いえ そちらが どうも そう簡単には行かないらしく すでに 同犯行は4件行われており 政府警察の調査や防衛は 間に合っていない状態だそうです」
ラミリツが呆気に取られて言う
「4件も?だって それなら… それこそ犯行が起きた時に 警機を向かわせるとか そもそもの その会談や会合をやる時に もっと警備を強化したら良いんじゃない?」
フレイゼスが言う
「そちらも 上手く行かない様子でして まず 何しろ 被害にあっているのは 企業のトップやその辺りの重役ですから 政府警察や警機が到着するまでも無く 身代金を支払って身の保全を計る方が多いのです」
ラミリツが言う
「あぁ そうなんだ?ま、企業のトップって言うと 富裕層の中でも上の方の人だもんね?なら分かるかも?」
フレイゼスが言う
「それと、警備の強化もされてはいるのですが 政府系企業は数が多いので その企業たちからこぞって 警備強化の要請が入っている為 手が行き渡らなくなると… ともすれば 政府系企業を狙う理由は そちらの可能性もあるのでは無いかと?」
ラミリツが用意された食前酒を飲みつつ言う
「ふーん?でも犯罪とは言え 国内はやっぱ平和だよね?そんな犯人たちなんてさ?ARTに招集された 僕らスペシャルチームが要請を受けて向かえば すぐに逮捕出来ると思う …こっちは 今 世界を守る戦いを 命懸けでやってるって言うのに」
フレイゼスが苦笑して言う
「そちらは… 確かに ラミリツ殿やARTの活動に比べてしまえば 小事かもしれませんが… …あ、しかし?そうですよ?ラミリツ殿?」
ラミリツが疑問して言う
「ん?何?」
フレイゼスが微笑して言う
「そちらの政府系企業の会談や会合に参加しているのは 何も 政府系企業の方だけとは限りません それこそ 世界規模の戦いを行っていらっしゃる ラミリツ殿が現在居られる ARTであっても それら政府系企業との会談や会合を行い そちらから物資の供給を得る事で 結果として ARTの活動は行えていられる訳ですから?」
ラミリツが呆気に取られて言う
「あ… そっか?それじゃ… ん?あれ?もしかして それって?」
フレイゼスが微笑して言う
「そうですよ?ARTが参加する会合や会談ともなれば もちろん そちらのトップや重役として ご参加をされて居られるは…」
ラミリツが目を見開く
食堂のドアが開き シェイムがやって来て言う
「本日は 私が 夕食の時間を お待たせしてしまい 申し訳ありませんでした フレイゼス殿 それに エーメレス」
ラミリツがテーブルを叩いて立ち上がって言う
「夕食なんて いくら待たされたって 構わないよっ 兄上!」
シェイムが呆気に取られて言う
「エ、エーメレス?」
ラミリツが強い表情で言う
「政府系企業を狙った犯行を防ぐ為の 緊急作戦会議をしていたんでしょ!?話は聞いたよ!兄上が顧問官として 作戦を構築したんなら 今度こそ 犯人たちを逮捕してくれるよねっ!?兄上っ!?」
シェイムが呆気に取られた状態から表情をほころばせ 力強く頷いて言う
「も… もちろんだとも!エーメレス!私が!必ず 奴ら 悪しき犯罪者たちを 逮捕するとっ!メイリス家の信条に 誓おう!それに…っ」
シェイムが感無量の様子で思う
(私の政府警察顧問官への復帰となる この作戦を エーメレスが応援していてくれるとはっ!これ以上の応援が 一体何所にあろうかっ!?)
シェイムが力強く言う
「私の大切な家族っ 弟であるエーメレスっ お前にも!」
シェイムが思う
(誓ってっ!!)
ラミリツが言う
「うんっ!その僕の大切な 友人で 上官でもある ハブロス司令官だって!」
シェイムが衝撃を受ける フレイゼスが苦笑する ラミリツが強い闘志を持って言う
「そう言う 政府系企業との 会談とか会合とかに 参加してるんだからねっ!そのハブロス司令官を守る為に!ハブロス司令官の邪魔になる そんな犯罪者なんて すぐに逮捕してっ!明日にでもっ!何なら 僕らART2の皆だって 手伝うからっ!手や力が足りなかったら いつでも言ってよっ!ハブロス司令官の為だったら!ART2が!何より 僕が!全力で 向かうからねっ!兄上っ!」
シェイムが挫折して思う
(エーメレスーーっ!)
フレイゼスが苦笑して言う
「申し訳ありません シェイム殿 その… 政府警察への復帰を果たした 最初の大切な作戦を前にされている シェイム殿の覇気を 落させるような事をしてしまいまして…」
続く
「お迎えに上がりました ハブロ・アーク・フォライサー」
秘書が怯えて後ず去る アースがメリへ視線を向けたまま秘書へ言う
「君は下がり 司令塔へ連絡を」
秘書が怯えつつ言う
「は、はい…っ」
秘書が慌てて本部内へ走って行く
【 ART 第一訓練所 】
グレイゼスが怒って言う
「大体 訓練用じゃない 本物の武器を使うって時点でっ!こうなるって事がっ!分かるでしょうっ!?」
ハイケルが沈黙している ラミリツが苦笑して言う
「いや それはもちろん?その可能性はあるかな~?位には思ったんだけど…?」
グレイゼスが怒って言う
「あるかな~?じゃなくてっ!目に見えてあるんだって事が!君たちには分からないのかなぁあっ!?攻撃の兵士さんに 悪魔の…っ!」
緊急警報が鳴り響く
『緊急事態発生 緊急事態発生』
グレイゼスとハイケルとラミリツ ART1隊員たちがハッとする 緊急警報が鳴り響く
『ART全隊員は 直ちに 各自の待機場所へ向かって下さい 繰り返します 緊急事態発生 緊急事態発生 ART全隊員は…』
ラミリツが言う
「緊急警報っ!?」
ハイケルが言う
「状況は?」
グレイゼスがコンソールへ向かい操作を行うと モニターにART出入り口前の映像が映り メリの姿が映る 皆が驚き ラミリツが言う
「あの女性ってっ!」
隊員Bが言う
「はー!隊長ぉー!あの女性は 重要人物の おねーさーんでありますー!少佐ぁー!あれー?」
ハイケルが言う
「我々の敵 ベガの側近 名は メリ・アーク・フォライサー」
グレイゼスが言う
「ART1 総員 マシーナリーを緊急起動!戦闘準備を整え 現場へ急行だ!」
ハイケルが言う
「ART1 了解」
ART1隊員たちが言う
「「了解!中佐ぁーっ!」」
ART1が準備に向かう ラミリツが言う
「僕もっ ART2の誰かのマシーナリーを使って 直ぐに 向かうからっ!」
グレイゼスが言う
「そうしてくれっ!俺は 司令塔へ向かう 後は無線で!」
ラミリツが言う
「待って!ART2の緊急招集は!?」
グレイゼスが言う
「敵は既に目前に居る そうとなれば間に合わないが 必要とあれば その指示は ハブロス司令官が行う筈だ 現行 このART本部には…」
館内放送に イリンゼスの声が聞こえる
『こちら ARTゼロ隊長マスターイリンゼス!俺らの準備は万端だぜ 司令塔!出動許可を!』
ラミリツが衝撃を受けて言う
「えぇえっ!?アイツが隊長になってたのっ!?」
【 ART 出入り口 】
メリが微笑して言う
「さぁ 私と共に 我らが神ベガ様の下へと 参りましょう?ハブロ・アーク・フォライサー?」
アースが言う
「人違いだ 私の名は アース・メイヴン・ハブロス 貴女のお探しの者ではない様だが?」
メリが軽く笑って言う
「貴方は変わった方ですね?神の力を与えられた者を示す アークの名と共に 我々と同族を示すフォライサーの名を頂いても 光栄とはせずに 果てには 人々の神の名誉たる その証さえも 隠してしまうとは…」
アースが言う
「何の話だ?」
メリが苦笑して言う
「しかし その貴方を 我らが神 ベガ様がお呼びなのです 私と共に 神の国へと 参りましょう?」
アースが言う
「生憎だが 私は 名を変えられる事はもちろん 私の意識を殺されたくもない そうとなれば 当然 貴女の迎えを受け入れる訳には行かない」
メリが言う
「それでしたら 貴方も ベガ様へ 忠誠を誓って下さい そうしませば 今の貴方の意識を持って 私どもの一族となられるでしょう?そして、貴方の呼び名も どうしても そちらが良いと言うのでしたら 私どもは 貴方の好む名で 貴方を呼んでも構いません」
アースが苦笑して言う
「貴女方の名と言うものは 随分と安いものだな?私であるなら 少なくとも 同族の名を断る者を 己の一族と認めはしない そして 何より…」
周囲の地面にある緊急出動装置が起動して ARTゼロマシーナリーたちがセットされる アースが言う
「私は 貴女方の同族になるつもりも無ければ 私や私の仲間たちの敵である貴女方の神 ベガへ忠誠を誓うと言う事も その奴が求める 私の身体を奪われると言う事も それら 全てを 断るっ!戻って 奴へと伝える事だ」
メリが微笑して言う
「そうですか 貴方のお気持ちは分かりました しかし 私は その貴方を連れて来るようにと 命じられているのです そうとなりましては 如何なる方法を用いてでも 私は 貴方をベガ様の下へと連れて戻らねばなりません」
アースが言う
「そうか では これが最後の警告だ 怪我をしたくなければ さっさと消えろ 以上だ」
アースとARTゼロがメリを見る メリが言う
「返答が必要ですか?」
緊急出動装置が起動して ART1マシーナリーたちとMラミリツがセットされる アースが言う
「そうだな?では 一応 レディーファーストだ」
メリが微笑して言う
「紳士的ですね 私どもの一族として 歓迎します アース・メイヴン・ハブロス」
メリが杖を掲げる ラミリツが視線を強めて言う
「総員 回避っ!」
メリの杖から吹雪が放たれる ARTマシーナリーたちが回避すると アースの目前で吹雪が防がれる アースの目前を含む ART本部にシールドが張られている
【 ART 司令塔 】
オペ子Aが言う
「ART本部 対アウター仕様シールドへの衝撃を確認!」
オペ子Bが言う
「シールド損傷率 0.5%!」
グレイゼスが言う
「よしっ 何とかシールドは持ちそうだな!?問題は…っ!」
グレイゼスが視線を上げ モニターに映っているメリを見る
【 ART 出入り口 】
Mラミリツが言う
「ART1 放てーっ!」
ART1マシーナリーたちがそれぞれの銃を放つ メリの周囲に突風が吹き銃撃が全て無効化される ART1隊員たちが気付く ラミリツが視線を強めて言う
「銃撃が効かないっ」
Mラミリツがプラズマセイバーを構えて言う
「そうとなればっ!」
Mラミリツがメリへ向かいながら言う
「ART1!援護をっ!」
M隊員Fが小銃を構えて言う
「了解っ!隊長っ!」
M隊員Cが衝撃を受けて言う
「えっ!?援護ってっ!?」
M隊員Bが言う
「えー?」
Mラミリツがプラズマセイバーをメリへ振るう メリが杖を掲げると 襲い来るプラズマセイバーの刀身を吹雪が抑える Mラミリツが一瞬の後回避すると メリがMラミリツを視線で追う 隊員Fが視線を強めて言う
「今だっ!」
M隊員FとM隊員Iが小銃を放つ メリがハッとして上空へ回避する 隊員Bが言う
「あー!あの技はー!」
隊員Aが言う
「と、飛んだぁっ!?」
アースが舌打ちをして言う
「チッ…」
アースがイヤホンを押さえて言う
「マスターグレイゼス中佐っ」
M隊員BがMラミリツの近くへ行って言う
「隊長ぉー!ターゲット 射程圏外でありますー!隊長ぉー!?」
Mラミリツが顔を向けて言う
「ART1 誰か!あの距離でも当てられる人は居ないのっ!?フレッド隊員はっ!?」
M隊員Fがラミリツへ向いて言う
「距離は行けますが さっきので 通常弾は効かないものと…っ」
メリが微笑して言う
「さて、今度は こちらの番ですね?新人類… お前たちの神 アークの力 その目に焼き付けなさい」
メリが杖を掲げると 吹雪が舞い周囲が凍結する Mラミリツが叫ぶ
「総員 回避っ!」
メリが杖を傾けると強烈な突吹雪が放たれる ARTマシーナリーたちが回避する中 M隊員Dが逃げ遅れ片足が凍結する 隊員Dが片足への通電に悲鳴を上げて言う
「いっ!?」
【 ART 司令塔 】
スピーカーから隊員Dの悲鳴が聞こえる
『痛てぇええっ!イテテテテイテッ!痺れっ!痺れるっ!』
グレイゼスがハッとして言う
「ART1!ドルト隊員の神経接合を全面カットっ!」
ラキンゼスが言う
「了解!ART1!ドルト隊員の神経接合を全面カットっ!」
オペ子Aが言う
「ターゲットに再び攻撃反応!エネルギー波!ART1 ドルト隊員へ 急速接近!」
グレイゼスがハッとして言う
「しまったっ!」
【 ART 出入り口 】
隊員Dが表情を怯えさせて言う
「ヒィッ!」
隊員Dが目を瞑って顔を逸らすと 爆発音が響き 隊員Dが疑問して目を開くと驚いて言う
「なっ!?」
M隊員Dの前 ARTゼロマシーナリーたちがプラズマセイバーを重ねた防御体勢へ プラズマ銃のエネルギーを追加した盾を作り上げている ラミリツが驚いて言う
「プラズマセイバーに プラズマ銃で威力を増して 盾にしたって事っ!?」
Mイリンゼスがプラズマ巨大ハンマーを振り下ろして言う
「どっこいせーっ!っと!」
巨大ハンマーでM隊員Dの凍結した足を地面から外させると Mイリンゼスが言う
「よし これで… 後は 誰か コイツを退場させてやってくれ!」
ARTゼロマシーナリーが M隊員Dの首根っこを掴んで退場させる M隊員Dが言う
「あ~れ~?」
Mラミリツが自身のプラズマセイバーを見て言う
「刀身の伸縮は知ってたけど 形まで変えられたんだ…?」
グレイゼスの声が聞こえる
『いや 残念ながら あれはARTゼロの連中のナノマシーンの成せる技だから ラミリツ隊長 及び ART2の皆には 真似は出来ないんだ ごめんな?』
ラミリツが言う
「あぁ そう言う事?」
Mイリンゼスがプラズマ巨大ハンマーを振り回してから言う
「さぁ~て?お次は~?あの空を舞う 綺麗なネーチャン… いやっ チョウチョさんを どうやって捕まえるか~?」
Mイリンゼスのプラズマ巨大ハンマーがプラズマ虫取り網に変形する ラミリツが衝撃を受け不満そうに言う
「…いや 僕らには 出来なくて良いや …あの技は」
ナノマシーンイリンゼスが言う
「『我らが兄弟 グレイゼス?作戦は?』」
イリンゼスの脳裏にナノマシーングレイゼスの声が聞こえる
『我らがアニキに聞いてくれ イリンゼス』
イリンゼスが衝撃を受けて言う
「えっ!?アニキにって…?」
Mイリンゼスがアースを振り返る Mイリンゼスの中にラミリツの声が聞こえる
『マスターイリンゼスっ!?今のは!?アニキって!?』
イリンゼスが衝撃を受けて言う
「え!?あっ!いやっ!それ言うと 一生涯減給だってっ アニキにっ!…痛ぇえっ!?」
イリンゼスが頭を抱えて言う
「ナノマシーンのお怒りが…っ」
オペ子Aの声が聞こえる
『ターゲット 再び 攻撃態勢っ!』
イリンゼスがハッとして意識を向ける Mイリンゼスの視線の先 メリの杖に吹雪が纏っている アースが表情を顰めて言う
「雪女め…っ」
アースがイヤホンを押さえて言う
「マスターグレイゼス中佐っ 作戦決行だっ!」
イヤホンからグレイゼスの声が聞こえる
『しかしっ 今ここで失敗しようものなら…っ!』
アースが言う
「構わんっ!使えようが使えまえが タイミングが全てだっ!やれっ!命令だっ!」
グレイゼスが一度息を飲んでから言う
『…っ 了解 司令官!』
メリが杖を掲げて言う
「次は ここにある全てのモノを凍らせて見せましょう アース・メイヴン・ハブロス 貴方の愛する新人類の彼らを 永遠の氷の世界へと…」
ラミリツが思う
(せめて時間稼ぎを…っ!?)
Mラミリツが言う
「ART1 放てーっ!」
ART1マシーナリーたちが銃撃を行う メリが杖を持たない手を向けると周囲に突風が吹き銃撃が弾かれる メリが言う
「これで お仕舞いにしましょう?」
メリが杖を傾ける
【 ART 司令塔 】
オペ子Aが言う
「ターゲット 攻撃予測 8秒前!」
オペ子Bが言う
「ART第一出動口 起動!地表到達 5秒前!」
オペ男Aが言う
「ART本部防衛シールド最大範囲へ!防衛範囲5メートル前方へ!」
オペ男Bが言う
「RTD210マシーナリー改!ジェットエンジン起動っ!」
グレイゼスが言う
「作戦開始だっ!ハイケルっ!」
【 ART 出入り口 】
第一出動口が上昇して アースの横にM210が現れると ハイケルが言う
「作戦開始 了解 ジェットエンジン及び機体感覚 問題なし 行ける!」
Mハイケルが顔を上げる アースが言う
「ハデに逝って来い ハイケル少佐」
Mハイケルが言う
「…了解 司令官」
グレイゼスの声が聞こえる
『縁起でも無い事 言わないで下さいっ!司令官っ!』
Mハイケルが滑走して行く アースの横で緊急出動口が更に上昇する
メリの杖に纏っていた突吹雪が放たれる Mラミリツが言う
「総員 後退っ!」
ARTマシーナリーたちが後退する中 Mハイケルが突っ切り Mハイケルの中ハイケルの意識が上を向いて思う
(今だっ!)
Mハイケルがジャンプすると同時に ジェットエンジンが噴射され 出力が上がり Mハイケルが上空へ向けて飛んで行く Mラミリツが衝撃を受けて言う
「あーっ!?あれっ!?ART2の技なのにっ!?」
メリがハッと驚くと 目の前にMハイケルが到達して プラズマセイバーを振り上げる メリが慌ててMハイケルの攻撃に備えて杖でシールドを放つ グレイゼスが言う
『今だっ!全力で行けっ!ハイケルっ!』
Mハイケルが言う
「了解 グレイゼス 全力で…っ!」
Mハイケルがプラズマセイバーを振り下ろそうとすると ジェットエンジンが噴射してMハイケルが飛んで行く
【 ART 司令塔 】
グレイゼスが呆気に取られて言う
「ハ… ハイケル…?」
ハイケルの声が聞こえる
『すまん グレイゼス 全力の意識が ジェットエンジンへ行ってしまった』
グレイゼスが慌てて言う
「なぁああっ!?何やってんのぉっ!?あの絶好のタイミングを 外すなんてっ!?すみませんっ!ハブロス司令官っ!作戦失敗…っ!」
ラキンゼスが言う
「ART1 PM700 出力最大!」
グレイゼスが衝撃を受けて言う
「えっ!?」
アースの声が聞こえる
『よしっ ターゲットは予定通り 囮へと食い付いた!』
グレイゼスが衝撃を受けて言う
「お、囮って… まさかっ!?」
アースが言う
『奴がハイケル少佐から目を逸らす そのタイミングを逃すなよ?シーナ隊員!』
シーナの声が聞こえる
『了解っ!司令官っ!タイミング 逃しませんっ!』
グレイゼスが呆れて言う
「そっちのタイミングだったのか…」
【 ART 出入り口 】
アースの横の緊急出動口の中でMシーナがPM700を構えている オペ子Bの声が聞こえる
『RTD210改へ搭乗のハイケル少佐 上空100メートルへ到達』
グレイゼスが慌てて言う
『まだ飛んでたのっ!?』
オペ子Aが言う
『ART1隊長ハイケル少佐より 行動指示の要請が入ってますが…?』
アースが言う
「捨てて置け」
グレイゼスが慌てて言う
『止めて下さい ハブロス司令官っ!技術部へ連絡っ!ワンマス会長に 出力指示を仰いでっ!』
アースが言う
「シーナ隊員!ターゲットは 敵 保有武器 杖型のロストテクノロジーだ!確実にキメろっ!」
Mシーナが言う
「了解 司令官っ!確実にキメますっ!」
メリが空を見上げ呆気に取られていた状態から疑問して言う
「な… 何だったのでしょう…?」
メリが視線を変える
アースが言う
「今だっ!放てーっ!」
MシーナがPM700を放つ
【 ART 司令塔 】
ラキンゼスが言う
「PM700 発射っ!」
グレイゼスと周囲の隊員たちがモニターへ向く サブモニターに映っているハイケルがモニターへ向く
【 ART 出入り口 】
メリがハッとするとプラズマレーザーが杖に当たり メリが驚き杖を押えて言う
「…きゃあっ!?」
メリが杖を押えたまま その場に留まる アースが言う
「2打目 放てーっ!」
MシーナがPM700を放つ メリの杖にプラズマレーザーが再び当たる メリが落下して行く
Mシーナの中 シーナがハッとして言う
「3打目!行けますっ!ハブロス司令官っ!」
アースの声が聞こえる
『攻撃停止っ 充填維持状態にて 待機だっ!』
シーナが驚いて言う
「しかしっ 司令官!」
アースの声が聞こえる
『命令だっ 従え!』
シーナがハッとして言う
「りょ、了解…っ」
アースの声が聞こえる
『…良くやった 次のタイミングも 期待しているぞ?シーナ隊員』
シーナが呆気に取られてから微笑して言う
「はい!了解!司令官!」
Mシーナが言う
「次のタイミングへ向け 充填維持状態にて 待機しますっ!」
アースが視線を向けないまま軽く笑う
「フ…ッ」
【 ART 司令塔 】
グレイゼスが苦笑して言う
「あぁ… すっかり シーナ隊員を ご自分のメインアームにと…?」
オペ子Aが言う
「ターゲット地上20メートルまで落下!尚も降下中!」
グレイゼスが気を取り直して顔を向けて言う
「映像詳細表示へ!総員 警戒態勢を崩すな!」
【 ART 出入り口 】
M隊員Cが小銃の照準を向けたまま言う
「ど、どうする!?撃っちゃうっ!?撃たないっ!?どっち…っ!?こ、こんな時は…っ 少佐ぁー!?…ってっ!?」
M隊員Cがハッとして周囲を見渡して言う
「そ、そうだったっ!少佐はさっき 飛んでっちまって!?」
M隊員AがMラミリツへ向いて言う
「ラミリツ隊長っ!どうしたらっ!?」
Mラミリツの中 ラミリツが思う
(相手はアーク…っ 油断は出来ない そうとなれば…っ!?)
ラミリツが言う
「ART1 総員!シールド内にて支援体勢!ターゲットへはっ 私が向かうっ!」
Mラミリツがプラズマセイバーを装備する ART1隊員たちが言う
「「了解!隊長!」」
Mラミリツがプラズマセイバーを構えて滑走する
【 ART 司令塔 】
オペ子Aが言う
「映像から ターゲット 着弾衝撃による 失神の可能性 有り」
グレイゼスが言う
「捕らえますか!?ハブロス司令官!?」
アースの声が聞こえる
『撃破しろ』
グレイゼスが驚いて言う
「え…?」
アースが言う
『ターゲットはアークだ 身を破壊した所で 命を失いはしない』
グレイゼスが言う
「えっ?あの…っ?」
【 ART 出入り口 】
Mラミリツの中ラミリツが呆気に取られて言う
「それって…?」
アースの声が聞こえる
『アークは我々新人類とは異なり その身体を失えば 別の身体へ 同じ意識を持った命を灯す事が出来る 遠慮は不要だ ヤれっ!ラミリツ隊長!』
ラミリツが言う
「そう言う事…?うんっ それならっ!」
Mラミリツが向かいながら言う
「遠慮はしないっ!このタイミング!僕は 逃しはしないよっ!貰ったっ!」
Mラミリツがプラズマセイバーを振るう メリが閉じていた目を開きMラミリツを見る ラミリツがハッとすると Mラミリツの動きが止まる メリが微笑する メリの杖に吹雪が纏う
【 ART 司令塔 】
オペ子Aが言う
「ターゲットに 攻撃反応!」
グレイゼスが言う
「ラミリツ隊長っ!回避だっ!」
オペ子Bが言う
「ターゲット攻撃開始!ラミリツ隊長 回避 間に合いませんっ!」
オペ子Aが言う
「ART2-02号機の凍結を確認っ!」
ラミリツの悲鳴が聞こえる
『うぁああーっ!』
グレイゼスが言う
「ラミリツ隊長のマシーナリー 神経接合 全面カットだ 急げっ!」
【 ART 出入り口 】
アースが怒って言う
「あのガキがっ」
Mラミリツの中 ラミリツが感電から開放され息を吐いて言う
「…うっ はぁ…はぁ…」
グレイゼスの声が聞こえる
『大丈夫かっ!?ラミリツ隊長っ!?』
ラミリツが気を取り直して言う
「ごめん 大丈夫…っ それより!?」
ラミリツが操縦桿を動かしながら言う
「マシーナリーが!動かないよっ!?」
Mラミリツの表面が凍結していて起動シグナルが点滅する グレイゼスの声が聞こえる
『そのマシーナリーは 現在 凍結させられている 恐らく 凍結からの破損を回避する為に AIが作動制限を…っ』
メリが杖を構え直すと 杖に風が纏う オペ子Aの声が聞こえる
『ターゲットに 再び 攻撃反応!エネルギーの充填を確認!』
ラミリツが顔を向けて言う
「えっ!?それってっ!?」
グレイゼスの声が聞こえる
『ART2-02号機 緊急ロック解除だ!』
オペ子Bが言う
『ART2-02号機 緊急ロック解除 信号確認 …ロック装置動きませんっ!』
ラミリツが呆気に取られ表情を困らせて言う
「え?そんな…?それじゃ…っ!?」
オペ子Bが言う
『こちらも恐らく 凍結による 解除障害が…っ』
グレイゼスが言う
『ARTゼロ!フォローをっ!』
イリンゼスの声が聞こえる
『マシーナリーが動かねぇんだっ!これって また あの時みたいに ナノマシーンがビビってるんだろっ!?』
オペ子Aが言う
『ターゲットのエネルギー充填率から 攻撃規模を算出!総員 シールド内まで 退避して下さいっ!』
ラミリツがモニターを見ながら言う
「動けないのに…っ どうやってっ!?」
M隊員BがM隊員Cへ向いて言う
「どうしようっ!?サッちゃんっ!?」
M隊員Cが衝撃を受けて言う
「何で 俺に聞くかなーっ!?」
グレイゼスの声が聞こえる
『そうだっ!マスターラキンゼスっ!お前なら動けるんじゃないのかっ!?』
M隊員Cが衝撃を受けて言う
「えぇえ!?俺がーっ!?」
M隊員Bが言う
「そうだよ!サッちゃんっ!あの時だって サッちゃんは動けたんだしーっ!?」
M隊員Aが言う
「そうだ!サキ!今こそ 最低限のマスターである お前の出番だろっ!?サキっ!?」
M隊員Cが言う
「ぜってぇえ無理ーっ!」
【 ART 司令塔 】
隊員Cの声が聞こえる
『大体 動けた所で 俺に どうしろって言うんだよ!?あのネーチャン めっちゃ怖ぇえんだよっ!?』
グレイゼスが気付いて言う
「そ、そうだったっ 相手はアーク 俺たちにとっては神様だっ サキシュ隊員が1人動けた所で…っ」
アースの声が聞こえる
『何をしている グレイゼス!お前まで ビビッているのかっ!?』
グレイゼスが衝撃を受けて言う
「ハ、ハブロス司令官っ!?しかし…っ!」
アースが言う
『安全な司令塔内に居る お前までその様な状態では 後の戦いには勝利出来ないぞ!我々の敵は アークなどでは無い そのアークの神である ベガだっ!』
グレイゼスが言う
「そうは言われましてもっ!今は そのアークの攻撃を防ぐ術すら…っ ナノマシーンが拒否をすると言う事は 既に敵の攻撃は抑えきれないものだとっ」
【 ART 出入り口 】
Mラミリツの中グレイゼスの声が聞こえる
『ビビっている いないの問題ではなくっ!技術的に不可能であると言う事ですからっ!』
ピット内の空気が冷たくなり ラミリツの吐く息が白くなり ラミリツが耐え切れずに身体を押さえる オペ子Bの声が聞こえる
『ART2-02号機 コックピット内の温度 急低下していますっ!マ、マイナス25度っ!?このままでは 操縦者が…っ』
ラミリツがモニターを見る メリが微笑して言う
『神の情けです 今 楽にして差し上げましょう』
メリが杖を傾ける ラミリツが目を見開く ART1隊員たちが息を飲む イリンゼスが震える手を握り締めて言う
「悪ぃっ シェイム…っ」
メリの杖から突風が放たれMラミリツへ向かう ラミリツがモニターから顔を逸らす イリンゼスが目を瞑って思う
(俺は お前の弟を 見殺しに…っ!)
激しい衝突音が響き皆が驚くと 隊員Bが言う
「あー!あの技はー!」
皆の視線の先 アースがメリの前で気合波を放ち突風を打ち消す 隊員Cが衝撃を受けて言う
「で、出た…っ 悪魔の必殺技…!」
ラミリツがモニターを見て言う
「ハブロス司令官…っ!」
Mラミリツが言う
「だ、駄目だよっ!シールドから 出たら…っ!」
アースがその手をMラミリツへ向けて意識を向けると Mラミリツの凍結が破壊される Mラミリツの中 ラミリツがハッとすると 空調システムが稼動して オペ子Bの声が聞こえる
『ART2-02号機 凍結の解消を確認!空調システム優先稼動っ!システムチェック オールクリア!』
メリが言う
「思った通り… 貴方の属性を考えれば 貴方の方から 来てくれるものと思っていました」
アースがメリを見て言う
「彼の命を奪うつもりは 無かったと 言いたいのか?」
メリが微笑して言う
「そちらは 気に留めて 居りませんでした」
ラミリツがゾクッと身を震わせる メリが杖を動かす アースが身構えると メリが杖を持たない手をアースへ向け アースと共に上空へ飛び上がる Mラミリツが慌てて言う
「ハブロス司令官っ!」
メリが上空で杖を掲げ風の力を集めながら言う
「さぁ 貴方を手に入れました これで私は ベガ様からのご命令通りに 貴方をベガ様の下へと お連れする事が出来ます」
アースが言う
「言った筈だ 私は 奴の下へ行くつもりは無いと」
メリが言う
「では どうしますか?この高さから落ちれば 新人類の貴方は助かりません 私から離れる事が出来ないのは 貴方の方でしょう?」
アースのイヤホンからオペ子Aの声が聞こえる
『ターゲット及びハブロス司令官 高度40メートルへ到達!中佐っ!指示をお願いしますっ!このままでは また ハブロス司令官がっ!』
ラミリツの声が聞こえる
『マスターグレイゼス中佐っ!何か作戦は無いのっ!?』
メリが微笑して言う
「作戦…?そうでしたか… そちらの機械で… 貴方が新人類の者と 言葉を交わしている事には 気付いていましたが どうやら 私の作戦勝ちの様ですね?」
アースが言う
「お前が?誰の作戦に勝ったと?アークとは言え 素人の作戦に アールスローン1の司令官である この私が 負ける筈がないだろう?」
メリが一瞬呆気に取られてから 微笑して言う
「では?」
オペ子Aの声が聞こえる
『ターゲット及びハブロス司令官 高度50メートルへ到達!』
アースが視線を強め メリの杖を掴み掲げると言う
「シーナ隊員っ!」
メリが驚いて言う
「何を…っ!?」
【 ART 司令塔 】
グレイゼスが驚いて言う
「ハブロス司令官っ!?まさかっ!?」
アースの声が聞こえる
『放てーっ!』
【 ART 出入り口 】
シーナが言う
「了解!司令官っ!」
シーナがトリガーを引く MシーナがPM700を放つ 皆が驚く中 メリの杖にプラズマレーザーがヒットして 杖が大破する アースが杖から手を離す メリが目を見開くと アースの身体がゆっくりと落下して行く メリがアースへ手を向けて言う
「手をっ!私から 離れてはいけませんっ!アース・メイヴン・ハブロス!」
アースが笑んで言う
「悪いな?執着する女は 好みじゃない」
アースがメリの手を払うと落下する メリが驚き 慌ててアースを追う
ラミリツが慌てて言う
「ハブロス司令官っ!」
Mラミリツが数歩走ってから ラミリツが操縦桿を握り締めて言う
「う…っ!駄目だっ 感覚が…っ!ART1!誰かっ!?」
MラミリツがART1マシーナリーたちへ振り返って言う
「一番 繊細な操作が出来る人っ!ハブロス司令官をっ!」
M隊員Bが M隊員Cへ向いて言う
「サッちゃん!出番!」
M隊員Cが衝撃を受けて言う
「何で俺ーっ!?」
グレイゼスの声が聞こえる
『駄目だっ!最低限なんかじゃ!』
隊員Cが衝撃を受けて言う
「遂に 最低限の名で 呼ばれた…」
グレイゼスが言う
『高度50メートルからの落下を受け止めるには 相応の緩和処置が必要だっ!マスターイリンゼス隊長っ!お前ならっ!?』
イリンゼスの声が聞こえる
『俺 豪快さには評価あるんだけど 繊細さは全力で無理ーっ!』
M隊員Bが言う
「やっぱ サッちゃん!出番ーっ!」
M隊員Cが衝撃を受けて言う
「だからっ 何で 最低限の 俺に戻るかなーっ!?」
M隊員FがM隊員Aへ向いて言う
「ここはやっぱり 仮隊長でっ!」
M隊員Aが衝撃を受けて言う
「お、俺っ!?分かったっ 何とか やって…っ」
M隊員Iが言う
「人1人の命がっ しかも ARTトップの司令官の命が掛かってるけどっ 頑張ってくれ!アラン隊員!応援だけしてるっ」
M隊員Aが衝撃を受けて言う
「それ言われたら 俺も 全力で無理ーっ!」
M隊員Bが言う
「えー?」
M隊員NとM隊員Vが言う
「こうとなればっ!?」 「俺たちでっ!?」
M隊員NとM隊員Vが顔を向けると遠い距離がある M隊員NとM隊員Vが衝撃を受けて言う
「「って 遠ぉおーっ!」」 「最高にーっ!」 「後退してたーっ!?」
【 ART 司令塔 】
グレイゼスが慌てて言う
「ART1、ARTゼロのデータ参照っ!マシーナリーの操作性に 秀でている隊員をっ!」
アースの声が聞こえる
『何をしているっ!マスターグレイゼス中佐っ!』
グレイゼスが言う
「すみません!ハブロス司令官っ!今直ぐに…っ!」
アースが言う
『奴が射程範囲に入るぞっ!タイミングを逃すなっ!』
グレイゼスが驚いて言う
「…って!?それ所じゃっ!?」
オペ男Aが言う
「ハブロス司令官に エネルギー反応っ!」
グレイゼスが衝撃を受けて言う
「ま、まさか…っ!?」
【 ART 出入り口 】
オペ男Bの声が聞こえる
『ハブロス司令官 必殺技充填率 既存最高値100%突破っ!』
隊員Cが衝撃を受けて言う
「それって…っ」
アースが体勢を反転させ 地上へ向けて気合波を放つ ARTマシーナリーたちが地表への衝撃に思わず身を守る アースが気合派の反動で衝撃緩和をして地上へ着地して身を起こす M隊員Cが衝撃を受けて言う
「やっぱりーっ!?」
M隊員Bが言う
「ハブロス司令官 すっげー?」
オペ男Aが言う
『ハブロス司令官 無事 ご帰還ですっ!』
グレイゼスが言う
『そんな使い方も 出来たんですね…』
隊員Cが表情を引きつらせて言う
「もうよ?あの人1人で 戦えるんじゃね…?」
隊員Iが苦笑して言う
「ハブロス司令官って 非戦闘員じゃなかったっけ…?」
アースが言う
「ART総員!何をしているっ!目下の戦いは終わってなど居ないぞっ!」
隊員Aが苦笑して言う
「戦闘員 兼 司令官… かな?」
隊員Fが苦笑して言う
「戦闘員になれそうな 司令官だと思うけど…?」
メリが表情を顰めて言う
「どうやら… 少々 貴方を 侮っていた様です アークの力は 使いこなせない者だと 思っていました」
アースが言う
「確証のない力は 基本作戦へ組み込む事はしないが 必要とあれば 全ての可能性を使うまでだ」
メリが言う
「なるほど… とても計れない方ですね 手を抜くのは 止める事にします」
メリが手を振るうと アークの姿になり杖を握る アースが言う
「そうか まだ行うと言うのなら 相手をするが」
Mラミリツがアースの前に構える アースが続けて言う
「これ以上戦いを行い その壊れた杖さえ失おうとも 泣き付いてはくれるなよ?どれほど頼まれても 私はお前を 奴の下へ 送ってやるつもりなどは無いからな?」
メリが一瞬驚き杖を見る 杖は崩壊寸前に壊れている メリが表情を強めてから苦笑して言う
「…そうですね 折角 貴方を捕らえようとも その貴方をベガ様の下へ 送る事が出来ないのでは意味がありません 今日の所は 一度下がらせて頂きます」
メリが備えを解除して言う
「近い内に また お迎えに参ります それまでの間に 貴方がベガ様への思いを 変えて下さる事を期待しています」
メリが杖を掲げると 風に消える オペ子Aの声が聞こえる
『ターゲット 消失!』
オペ子Bが言う
『周囲100メートルの範囲に ターゲットのエネルギー反応 見受けられません!』
グレイゼスが言う
『ハブロス司令官っ!?』
アースが言う
「ターゲットの逃亡と認識 現時刻を持って 本防衛作戦を終了する」
隊員たちがホッとする オペ子Aが言う
『ART司令塔 了解 防衛作戦は終了 警戒態勢を準警戒態勢へ移行 出動機動隊員は 順次 ART本部内へ帰還して下さい 繰り返します 防衛作戦は終了』
【 ? 】
オペ子Aの声が聞こえる
『…警戒態勢を準警戒態勢へ移行 出動機動隊員は 順次 ART本部内へ帰還して下さい』
Mハイケルが言う
「作戦の終了を認識 及び…」
M210が川に沈みかかっている Mハイケルが言う
「私の沈没を認識… この経験により 次に必要とされる マシーナリーへの 改善機能は… 水泳機能…か?」
M210が沈んで行く グレイゼスの声が聞こえる
『そいつは 空を飛ぶよりは現実的だが 今はそれより 臨時使用RTD210マシーナリーのハッチロックを緊急解除する!ハイケル!中身だけ浮いて来いっ!ハイケル!』
ハイケルが水面に現れて言う
「ぷはっ!流石は マスターの中で1番の マスターグレイゼス 迅速な改善だった」
オペ子Aの声が聞こえる
『ハイケル少佐の発信機信号を確認 ハイケル少佐 メンテス地区アールスローン運河を南下中』
グレイゼスの声が聞こえる
『誰か!ハイケルを 回収しに行ってやってくれ!』
隊員Aの声が聞こえる
『了解 中佐!では ART1仮隊長の俺が…っ!』
ラミリツの声が聞こえる
『捨てとけば?』
グレイゼスの声が聞こえる
『駄目ですよっ!何言ってるんですかっ!?ラミリツ隊長までっ!?』
隊員Bの声が聞こえる
『えー?』
ハイケルが沈んで行く オペ子Aが言う
『ハイケル少佐の発信機信号から ハイケル少佐の沈没を確認』
グレイゼスが慌てて言う
『ハイケルーっ!?救助隊員 誰でも良いから 急いで行ってくれっ!ハイケルの沈没座標は…っ!』
翌日
【 ART マシーナリー研究開発室 】
ハイケルがやって来ると見上げて言う
「これは…?」
グレイゼスが振り向いて言う
「お?来たか ハイケル 丁度 今 お前用のマシーナリーの設定が終わった所だ 第一訓練所へ向かうんだったら ついでに こいつを持って行ってくれると手間が省けるんだが?」
ハイケルが言う
「了解 …だが マシーナリーへは あのジェットエンジンを取り付ける 予定ではなかったのか?」
ハイケルが単体のジェットエンジンを見る グレイゼスが言う
「それは予定ではあるが 本格導入には もう少し実験と検証が必要だ ハブロス司令官からも 安全性を重視しろと言われているしな?」
ハイケルが言う
「私は そのハブロス司令官の命令で 昨日先行して 導入されたマシーナリーを用いた 作戦を決行したのだが?」
グレイゼスが衝撃を受けてから苦笑して言う
「ああ… まぁ その昨日の結果もある事だし 今のまま 1回使用する度に 水難救助作戦も付属になる様じゃ とても実戦的では無いだろう?プクク…ッ」
ハイケルが言う
「そうだな 水難救助訓練及び水泳訓練は 訓練内容へ組み込んだ事がない そうとなれば…」
グレイゼスが衝撃を受けてから言う
「あぁーっ!?いや いや!その訓練はやらなくても良いように 導入までにはしっかりセッティングを行って置くから」
ハイケルが言う
「そうか では…」
グレイゼスが言う
「それと ハイケル?今日はART1は公休だろう?それでも来たって言うのなら お前なりに何か個人的に訓練でも して置きたかったのかもしれないが…」
ハイケルが言う
「いや 特にその様な予定は無いのだが?」
グレイゼスが言う
「そうか それなら 少し その… ラミリツ隊長の様子を 見て置いて貰えないか?」
ハイケルが言う
「ラミリツ隊長がどうかしたのか?今日はラミリツ隊長にも ART2の隊員らが居る そうとなれば 何も問題は無い筈だが?」
【 ART 第二訓練所 】
ART2マシーナリーたちが訓練を行っている ラミリツが視線を落し考えている ハイケルがやって来て言う
「ラミリツ隊長」
ラミリツが反応し顔を向けると言う
「ん?ああ… アンタも来てたんだ?」
ハイケルがART2マシーナリーたちを見てから ラミリツを見て言う
「部隊訓練指導が行えない 心境であると言うのであれば 昨日の礼に 私が受け持っても構わないが?」
ラミリツが呆気に取られて言う
「え?部隊訓練指導が 行えない心境って…?」
ハイケルが言う
「昨日の作戦時に置ける 自身の失態に落ち込んでいる様子だと マスターグレイゼス中佐より 話を聞いた」
ラミリツが不満そうに言う
「もう… マスターの癖にそう言う気配りって言うのは 分からないのかなぁ 余計な事言うんだから…っ それに 落ち込んでいるんじゃなくて 僕は …悩んでいるって言うか?」
ハイケルが言う
「落ち込んでいると 悩んでいると言うのは ほぼ同じ定義であると私は 認識しているが?」
ラミリツが衝撃を受けてから言う
「そ…?なら どっちでも良いけど …そうだよね?作戦通りだったとは言え あんな絶好のタイミングを飛び逃しちゃう 悪魔の兵士よりは よっぽど…」
ハイケルが衝撃を受けてから言う
「…っ …悪かったな」
ラミリツが思い直して言う
「…ねぇ?それじゃさ?」
ハイケルが疑問してラミリツを見る ラミリツがハイケルを見て言う
「あの瞬間 もしあのまま ターゲットを飛び逃しちゃう事が無かったら アンタは… あの女性のアークを 斬る事が出来た?」
ハイケルが言う
「私は そちらの予定だったのだが?」
ラミリツが視線を落して言う
「…そ?…だったら …アンタはやっぱ 優秀な悪魔の兵士なのかもね?」
ハイケルが疑問して言う
「私が優秀な…?いや?私は… 真に不甲斐なく申し訳ない 悪魔の兵士だが?」
【 ART マシーナリー研究開発室 】
ワンマスが言う
「…と言う事で 現状のART1とART2の特性から考えると」
グレイゼスが言う
「なるほど 420マシーナリーは確かに機敏性には優れているが その性能故に各所の軽量化を含めて全体的に繊細に作られている 対する210マシーナリーは初期タイプらしい頑丈さと 機械的に無骨な造りのお陰で 各所のパーツやシステムも単純故に剛性が高い」
ワンマスが言う
「そうです ですから ART2は兎も角として 元々重量の大きい 銃火器を装備するART1に置いては むしろ 420ではなく210マシーナリーの方が 向いているのではないかと思われるのですが 現に昨日の戦いの様子を見ていても ART2のラ… ラ、ラミ ラミリ… 隊長は…」
グレイゼスが苦笑して思う
(あぁ… やっぱり まだ 呼び辛いんだ?頑張ってるのは 分かるんだが…)
ワンマスが苦笑して言う
「…いえ!ART2隊長はっ!」
グレイゼスが衝撃を受けて思う
(名前を呼ばない作戦で打ち消したっ!?)
ワンマスが言う
「前線へ向かい 多くの動きをこなしていましたが 他の 特に銃火器を構えたART1のマシーナリーたちは 基本的な動きは少なく 後方からの支援と言う形で それは 今回に限らず 元々 銃火器と言うものは 狙いを定めて撃つものなのでしょうから 必要なのは機敏性よりも安定性では無いかと そして、そうであるのなら尚更に このジェットエンジン自体も ART1とART2では 別々のジェットエンジンを用いる方が 良いと思うのです」
グレイゼスが言う
「別のジェットエンジンを用いると言うと?それは…?」
ワンマスが言う
「そもそも 遠距離攻撃が可能なART1へは 着地への緩和だけで 上空まで向かう機能と言うのは 不要でしょう?」
グレイゼスがハッとする ワンマスが苦笑して言う
「昨日も あのピンク色のマシーナリーの銃撃のタイミングを計ったのは その衝撃が強過ぎると言う事から あえて その衝撃の緩和が図られる上空50メートルまで 射撃命令を留めていたのですから」
グレイゼスが言う
「そうですね!?それらはっ 仰る通りだと思います では…っ!」
グレイゼスが思う
(210マシーナリーと420マシーナリー 2つのマシーナリーを使ってのシュミレーションと設計を!)
グレイゼスが微笑して言う
「早速!」
出入り口からラミリツが言う
「あ、居た居た!」
グレイゼスが声に反応して振り返ると言う
「うん?ラミリツ隊長?ああ ラミリツ隊長からのご注文の あの装置は 420による実験や そもそもの調整が必要ですから まだ もう少し… って?」
ラミリツに続いてハイケルがやって来る 2人がグレイゼスの前にやって来ると グレイゼスが疑問して言う
「うん?2人揃って 俺に何か…?…ハッ!」
グレイゼスが衝撃を受けて閃くと ラミリツが微笑して言う
「マスターグレイゼス中佐!」
ハイケルが言う
「…グレイゼス」
グレイゼスが表情を顰めて言う
「まさか…?」
ラミリツが言う
「ごめーん?」
ハイケルが言う
「すまない…」
【 ART 第二訓練所 】
MハイケルとMラミリツが大破している ラミリツが微笑して言う
「僕のマシーナリー 壊れちゃった!」
ハイケルが言う
「私のマシーナリーが 破損した」
グレイゼスが怒って言う
「壊れちゃったでも破損したでもなくてっ 壊したんでしょっ!また 君たちがぁああっ!」
ART2隊員たちが呆れている
【 ART マシーナリー研究開発室 】
グレイゼスがコンソール席へ腰を降ろして言う
「まったくっ 落ち込んでいたと思ったらっ」
グレイゼスが顔を上げると 微笑して思う
(…でも 元気になってくれて良かった)
グレイゼスの視線の先モニターに 食堂の映像が映っていて ART2隊員たちとラミリツとハイケルが食事をしている様子が見える ラミリツは軽く笑ったりしている グレイゼスが苦笑して言う
「まぁ その代償は ちょっと大きかった訳だが…」
グレイゼスがコンソールを操作すると 第二訓練所から大破したMラミリツとMハイケルが搬出されている グレイゼスがコンソールを操作して言う
「結局 昨日 緊急調達を依頼したマシーナリーは 全て その彼らに消費されてしまったのだし…」
モニターに塗装室の映像が映され M420がART2カラーリングにされている グレイゼスが言う
「昨日の内に2機じゃなくて 2、3機って言っておいたのは正解だったな?もし 用意してもらっていたのが2機だったら ラミリツ隊長の為に また取り急ぎ調達してもらわなければいけなかった …それじゃ」
グレイゼスがコンソールを操作しながら思う
(ハイケルのマシーナリーを用意するのは この際 明日でも良いだろう?今日は210マシーナリーを使った実験に また付き合ってもらえば)
グレイゼスが言う
「この予定なら 後は調達依頼を掛けてさえ置けば いつもの通り明日の朝には 調達して来てくれるだろうから …我らが司令官様は お忙しいからな?となると?えーと 420を取りあえず3機… いや この際5機位にして置くか?後は」
グレイゼスがふと気付いて思う
(あれ?そう言えば…)
グレイゼスが首を傾げて言う
「210マシーナリーの在庫って 何機あったかな?」
グレイゼスが立ち上がり部屋を出て行く
【 ART マシーナリー保管庫 】
グレイゼスが苦笑して言う
「あっちゃぁ~…」
グレイゼスの視線の先 210以外のマシーナリーの在庫しかない グレイゼスが思う
(そうだった 210なんて 初期の初期マシーナリーだから それこそ 必要ないだろうって…)
グレイゼスが苦笑して言う
「たまたま 運ばれて来たものも 初期実験なんかに使われて そもそも在庫管理さえしていなかったんだ」
グレイゼスが考えながら言う
「参ったなぁ?330は機体形状が異なるし 560に関してはあのデカイ図体を 空へ飛ばすなんて事は持っての外だ ここへ来て まさかマシーナリーの初世代を必要とするとは…」
グレイゼスが衝撃を受けて思う
(しょ、初世代の重要性が…)
グレイゼスの脳裏にハイケルの姿が映り言う
『真に不甲斐なく申し訳ない 初世代の悪魔の兵士だっ 悪かったな』
グレイゼスが苦笑する エミーが出入り口から言う
「あ、居た居た!」
グレイゼスが衝撃を受けて言う
「えっ!?まさか またっ!?…って 何だ エミー君か…」
グレイゼスがホッとする エミーが疑問して言う
「え?誰だと思ったんですか?マスターグレイゼス中佐?」
グレイゼスが苦笑して言う
「あぁ、いや?また ラミリツ隊長かと思って… けど 彼らは今昼休憩中だし 今度こそ 訓練中に実戦武器を使用しない様にって キツく言って置いたから 大丈夫だと思うんだけど」
エミーが軽く笑って言う
「そうですね また整備したばかりのマシーナリーを壊されては 大変ですからね?」
グレイゼスが言う
「ホントだよ 今朝の今朝に用意したマシーナリーを…」
エミーが言う
「そのラミリツ隊長やART2の皆が昼食を終えたみたいなので 私たちも休憩にして食堂に行こうと思うんですけど 中佐も行きませんか?」
グレイゼスが言う
「ああ、そうだな それじゃ …あ、いや?その前に」
通路
グレイゼスが歩きながら言う
「流石に今必要とする 420も210も無いとなれば やっぱり 緊急で依頼を掛ける外に無い 昨日の今日で これもまた… それこそ 俺が怒られそうだけど」
グレイゼスが溜息を吐いて思う
(これって 俺のせいなのか?むしろ やんちゃな攻長閣下や その誘いに毎回乗ってしまう 悪魔の兵士さんのお陰なんだけど…)
グレイゼスが言う
「って言えば お許しをもらえるかな…?」
グレイゼスが苦笑して顔を向けて思う
(とは言え 今日も我らが司令官様の午後は忙しかったりするのか?だとすると 流石に今日も休憩中にとは 行かないか…?)
グレイゼスが言う
「となると… うん?」
グレイゼスの視線の先 秘書の席が空席になっている グレイゼスが疑問して言う
「あら?」
グレイゼスが時計を確かめてから思う
(昨日より 早い時間だが?もう昼休憩に入ってしまったかな?)
グレイゼスが周囲を見てから言う
「え~っと それじゃ…?」
グレイゼスがドアを見て思う
(秘書からのコールは無しでも 入って良いのかな?)
グレイゼスが秘書席のコンソールを操作してから言う
「うん 中には居るみたいだし…」
グレイゼスが思う
(なら 良いか?…あれ?それとも ここの電話から内線を入れて 入室許可を取るべきか?えーと…?)
グレイゼスが表情を困らせて言う
「…参ったな?普通はこう言うの …どうしたら良いものなんだ?」
グレイゼスが思う
(あぁ… こんな時はやっぱり 高位富裕層の世界を知らない 最下層の俺には分からない所で…)
グレイゼスが困って言う
「うーん…」
秘書がトレーに紅茶を乗せやって来ると 気付いて言う
「マスターグレイゼス中佐?」
グレイゼスが反応して振り返ると表情を明るめて言う
「お?助かった!」
グレイゼスが思う
(あのティーカップは… そうか 給湯室へ ハブロス司令官のお茶の用意をしに 行っていたんだな?)
秘書が言う
「ハブロス司令官へ 御用件ですか?」
グレイゼスが言う
「ああ、そうなんだよ またコールしてもらえるかな?」
秘書が微笑して言う
「でしたら 私も只今入室致しますので どうぞご一緒に?私はこちらをお出しして 直ぐに下がりますので」
グレイゼスが言う
「ああ そういうもの?分かった それなら」
秘書が言う
「はい」
秘書が一度デスクへトレーを置くと 簡易冷蔵庫から林檎の幼果を取り出し 銀の皿へ置く グレイゼスが気付いて思う
(うん…?あの… 林檎?確か 昨日も?)
秘書がトレーを持ち直して言う
「では 参りましょう?」
グレイゼスが反応して言う
「あ、うん」
秘書とグレイゼスがドアへ向かう
【 ART 司令官室 】
秘書とグレイゼスがやって来ると グレイゼスが疑問して思う
(あれ?食後のお茶を 持って来たって言うのに…?)
秘書が言う
「お疲れ様で御座います ハブロス司令官 お昼のお茶をお持ち致しました」
アースが作業をしつつ時計を見て言う
「うん?ああ そうか 今日の午後は少し早いのだったな?」
秘書が言う
「はい 先方のご都合に合わせますので こちらのART本部を30分ほど早く 12時30分頃お出になられると 丁度良いと思われます 少々お時間を変える事になりますが 昨日のご予定でしたものを 本日へ変更させて頂きましたもので」
グレイゼスが思う
(なるほど つまり 昨日の あの時行く予定だったものを 変更したと… それじゃ)
アースが言う
「そうだな そちらは仕方が無い では 今から1時間休憩を…」
アースがグレイゼスに気付いて言う
「うん?マスターグレイゼス中佐?」
グレイゼスが気付き言う
「あ、はい 失礼します」
秘書がデスクへお茶の用意をして言う
「何か御用件がおありとの事でしたので …では 私は これで」
アースが秘書へ言う
「ああ」
秘書が下がって行く グレイゼスが秘書を見てからデスクに置かれたお茶の用意と周囲の様子を見て思う
(うん?あれ?…どう言う事だ?先ほどの様子と言い この状態は とても 昼食を取っていた様子では無いんだが…?)
アースが言う
「それで?」
グレイゼスがハッとする アースが言う
「何か用があるのだろう?」
グレイゼスが言う
「あ、はい その…」
グレイゼスが思う
(そうだった 今はそれより…)
アースが言う
「また マシーナリーの緊急調達依頼か?」
グレイゼスがハッとして言う
「あ、はいっ そうです」
アースが軽く息を吐いて時計を見てから言う
「そうか では そちらも… 今度は何を何機だ?」
アースが角砂糖へ手を伸ばす グレイゼスが言う
「はい えー…と」
グレイゼスが思う
(この香りは スフォールティーだな?となれば 砂糖は少なめに… むしろ入れずに その香りと 元から感じられる まろやかな風味を…)
グレイゼスが言う
「420と210を… 実験用に3機と ART1用に30機…」
アースが衝撃を受けてから不満そうに言う
「その数が緊急調達要請か?」
グレイゼスがハッとして言う
「…あっ!ああっ いえ!そうでした!…えっと そうなると… そうですね?えー…?」
グレイゼスが思う
(しまった…っ 他の事に考えが行っていて 肝心のマシーナリーの 緊急要望数を考え忘れてたっ!)
グレイゼスが言う
「ちょ、ちょっと待って下さい?今 考え直しますので…」
アースが呆れて言う
「…考えずに来ていたのか?」
グレイゼスが苦笑して言う
「すみません…」
アースが軽く息を吐く グレイゼスが思う
(えっと…?今必要なのは…?まずは… そうだな?何と言っても 実験に必要な 210マシーナリーを…)
アースがグレイゼスを一瞥してから軽く息を吐き 書類を確認してからモニターを見て 思い出したように紅茶へ砂糖を3つ入れる グレイゼスが思う
(…と?スフォールティーに角砂糖を3つ…?へぇ?意外と甘党なんだな?どちらかと言えば 弟のアーヴィン君の方が甘党であるように見えるが… やっぱり 人は見掛けに寄らないと言うか?これでも一応 喫茶店のマスターとして それなりに 客を見れば大体の好みが分かるつもりでは居たんだが…?)
アースが一度グレイゼスを見る グレイゼスがハッとして思う
(あっ!いかんいかんっ 今はそんな事より…っ)
アースがグレイゼスを訝しんでから 紅茶へ角砂糖を2つ追加する グレイゼスが衝撃を受けて思う
(なぁああっ!?2つ追加したっ!?スフォールティーに!?いや!?そもそも紅茶に 角砂糖5つって!?それはいくらなんでも 多過ぎっ!)
アースが不満そうに言う
「考えは纏まったのかっ!?マスターグレイゼス中佐っ!?」
グレイゼスが衝撃を受けて言う
「ああっ!?い、いえっ す、すみませんっ」
アースが苛立ちを抑えつつ紅茶をかき混ぜ一口飲むと衝撃を受ける グレイゼスが苦笑して思う
(…いや 甘いでしょう?それは それこそ… とても飲めない位に…?)
アースが紅茶の甘さに思わず言う
「…クッ」
グレイゼスが苦笑して思う
(コーヒーなら兎も角 紅茶でそこまで甘くしてしまったとあっては もはや 新しいのを入れ直すしか…)
アースが紅茶を一気に飲み干す グレイゼスが衝撃を受けて思う
(って!?飲んだーっ!?)
アースがティーカップをコースターへ置いて言う
「でっ!?」
グレイゼスが衝撃を受けて言う
「ハッ!?」
【 ART 食堂 】
ハイケルが言う
「では 実験は12時30分以降と言う事だな?」
グレイゼスが昼食を食べながら言う
「いや、その頃にハブロス司令官が 210マシーナリーを2機持って来てくれる筈だから そいつにジェットエンジンを取り付けて まずは昨日までと同じセッティングを施した上で 上昇機能ではなくて降下機能の方のチェックを行う予定だから 実験開始時間は… そうだなぁ?」
ハイケルが言う
「了解 …では そちらのセッティングが終わった頃にでも 研究開発室へ向かう それまでの間は 第二訓練所にて ART2の様子を確認して置く 呼び出しコールを頼む」
グレイゼスが言う
「ああ、そうだな?了解!」
ハイケルが頷いてからコーヒーを飲み干して立ち上がる グレイゼスがふと気付いて言う
「あ、そうだ ハイケル?」
ハイケルが動作を止めてグレイゼスを見る グレイゼスがハイケルの手にある紙コップを見てから言う
「ちょっと聞きたいんだが お前 ハブロス家で ハブロス司令官と 夕食を一緒に食べたりしているんだろ?」
ハイケルが言う
「そうだな 可能な限り そちらの時間に合わせるようにと言われている」
グレイゼスが言う
「ああ、それなら 食後のお茶なんかも一緒に飲んでるよな?ハブロス司令官は …普段も割りと甘党なのか?紅茶に角砂糖5個も入れるくらいに?」
グレイゼスが思う
(まぁ あれは ひょっとしたら 俺の返答が遅い事への 苛立ちだったのかもしれないが)
ハイケルが疑問して言う
「ハブロス司令官が 甘党?紅茶に角砂糖5個?」
グレイゼスが思い出してから言う
「あぁ~ いや、5個はちょっと 大げさと言うか… うん!それでも 3個は入れているだろう?さっきも 最初に入れたのは3個だったし?」
ハイケルが考えてから言う
「…俺の記憶にあるハブロス司令官は お茶といえば いつもコーヒーを飲んでいるのだが?」
グレイゼスが反応して言う
「あら?そうなのか?…なら それでも 砂糖は割と多めに?」
グレイゼスが思う
(甘党でコーヒーを飲むと言ったら それこそ 5個位は入れるかもな?)
グレイゼスが苦笑して言う
「もしかしたら さっきのは その癖で…?」
ハイケルが言う
「いや?ハブロス司令官は 砂糖は入れない」
グレイゼスが疑問して言う
「え?」
ハイケルが言う
「俺も同じポットから注がれるコーヒーを飲んでいるが 元から入っているという様子も無い そうとなれば やはり 砂糖は入れていないものと思われるが… それが どうかしたのか?」
グレイゼスが呆気に取られて言う
「…そうなのか?あ、いや?特に 何って訳じゃないんだが…」
ハイケルが言う
「そうか では 呼び出しコールを頼む」
グレイゼスが言う
「ああ、分かった」
ハイケルが立ち去る グレイゼスが疑問して思う
(なら あれは…?)
グレイゼスが言う
「何だったんだ?」
グレイゼスが首を傾げる
【 帝国 】
アースがM210の前でエレキギターを弾いている M210のレッドシグナルが消灯し グリーンシグナルが灯る アースが言う
「よし これで2機目 後は出来れば420を1機と言われたからには 昨日の様に」
アースが顔を上げギターを構えようとすると衝撃を受け口を押さえて思う
(やはり 砂糖5個は多かった… お陰で 気分が…)
アースが表情を苦しめてから 時計を確認して言う
「最低ノルマの210を2機は達成した 情けないが今日はこれで良いか…?」
アースが立ち去ろうとしてから気を取り直して言う
「…いやっ 駄目だ!私はっ!」
アースが思う
(それこそ たかが砂糖の甘さになどにっ 負けていられるかっ!)
アースが気を取り直してギターを構える
【 ART マシーナリー保管庫 】
グレイゼスがコンソールを操作するとゲートが開かれるM210が2機に続いてM420が2機付いて来る グレイゼスが気付いて言う
「あら…?」
グレイゼスが思う
(時間的に 休憩時間中に持って来られるのは 昨日と同じ位だって言うから 210を2機と出来れば420を1機と頼んだんだが… これなら3機と1機で頼んでおくべきだったか?…いや?)
グレイゼス苦笑して言う
「元はと言えば 210を2機でも 十分だったんだし?そこまでは言えないな…?」
マシーナリーが到着して先頭のマシーナリーのコックピットが開かれ アースが出て来るとグレイゼスが言う
「今日も休憩中に すみませんでした 210だけでなく 420も …2機も 持って来て頂きまして?」
アースがM420を見てから言う
「420は1機を誘っていた所 もう1機も付いて来た為に そのまま連れて来ただけだ」
グレイゼスが衝撃を受けて言う
「え?あ… そう言う事もあるんですね?」
アースが言う
「今までは無かったのだが… そうだな 少し 気合を入れ過ぎたのかもしれん」
グレイゼスが衝撃を受けて思う
(き、気合を…?)
アースが視線を逸らして思う
(…嘘は言っていない まぁ、実際は吐き気を晴らそうと 歌っていた影響なのかもしれないのだが …流石に そちらは言えないからな?)
アースが気を取り直して言う
「…まぁ そう言う事だ では これで良いな?」
グレイゼスが言う
「あ、はい 本当に助かりました 有難う御座います」
アースが言う
「ああ」
アースが立ち去る グレイゼスがマシーナリーたちへ顔を向けて言う
「さて それじゃ 早速」
マシーナリーたちの起動シグナルが消えているが 内1機のM420だけがアースの去った先へ向いていた状態から起動シグナルが消える グレイゼスが呆気に取られてから 苦笑して言う
「本当に 不思議だよなぁ?このマシーナリーって奴らは…?」
【 ART 第二訓練所 】
ART2マシーナリーが銃撃訓練をしている ラミリツが見上げていて言う
「どお?何か違う?」
ART2マシーナリーがラミリツを見下ろして ART2マシーナリーハイケルが言う
「いや 特に 普段使用している ART1のマシーナリーと変わりない」
ラミリツが言う
「あれ?そうなんだ?」
ART2マシーナリーハイケルが言う
「ART2のマシーナリーへは 銃撃プログラムは設定されていないとの話だが そちらの違いも感じられない」
ラミリツが疑問して言う
「え?それじゃぁさ?ひょっとして アンタ そのマシーナリーに設定されている ART2用の剣術プログラムも 感じられないんじゃない?」
ART2マシーナリーハイケルが言う
「そうだな 特に その様なプログラムなども 感じられない」
ラミリツが言う
「何だ それじゃ 折角取り入れているプログラムの意味 無いじゃない?つまり ART1は皆 設定プログラムを無視して マシーナリーを使ってるって事?」
ART2マシーナリーハイケルが言う
「いや 私を除いた ART1の隊員たちは そちらのプログラムを使用している… 予定だ そちらのプログラムを使用する事で ART1スペシャル隊員であるシーナ隊員の技が 使用出来るものと認識している」
ラミリツが言う
「そ?なら つまり 隊員たちは使っている予定でも アンタ自身は使ってない予定… って言うか そもそも感じられない様じゃ それって使えない予定って事?」
ART2マシーナリーハイケルが衝撃を受けてから言う
「そちらの予定… である予定なのかもしれない」
ラミリツが溜息を吐いて言う
「呆れた やっぱ 欠陥品?」
ART2マシーナリーハイケルが言う
「悪かったな」
所内放送が聞こえる
『こちらマシーナリー研究開発室 マスターグレイゼス中佐 ART1隊長ハイケル少佐 そちらに居るか?』
ラミリツが顔を上げて言う
「あ、アンタの呼び出し?」
ART2マシーナリーハイケルが言う
「マシーナリー研究開発室へ 返答を…」
ART2マシーナリーハイケルがコンソールへ向くと衝撃を受ける ラミリツが呆れて言う
「…オマケに天然?マシーナリーと同化してるって事 忘れてたの?」
所内放送が聞こえる
『こちらマシーナリー研究開発室 マスターグレイゼス中佐 ART1隊長ハイケル少佐 そちらに居ないのか?』
ART2マシーナリーハイケルが起動停止する ラミリツが様子を見て言う
「まったく 世話が焼けちゃうよ?」
ラミリツがコンソールへ向かいスイッチを押して言う
「こちらART2隊長 ハイケル少佐なら居るよ そっちへ向かわせれば良い?」
ART2マシーナリーハイケルのコックピットが開かれハイケルが顔を出す
【 ART 食堂 】
TVでニュースが流れていてキャスターが言う
『こんにちは 午後3時のニュースをお伝えいたします まず最初のニュースです 本日午後1時過ぎ 政府管轄の懇談会に…』
休憩を取っているART2隊員たちがTVへ顔を向ける
【 ART マシーナリー研究開発室 】
ワンマスがメガホンを持って言う
「では 状態そのままで!作業班!30メートルまで ワイヤー上げてくれ!」
ワンマスの前M210マシーナリーがワイヤーにつるされた状態でジェット噴射を行っている 作業員たちが機材の操作を行いM210を見ると M210がワイヤーに引かれて上昇して行く ラミリツが見上げて言う
「もしかして ワイヤーで支えながら 上昇させて 様子を見ようって作戦かな?」
ラミリツが視線を向けると グレイゼスがコンソールで操作を行っている ラミリツが微笑してからそちらへ向かい グレイゼスの横で言う
「マスターグレイゼス中佐!」
グレイゼスがハッとして振り向くと言う
「うん?ああ、ラミリツ隊長?えっと…?何か?」
ラミリツが言う
「ううんっ 別に?用って訳じゃないんだけど 状況はどんな感じなのかなって?今やってるあの実験は?あれって 僕が頼んだ奴でしょ?」
グレイゼスがラミリツの示すものを見てから言う
「あぁ、いやいや あちらは 210マシーナリーの… ART1の衝撃緩和システムの最終実験で ラミリツ隊長に頼まれた方は 今 こっちの420で…」
グレイゼスがコンソールのモニターを見る ラミリツが疑問して言う
「え?210と420って…?それじゃ ひょっとして?ART1とART2のマシーナリーは 別のものになるって事?」
グレイゼスが微笑して言う
「あ、そう言えば お知らせして無かったですね?そうなんです 今回から ART1はRTD210マシーナリーを ART2は現行のままRTD420マシーナリーを基に そちらへジェットエンジンや それぞれ必要なセッティングを整えて 専用のマシーナリーを作ろうと言う事になりまして!…ですので 今実験を行っている210マシーナリーはART1のものです そして ART2の方も…」
グレイゼスが示すとその先でジェットエンジンの付いたM420が整備されている グレイゼスが言う
「あちらの420マシーナリーを使った実験を行い 最終セッティングを決定すると言った所です 420に関しては昨日取ったデータがあるので 上手くすれば 明日にもラミリツ隊長のART2の隊員を使った 試運転が出来るかもしれませんよ?」
ラミリツが表情を明るめて言う
「そうだったんだ!?何か 良いね?それ!それぞれの長所を生かしたマシーナリーが 専用に用意されるって事でしょ?」
グレイゼスが一瞬呆気に取られた後微笑して言う
「…そうですね?そう言う事になります!」
グレイゼスが思う
(言われて見れば 整備をする側の俺たちにしてみれば それぞれの短所を補えるマシーナリーを選択したつもりだったが それは 逆に考えれば それぞれの長所を生かすと言う事にも なるのかもしれないな?)
グレイゼスが言う
「比較的重量のある銃火器を扱うART1とは異なり 元の重量そのものは軽いセイバーを使い 機敏に動き回るART2へは やはり 身軽で繊細な動きの出来る 次世代型の420マシーナリーが向いていますからね?それと その重量バランスの違いからも 210マシーナリーのセッティングは 420マシーナリーには使えないと言う事が データ上でもはっきりと現れています」
ラミリツが言う
「そうなんだ?それじゃ 尚更 そこはしっかりと実験も やって置かないとね?」
グレイゼスが言う
「はい ですので ART2のラミリツ隊長や皆さんには もうしばらくお時間を頂きますが ご了承を?」
ラミリツが微笑して言う
「了解!」
グレイゼスが微笑する 後方でM210が着陸すると ワンマスが言う
「これで こちらの210マシーナリーの実験は終わりです お疲れ様で御座いました ハイケル・ヴォール・アーヴァイン少佐」
ハイケルがM210のコックピットから出て来る グレイゼスが振り向いて言う
「お?終わったか それじゃ ハイケル 次は昨日の続きで420マシーナリーの実験だ」
ハイケルが言う
「了解」
ラミリツが気付いて言う
「え?…ねえ!?ちょっと待ってよ?」
グレイゼスが疑問して言う
「はい?何か」
ハイケルが疑問する ラミリツが言う
「さっきの210マシーナリーは ART1専用だって言うんだから分かるけどさ?次に実験する420マシーナリーは 僕らART2専用になるって事でしょ?」
グレイゼスが言う
「はい そうですね?」
ラミリツが言う
「なら 実験だって ART2の… って言うかさ?それなら 僕がやるよ?」
グレイゼスが驚いて言う
「え!?いや それは…っ!」
ラミリツが言う
「何?駄目なの?」
グレイゼスが苦笑して言う
「お気持ちは分かりますが そちらの420マシーナリーの実験は まだ2回目ですので…」
ラミリツが言う
「だったら 何?」
グレイゼスが言う
「え?何って… もちろん 危険ですから?」
ラミリツが言う
「危険だからって?コイツがやるのと僕がやるのと 何か違うって言うの?それに 違うのなら 尚更 それこそ ART2の隊長である 僕がやるべきだと思うけど?」
グレイゼスが言う
「我々としましても ART2専用にすると決まっている以上は そのART2のラミリツ隊長に ご協力を頂ける事は嬉しいのですが ジェットエンジンを用いた実験には 命の危険がありますので… 現に昨日行った 1度目の実験は失敗しまして」
ラミリツが言う
「あぁ、そう言えば… だけど それで?結局 どうなったの?」
ラミリツがハイケルを見る ハイケルが言う
「私は無事だったが 420マシーナリーが1機 破損した」
ラミリツが言う
「何だ それじゃ無事だったんじゃない?」
ハイケルが言う
「共に その時得られた感覚によって 後の210マシーナリーの実験の際も 応用が可能となった 従って あの実験は失敗ではあったが 体感を得るという意味に置いては 有益な実験内容だった」
ラミリツがハイケルを見て言う
「それなら 尚更?」
グレイゼスが言う
「ああ、それなら これから行う 420マシーナリーの2回目の実験も 上手く行くかもしれないな?」
ハイケルが言う
「そうだな そちらの可能性が示唆される」
ラミリツが言う
「待ってよ!?それじゃ やっぱ駄目なんじゃない?」
グレイゼスとハイケルがラミリツを見る ラミリツが言う
「実験は失敗をしても 体感を得るという意味に置いては 成功だったんでしょ?だったら やっぱ 420マシーナリーを使う その実験は 僕がやる!これ 絶対っ!」
ジェットエンジンが取り付けられた420マシーナリーのコックピットにラミリツが居る グレイゼスがモニターに映るラミリツへ言う
「それではこれより 前回の実験の続きを… と言いますか」
モニターに映っているラミリツが言う
『その前回の実験に参加した アイツから ジェットエンジンの作動スイッチを押す前に マシーナリーの上体を 上げるようにするってレクチャーなら聞いたよ?それに アンタが作った状態固定プログラムだって設定されているんだったら これなら 絶対 大丈夫でしょ?』
グレイゼスが困り苦笑でコンソールを操作しながら言う
「それは組み込みはしましたけど そもそもそちらのプログラム実験だって 初めてな訳ですから…?」
グレイゼスが困りながらコンソールを操作して思う
(一応 大丈夫な予定なんだが?そもそも それだって 予定であって… 確定じゃなくて しかも 実験の被験者は 何度でも蘇る悪魔の兵士ではなくて 一度も蘇る事がない攻撃の兵士 またの名を 国家家臣攻長閣下であって …)
グレイゼスが苦笑して言う
「あぁっ もうっ 心配だなぁあ~っ!?」
グレイゼスが思う
(…助けてくれよぉ?ハイケル?)
【 ART 第二訓練所 】
ハイケルが言う
「この後の訓練は ラミリツ隊長に代わり 私が受け持つ事になった …とは言え 行う訓練は 通常通りで良いとの事だったのだが?」
シュナイゼルが言う
「はい 我々ART2の午後の通常訓練は 一日の訓練の成果を見る為に 模擬実戦訓練を行う事となっております」
ハイケルが言う
「そうか では そちらを… 必要ならば 私も 手を貸すが?」
ART2隊員たちが顔を見合わせる シュナイゼルが微笑して言う
「そうして頂けますと 助かります」
ハイケルが言う
「了解 では ラミリツ隊長から使用許可は得ている」
ハイケルがART2-01号機を見る ハイケルが続けて言う
「それと共に 私は ラミリツ隊長の剣術を見た事がある 従って お前たちの相手は セイバーを用いた ラミリツ隊長の真似にて相手をしようと思うが …それで良いか?」
シュナイゼルが言う
「お願い致します ハイケル少佐」
ハイケルが言う
「了解」
【 ART マシーナリー研究開発室 】
M420にフックが付けられ持ち上げられて行く M420内 作業員の声が聞こえる
『実験機420マシーナリー 上昇開始 高度10メートルを突破… 15メートル… 20メートルを突破…』
ラミリツが操縦桿に付けられているスイッチを見てから 正面へ向き直り意を決して言う
「…今度こそ 迷わないっ」
M420のグリーンシグナルが点滅する
【 ART 出入り口 】
アースと秘書が入って来て 秘書が言う
「15分程しか お時間は取られませんが そちらで宜しいでしょうか?」
アースが言う
「分かった 直ぐに戻る」
秘書が出入り口に留まると SPが言う
「我々は…?」
秘書が言う
「ARTの館内に置かれましては 危険は御座いませんので こちらでお待ち下さい」
SPが言う
「分かりました」
SPの2人が秘書の近くに留まる
通路
アースが歩きながら思う
(先ほどの感覚は何だ?まるで 以前の時と同じ…?)
アースの記憶に 実験でMハイケルが落ちた時の映像がフラッシュバックする アースが思う
(それも 今度は あの… 私の誘いに付いてきた 420マシーナリーが…?)
アースがマシーナリー保管庫の扉を開けて中へ入ると 周囲を見渡してから 近くにあったM420を見上げ 間を置いて言う
「…うん?お前と共に連れて来た もう1体の420マシーナリーはどうした?」
M420が起動してアースへ向き直るとグリーンシグナルが点滅する
【 ART マシーナリー研究開発室 】
M420のグリーンシグナルが点滅する 作業員の声が響く
「実験機 50メートルラインへ到達!」
M420の中 モニターに目下の映像が映る ラミリツが一瞬驚いて言う
「これが高度50メートル…っ」
ラミリツが思う
(下から見ているより ずっと高く感じる…っ 怖いっ)
ラミリツが震える手を押さえて思う
(けど ハブロス司令官は マシーナリーに乗らない状態でだって 平気で居たんだからっ それなら 僕だってっ!)
ラミリツが意を決して正面を見据える 作業員の声が聞こえる
『機体状態固定プログラム正常!マシーナリー角度異常なし!』
グレイゼスの声が聞こえる
『では ラミリツ隊長 実験を開始するが…』
ラミリツが言う
「了解!」
グレイゼスが言う
『うん では… ハイケルから聞いた通り 重心を後方へな?意識をしっかり持って?』
ラミリツが言う
「分かった 大丈夫 重心は 基本的に いつも後方へ向けているし 僕が失敗しても その時は 状態固定のシステムがフォローしてくれるんでしょ?」
グレイゼスが言う
『それは 予定ではあるんだが… それはそうとしても 最も重要なのはマシーナリーの操縦を行う 操縦者の操作になるから くれぐれも前方へは向けない様に!』
ラミリツが言う
「了解!絶対 後方ね?」
グレイゼスが言う
『ああ、そちらで… ではっ』
ラミリツが視線を強め 操縦桿を握る
グレイゼスが言う
「実験 開始!」
エミーが言う
「実験開始!フック解除します!」
皆が見上げる先 M420のフックが外されM420が落下する 作業員が言う
「実験機 40メートルラインを降下!」
グレイゼスが言う
「ジェットエンジン点火!」
ラミリツの声が聞こえる
『了解!』
M420の中 ラミリツが操縦桿を引き上げスイッチを押す M420が上体を引き上げてジェットエンジンを点火する M420が安定して下降を軟化する 皆が表情を和らげて言う
「「おおー!」」
M420の中 ラミリツが身を堅くしていた状態から 成功に気付いて気を和らげる エミーが言う
「成功っ!」
グレイゼスがホッとする モニターに表示がなされる エミーが一瞬驚いて言う
「え?プログラムが…?じょ、状態固定プログラム 始動を確認!」
グレイゼスが疑問して言う
「え?このタイミングで?…ハッ!まずいっ!」
M420の中 モニターに表示が現れる ラミリツが疑問して言う
「え?何か…?…うわっ!?」
M420がラミリツの操縦を無視した動きで後方へ反転する
M420が後方へ半回転するとジェットエンジンの影響で急落下する グレイゼスが叫ぶ
「実験中止っ!システムオールカットっ!」
作業員たちが自分の持ち場のレバーやスイッチを切る M420の中 電源が全て切られ真っ暗の中 ラミリツが叫ぶ
「うわぁああーっ!?」
グレイゼスが叫ぶ
「ラミリツ隊長っ!!」
皆が息を飲む M420の中 ラミリツが衝撃緩和された感覚の後 疑問して目を開くと 視線の先が透明シールドへ変わり その先を見て 呆気に取られて言う
「…え?」
皆の視線の先 M420がもう1機のM420にキャッチされている 皆が呆気に取られた状態からグレイゼスを見る グレイゼス呆気に取られた状態から言う
「あ…っ あのマシーナリーは…?保管庫にあった420!?一体誰がっ!?」
グレイゼスが意識を向けると M420のコックピットが無人だと分かる グレイゼスが疑問して思う
(無人?…それは そうだよな?そもそも 未調整のマシーナリーなんだから …となると?マスターの誰かが…?)
グレイゼスがハッとして顔を向けると 通路への出入り口から誰かが立ち去る姿が見える エミーがグレイゼスへ向いて言う
「中佐!実験機への入力 再開します!良いですか?」
グレイゼスがハッとして言う
「あ、ああ 実験機の再起動を!」
エミーが言う
「了解!ラミリツ隊長!聞こえますかー!?マシーナリーのシステムを復旧したので 再起動を!」
グレイゼスが通路へ向かうと 左右を見て気付いて言う
「あれは…っ?」
グレイゼスが思う
(ハブロス司令官…っ!?)
【 ART 出入り口 】
アースがやって来て言う
「待たせたな」
秘書が言う
「いえ お時間はご心配に及びません …ご用の方は如何でしたか?」
アースが言う
「ああ、原因が分かった 一度助ければ 後は何とかなるだろう 問題ない」
秘書が微笑して言う
「左様に御座いますか では これで安心して向かえますね?」
アースが苦笑して言う
「そうだな?」
アースと秘書とSPたちが立ち去って行く
【 ART マシーナリー研究開発室 】
エミーが言う
「今の実験は プログラムが稼動する前までは 状態は安定していたので これならもう!」
エミーが顔を向ける グレイゼスが苦笑して言う
「ああ まさか 安全の為に設置したシステムが 誤作動を起こすとは …おかしいな?設定上は上手く行く筈だったんだけど」
ラミリツがM420のコックピットから出てきて言う
「ねぇ!?今の実験って!」
グレイゼスが言う
「はい 実験は成功です 余計なプログラムのせいで 危険な目に合わせてしまって 本当に申し訳ありませんでした ラミリツ隊長」
ラミリツが苦笑して言う
「良いよ 安全の為に作ってくれたプログラムでしょ?結果は兎も角として 善意で行ったものを責める事はしないよ?」
グレイゼスが苦笑して言う
「有難う御座います しかし 本当に危ない所でしたから…」
ラミリツが言う
「そんなに気にしないでよ?大体 そのアンタが助けてくれたんでしょ?僕が乗っていた あの実験機を?」
グレイゼスが呆気に取られて言う
「え?」
ラミリツが言う
「流石マスターだよね?あんな高い所から落ちてくるマシーナリーを 衝撃緩和してキャッチするなんてさ?しかも 僕ら常人が抑えたら 神経接合ユニットに 凄い電流受けてただろうけど マスターの遠隔操作ならそっちの心配も無いもんね?」
グレイゼスが言う
「あ… いや あれは… あの420マシーナリーを操作していたのは 俺では無くて」
ラミリツが疑問して言う
「え?アンタじゃなくて?けど あのマシーナリー 無人でしょ?動き見れば分かるよ?動かされているって感覚がまったくなかったからね?あー言う動かし方出来るのって アンタたちの特徴だって 僕 知ってるし?」
グレイゼスが呆気に取られて思う
(…へぇ?流石は 俺たちと一緒に長い事 マシーナリー開発に携わってきただけの事はあるな?俺でさえ 見た目では分からない事を…?)
ラミリツが周囲を見渡して言う
「じゃぁ 誰だったの?お礼を 言わないと?」
グレイゼスが衝撃を受けて言う
「あっ えっと…っ!」
グレイゼスが思う
(ついでに 俺も俺で あのハブロス司令官の性格は 分かっているつもりだから… これは 参ったな?きっと 本当の事を言ったら 余計な事を言うなと…)
グレイゼスが苦笑して言う
「それこそ 殴られるかも?」
ラミリツが疑問して言う
「え?殴られるって?」
グレイゼスが慌てて言う
「あっ いえっ!その… 実は…」
グレイゼスが苦笑して思う
(仕方が無い ここは…)
グレイゼスが言う
「実はさっき… アニキさんが…」
ラミリツが衝撃を受けて言う
「えっ!?アニキがっ!?」
周囲の作業員らが顔を向ける ラミリツがハッとして口を押さえてから 気を取り直して言う
「あ… う、うんっ いや… あ、兄上が?」
グレイゼスが衝撃を受けてから苦笑して言う
「は、はい その… 兄上さんが そちらの通路から チラッと?その… 実験を覗いてらした様で?」
ラミリツが慌てて言う
「そうだったのっ!?嘘ぉっ!?」
ラミリツが慌てて通路へ出て左右を見る グレイゼスがやって来て苦笑して言う
「自分が確認した時には 既に 立ち去っていたので もう 見えませんよ?」
ラミリツが落ち込んで言う
「何だ… そうだったんだ…」
ラミリツが通路の先を見て言う
「アニ…」
作業員たちが注目している ラミリツがハッとして言う
「ア、アニ… あに… 兄上が…?な、何か!?よ、用だったのかな?僕に?それとも…?」
グレイゼスが苦笑して思う
(アニキ様… そのハブロス司令官は 今更だが ラミリツ隊長も… 高位富裕層って 俺ら最下層の人間が思っていたより 意外と 大変なんだな?)
【 メイリス家 食堂 】
ラミリツが食卓に着いていて疑問して言う
「あれ?兄上は…?」
メイドが言う
「シェイム様は 本日はまだ ご帰宅をされていらっしゃいませんが?ご確認を致しますか?」
ラミリツが言う
「そうなんだ?珍しい… あ、確認は良いよ?別に 用があるって訳じゃないから?」
ラミリツが思う
(あの時マスターグレイゼス中佐が言っていた アニキって 兄上じゃなくて… あっちのアニキの事だよね?僕は 兄上の事 兄貴って 呼んだ事はないし…)
ラミリツが疑問して言う
「…あ、でも?」
ラミリツが思う
(最下層の人って 誰でも 兄上の事 兄貴って呼ぶのかな?だとしたら あの時マスターグレイゼス中佐が言ったのは やっぱ 兄上だったって可能性も…?)
ラミリツが溜息を吐いて言う
「どっちにしても 会えなかったから しょうがないんだけど…」
ドアが開きフレイゼスが現れると 食卓を見てから言う
「おや?シェイム殿は まだお戻りではあられないようですね?」
ラミリツが言う
「うん そうみたい 何かあったのかな?政府警察で?」
フレイゼスが席に座ると言う
「そうですね 現在政府警察には1件 少々 面倒な事件がありまして」
ラミリツが言う
「え?そうなの?」
フレイゼスが言う
「はい、既にメディアでも 騒がれ始めているのですが 主に 政府系企業を狙った事件で 企業同士の会談や会合の場を襲撃し 大胆にもその場に居合わせた企業トップの者らを人質に その当人らに 自身の身代金を振り込ませるという手口でして」
ラミリツが呆気に取られて言う
「へぇ…?面白いね?」
フレイゼスが衝撃を受けて言う
「え?えぇっと… ラミリツ殿?こちらは事件ですので 決して 面白がって良いものでは…?」
ラミリツが言う
「だってそんなの 直ぐに捕まるの 目に見えてるじゃない?身代金を振り込ませるんだったら その振込み先や その銀行口座を洗えば 犯人たちなんてすぐ見付かるでしょ?」
フレイゼスが言う
「いえ そちらが どうも そう簡単には行かないらしく すでに 同犯行は4件行われており 政府警察の調査や防衛は 間に合っていない状態だそうです」
ラミリツが呆気に取られて言う
「4件も?だって それなら… それこそ犯行が起きた時に 警機を向かわせるとか そもそもの その会談や会合をやる時に もっと警備を強化したら良いんじゃない?」
フレイゼスが言う
「そちらも 上手く行かない様子でして まず 何しろ 被害にあっているのは 企業のトップやその辺りの重役ですから 政府警察や警機が到着するまでも無く 身代金を支払って身の保全を計る方が多いのです」
ラミリツが言う
「あぁ そうなんだ?ま、企業のトップって言うと 富裕層の中でも上の方の人だもんね?なら分かるかも?」
フレイゼスが言う
「それと、警備の強化もされてはいるのですが 政府系企業は数が多いので その企業たちからこぞって 警備強化の要請が入っている為 手が行き渡らなくなると… ともすれば 政府系企業を狙う理由は そちらの可能性もあるのでは無いかと?」
ラミリツが用意された食前酒を飲みつつ言う
「ふーん?でも犯罪とは言え 国内はやっぱ平和だよね?そんな犯人たちなんてさ?ARTに招集された 僕らスペシャルチームが要請を受けて向かえば すぐに逮捕出来ると思う …こっちは 今 世界を守る戦いを 命懸けでやってるって言うのに」
フレイゼスが苦笑して言う
「そちらは… 確かに ラミリツ殿やARTの活動に比べてしまえば 小事かもしれませんが… …あ、しかし?そうですよ?ラミリツ殿?」
ラミリツが疑問して言う
「ん?何?」
フレイゼスが微笑して言う
「そちらの政府系企業の会談や会合に参加しているのは 何も 政府系企業の方だけとは限りません それこそ 世界規模の戦いを行っていらっしゃる ラミリツ殿が現在居られる ARTであっても それら政府系企業との会談や会合を行い そちらから物資の供給を得る事で 結果として ARTの活動は行えていられる訳ですから?」
ラミリツが呆気に取られて言う
「あ… そっか?それじゃ… ん?あれ?もしかして それって?」
フレイゼスが微笑して言う
「そうですよ?ARTが参加する会合や会談ともなれば もちろん そちらのトップや重役として ご参加をされて居られるは…」
ラミリツが目を見開く
食堂のドアが開き シェイムがやって来て言う
「本日は 私が 夕食の時間を お待たせしてしまい 申し訳ありませんでした フレイゼス殿 それに エーメレス」
ラミリツがテーブルを叩いて立ち上がって言う
「夕食なんて いくら待たされたって 構わないよっ 兄上!」
シェイムが呆気に取られて言う
「エ、エーメレス?」
ラミリツが強い表情で言う
「政府系企業を狙った犯行を防ぐ為の 緊急作戦会議をしていたんでしょ!?話は聞いたよ!兄上が顧問官として 作戦を構築したんなら 今度こそ 犯人たちを逮捕してくれるよねっ!?兄上っ!?」
シェイムが呆気に取られた状態から表情をほころばせ 力強く頷いて言う
「も… もちろんだとも!エーメレス!私が!必ず 奴ら 悪しき犯罪者たちを 逮捕するとっ!メイリス家の信条に 誓おう!それに…っ」
シェイムが感無量の様子で思う
(私の政府警察顧問官への復帰となる この作戦を エーメレスが応援していてくれるとはっ!これ以上の応援が 一体何所にあろうかっ!?)
シェイムが力強く言う
「私の大切な家族っ 弟であるエーメレスっ お前にも!」
シェイムが思う
(誓ってっ!!)
ラミリツが言う
「うんっ!その僕の大切な 友人で 上官でもある ハブロス司令官だって!」
シェイムが衝撃を受ける フレイゼスが苦笑する ラミリツが強い闘志を持って言う
「そう言う 政府系企業との 会談とか会合とかに 参加してるんだからねっ!そのハブロス司令官を守る為に!ハブロス司令官の邪魔になる そんな犯罪者なんて すぐに逮捕してっ!明日にでもっ!何なら 僕らART2の皆だって 手伝うからっ!手や力が足りなかったら いつでも言ってよっ!ハブロス司令官の為だったら!ART2が!何より 僕が!全力で 向かうからねっ!兄上っ!」
シェイムが挫折して思う
(エーメレスーーっ!)
フレイゼスが苦笑して言う
「申し訳ありません シェイム殿 その… 政府警察への復帰を果たした 最初の大切な作戦を前にされている シェイム殿の覇気を 落させるような事をしてしまいまして…」
続く
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。
死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。
命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。
自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
神樹の里で暮らす創造魔法使い ~幻獣たちとののんびりライフ~
あきさけ
ファンタジー
貧乏な田舎村を追い出された少年〝シント〟は森の中をあてどなくさまよい一本の新木を発見する。
それは本当に小さな新木だったがかすかな光を帯びた不思議な木。
彼が不思議そうに新木を見つめているとそこから『私に魔法をかけてほしい』という声が聞こえた。
シントが唯一使えたのは〝創造魔法〟といういままでまともに使えた試しのないもの。
それでも森の中でこのまま死ぬよりはまだいいだろうと考え魔法をかける。
すると新木は一気に生長し、天をつくほどの巨木にまで変化しそこから新木に宿っていたという聖霊まで姿を現した。
〝この地はあなたが創造した聖地。あなたがこの地を去らない限りこの地を必要とするもの以外は誰も踏み入れませんよ〟
そんな言葉から始まるシントののんびりとした生活。
同じように行き場を失った少女や幻獣や精霊、妖精たちなど様々な面々が集まり織りなすスローライフの幕開けです。
※この小説はカクヨム様でも連載しています。アルファポリス様とカクヨム様以外の場所では公開しておりません。
学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる