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20章

アールスローン戦記Ⅱ 退避

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【 神の国 】

第2ブロック路地裏

強い風が吹き抜けると アースたちが現れ マリアが勢いに倒れそうになると ラミリツが押えて言う
「マリアさんっ!」
マリアがラミリツに支えられて体勢を立て直すと 顔を上げて言う
「…っ あ、有難う御座います ラミリツさん」
隊員Cがその前方にスライディングしていて言う
「扱いの差…」
アースが物陰から門を振り返って言う
「作戦成功だ では 今の感覚にて 騒ぎが収まる前に 引き続き行くぞ」
マリアが慌てて言う
「は、はいっ 続けて…!?」
ラミリツが頷いて言う
「うん!」
隊員Cが衝撃を受けて言う
「え…っ?」
クロムが呆気に取られていた状態から 顔を向け力強く頷く アースが言う
「次は こちらから対角線上にある あちらの…」
マリアがハッとして言う
「…あっ あのっ 待って下さい!?ハブロス司令官さんっ!?」
皆がマリアへ向くと マリアが言う
「今更ですが スレインさんは…っ!?彼も アンナさんを連れ戻したいとっ!?一緒に向うのではなかったのですか!?」
ラミリツが反応してアースを見る アースが言う
「我々は一度サウス村へ向かうが 直ぐに戻り 彼と我々が遭遇した あの壁の壊された建物から 作戦を開始すると言う事を 事前に伝えて置いた その我々が 戻った時 あの場所に居なかったと言う事が 彼の答えだ」
マリアが驚いて言う
「そ それでは…?」
ラミリツが言う
「彼は… 本気じゃ無かったって事?」
アースが言う
「どうだろうな?もしくは 我々とは異なる作戦を実行すると言う 可能性も有るだろう?クロム殿の様に」
ラミリツとマリアがクロムを見る クロムが一瞬反応してから猟銃を抱えて気を引き締める アースが言う
「我々は我々の作戦を続行する …では 行くぞ!」
マリアがアースを見る ラミリツが言う
「了解!司令官!」
マリアが気を取り直して言う
「は… はいっ!」
レイが微笑すると 皆の周りに風が集まり 次の瞬間 皆が消え アースが示した場所に現れ 同じ要領で次々に先へ向って行く その内隊員Cだけが残り 衝撃を受け 慌ててマスタースピードで追って行く

【 ART 通路 】

通路内で爆発が起きる

【 ART 司令塔 】

グレイゼスの前モニターに映るシーナが驚いて言う
『そ、それですっ!?でも どうして マスターグレイゼス中佐がっ!?しかも そのジャケットっ!?スペシャルスペシャル特典でも書かれていない アニキのサインまで入った…っ!?』
グレイゼスが衝撃を受け慌てて言う
「あっ ああっ!?い、いやっ!?い、今はそれ所じゃないからっ!それより この曲をっ!?具体的には!?唯 コックピット内で再生して それを聞きながら 戦っていたって事なのかっ!?シーナ隊員っ!?」
館内に轟音が響く オペ子Bが悲鳴を上げる
「キャァッ!」
オペ男Aとオペ男Bが轟音に驚いて言う
「近いぞっ!?」 「急がないと ここへも…っ!?」
グレイゼスが顔を向けて言う
「ライム大尉っ!ART1とART2の 防衛はっ!?」
ラキンゼスがコンソールを操作していた状態から振り返って言う
「駄目だっ!第1防衛ラインや 外の時と同じでっ あいつらの攻撃は やっぱり 野郎には効かないっ!弾丸は止まっちまうし ART2の剣術だけじゃ 野郎を倒せないっ!」
グレイゼスが言う
「通常状態でさえあれば 勝機はあるんだっ それなら もうっ!」
グレイゼスがコンソールを操作して言う
「こちら ART司令塔!ART1隊長 応答をっ!ハイケルっ!聞こえるかっ!?」

【 ART 通路 】

ART1マシーナリーたちが銃撃を行っている M隊員Bが言う
「このーっ!」
M隊員Nが怒って言う
「好い加減 当たれやぁあーっ!?」
M隊員BとM隊員Nの弾丸が ウィルシュの周囲で失速して止まる ウィルシュが呆れて言う
「まったく 懲りねぇ奴らだなぁ…?」
ウィルシュが巨大剣を振りかぶる M隊員Nが衝撃を受けて言う
「ゲッ!?あばばばっ!?」
M隊員Vが叫ぶ
「また戻って来るぞっ!ナッちゃん隊員っ!バイちゃん隊員っ!」
M隊員Bが言う
「回避ー?」
Mハイケルにグレイゼスの声が届く
『ART1隊長っ!ハイケルっ!応答をっ!』
Mハイケルが言う
「回避だ!バイスン隊員!ナクス隊員!」
隊員Bと隊員Nが操縦桿を操作する M隊員BとM隊員Nが左右に回避すると ウィルシュが笑んで言う
「へへ…っ 甘い甘い!」
ウィルシュが場所を変えてから弾丸を撃ち返すと 弾丸が異なる方向へ跳ね返って行く 隊員Nがハッとして言う
「なっ!?」
隊員Bがハッとして言う
「違う方向ーっ!?」
隊員Aが叫ぶ
「バイちゃんっ!危ないっ!」
隊員Bが周囲モニターからの警告に目を見開く 隊員Fが叫ぶ
「ナクス隊員!」
隊員Nがメインモニターの警告に呆気に取られて言う
「嘘… だろ…?」
M隊員Bの目と M隊員Nの胸に弾丸がヒットする M隊員BとM隊員Nが倒れ脱力する M隊員VがM隊員Nへ駆け寄って叫ぶ
「無事かっ!?ナッちゃん隊員っ!?」
コックピット内で 隊員Nが自身の身をそらしたシートにある被弾跡に 怯えて言う
「し、し… 死ぬ所だったっ!?マジでっ!?」
オペ子Bの声が響く
『ART1-13号機 及び ART1-03号機 神経結合システム 強制解除プログラムの起動を確認!両マシーナリー操縦者 損傷ランクSランク!戦闘可能っ!』
Mハイケルが言う
「良しっ」
M隊員VがM隊員Nのコックピットを開けている 隊員Nが顔を出して叫ぶ
「まだ戦えってかっ!?」
M隊員AがM隊員Bのコックピットを開けた状態で 自身のコックピットを開いて隊員Aが身を乗り出して言う
「バイちゃんっ!とりあえず こっちへっ!速くっ!」
隊員Bが顔を出すと言う
「アッちゃん…っ」

【 ART 司令塔 】

グレイゼスが言う
「ART1マシーナリー スペア2機は出せそうか!?」
オペ子Bが言う
「ART1は以前まで使っていた 旧型があるので スペアの数はありますが 防衛ラインへの搬出装置はありませんので 必要と在れば 操縦者をそちらへ向かわせるか もしくは…っ」
グレイゼスが言う
「俺が運べば 何とかなるか?…しかし 今は それよりも!…ハイケル!いや、もう 時間が無い!…総員!聞こえているかっ!?」
グレイゼスがコンソールを操作する

【 ART 通路 】

Mハイケルが言う
「通信は聞こえている グレイゼス」
グレイゼスが言う
『よし …では ART1及びART2へ 伝達だ 総員 聞いてくれ』
M隊員Aの中 隊員Bが隊員Aに抱き着いて言う
「アッちゃん アッちゃんーっ 俺 チョー 怖かったーっ!」
隊員Aが苦笑して言う
「あ… う、うん そうだろうな?俺も… 怖かったよ バイちゃんが やられちゃうかと思って ホント …ヒヤッとしたよ」
グレイゼスの声が聞こえる
『これより 現ターゲットの特殊な力を打ち消す為…』
隊員Bが顔を上げて言う
「ホント?アッちゃん… 俺の事 心配してくれたの?」
隊員Aが苦笑して言う
「そんなのは 当たり前だろ?」
隊員Bが一瞬驚いた後 頬を染め 隊員Aへ抱き着いて言う
「アッちゃん… 俺 チョー 嬉しいー!やっぱ アッちゃんは 俺の事が 大好きだったんだってー?」
隊員Aが苦笑して言う
「いや… それは その… 好きとか嫌いとかって言うんじゃなくて バイちゃん つまり その…」
グレイゼスの声が聞こえる
『以前にも行った事だが 諸君の副無線へ…』

M隊員Vの中 隊員Nが泣きながら 隊員Vへしがみ付いて言う
「ヴェイちゃん隊員ーっ!俺 マジで怖かったってっ!?見た見たーっ!?あのシートっ!弾丸直撃っ!?俺 マジでヤバかったから!死ぬかと思ったって マジでっ!怖ぇーよ 怖ぇーよ マジ もう無理ーっ!」
隊員Vが隊員Nを引き剥がそうとしながら言う
「分かったから… もう 離れろって 気持ち悪ぃって…」
隊員Nが泣きながら言う
「冷てぇーっ!ヴェイちゃん隊員っ!?同じナッククルーの俺が やられそうだったってぇのにーっ!?」
隊員Vが言う
「気持ちは分かるが ナッククルーなら こんな時こそ ナックソウルを忘れたら駄目だろっ!?しっかりしろよ ナッちゃん隊員っ!俺たちは ナッククルーとして アニキのARTを ナックソウルで守らなけりゃ いけねぇだろっ!」
隊員Nがハッとして言う
「アニキのARTを…?」
隊員Vが握り拳を見せて言う
「おうよっ!」
グレイゼスの声が聞こえる
『デスメタルミュージック ナックキラーの音楽を流させてもらう』
隊員Vと隊員Nが呆気に取られた後 衝撃を受け叫ぶ
「「なっ!?何だってぇええーっ!?」」

【 ART 司令塔 】

グレイゼスが苦笑して言う
「ナッククルーの …いや 一部のファンを除いた隊員諸君には とても うるさい思いをさせてしまうが これも… 作戦 …と言う事で ご了承を?」
ハイケルの声が聞こえる
『作戦…?ナックキラーの音楽を 副無線で聴く事が 作戦か?グレイゼス?』
グレイゼスが言う
「まぁ そう言う事だ …もし 効果が無さそうだったら さっさと止めるからさ?」
グレイゼスがコンソールにCDを入れる 隊員Vの声が聞こえる
『止めないで下さいよっ!?中佐ぁあ!?』
隊員Nの声が聞こえる
『そうですよっ!こんな時こそ アニキの音だけでも 聞ければっ!』
グレイゼスがコンソールを操作しながら言う
「”アニキの音だけでも” …か、なら 折角だ そのアニキ様の声も入っていれば …最高か?…なんちゃって?」
コンソールにトラックナンバー9が表示される

【 ART 通路 】

ARTマシーナリーたちにナックキラーの音楽が鳴り始める シュナイゼルが視線を強めて言う
「この音楽を聴いていれば…?なるほど 確かに 以前の決戦の際にも こちらの音楽を使用し そして 我らが隊長 ラミリツ・エーメレス・攻長隊長は こちらの音楽に合わせ 普段を越える戦いを行っておられた その隊長が居られないとなれば 今は…っ!?」
シュナイゼルが顔を上げる ウィルシュが疑問して言う
「…何だ?作戦会議でもしてやがるのか?…敵を前に 悠長な奴らだぜ けど そっちが来ねぇってぇなら 今度は…っ!」
ウィルシュが巨大剣を掲げて言う
「ペリーテっ!炎を!」
ペリーテが喜んで言う
「ピポーッ!」
ウィルシュが言う
「…ん?どうした?ペリーテ?炎だ 早く?」
ペリーテが首を傾げて言う
「ピポー?」
ウィルシュがペリーテを見る Mハイケルが目を光らせる

【 ART 司令塔 】

オペ子Bが言う
「ターゲットのエネルギー反応に上昇は確認されません!今までは あの構えをすれば 武器へ集まっていたエネルギーが?」
グレイゼスが言う
「やはり この音楽の影響か?だとすれば!?」
グレイゼスが思う
(流石 ”俺の世界”!ハブロス司令官っ!貴方と言う方はっ!)
オペ子Aが気付いて言う
「…っ!見付けた!?中佐っ!ターゲットの力の元が 解析されました!」
グレイゼスが言う
「本当かっ!?良くやった ナリア君!それなら 後は直ぐに そいつを無効化するシステムを構築して…っ!」
轟音が響く グレイゼスと周囲の隊員たちが驚き通路へ向くと ウィルシュが怒りの表情で顔を向ける グレイゼスが驚いて言う
「なぁあっ!?」
オペ子Bが慌てて言う
「きょ、強化防衛装置 起動させますっ!」
司令塔の出入り口が瞬時に閉鎖される 外部から轟音が響く オペ子Aとオペ子Bが悲鳴を上げる
「「キャァアッ!」」
グレイゼスがコンソールを操作しながら言う
「ど、どうしたっ!?ART1 ART2っ!?奴の攻撃を封じたとなればっ!?」
スピーカーにハイケルの声が聞こえる
『すまない グレイゼス 応戦が可能となった事に 浮かれていた所 …どうやら ターゲットに キレられた様だ』
グレイゼスが衝撃を受けて言う
「怒らせたって事ーっ!?」
グレイゼスがコンソールを操作しながら言う
「何何っ!?何をやってくれたのっ!?こっちが ちょっと 目を放していた隙に…っ!?」
グレイゼスのモニターの中 録画映像が巻き戻され 映像の中で ウィルシュが言う

『…ん?どうした?ペリーテ?炎だ 早く?』
ペリーテが首を傾げて言う
『ピポー?…ピッ!?』
銃声が響く ウィルシュが目を見開く ウィルシュの目前 ペリーテが被弾してゆっくりと地へ落ちる ウィルシュが呆気に取られていた状態から慌てて落下するペリーテを受け止める Mハイケルが言う
『…当たった?ターゲットの被弾を確認 どうやら 我々の銃撃が止められる現象は 回避された様だ』
ウィルシュがペリーテを抱いていて言う
『な… んで…?何で 俺じゃなくて?ペリーテを…?ペリーテを狙ったんだよっ!?この…っ!?』

グレイゼスが表情を引きつらせている ウィルシュの声が聞こえる
『機械悪魔あぁああーっ!』
グレイゼスが言う
「ハイケル…」
ハイケルの声が聞こえる
『作戦 失敗か…?』

【 神の国 】

アースたちが物陰から物影へ風の力で移動をしている たびたび集団から取り残される隊員Cが 慌ててマスタースピードで追って行く アースたちが目的地前の物陰に到着すると アースがタブレットを確認して言う
「よし 第二作戦も問題なく成功だ」
隊員Cが到着すると呆れて言う
「あの…?たびたび俺が取り残されていたのは 問題だったと思うんですけど…?」
アースがタブレットから顔を上げて言う
「あちらの建物が 現在ターゲットが監禁されていると思われる 建物だが ターゲット… 奪還対象であるサリア殿は 今もあちらの建物内に居るのか 確認は取られるか?レイ・アーク・フォライサー殿」
レイが言う
「え?今か?うーん あいつに付いてたマリアの魔力は もう見えなくなっちゃったし …よし それじゃ ちょっとそこら辺に吹いてる 風の奴に聞いてみるか?」
ラミリツが言う
「そこら辺を吹いてる風に…?それで 分かるの?」
ラミリツが周囲を見て疑問する アースが言う
「よろしく頼む」
隊員Cが呆れて言う
「俺の事はスルーっすよね 流石は…」
アースが隊員Cを横目に見て言う
「マスターのお前であるなら わざわざ私が気を掛けずとも 人目を掻い潜って 付いて来られただろう?」
隊員Cが言う
「結果的には そうでしたけど!?そもそも俺は最低限のマスターなんですから もしかしたら それも出来ない時だって あるかもしれないじゃないですか?ですから 出来れば…」
アースが建物へ視線を戻して言う
「そちらの時だけ お前も一緒に 運んでやっただろう?」
隊員Cが衝撃を受けて言う
「えっ!?そうだったんですか?」
レイが言う
「うーん マリアの魔力が無くなっちゃったからさ?あいつかどうかは分からないけど あの建物の中に 何人も女が閉じ込められてる部屋が あるみたいだぞ?だから やっぱ居るんじゃないか?」
アースが建物へ向けていた視線を強めて言う
「連れ去られた女性の数と同じ 12名の魂が1つの空間に集められている そちらは 私にも分かるのだが… ターゲットの確証は得られないか… とは言え 現状は恐らく 貴方の推測で正しいだろう」
ラミリツが言う
「それじゃ どうするの?ここから僕らが見て 確認出来る衛兵は2人 …魂の光や風の力で 中の様子が分かるって言うんなら 他にも兵士が居るのか 確認は出来るよね?」
アースが言う
「私の確認出来る範囲に置いては その他の人物は見受けられないが?」
レイが言う
「俺も その他の奴が居るって話は 風の噂には聞こえなかったぞ?」
アースが言う
「風の噂…?」
ラミリツが反応して言う
「噂って言うのは?…それは さっきまで言っていた 風の声と言う事?」
レイが言う
「ああ そうだな!風の噂も 風の声だぞ?風たちは こっちが話しかけなくても 勝手に何かを話してたりするからさ?俺は それを聞いているだけだよ あの建物に関係する 風の噂は無いかな?ってさ?」
ラミリツが理解に苦しんで言う
「えっと… それじゃぁ…?」
アースが言う
「では どの様な内容であっても結構 あちらの建物に関する事で 他にも風の噂を聞いたと言うのなら 伝達を頼みたい」
ラミリツが言う
「あ… そうだね?あの建物に関する事なら 今は どんな事でも」
レイが言う
「どんな事でもか?それなら… えっと あの入り口の先はさ 真っ直ぐ続く道しか無くて その先には 風くらいしか通れないような 鉄の棒で仕切られた 小さい出口があるってさ?」
アースが言う
「なるほど そちらの風の噂と言う能力も 中々使える」
ラミリツとマリアが衝撃を受ける 隊員Cが呆れる アースが言う
「では 引き続き そちらの調子で 他には?」
レイが言う
「こんな調子で良いのか?それなら 他には… …ああ、こんなのは 俺にとっては すげぇ どうでも良いけど聞くか?」
アースが言う
「どの様な些細な事であっても結構だ 聞かせてもらう」
レイが言う
「なら そのさっきの通路の 出口までの間にはさ?ドアが3つあって 2つのドアの先の部屋は 埃だらけで何も無くって 一番手前の1つ目のドアの先の部屋には 人間の女たちが居るって そのドアは 鉄の棒で壁に止めてあるんだけど ここからでも その棒を ちょっと横に動かせば ドアが開けられるってさ?」
ラミリツとマリアが衝撃を受け ラミリツが言う
「えっ!?そうなのっ!?」
マリアが呆気に取られて言う
「えっと… 普通は 鍵などが掛かっていますよね?」
レイが言う
「鍵?…ああ!マリアがいつも お家を出る時にガチャガチャやってる アレか?」
マリアが言う
「あ、はい 住宅の玄関に付けられているような それほど 弱いものでは無いでしょうけど… なんと言うか もっと頑丈な?」
レイが言う
「ああ!」
ラミリツが言う
「そうですね?一般の住宅に付けられている様な ただ金具で止める程度のものでは無くて もっと…?」
レイが言う
「無いな!」
ラミリツとマリアが衝撃を受け 隊員Cが言う
「無いのかよっ!?監禁してるって 言うのにかっ!?」
レイが言う
「けどさ?そのガチャガチャやる 鍵って奴はないけど さっきも言ったけど 鉄の棒で止めてあるからさ?ドアの内側からじゃ 開けられないんじゃないか?この国の奴らは 魔力はあるけど 魔法を使える程の 精神力が無いからな?」
アースが言う
「魔力はある…?」
レイが言う
「ああ!魔力だけなら マリアやラミリツよりも強いみたいだぞ?だから あいつらは 俺やアーク・メイヴン・ハブロスの背中に…」
アースが咳払いをして言う
「う、うんっ そちらの話は結構だ レイ・アーク・フォライサー殿 現在の我々は作戦の最中にある 内容は必要最低限に 作戦に関連する内容のみで頼みたい」
隊員Cが衝撃を受けてから呆れて言う
「何て 分かりやすい誤魔化しを…」
アースが隊員Cを睨む 隊員Cが衝撃を受け怯える ラミリツが疑問して言う
「レイ・アーク・フォライサー殿や ハブロス司令官の背中に…?」
アースが言う
「では これより 第三作戦を決行する」
ラミリツが反応して言う
「え…?あ、うん 了解!司令官!…で?今度は?第三作戦って…?」
隊員Cがホッとして言う
「あぁ 助かった… それこそ 平和の属性だって言う 悪魔に 眼力だけで殺されるかと思った…」
アースが言う
「あちらの建物の衛兵は 現在我々の目下 門前に配備されている2名のみであるとされている 従って 我々の内 戦闘員である ラミリツ隊長 及び マスターラキンゼス隊員 両2名は 奇襲にて 奴らを討ち取れ」
隊員Cとマリアが衝撃を受けると マリアが言う
「えっ!?えっと…っ き、奇襲とは?それに う、討ち取れって… まさかですよね!?」
クロムが疑問して言う
「キシュウって 何だ…?」
隊員Cが呆れて言う
「平和って… 何だっけ…?」
ラミリツが気合を入れて言う
「了解 司令官っ」
マリアと隊員Cが衝撃を受けて 隊員Cが言う
「了解ってっ!?いやっいやっ!?ラミリツ隊長っ!?それに ハブロス司令官もっ!?それに 本当にやるなら もっと 細かい指示とかはっ!?」
マリアが言う
「え、えっと…?」
アースが言う
「時間が惜しい では 早速 カウント5秒前 4、3、2…」
隊員Cが慌てて言う
「そんなっ!?いやマジで!?ちょ、ちょっとま…っ!?」
ラミリツが身構える アースが言う
「1… 行けっ!」
ラミリツが飛び出して叫ぶ
「やぁああーっ!」
隊員Cが驚き止っていると アースが言う
「ラキンゼス!行け!命令だっ!」
隊員Cが衝撃を受け 体がさらわれながら言う
「どあぁあ!?体がー!?勝手にーっ!?」
マリアが呆気に取られる 隊員Cが勝手に動く自分の体に困惑しつつ思う
(…とは言えっ こうなったら もうっ!?)
隊員Cが顔を上げる 衛兵の2人が 自分たちへ向かって来る2人に驚いてから 慌てて手に持っている小銃を構える マリアがハッとして言う
「ラミリツさんっ!サキシュ隊員さんっ!」
ラミリツがマリアの声に気合を入れ 衛兵Aの懐へ入り込むと鞘のされた剣で 衛兵Aの腹を打ち上げ 衛兵Aの怯んだ隙に 小銃を掴み 小銃ごと衛兵Aを地面へ叩き付けると拘束して 対側を見る マリアが呆気に取られていた状態から一度ホッとして 思い出して ラミリツの視線の先へ視線を向けると 皆の視線の先 隊員Cが衛兵Bに小銃を突きつけられていて 両手を上げて言う
「そ、その…?俺たちは 平和的に は、話し合いません?」
マリアとクロムが呆気に取られた状態から転びそうになる クロムが言う
「えっと…?結局 どっちが キシュウって奴だ?」
マリアが困って言う
「…サ、サキシュ隊員さん…」
アースが舌打ちをすると 瞬時に消える マリアがハッとして アースの居た場所へ顔を向けると 呆気に取られて言う
「え…?」
打撃音と共に衛兵Bの声が聞こえる
「ぐあっ!?」
マリアがハッとして顔を向けると衝撃を受ける アースが衛兵Bを殴っていて マリアが呆気に取られて言う
「何時の間に…?」
レイが言う
「おお?やっぱ アーク・メイヴン・ハブロスの精神力は すげぇ強いよな?」
マリアが言う
「精神力 …気合 ですか?それは… そ、そうですね?そちらは 確かに…?」
アースが衛兵Bの腹を蹴り上げ 衛兵Bが怯んだ隙に 頚椎を両手で固めた拳で殴り付けると 衛兵Bが言う
「ぐっ!?がぁ…っ」
衛兵Bが気絶して倒れる マリア呆気に取られて見詰める先 アースが隊員Cの頭を殴って言う
「戦闘員のお前が怯えてどうする?」
隊員Cが言う
「イテッ …ス、スンマセン」
アースが言う
「その者へ拘束処置を施せ マスターラキンゼス隊員 命令だ」
隊員Cが言う
「りょ、了解… 司令官…」
マリアとレイとクロムがやって来て マリアが一度衛兵Bを見てから言う
「その… お見事でしたね?ハブロス司令官さん えっと… とっても お強いんですね?」
マリアが苦笑する アースが言う
「折角の お褒めの言葉は 痛み入るが 私は 非戦闘員 強くなどある筈が無い」
隊員Cが呆れて言う
「いえ、もう それこそ 戦闘員の機動隊員を越える 司令官 兼 戦闘員で良いと思いますけど…」
アースが言う
「今回は奇襲であった事から 相手に油断と隙があった そうでなければ とても この様には行かなかっただろう」
ラミリツが衛兵Bの腕に注射をして言う
「途中で気付かれると厄介だから 睡眠薬を打って置いたよ これなら 最低でも20分は目を覚まさないから」
アースが言う
「よし では その間に…」
アースが視線を向ける 皆がアースの視線を追って 建物の門を見る

室内

女たちが床に座っている サリアが手に持っていた鳩の羽根を見ると光が失われている サリアがそれに気付くと視線を落として言う
「…もう お日様の温もりも 消えてしまったのね」
サリアが鳩の羽根を胸に想いを募らせる 鉄錠が外れる音が響く 女たちが反応して扉へ向くと 扉が開かれる 女たちが視線を向ける中 サリアだけが目を伏せる アースの声が聞こえる
「お前たちの中で アーク様の下へ向う事を 心より望む者は この部屋へも差し込む 光の元へと目を向けろ」
女たちが呆気に取られ顔を見合わせると アースが言う
「そして アーク様の下へ向う事を 逸れたいと願う者は 日の光さえ届かぬ 暗闇の下 こちらへと目を向ろ」
アースが女たちを見ると 女たちがハッとして慌てて 外光が差し込む格子窓へ向く サリアが目を瞑り思う
(私は…っ)
サリアが目を開きアースの方へ向いてから 視線を上げてアースの顔を見ると ハッとして思う
(っ?あの人は?…確か先日 村に来ていた?)
アースが女たちの中1人だけ自分へ向いているサリアを見て思う
(やはり彼女か)
アースが微笑する サリアが呆気に取られると マリアとクロムが顔を出しサリアを見る サリアが驚いてマリアとクロムを見てから 再びアースを見ると アースが頷いて口パクで言う
(来い 早くっ)
サリアが驚きに言葉を失った状態から 意を決して立ち上がり アースの方へ急ぐ 女たちが反応する サリアとマリアとクロムが扉の外へ姿を消す アースが言う
「お前たちの決意は試された 後は お前たちのアーク次第だ …幸運を」
女たちがアースへ向く前に扉が閉まる 女たちが呆気に取られ顔を見合わせる

通路

アースが扉を閉めると クロムがサリアを抱きしめる サリアが言う
「クロムっ」
クロムが言う
「サリア迎えに来たっ 俺と一緒に逃げよう!もし 村の連中が受け入れないと言うなら 俺と2人で 村を離れてでも!」
サリアが喜び涙しながら言う
「ええっ クロムと一緒なら… 私 何処へでも行けるわっ」
クロムが微笑して頷く マリアが微笑する アースが言う
「では そちらは後として 今は早急に この場所を離れるべきだ」
クロムがアースへ向き頷く アースがラミリツとマリアを見ると2人が頷き 皆が外へ向う



ラミリツが周囲を確認して出ると皆が続き 隊員Cがアースへ向いて言う
「ちなみに 外へ出たら どうするんです?もしかして また 来た時みたいに…!?」
アースが言う
「屋外の状況を確認次第 後は直接村へ…」
隊員Cがホッとして言う
「あぁ 良かった… それなら 俺だけ置いてかれるって問題は…」
衛兵Cが言う
「全員 そこを動くなっ!」
衛兵Cが小銃を向けている 隊員Cが衝撃を受けると言う
「…って なぁあっ!?俺だけ置いてかれる問題と 同等の問題が発生しましたけど 司令官っ!?」
アースが言う
「いや それ以上の問題だ サキシュ隊員 相手を良く見ろ」
隊員Cが言う
「え?相手をって… っ!?」
皆の視線の先 衛兵Cの後ろから スレインが現れて言う
「ほらっ 見てくれ!一番後ろの女だっ!」
衛兵Cがスレインの言葉に アースたちの一番後ろに居るサリアを見る サリアが息を飲むと クロムがサリアを庇って背に回す マリアが言う
「スレインさんっ!?」

【 ART 司令塔 】

オペ子Aが言う
「ターゲットの回避を確認っ ART1の総銃撃 ターゲットの速度に0.8秒遅れています 修正をっ!」
ラキンゼスが言う
「照準速度は上げようと思って上げられるもんじゃないんだっ システムの変更でもない限り 隊員たちの急激な射撃能力の上昇なんて無理だ!」
オペ子Bが言う
「照準速度の優秀な隊員を ピックアップしてはっ!?フレッド隊員やアラン隊員 バイスン隊員なら!?」
ラキンゼスが言う
「そいつは奴さんにもバレてて 率先してターゲッティングして来るし アラン隊員とバイスン隊員は 今 1マシーナリーに乗り込んでるから 通常状態のデータは使えないっ!」
オペ子Aが言う
「それなら…っ バイスン隊員に スペアマシーナリーを用意するしか!?」
オペ男Aが言う
「ART2-02号機の物理的ダメージ55%!」
オペ男Bが言う
「駄目だっ やっぱ 読まれてる!ターゲットはシュナイゼル副隊長の ART2-02号機を標的としている!シュナイゼル副隊長!後退を!ここで貴方がやられてはっ!」
メインモニターにMハイケルが映って言う
『こちらART1隊長 有効戦略の提示を要求する 現在ターゲットの気性ランクはSランクを超え 我々の通常の戦闘行動では 銃撃剣撃共に奴に遅れを取ってしまう これでは奴を倒せない どうしたら良い?グレイゼス 指示を』
司令塔隊員たちがグレイゼスを振り返る グレイゼスが急いでコンソールを操作していて言う
「…もう少しだっ もう少し時間を稼いでくれっ 現行のターゲットが力としている その元となる力が判明しているっ コイツさえ 遮る事が出来れば…っ」
Mハイケルが言う
『…そうか では 時間を… …っ!』
オペ子Aが慌てて言う
「ハイケル少佐っ!」

【 ART 通路 】

Mハイケルの前でMシュナイゼルがウィルシュの剣撃を抑えている Mハイケルが言う
「…助かった 礼を言う シュナイゼル副隊長」
Mシュナイゼルが言う
「いえ そちらの お礼は… …っ!」
ウィルシュが更に攻め込み Mシュナイゼルが巨大剣の連撃に防戦を強いられて言う
「…現状の窮地を脱した後に頂きたいとっ ぐっ… ART2!援護をっ!」
ART2マシーナリーたちが言う
「「了解っ 副隊長っ!」」
ART2マシーナリーたちが ウィルシュへ向かうと ウィルシュが瞬時に後退する ART2マシーナリーたちがハッとして振り返ると Mハイケルが言う
「回避だっ!ART2…っ!」
Mハイケルの言葉の途中で ART2マシーナリーたちがウィルシュの剣撃を食らい悲鳴を上げる
「ぐあっ!」 「あぁーっ!」
ART2マシーナリーたちが倒れると オペ子Bの声が聞こえる
『ART2-12号機 及び 13号機の神経結合システム 強制解除プログラムの起動を確認!両マシーナリー操縦者 損傷ランクSランク!戦闘可能っ!』
ART2-12号機と13号機のコックピットが開かれ 両隊員が顔を出す ウィルシュが横目にそれを見る シュナイゼルがハッとして言う
「ART2!負傷マシーナリー操縦者の防衛をっ!急げっ!」
ウィルシュが向っている ART2隊員たちがハッとする ウィルシュが巨大剣を振りかぶると M隊員Vが銃を構えていて 隊員Nと隊員Vが言う
「アニキの仲間に 攻撃はさせねぇぜー!」 「おうよーっ!俺らのナックソウルを食らいやがれー!」
M隊員Vがサブマシンガンを放つ ウィルシュが銃撃を巨大剣の刀身で防ぐと M隊員Vの間合いに入り込む Mハイケルが言う
「回避だっ!ヴェイル隊員!」
M隊員Aがハンドガンを構えているが 隊員Aがハッとして言う
「駄目だっ 間合いに入られたっ!間に合わないっ!」
隊員Bが言う
「ナッちゃんっ!ヴェイちゃんーっ!」
ウィルシュが言う
「その機械の体ごと 切り捨ててやるっ!」
ウィルシュが巨大剣を振るう ハイケルの意識とART1隊員たちが息を飲む オペ子Aの声が聞こえる
『ART1-22号機 回避間に合いませんっ 神経結合システムを 強制解…っ!』
隊員Nと隊員Vが言う
「そいつは要らねぇぜーっ!」 「おうよーっ!最高の俺らに…!」 「「恐れるものは何も無ねぇえー!」」
M隊員Vが後方へ走行しながらサブマシンガンを撃ち続ける ウィルシュが巨大剣を空振った後 ハッと顔を上げ瞬時に刀身で銃撃から身を守る Mハイケルが驚いて言う
「何っ!?その技はっ!?」
オペ子Bが呆気に取られて言う
『あ… ART1-22号機っ 後退移動を行いつつ 連続射撃を続行…っ!…こ、こんな事 出来るんですか?だって… マシーナリーの操作は…?』
隊員Iが自分の手にある操縦桿を見て言う
「マシーナリーの操作は グリップを使う移動を含めた 全てを この操縦桿だけで行うんだから …移動を行いながら同時に 銃撃を行うなんて事は…?」
隊員Iのサブモニターに映っている隊員Fが 同じ様に操縦桿を確認しながら グリップの確認と トリガーに掛けた指を動かして ふと気付いて言う
『そうか…!?トリガーを引きながらグリップの操作は無理だけど それを片方ずつ受け持てば?』
隊員Iが呆気に取られて言う
「え?片方ずつって… …まさかっ!?」
隊員Iが別のサブモニターへ顔を向けると モニターに隊員Nと隊員Vの姿が映り 隊員Iが衝撃を受けて言う
「ほ、ホントだっ!?2人で 1つのマシーナリーをっ!?」
隊員Nと隊員Vが2人で操縦桿を操作しながら言う
「うおぉおー!ダブルデビルズ!最高ー!」 「最高に燃えて来たぜーっ!今の俺らに 付いて来れるもんなら!」 「「掛かって来いやぁあー!?」」
隊員Fがモニターに映る M隊員Vとウィルシュの攻防を見ると微笑して言う
「なるほど 銃撃が利く様になったのも束の間 速度も応用力も増したターゲットを相手に 今度はこっちも 2人掛りの操縦で応戦を…」

【 ART 司令塔 】

ラキンゼスが言う
「なるほど… 攻撃と移動をそれぞれで受け持つ …2人で操縦するって言うのも 有りだな?…ですよね?マスターグレイゼス中佐?」
グレイゼスがコンソールを操作しながら言う
「…クソッ 後一歩なのに…っ これは一体どう言う事なんだ?このプログラム指示は 間違いなくナリア君が見付けたルートだと言うのにっ 何で この指示だけは 同じ指示の下に無いんだ!?これでは…っ」
ラキンゼスが呆気に取られて言う
「力の発信元が分かったって言うのに それを無効化するプログラムを組むのに 中佐が苦戦するなんて…?」
オペ子Aが言う
「中佐っ!私の方で もう一度 他のルートを解析します!中佐は プログラムの方を!」
グレイゼスが言う
「分かったっ それなら 方法は先程と同じで ルートは恐らく タイプFで絞られる筈だ もう一度 解析を頼む!」
オペ子Aが言う
「はいっ!急いで見付け出します!」
ラキンゼスが疑問して言う
「急いで…?…のあっ!?」
防御扉の先で轟音が響く ラキンゼスが扉を見ると オペ男Aが言う
「…お、おい?そろそろ 本当にマズイぞ?」
オペ男Bが言う
「あ、ああ…」

【 ART 通路 】

M隊員Vが銃撃を行いながら移動をしている 隊員Nの声が聞こえる
「うおぉおおーっ!どうだぁあー!ART1サブマシンガンチーム ナクス隊員のサブマシンガンさばきはーっ!」
隊員Vの声が聞こえる
「おうよーっ!ナッちゃん隊員のサブマシンガンは 誰もが認める 最高に 当たらないサブマシンガンだぜーっ!」
隊員Nの声が聞こえる
「おうよーっ!当たらねぇけど 最高よぉおーっ!」
隊員Iが言う
「当たらないのは 駄目だと思うんだけど…」
ハイケルが思う
(時間を稼ぐ上に置いては ナクス隊員の 当たらないサブマシンガンも 有効ではあるのだが これ以上 そちらを続けていては…っ)
Mハイケルの視線の先 防御扉に銃撃や衝撃派が当たっている 隊員Bが隊員Aへ言う
「アッちゃん アッちゃんーっ!俺たちも アレやろうよーっ!?ナッちゃんのサブマシンガンは当たらないけど 俺のなら当たるんだしー!?」
隊員Aが苦笑して言う
「あぁ うん… 確かにバイちゃんのサブマシンガンなら 当たるだろうけどさ?バイちゃん… これ 俺のマシーナリーだから サブマシンガンは 装備していないんだけど…?」
隊員Bが言う
「えー?それじゃぁー?」
ウィルシュがM隊員Vを追って巨大剣を振り下ろすと M隊員Vが回避しながら銃撃を行う ウィルシュが瞬時に回避すると ウィルシュの巨大剣の振動と銃弾が防御壁に当たる ウィルシュが回避した先で言う
「…チッ デカイ図体で ちょこまか逃げやがって …それなら もうっ!」
ウィルシュが視線をM隊員Vから 防御扉へ向ける Mハイケルが思う
(マズイッ!奴がターゲットを変えたっ!)
Mハイケルが言う
「ART1 及び ART2!総員 ターゲットの移動を 食い止めろっ!何としても 奴を この先へは 向かわせるなっ!」
ウィルシュが反応して言う
「…って 事は この先に お前らの”守りたいもの”が あるって事だな?」
Mハイケルが衝撃を受けて言う
「…何っ!?何故 それが分かった?」
隊員Aが衝撃を受けて言う
「しょ… 少佐…」
隊員Bが言う
「えー?そうだったんでありますかー?少佐ぁー?」
M隊員AがMハイケルへ向く Mハイケルが言う
「私は 一言も 口にしていないのだが どうやら ターゲットには気付かれたらしい バイスン隊員」
シュナイゼルが言う
「ART2!総員 最終防衛体勢へっ!」
ART2マシーナリーたちが 防御扉の前に集結する Mハイケルが顔を向けて言う
「最終防衛体勢っ!?身を盾にする気かっ!?シュナイゼル副隊長!?」
Mシュナイゼルが言う
「現行 我らに有効とされる手立てが無い以上 時間稼ぎを行うには もはや これしかありませんっ!」
Mハイケルが言う
「しかし…っ!」
ウィルシュが言う
「お前らにも 味合わせてやるよ…?自分の大切なものを 奪われる苦しみを… 傷付けられた 憎しみをなっ!」
ウィルシュが怒りに目を見開くと 周囲の空気が波打つ Mハイケルが驚いて言う
「…っ!?あれはっ!?あの力は…!」
隊員Aが気付いて言う
「バイちゃんっ 見てくれっ あれ!…何だが 似てないか!?」
隊員Bが言う
「似てないかってー?うーん… あー!?もしかしてー!」
Mシュナイゼルが後ず去って言う
「…っ まさかっ?」
シュナイゼルが思う
(似ているっ 彼らに… 我らの神とも言われた あのネロ・アーク・フォライサーが 力を使った時 そして もう1人…っ)
隊員Bが言う
「分かったー!少佐 少佐ぁーっ!ターゲット!」
M隊員AがMハイケルへ向いて言う
「ロストテクノロジーを 使おうとしているでありますー!少佐ぁー?」
隊員Iが言う
「ロストテクノロジーを!?だとしたら!?」
ハイケルが思う
(防ぎ切られるのかっ!?マシーナリーの盾で!?)
ウィルシュが言う
「行くぜ…」
Mハイケルが銃撃を行うが周囲の衝撃派が弾く Mハイケルが言う
「クッ!これもロストテクノロジーの力かっ!?」
シュナイゼルが思う
(格なる上は…っ!)
Mシュナイゼルが防御体制を取る Mハイケルが言う
「ART2 回避だっ!」
ハイケルの意識が思う
(盾には 何度でも蘇られる 私が…っ!)
MハイケルがART2マシーナリーたちの前に二丁銃を構えて立ち塞がる 隊員Bが叫ぶ
「少佐ぁー!」
ウィルシュが目を開くと瞳の色が一瞬変わり 巨大剣に一筋の光が差す

【 ART 司令塔 】

オペ子Bが言う
「ターゲット出力 臨界突破!計測不能っ!」
ラキンゼスが言う
「総員退避だっ!ロストテクノロジーの力が相手じゃっ!俺たちの何を使ったって 敵いやしないっ!」
グレイゼスが顔を上げて言う
「クソッ 間に合わないかっ!司令塔担当 総員退避っ!」
メインモニターに映る通路の映像が一瞬光ると同時に 黒い光の翼が舞い散る 轟音と共に防衛壁が爆破され 爆風が吹き込んで来る オペ子Bが悲鳴を上げる
「キャァアーッ!」
オペ男Aとオペ男Bが悲鳴を上げる
「うわぁっ!?」 「ぐぅうっ!」
ラキンゼスが爆風から身を守った状態から顔を上げると 驚いて言う
「なっ!?ART2の皆っ やられちまったのかっ!?」
ラキンゼスの視線の先 ART2マシーナリーたちが通路の両脇に倒れている オペ子Bが驚き 否定する様に顔を左右に振ってから言う
「嘘…っ!?嫌…っ そんなっ そんなの嫌ぁっ!」
オペ子Bが立ち上がってコンソールを操作すると ハッとして言う
「ART2全機!神経結合システム 強制解除プログラムの起動を確認!ART2マシーナリー操縦者 総員 損傷ランクSランク!戦闘可能っ!」
オペ子Bが感激を堪えて言う
「…良かったっ システムの限界 同時制御最大数を 遥かに越える数なのに…っ」
ウィルシュが言う
「操縦者… 戦闘可能…?」
オペ子Bが驚いて声の元へ顔を向けると 爆煙が切れた場所にウィルシュが現れて言う
「へぇ…?そいつは 困るぜ …奥の手も使っちまった今 こっちは そろそろ 限界なんだよ」
ウィルシュが司令塔内に踏み入って来る オペ子Bが息を飲んで 後ず去る オペ男たちが後ず去る グレイゼスが表情を強めウィルシュを見ると ウィルシュが周囲を見渡して言う
「…うん?」
ウィルシュの視線の先 オペ子Aが作業を続行している ウィルシュが気付くと苦笑する グレイゼスがハッとして言う
「ナリア君っ!」
オペ子Aが作業にのめり込みながら言う
「…もう少しっ これさえっ これさえ掴めればっ」
ウィルシュが巨大剣を構える グレイゼスが言う
「もう良いっ!ナリア君 逃げろ!司令塔担当 総員退避だっ!」
オペ男たちが逃げ出す ウィルシュがオペ子Aへ向かいながら言う
「なら まずは… お前からだっ!死ねぇえー!」
グレイゼスが言う
「ナリア君っ!」
ウィルシュが巨大剣を振り下ろすと オペ子Aが居た場所が破壊される 司令塔の出入り口前まで逃げていた 司令塔隊員たちの前に オペ子Aが呆気に取られて現れると グレイゼスがオペ子Aの肩を抱いた状態で居て ホッとして言う
「俺にも出来たわ…」
オペ子Aが呆気に取られたまま言う
「…え?ど、どうして… 私…?あっ!あぁあーっ!?」
オペ子Aが自分の席を見て呆気に取られて言う
「後一歩だったのに…っ」
グレイゼスが言う
「気にするな ターゲットへの対策より 君の命の方が大切に決まってるっ ハブロス司令官だって 必ず そうと言う」
ウィルシュが振り返ってグレイゼスたちを見る グレイゼスが一度ウィルシュを見てから ARTマシーナリーたちへ言う
「ART1!まだ 戦えるかっ?」
Mハイケルが言う
「当然だっ」
M隊員Vから 隊員Nと隊員Vが言う
「こっち 来いやーっ!」 「最高に 戦い難い所に入りやがってーっ!」 「「表出ろやーっ!」」
グレイゼスが苦笑して オペ子Aへ言う
「まだART1の彼らが居るっ 彼らのサポートを行なうべき 俺たちが ここでやられる訳にはいかないだろ?」
オペ子Aが呆気に取られた状態から 気合を入れて言う
「…はいっ!私も!まだ 戦いますっ!」
グレイゼスが微笑して頷いてから言う
「よしっ と言う事で 今は… 全力で逃げるぞーっ!」
司令塔隊員たちが逃げ出す オペ男たちとラキンゼスが言う
「退避退避ー!」 「逃っげろー!」
ウィルシュが追って通路へ出ると ART1マシーナリーたちが構えて Mハイケルが言う
「ART1!総攻撃!」
ART1隊員たちが言う
「「了解!少佐ぁーっ!」」
ART1マシーナリーたちが乱射する ウィルシュが刀身で防御する 司令塔隊員たちが逃げて行く


続く
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