上 下
53 / 55
22章

アールスローン戦記Ⅱ 世界大戦の開始

しおりを挟む
翌 アールスローン時刻 0700

【 ART 司令塔 】

オペ子Aが言う
「アールスローン帝国内 政府警察 及び 国防軍の所定配備完了 ヴァンパイア部隊から配備の完了報告 及び 作戦開始時刻へ向け 第一作戦を開始するとの報告です」
グレイゼスが言う
「国内の防衛も怠るな ターゲットは我々の人知を遥かに超える相手だ 今作戦に置かれる必要警戒範囲は勿論 国内外の通常警備体制も確認しろ」
オペ子Bが言う
「了解 中佐 国内外の通常警戒態勢の確認を開始します」

【 ART 第一訓練所 】

ハイケルがやって来ると顔を向け疑問して言う
「うん?」
ハイケルの視線の先 ART1隊員たちが全員集まっている ハイケルが言う
「いつもの先行メンバー以外も居るようだが?」
隊員Dが目の下に隈のある顔を苦笑させて言う
「そりゃ… もう…」
隊員Eが同じ様子で言う
「今日がその日になるだなんて聞いたら 眠れないわ落ち着かないわで…」
隊員Aが苦笑して言う
「いつもみたいに 当日いきなり言われるのも驚くけど やっぱり その方が良いのかもな?」
隊員Cが言う
「だな…?それに街中や電車の中でもよ?話題は一色だったぜ?」
隊員Fが言う
「うん… 皆 きっと大丈夫だと思って 普段通りに過ごしているけど 内心は落ち着かないだろうな?」
隊員Iが言う
「おまけに作戦に参加する 俺たちみたいな奴ら以外は その日が何時になるのか それが本当の事なのかも 分からない状態で 普段通りの生活をしているんだ」
隊員Aが言う
「そうだよな?普通は信じられないよな?世界が終わっちゃうだなんて… そんな話…」
ハイケルが言う
「それを防ぐ為に今日の作戦が行われる …それだけだが?何か問題なのか?」
皆が衝撃を受け 隊員Fが苦笑して言う
「流石 少佐だ…」
隊員Aが言う
「ああ ホントに… と?そんな少佐とは違って 流石のバイちゃんも 今日は緊張してるのか?」
皆の視線の先 隊員Bが言う
「俺はー… 緊張って言うかー… 今日で終わっちゃうのかなー… って…?」
隊員Aが言う
「終わっちゃうって… バイちゃん?」
隊員Cが言う
「終わらせない為の作戦をやるんだろっ?その作戦を前に 何言ってるんだよ!バイスン隊員!?」
隊員Bが言う
「違うよ サッちゃん?そうじゃなくってー 終わっちゃうのは ARTの方ー」
皆が驚いて言う
「え…っ?」
隊員Bが言う
「だってさー?ARTはその神様と戦う為に結成されたんでしょー?だからー?この作戦が終わったら おわっちゃうのかなー?って?」
皆が呆気に取られると ハイケルが言う
「ARTは確かに 今作戦を見越して結成された組織だが それが終われば 我々は再び国防軍へ戻る それだけだ このARTへ召集された者は 元の所属へ戻られる様 手配がされていると聞いている」
隊員Aが言う
「それなら安心ですね?ほら?バイちゃん?少佐が言うんだから これで安心だろ?」
隊員Bが言う
「えー?それじゃー やっぱー?」
隊員Cが言う
「それより まずはこの作戦を成功させないと その後の話なんかしてる場合かよ?」
隊員Fが言う
「それもそうだな?」
隊員Aが言う
「そうだよ バイちゃん?この作戦が無事成功して それでARTが必要無くなったとしても 俺たちはまた国防軍で一緒に居られる マシーナリーだって… 使う事も有るかも知れない …だったら 何も変わらないだろ?」
隊員Bが言う
「そっか… そうだねー?それじゃ 次はまた 俺たちは国防軍ー!それでー無くなっちゃうのは ARTの名前だけだねー?」
隊員Aが軽く笑って言う
「そうそう!」
隊員Fが苦笑して言う
「うん そうだな?無くなっちゃうのは ARTの名前だけだ」
ハイケルが沈黙する
「…」

【 ART 司令塔 】

オペ男Aが言う
「アールスローン国 国防軍より通達 本作戦開始時刻へ向け 最大防衛体制を構築」
オペ男Bが言う
「アールスローン国 政府警察より通達 本作戦開始時刻へ向け 国内混乱防止 特別配備を完了」
グレイゼスがコンソールを操作しつつ言う
「アールスローン国内の防衛状況 及び 通信状態は 了解だ 続いて 主要回線の確認を行う …こちらART司令塔 司令塔主任マスターグレイゼス中佐だ 通信回線の確認及びそちらの状況を」
回線が繋がる音がしてモニターにヴィンが映って言う
『御機嫌よう アールスローンの方々 こちらはヴァンパイアの国 私は天才科学者ヴィーンリッヒ 優秀な通信技術を持つ君と こうして繋がる事が叶って とても嬉しく思う』
グレイゼスが一瞬呆気に取られてから苦笑して言う
「え?えぇっと…?ヴィーンリッヒ先生?そちらは 一体何の御冗談で?申し訳ないのですが 今はそう言ったご冗談には お付き合いして居られる状況では無いのですが?」
ヴィンが残念そうに溜息を吐いて言う
『あぁ… どうやら… 我らヴァンパイアの王たる主から 私へ伝えられた情報に偽りは無かった様だ 冗談であると信じたかったのだが…』
グレイゼスが疑問して言う
「あの…?一体何の事で…?」
ヴィンが顔を左右に振って言う
『いや?出来る事なら 今後は私への通信を送る者を 替えてはもらえないかな?これ以上 唯の人となってしまった君を見るのは苦しい… あの優秀な私の生徒 マスターグレイゼスは もう居ないのだと…』
グレイゼスが一瞬呆気に取られてから苦笑して言う
「…そう言う事ですか 分かりました ではその… 元貴方の生徒と在りました私から 今までのお礼と  貴方への変わりない敬意をお伝えした上で 今後は他の者と通信を交代をします」
ヴィンが言う
『ああ そうしてくれ給え では』
通信が途切れる グレイゼスが一瞬間を置いてから 喜んで言う
「やったぁあー!ついに あのヴィーンリッヒ先生から 開放されたぁ~!これでもうべたべたと絡まれる可能性も無くなった…っ ナノマシーンが無くなって 今度こそ何時血を吸われるかって 今回はホント メチャクチャ心配してたんだよなぁ~!」
オペ子Aが苦笑して言う
「良かったですね 中佐?」
オペ男Aが言う
「これぞ 不幸中の幸いって奴ですね?」
グレイゼスが言う
「ああ ナノマシーンを失って 不便になったり寂しくなったりした事も多いけど 得られる物もあるんだな… 心の平穏ってやつがさ…」
グレイゼスが安堵の息を吐いている 

その様子が見える場所でマリアが苦笑していると レイが言う
「それじゃ 行って来るな!マリア!」
マリアが言う
「ウィザード様… 頑張ってくださいね!?」
レイが言う
「ああ!任せとけ マリア!」
レイが風に消える マリアが苦笑するとグレイゼスへ向く

グレイゼスが言う
「お?ウィザード様も向かった事だし これで 準備完了かな?マスターベイぜス?先行部隊ヴァンパイアさんとの通信状況は?」
モニターにベイぜスが映って悲鳴を上げながら言う
『おいっ 元マスターのマスターグレイゼス!仲間を売るなんて 酷いじゃないかっ!?』
モニターにベイぜスに絡んでいるヴィンの姿が映って言う
『この彼が 私との新たな通信役となるマスターの君か… ほう?なるほど… 君は私の元生徒 マスターグレイゼスとは異なり 通信技術などの技術に博識で… では ここは やはり…?』
ベイぜスが悲鳴を上げて言う
『あぁっ!そこは駄目っ!やめてぇええーー!!』
ヴィンがモニターへ微笑の視線を向けてから映像が途切れる グレイゼスが言う
「マスターベイぜス… 良い奴だったのに…」
オペ男Bが言う
「あ~あ… これからは マスターベイぜスが逃げ回る番か…」
オペ男Aが手を合わせて言う
「南無~」
モニターにベイぜスが映って叫ぶ
『俺はまだ 死んでないぞー!?』
オペ男Bが言う
「流石 通信技術 アールスローンNo1のマスター」
通信が切り替わりアースが言う
『ハブロス司令官だ ART司令塔 状況報告を』
グレイゼスが気を切り替えて言う
「こちらART司令塔マスターグレイゼス中佐 状況報告 アールスローン国 国防軍、政府 共に本作戦への防衛準備完了 ウィザードの国 及び ヴァンパイアの国とも 本作戦第一準備の完了を確認」
アースが言う
『よし では現時刻を持って ART司令塔は ターゲットの撃破を最優先事項とし 以降 各国の防衛に関する通信連絡は全てを遮断 可能な限りの漏洩防止を行い ART1ART2 及び 前線に居る部隊の支援を行え』
グレイゼスが言う
「了解 司令官!ART司令塔は ART1ART2 及び 前線部隊の支援へ尽力 その他防衛に関する連絡は国防軍レギスト駐屯地へ委託する!」
オペ子たちが言う
「「了解 中佐!」」
グレイゼスが言う
「良し!それでは間もなく…」
オペ男Bが言う
「前線部隊より報告!ウィザード部隊 神の国へ到着したとの通信です!」
グレイゼスが言う
「了解!重要報告を確認する!通信 メイン出力へ!」
オペ男Bが言う
「了解!通信 メイン出力へ流します!」
メインモニターにsoundonlyの文字と共に シュイの声が聞こえる
『…ちら …ウィザード これで…?聞こえているのか?』
マキが思わず叫ぶ
「シュイッ!!」

【 帝国 】

アースが玉座に座って居て 空間モニターにART司令塔の様子が見えている

 グレイゼスの声が聞こえる
 『こちらART司令塔 通信音声は届いている 報告を続けてくれ』
 シュイの声が聞こえる
 『そうか 分かった… 報告…?そうだな?予定通り 神の国へ到着した…』
 グレイゼスの声が聞こえる
 『了解!それでは 作戦開始は予定通りアールスローン時刻に置かれる
 0800だ!現時刻は0755  時刻の確認は大丈夫か!?』

アースが言う
「間もなく作戦開始時刻となるが… それでも貴女がこちらへ留まると言う事は 我々の作戦に勝機を見たと言う事か?神に仕えるアーク メリ・アーク・フォライサー殿?」
メリが言う
「いいえ 勝機を見た などと言うつもりはありません」
アースが言う
「ほう?では…?」
メリが言う
「何度でも申します 新人類の力で 恐れ多くも 神を倒す等と言う事などは 叶いません」
アースが言う
「神とは言え 古代人… いや?それ以前の?…彼らを示す言葉は 生憎 存じないが 例えそれが何であろうと やはり人であるのだろう?ならば その彼らに造られた 我々 現代の人が 倒せない筈が無い」
メリが言う
「人… そうですね?人の形を見せておられます しかし それは 私どもの目にそうと見えるのみであって… 私どもでは 触れる事も叶いません そのお方を 増して倒そう等と…」
アースが言う
「いや?私は 奴を 蹴り飛ばしたが?」
メリが衝撃を受けて言う
「え…っ!?そちらは?」
ネロの声が聞こえる
「それが可能とあるのが ハブロとある」
メリが振り返るとネロがやって来てアースを見る アースが言う
「それは どう言う意味だ?ネロ・アーク・フォライサー?貴方と皇帝は 我々の作戦が成功さえすれば 可能であると言った筈だが?」
ネロが言う
「先の折 その方が神を蹴り飛ばす事が 可能とあったのは 神がその方へ 力を用いていたが故に その位相を合わせていた事が大きい」
アースが言う
「位相を合わせていた?…と言う事はもしや?」
アースが横目にメリを見る ネロが言う
「そうだ 神は そこに見える メリ・アーク・フォライサーと同じく この世に実体を持たぬ存在だ」

【 ART司令塔 】

シュイの声が聞こえている
『…6 …になった所だ』
グレイゼスがコンソールにある時計を見ていて頷くと言う
「良し 時刻は正確だ 作戦開始まで 残り4分!」
グレイゼスを見るマリアたちが緊張する グレイゼスが言う
「作戦開始時刻となり次第 チームウィザードは 作戦通り 神の国に置かれる 神の居城を襲撃だ!…出来そうか?」
シュイの声が聞こえる
『…との事だが?アーク?』
レイの声が聞こえる
『ん?ああ!もちろん やってやるよ!?俺のデカイ魔法の一発で!神の家を 派手にぶっ壊してやれば良いんだろ!?任せとけ!』
マリアが言う
「ウィザード様…」
レイの声が聞こえる
『お?マリア?マリアの声が聞こえたぞっ!?』
マリアが思わず言う
「ウィザード様!」
レイの声が聞こえる
『マリアだっ お前の持つ この機械から マリアの声が聞こえるぞ!?』
シュイの慌てた声が聞こえる
『あっ!お、おいっ アークっ!?』
レイの声が聞こえる
『マリアー!?』
コンソールの時間が0758に変わる グレイゼスがマリアを見る マリアが言う
「ウィザード様…っ その… 必ず…っ 必ず!帰って来て下さいね!?」

【 神の国 】

通信機からマリアの声が続いて聞こえる
『私… マリアは ここで待ってますからねっ!?絶対ですよっ!?』
レイが言う
「マリア…」
シュイがレイを見る レイが苦笑すると言う
「ああ!俺はマリアの所へ帰るよ マリア!俺は… マリアのウィザード様だからな!マリア!」
マリアの声が聞こえる
『はい…っ ウィザード様…』
マキの声が聞こえる
『シュイー!シュイは マリアのウィザード様の補佐なんだからね!マリアのウィザード様を 絶対 助けてあげないとダメなんだからー!』
シュイが一瞬呆気に取られると言う
「俺への心配はないのか…?」
マキの声が聞こえる
『こらー!ちょっと 聞いてるのー!?馬鹿シュイー!?』
シュイが言う
「聞いている… それと人前で 馬鹿シュイと呼ぶな」
シュイが腕時計の時間を見ると表情を戻して言う
「そろそろ 時間だ 通信を切る」
グレイゼスの声が聞こえる
『了解 では 作戦の開始はそちらへ委ねる …健闘を祈る!』
シュイが言う
「ああ 分かった」

【 ART司令塔 】

オペ男Bが言う
「チームウィザードとの通信を遮断!」
オペ子Aが言う
「作戦開始まで 残り1分!」
司令塔出入り口が開き アースが入って来て言う
「間もなく作戦開始だ マスターグレイゼス中佐」
グレイゼスが言う
「主 戦闘員 及び 援軍各員 異常なし!今作戦実行に置かれる 問題は有りません!司令官!」
アースが言う
「良し」
オペ子Aが言う
「作戦開始まで 残り20秒!」
グレイゼスが言う
「カウント開始!」
オペ子Aが言う
「了解 中佐!作戦開始まで 残り15秒14、13、12…」

【 ART 第一訓練所 】

ART1ART2マシーナリーが揃っている オペ子Aの声が聞こえている
『カウント5秒前!4!3!』
リックがニヤリと笑ってゲートを開く オペ子Aが言う
『2!1!作戦開始っ!』
グレイゼスが言う
『現時刻を持って作戦開始と暫定!作戦第二班!ART機動部隊!出動!』
ラミリツが言う
「ART2 了解!ART2 出動!」
ART2隊員らが言う
「「了解!隊長!」」
Mラミリツを先頭にART2マシーナリーたちがゲートへ消える ハイケルが言う
「ART1 了解 進軍する」
ART1隊員たちが言う
「「了解!少佐ぁー!」」
Mハイケルを先頭にART1マシーナリーたちがゲートへ消える リックがイヤホンを押さえて言う
「行くぜ?ハブロ?…土壇場でビビるなよ?」
イヤホンにアースの声が聞こえる
『貴方こそな?』
リックが軽く笑って言う
「ハッ!誰に言ってやがる?」
リックがゲートへ飛び込み ゲートが閉じる

【 ART司令塔 】

アースが言う
「チームウィザードからの 作戦成功の連絡は?」
オペ男Bが言う
「チームウィザードからの 作戦成功の連絡 その他 通信は有りません!」
アースが視線を強めメインモニターへ顔を向ける メインモニターにはART2やART1の様子が映っている

【 神の国 】

メインモニターに映っていた風景を見ていたネロが視線を変えると その先で シュイが焦って言う
「どうしたっ!?アークっ!?もう時間は過ぎているっ 早く 行動を開始しなければっ!?」
ネロが視線を変えると

神の宮殿 崖下

ART2、ART1のマシーナリーたちが現れ Mラミリツが一度空を見上げて言う
「ウィザード様たちの作戦が開始されたら 突入って言われたけどっ!?」
ラミリツがメインモニターを見ると 目の前には限りなく上空へ続く岩肌がそり立っている Mラミリツが左右を見て言う
「一体どこから!?」
Mラミリツの肩にリックが座って居て言う
「まぁ 待ちやがれ?もうすぐ…」
Mラミリツがリックを見る M隊員Cが空を見上げていて気付いて言う
「ん?何か今 ひか…」
遥か上空で一瞬光が煌めくと 轟音が響く ARTマシーナリーたちが驚いて地響きに身を抑えると 上空から宮殿の瓦礫が降って来る 隊員Cが慌てて言う
「なぁあっ!?何だぁっ!?」
Mハイケルが言う
「ART総員回避!」
M隊員Bが言う
「回避ー!」
ARTマシーナリーたちが慌てて走り回っていると 正面の岩肌が内側から爆発する 隊員Cが叫ぶ
「今度は何ーっ!?」
岩肌の中から テールが言う
「ゲートキーパーズ参上!…って?あれ?」
テールの頭上に瓦礫が落下して来る テールが慌てて言う
「うおぉおっ!?あぶねぇえっ!?」
テールの身体が高速回避される テールがリックに庇われつつ言う
「何だこれー!?参上時間違えたぁー!?」
リックが言う
「いや?お前は 間違ってねぇよ テール?ハブロの野郎の作戦通りだ」
リックがテールを担いで 爆破した岩肌の中へ入る ラミリツがそれに気付いて言う
「ART2!開通された 正面の洞窟の中へ!」
シュナイゼルが言う
「了解 隊長!」
Mハイケルが言う
「ART1も同じだ!」
隊員Aが言う
「了解!少佐ぁー!」
ARTマシーナリーたちが 爆破された岩肌の中へ入る その先で リックに地へ降ろされたテールが言う
「作戦通りで あぶねぇってっ!?俺はただ あの機械巨人が通れるくらい デカい穴に開通してくれって 話だったからさ!?リック!?」
ARTマシーナリーたちが全機 岩肌の中へ入り後方を見ると 開通された入り口が瓦礫で埋まる 隊員Fが苦笑して言う
「えっと… 出口 塞がった… みたいですけど…?少佐?」
ART1マシーナリーたちがMハイケルを見る Mハイケルが言う
「作戦通り …だ」
隊員Cが叫ぶ
「マジでっ!?」
リックが言う
「ああ 作戦通りだぜ?こっからは…」
リックが頭上を見上げる ARTマシーナリーたちがリックと同じく上部を見上げるが暗闇の中何も見えない

神の宮殿 上空

シュイが衝撃に身を守っていた状態から目を開きつつ言う
「…っ やったのか…?」
シュイの視線の先 破壊された宮殿の残骸の中で 玉座に座ったベガがゆっくりと目を開き顔を上げる

神の宮殿 宮内

神官たちが苦しみつつ言う
「べ… ベガ様…」
ベガが言う
「何をしている?さっさと宮を直せ」
神官たちが苦しそうに身を起こしつつ言う
「か… 畏まりました た、直ちに… …ぐああっ!?」
神官たちが風の魔力に吹き飛ばされる ベガがそれを横目に見てから再び顔を上げ上空を見る

神の宮殿 上空

レイが魔法を放った姿で言う
「アイツらには悪いけど 神の言う事を聞く奴には 寝ててもらわないとな?」
シュイが言う
「彼らは… 普通の…?人間なのか?」
レイが言う
「普通… とは違うかな?アイツらは 少なくとも お前と同じ位の事は出来る マリアたちよりは魔力を使える連中だ だから 何も心配しなくて良い」
シュイが言う
「そうか そうと言う事なら…?」
レイがシュイへ視線を向けて言う
「俺は この国の連中の中で 一番弱い奴と同じくらいのお前を連れて来た だから 何も心配するな」
シュイが一瞬呆気に取られると苦笑してから言う
「…言ってくれる その言葉… 撤回させてやるぞ!」
シュイが杖に魔力を纏わせる レイが笑んで言う
「期待してるぜ?マッキのウィザード!」
シュイが言う
「ああ その名に恥じぬようにな?それから… マッキではなく マキだっ!」
シュイが火の魔法を放つ 宮殿に炎が放たれ 神官たちが慌てて結界を張って防ぐ 

神の宮殿 崖下

瓦礫が岩肌の内部から押し退かされ Mラミリツが現れると ラミリツが言う
「最悪の場合を想定して マシーナリー1体が通れるくらいを退けて… 後は」
Mラミリツが空を見上げる

【 ART司令塔 】

ラミリツの声が聞こえる
『こちらART2隊長 上空で チームウィザードと思われる者たちの 戦闘を確認 我々ART2及びART1は これよりターゲットの居城 地下通路へ潜入する』
マリアがハッとして顔を上げる 通信のオペ子Aが言う
「ART司令塔 ART2からの報告を確認 ART2及びART1の状況及び潜入を認識 ART司令塔より ART2へ 作戦続行をお願いします!」
ラミリツの声が言う
『ART2 了解!』
アースが言う
「改めて確認をするが マリア殿?」
マリアがハッとして言う
「は、はいっ!?」
アースが言う
「奴の根城の下にある崖には 地上との連絡口となる通路がある… との事前報告であったが マリア殿の目から見て その通路は 我々ARTのマシーナリーが通られる程であったと言うのは 間違いないだろうか?」
マリアが言う
「あ、はいっ 正確に測った訳では無いので 確実だとは言えませんが… 目で見た感じでは 多分… 大丈夫だと…?」
アースが言う
「そうか その言い方から察すると ギリギリ… もしくは 何とか通られそうだ と その様な形容詞が付く感覚だろうか?」
マリアがハッとしてから慌てて言う
「そっ そうですね!?ギリギリとか… 何とか… 多分… 通れる と、思います とても通路は広かったので… あ、でもっ その…っ!?以前脱出する時に ウィザードが… あ、私のウィザード様ではない ウィザードが 一部 破壊してしまったので… ひょっとしたら 通れなくなってしまっているかも…」
アースが言う
「そうか… 上階にある 奴の根城へ続く通路が破壊されているとなると 少々 問題とも言えるが…」
マリアが表情を困らせる アースが言う
「エリックアーベスト 聞こえているか?」
コンソールからリックの声が聞こえる
『おう ずっと聞こえてんぜぇ?』
アースが言う
「では 今のマリア殿との会話の中に在った 通路の破損だが どうだ?見受けられるか?」

【 神の国 】

崖の中

リックがピョンピョンと崖の中に在る足場を飛んで登りつつ言う
「丁度今 その辺りに居る」
リックの耳にあるイヤホンからアースの声が聞こえる
『そうか では 報告を頼む』
リックが言う
「あぁん?報告だぁ?」
アースの声が聞こえる
『分からないか?エリックアーベスト?我々ARTのマシーナリーが 通過する事が出来るかどうかの 報告をしてくれと言う事だ』
リックが崖の一部に立ち止まって言う
「ケッ そんくれー分かってらっ 俺様が気になったのは そのテメェのマシーナリーの奴らが どの程度 飛躍出来るのか?って事なんだよ?馬鹿にすんな!」
アースの声が聞こえる
『飛躍… か… その言葉を用いると言う事は…』
リックが見下ろす先 ARTマシーナリーたちが崖の中に点在する 通路であった足場を頼りに上部へ向かっている様子が見える

リックが視線を変えて崖の入口を見る

神の宮殿 崖下

Mラミリツが身を屈め振り返って言う
「それでは 作戦が終了するまで どうか お気を付けて」
テールが言う
「おう!アンタらも気を付けろよ?まぁ リックが居るんだから 大丈夫だろうけどな!」
ラミリツが言う
「はい 有難う御座います」
ラミリツの視線先 メインモニターに映っているテールが言う
『おう!じゃあな!』
テールが走り去って行く Mラミリツがテールの後姿を見送ると 屈めていた身を起こし 空を見上げる

ラミリツが視線を強めて言う
「マリアさんのウィザード様 僕らが任務を遂行するまで どうか ご無事でっ」
Mラミリツが再び崖の中へ向かう

神の国 上空

ベガの声が聞こえる
「新人類は 再び過ちを繰り返して居る… もはや修正の効かぬ程に なればこそ 粛清を持ってこれを抹消する そして しばしの沈黙の後 再び芽生える生命の下 新たに作られる世界を眺める… それを余の傍らにて 行わせてやろうと申ている この栄誉が 分からぬのか?」
レイが言う
「俺は今のこの世界が好きだって言ってるんだよっ!今のこの世界には マリアが居るんだからっ!」
シュイが慌てて言う
「おいっ アークっ!?」
ベガが言う
「マリア?」

【 帝国 】

ネロが言う
「どうやら 上手くかかった様だ」
メリが言う
「上手くかかった… とは?」
ネロがメリを見て言う
「我の… いや?ハブロの策にな?」
メリが呆気に取られる

【 神の国 】

上空

レイが杖を払って言う
「そうだ!俺の大好きなマリアが居る!だから俺は 今のこの世界を 抹消させたりなんかしない!」
ベガが言う
「貴様は第3エリアのアークであったな?」
レイが言う
「第3エリア?…あ!そうだ!そうだって俺の魔力が言ってるぞ?けど それがどうかしたのか?」
シュイが言う
「お、おいっ アーク…っ 余りその… 我々の情報は与えない方が…っ」
レイが言う
「そうなのか?何で?大体アイツは神なんだから 与えるも何も… お?誰か来たぞ?」
レイたちの視線の先 

宮内

ベガが言う
「今すぐ 第3エリアへ向かい 障壁を解除して参れ 完了の報告が届き次第 プラント全土に先駆け 第3エリアの粛清を行う」

上空

シュイが頭を抱えて言う
「言わんこっちゃないっ!!」

宮内

ベガの前に居るアークが言う
「畏まりました 直ちに!」

上空

シュイが思わず叫ぶ
「待てっ!行くなーっ!!」

シュイの視線の先 アークが光の翼を広げ杖を掲げると消える

【 帝国 】

空間モニターを前に メリが呆気に取られて言う
「…え?」
ネロが言う
「これで貴様の故郷は ハブロの作戦通り 間もなく 消滅するだろう」
メリが慌てて言う
「な…っ 悪魔ですねっ!よくも 私の守るべき国であった 故郷を囮にっ!」

【 神の国 】

崖下

ARTマシーナリー1機がワイヤーで引かれ 上部に居るARTマシーナリー2機に引き上げられる

隊員Cがホッとして言う
「はぁ~ 落ちるんじゃないかって ヒヤヒヤしたぜ…」
モニターに隊員Bが映って言う
『えー?サッちゃんってば ビビり過ぎー?1番手だったアッちゃんなら兎も角 3番手じゃ怖がる事なんて何もないのにー?』
隊員Cが不満げに言う
「俺はお前らと違って ダイレクトにマシーナリーの感覚を感じるから お前らより肌で空気を感じて怖いのっ!」
隊員Bが言う
『えー?』
周囲に震動が響く 皆が驚き リックが上部を見上げて言う
「何だぁ?」

神の国 宮内

ベガが怒っていて言う
「アークどもは何をしているっ!!」
神官たちが怯えて言う
「も、申し訳御座いませんっ 我らが神 ベガ様っ!」
ベガが言う
「もう良い!!格なる上はっ!!」

神の国 上空

ベガの声が聞こえる
「これより 我自らが 貴様の管理下である 第3エリアの粛清を行ってくれる 歓喜せよ カイ・アーク・フォライサー!」
レイが怒って言う
「俺は そんな名前じゃない!レイだっ レイ・アーク・フォライサー …いや!俺は マリアのウィザード様だっ!!」
シュイが言う
「アークよっ!今はその様な事を 言い合っている場合ではっ!?」

【 ART本部 】

オペ男Bが反応すると言う
「中佐!政府航空局 チーム3から緊急連絡 ポート13です!」
マリアが反応してオペ男Bを見る グレイゼスが反応すると言う
「っ!…分かったっ 俺が直接聞く」
グレイゼスがインカムを装着してコンソールを操作すると言う
「こちらART司令塔 マスターグレイゼス中佐だ 政府航空局チーム3応答を … … …そうか…」
マリアが疑問していると マキがこそっとマリアへ耳打ちする
「ねぇ?マリア…?何か悪い事があったのかな?」
マリアが苦笑して言う
「さ、さぁ?どうだろうね?」
マリアとマキが グレイゼスを見る グレイゼスが言う
「…分かった そちらに損傷は無いか!?… … 了解 では 作戦終了まで 現状にて 任務を続行してくれ!何かあれば また連絡を!」
グレイゼスが通信を切るとインカムを外して言う
「ハブロス司令官へ連絡を!C3にて事案発生 政府航空局によるスキャンにてT8だそうだ」
オペ子たちが一瞬息を飲んでどよめく グレイゼスが表情を強めて言う
「連絡を急げ!作戦はまだ終わっていない!各自任務続行!現地に居る隊員たちを 何としても守れ!」
オペ子たちがハッとしてから言う
「「了解 中佐!」」
マリアとマキが呆気に取られた状態から顔を見合わせ沈黙する

【 神の国 】

宮内

ベガが高笑いをして言う
「っはははははっ!!どうだ?カイ・アーク・フォライサー?これで 貴様が余の下へ跪かぬ理由は無くなった!さあっ!?」

神の国 上空

シュイが驚きに目を見開いている ベガの念通力が聞こえる
”我が下へ跪け!貴様の願いを叶える為に アークを2体失った… もっとも 使えぬ者の選定を下したまでだが?”
レイが振り向くと 周囲にアークが5人現れる シュイがハッとして言う
「なっ!?」
レイが言う
「心配するな こんな抜け殻な奴ら アークでも何でもない」
シュイが疑問して言う
「抜け殻…?」
ベガの念通力が聞こえる
”今は仮初の器しか在らぬものだが いずれ自我も戻るだろう しかし 貴様程度であるならば 器のみの そ奴らであって十分… さぁ?急がねば その者らが 貴様を排除するぞ?”
レイが言う
「俺は何があろうと お前に跪くなんて事はしないっ!それにもう!」

神の国 宮内

ベガが言う
「もう?もう貴様が守ろうとした 生物も第3エリアと共に 消滅したぞ?これでもまだ 余へ下らぬ理由があると…?」
轟音が響く ベガが疑問する レイの声が聞こえる
《ああ!あるさ!もう お前のすぐ側まで!》
壁が破壊され 壁を破壊した様子のアースが居て 後方にARTマシーナリーたちが構えている レイの声が届く
《お前をぶっ飛ばすための アーク・メイヴン・ハブロスたちが 来てるんだからな!》
ベガが呆気に取られている アースが言う
「久しぶりだな?この世の破壊神 我らの神 ベガよ」
ベガが呆気に取られていた状態から口角を上げ大笑いする
「あーはっはっはっはっはっは!あーーはっはっはっはっはっはっはっ!!」
隊員CがM隊員Cの中で 呆気に取られて言う
「…一体 これの何処が作戦なんだよ?ただ単に突っ込んで来ただけ… イテェッ!?」
隊員Cが頭を押さえて言う
「ぐぅ…っ ナノマシーンが…っ!」

【 ART司令塔 】

オペ子Aが言う
「ハブロス司令官 及び ART1 ART2!目標地点へ到達!同時に ターゲットへの接触を確認!」
グレイゼスが苦笑して言う
「相変わらず無茶苦茶なんだから…」
マリアとマキが呆気に取られていて マリアが言う
「大丈夫… なのかな?」
マキが苦笑して言う
「あ、あのさ?マリア?確認して置きたいんだけど… 司令官って 現場に戦いに行く人の事だったっけ?」
マリアが衝撃を受けて言う
「え?それは… ラミリツさんたちみたいな 兵士さんとか 隊員さん… って 言う人たちの事だったと思うんだけど…?」
グレイゼスが言う
「うちの”司令官さん”は半分 その兵士さんや機動隊員さん みたいな人なもので… …あっ!しまったっ こんな事言うとナノマシーンに怒られ…っ!…って?あ…」
グレイゼスが思わず頭を押さえていた状態からハッとする ラキンゼスが苦笑して言う
「ナノマシーンを失って 良い事の2つ目だぜ?あの死ぬほど痛ぇ頭痛で怒られる事が無くなるってな?」
グレイゼスが苦笑して言う
「っはは 確かにそうだな?良いって言えば良いが… やっぱりちょっと…」
ラミリツの声が聞こえる
『こちらART2!ART司令塔っ 聞こえてるっ!?』
グレイゼスが言う
「こちらART司令塔!お前たちの通信は 現在常時接続されている!何かあればそのまま伝えてくれ!」
ラミリツの声が聞こえる
『了解!ART2 ART1は作戦通りターゲットの居城へ潜入!…あいかわらず ハブロス司令官まで来ちゃったけどっ 現在 そのハブロス司令官が ターゲットへ接近中!僕らは護衛及び 必要時にはハブロス司令官の指示に従うよ!』
グレイゼスが言う
「ART2了解だ!その通りで良い 現状 司令塔はそちらの状況をモニター出来ない!必要時の指示は出せないと思ってくれて良い!全て現地のハブロス司令官及び 諸君の独断専行に従ってくれ!」
ラミリツの声が聞こえる
『ART2了解!』
ハイケルの声が聞こえる
『ART1も了解… あっ!何をする気だっ!?ハブロス司令官っ!?』
皆が反応する ラミリツの焦った声が聞こえる
『ハブロス司令官っ!!――…ッ』
通信が途絶える マキが呆気に取られて言う
「は?…えっ?アレ?何か…?」
マリアが言う
「途切れちゃいました… ね?それも…」
マリアが周囲を見渡してからグレイゼスを見る グレイゼスが苦笑して言う
「…あ …ははは?えっと… …まぁ 大丈夫でしょう?」
皆が転ぶ グレイゼスが苦笑して言う
「あのハブロス司令官の事ですから?まぁ… いつもの事と言いますか…?なぁ?皆?」
オペ子Bが苦笑して言う
「ま、まぁ… …そうですね?」
オペ男Aが苦笑して言う
「違いない…」
ラキンゼスが言う
「まぁ… ハブロス司令官だしな?何とか… なんだろ?」
通信にシュイの声が聞こえる
『…こ、こちら …チームウィザード …なのだが?』
マキがハッとして言う
「シュイっ!?」
グレイゼスが気を取り直して言う
「こちらART司令塔!チームウィザード!通信は届いている!どうしたっ!?」
シュイの声が聞こえる
『あ、ああ… その… 伝えるべきなのか 迷った… のだが…?』
グレイゼスが言う
「何でも良い!こっちはそちらの状況が何も分かっていない どの様な些細な事でも構わない 報告を頼む!」
シュイが言う
『ああ では その…』

【 神の国 上空 】

レイが魔力を放った後の様子で自信満々に居る その前でシュイが困りつつ通信機へ向かって言う
「つい先ほど 神の前に現れた お前たちの司令官と あの鉄の巨人たちなのだが…」
通信機からグレイゼスの声が聞こえる
『ああ 彼らがターゲットの下へ到達した所までは こちらも報告を受けていたのだが その後突然通信が途絶えてしまった そちらからは 何か分かるかっ!?』
シュイが言う
「何か… と言うのは分からないが その… …消えてしまった …のだが?」
通信機からグレイゼスの声が聞こえる
『え…?消えた…?』

【 ART本部 】

シュイの声が聞こえている
『ああ… お前たちの司令官が 神と話をしていたのだが しばらくして その… お前たちの司令官が… その… 神を殴ろうとした所』
マリアとマキが衝撃を受ける マキが言う
「神様を殴ろうとする って… 傍から聞くと 何か… 凄いよね?」
マリアが苦笑して言う
「う、うん… そうだね?けど…」
シュイの声が聞こえる
『…で 神の魔法と彼の… 魔法の様な力が反発した途端 我々の目下から 消えてしまった… 同時に 我々の周囲に居たアークたちも まるで 糸が切れた操り人形の様に 落下して行った… ああ、彼ら… いや アークらは消えてはいないのだが…』
グレイゼスが言う
「そうか 取り敢えず状況は分かった お前たちの状態はどうだ?もし 支障が無い様であれば 物陰へ身を隠すなりをしつつ 彼らの帰還を待ち 共に 分かる範囲にて 状況を報告して欲しいのだが?」
シュイが言う
『分かった 我々は今の所 問題ない しばらく 物陰にて 彼らの帰還を待つ 何かあれば また報告をする』
グレイゼスが言う
「ああ 宜しく頼む!」
シュイが言う
『了解』
通信が途絶える マキが一瞬反応してから一度視線を落とすが 気を取り直して微笑し マリアへ向いて言う
「その… 状況はアレだけどさ?とりあえず マリアのウィザード様は 作戦を成功させたって事だよね?」
マリアが苦笑して言う
「そうだね?それに マキのウィザード様もね?」
マキが苦笑して言う
「あぁ… まぁ~ ウチのは アレ オマケみたいなものだから?」
マリアが苦笑して言う
「もう… マキってば そんな言い方したら シュイさんが…」
グレイゼスがマリアとマキのやり取りを見ていた状態から コンソールへ向き直って言う
「状況確認!アールスローン国内 及び 支援国の情報収集を急げっ!」
司令塔隊員たちが言う
「「了解!中佐!」」


続く
しおりを挟む

処理中です...