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マリア
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マリアは家族をとても大切にしてきた。
母の病気が少しでもよくなるのならどんなにきつくて辛い仕事もやってきた。
それなのにー・・・いきなり拉致され軟禁されてしまったのだった。
しかも相手が悪かった。
コレクターで有名な変人王グレンだった。
軟禁先はコレクションルーム兼寝室だった。
不自由な思いを強いられてはいるが今のところ何かあったわけではない。
グレンに唇を奪われただけだ。
”無理やり組み敷くつもりはない”と言っていたが本当に信用していいか今はまだ分からない。
時々、鋭い瞳で射抜かれそうになる。
そういう時”男”を感じる。
グレンが本気になってしまえばあっという間に体は奪われてしまうだろう。
マリアは自分の体をぎゅっと抱きしめた。
初めの晩、犯されると思い身構えていたが何もなく夜が明けた。
しかし、今晩もそうとは限らない。
彼は”約束は守る”と言っていたが・・・。
夜に男性と2人きりになるのは怖い。
しかも同じベッドで眠らなければならないのだ。
よく知りもしないグレン王と。
でも今日貰った子犬はとても可愛かった。
素直にお礼を言う気になった。
母の事もあるし、子犬の事と一緒にお礼を言おう。
母は元気になっただろうか。
夜になり公務を終え風呂も済ませたグレンが部屋に入ってきた。
「お、おかえりなさい」
一瞬グレンは驚いた表情を見せた。
「ああ、ただいま」
「今日、貰った子犬可愛いよ。ほら!」
そう言いながらシロをグレンの鼻先に押し付けてみた。
グレンとシロは鼻先でキスする形となった。
グレンは固まって動かない。
(もしかして犬が苦手なのかな?)
グレンは呼び鈴を鳴らした。
するとすぐにマナが部屋に入ってきた。
「マナ・・・すまないが朝まで犬を預かってくれないか」
「畏まりました」
そう言いマナはマリアに申し訳なさそうにシロを連れて行ってしまった。
「ごめんなさい。犬は苦手だった?」
「・・・」
じろりとマリアは睨まれてしまった。
「犬は嫌いじゃない」
「じゃあ、何で部屋から出したの?」
グレンはマリアを抱きしめた。
「2人きりになりたいからだ」
「!?」
「何かする気!?」
マリアも学校に通っていたので男女の関係の事についての知識はある。
抱きしめられてマリアはドキドキした。
グレンからはふわりと良い匂いがした。
そんな事を考えた自分が恥ずかしい。
マリアを横抱きにしベッドへ連れて行こうとした。
ベッドに連れて行かれる前にこの腕から逃げ出さねばいけないと必死になって暴れた。
それでもビクともしない。
気がついたらもうベッドの上だった。
グレンはマリアに抱きついたままベッドに横たわった。
それ以上何もしようとはしない。
「これくらい許してくれてもいいだろう?」
「ど、どうして・・・?」
(いっそ抱いてくれれば憎むことが出来るのにー・・・)
ついマリアはそんな事を考えてしまった。
「どうして何もしないのかと聞きたいのか?」
「・・・うん」
「何かしてもいいのか?」
「いいはずない!!」
真っ赤になりながらマリアは答えた。
グレンはくっくっくっと低く笑っている。
(からかわれた!?もう一体何なのよ!)
「抱きしめてくれないか?」
「え?」
「・・・嫌ならいい」
(何かあったのかな?)
そう思い言われた通りマリアはグレンを抱きしめた。
「今日はこのまま眠りたい」
「・・・深い意味は無いからね!?」
マリアは念を押した。
「犬のお礼と母の治療のお礼だからね」
「理由は何でもいい。マリアに触れていたいんだ」
かぁぁぁっと頬が赤くなるのを感じた。
目の前にはグレンの綺麗な顔があった。
グレンの目的が分からないけれど今はこうして抱きしめてあげたいと思った。
2人は抱き合い眠りについた。
しかし、マリアはなかなか眠れなかった。
心臓が高鳴り苦しくなった。
母の病気が少しでもよくなるのならどんなにきつくて辛い仕事もやってきた。
それなのにー・・・いきなり拉致され軟禁されてしまったのだった。
しかも相手が悪かった。
コレクターで有名な変人王グレンだった。
軟禁先はコレクションルーム兼寝室だった。
不自由な思いを強いられてはいるが今のところ何かあったわけではない。
グレンに唇を奪われただけだ。
”無理やり組み敷くつもりはない”と言っていたが本当に信用していいか今はまだ分からない。
時々、鋭い瞳で射抜かれそうになる。
そういう時”男”を感じる。
グレンが本気になってしまえばあっという間に体は奪われてしまうだろう。
マリアは自分の体をぎゅっと抱きしめた。
初めの晩、犯されると思い身構えていたが何もなく夜が明けた。
しかし、今晩もそうとは限らない。
彼は”約束は守る”と言っていたが・・・。
夜に男性と2人きりになるのは怖い。
しかも同じベッドで眠らなければならないのだ。
よく知りもしないグレン王と。
でも今日貰った子犬はとても可愛かった。
素直にお礼を言う気になった。
母の事もあるし、子犬の事と一緒にお礼を言おう。
母は元気になっただろうか。
夜になり公務を終え風呂も済ませたグレンが部屋に入ってきた。
「お、おかえりなさい」
一瞬グレンは驚いた表情を見せた。
「ああ、ただいま」
「今日、貰った子犬可愛いよ。ほら!」
そう言いながらシロをグレンの鼻先に押し付けてみた。
グレンとシロは鼻先でキスする形となった。
グレンは固まって動かない。
(もしかして犬が苦手なのかな?)
グレンは呼び鈴を鳴らした。
するとすぐにマナが部屋に入ってきた。
「マナ・・・すまないが朝まで犬を預かってくれないか」
「畏まりました」
そう言いマナはマリアに申し訳なさそうにシロを連れて行ってしまった。
「ごめんなさい。犬は苦手だった?」
「・・・」
じろりとマリアは睨まれてしまった。
「犬は嫌いじゃない」
「じゃあ、何で部屋から出したの?」
グレンはマリアを抱きしめた。
「2人きりになりたいからだ」
「!?」
「何かする気!?」
マリアも学校に通っていたので男女の関係の事についての知識はある。
抱きしめられてマリアはドキドキした。
グレンからはふわりと良い匂いがした。
そんな事を考えた自分が恥ずかしい。
マリアを横抱きにしベッドへ連れて行こうとした。
ベッドに連れて行かれる前にこの腕から逃げ出さねばいけないと必死になって暴れた。
それでもビクともしない。
気がついたらもうベッドの上だった。
グレンはマリアに抱きついたままベッドに横たわった。
それ以上何もしようとはしない。
「これくらい許してくれてもいいだろう?」
「ど、どうして・・・?」
(いっそ抱いてくれれば憎むことが出来るのにー・・・)
ついマリアはそんな事を考えてしまった。
「どうして何もしないのかと聞きたいのか?」
「・・・うん」
「何かしてもいいのか?」
「いいはずない!!」
真っ赤になりながらマリアは答えた。
グレンはくっくっくっと低く笑っている。
(からかわれた!?もう一体何なのよ!)
「抱きしめてくれないか?」
「え?」
「・・・嫌ならいい」
(何かあったのかな?)
そう思い言われた通りマリアはグレンを抱きしめた。
「今日はこのまま眠りたい」
「・・・深い意味は無いからね!?」
マリアは念を押した。
「犬のお礼と母の治療のお礼だからね」
「理由は何でもいい。マリアに触れていたいんだ」
かぁぁぁっと頬が赤くなるのを感じた。
目の前にはグレンの綺麗な顔があった。
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2人は抱き合い眠りについた。
しかし、マリアはなかなか眠れなかった。
心臓が高鳴り苦しくなった。
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