コレクター王と白髪娘

えりー

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向き合う二人

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朝は馬に乗せてもらえてマリアは嬉しかった。
今までの生活だったら絶対に乗る機会なんて無かった。
(・・・お母さん達元気かな?)
ふと思い出す家族の事。
でも、グレンは約束してくれている。
きっと大丈夫だろう。
今のところ悪い知らせは届いていない。
母の身に何か起きればグレンは必ず面会させてくれる気がした。
最近になってグレンという人がどんな人か分かるようになった。
こっそりマナさんに聞いた話では父には私の様子を綴った手紙を毎日書き、配達させているらしい。
母には高度医療施設に入院させてもらっているそうだ。
その心遣いが嬉しかった。
何故グレンの口から教えてくれないのか不思議だった。
いい事をしているのなら別に話してくれてもいいのにとマリアは思った。
マリアは厳重に鍵をかけ、今日も部屋で過ごしていた。
また毒蛇なんて投げ込まれてはたまらない。
マリアは今は元気に過ごしているが毒蛇に噛まれ暫く動けなくなった。
ようやく今朝から動いても良いと医師から許可が出た。
本当は昨夜許可が下りたそうだがグレンが念のために私に話さなかったようだ。
グレンは心配性で、甘えん坊なところがある。
あんなに普段は威厳に満ちているのに・・・。
私だけが知っているグレンの本当の顔。
少し優越感と似た感情が生まれた。
私は多分、グレンの事が好きなのだろう。
今晩、それを告白するつもりでいる。
例え抱かれることになっても後悔はしないと決めた。
(怖くないと言ったら嘘になるけど)
(グレンは私の事どう思っているんだろう)
グレンは初めてあった時私をコレクションだと言っていた。
今もそう思われているのなら傷つく。
でもグレンの行動からすると私の事を”人間”として扱ってくれている。
毒蛇に噛まれたときも急いで駆けつけてくれた。
看病までしてくれた。
本当はグレンは優しい人なのだと思った。
(そんな彼だからこそ想いを伝えたい・・・)

夜になりグレンが急いで部屋に戻ってきた。
「遅くなってすまない」
「ううん。全然遅くないよ」
2人はベッドの上に腰かけた。
「グレン・・・父と母の事ありがとう。マナさんから聞いちゃった」
「・・・別に言う必要は無いと思ったんだ」
「どうして?」
「それくらいして当り前のことだと思ったんだ」
「?」
よく分からないといった顔をしているとさらに説明をしてくれた。
「大事な一人娘を父親から引き離したんだ。マリアの身を案じている父親に報告位するさ」
「母親の件は後宮に入るという条件だったじゃないか」
(なるほど!)
ようやく合点がいったマリアだった。
「それで、マリアからの話とはなんだ?」
「う、それは・・・」
マリアの顔が見る見る赤くなっていく。
「あの、その・・・えっと」
1日考えたのにうまい言葉が見つからない。
「まさか、俺の事を好きになったとか?」
赤かった顔がさらに真っ赤になっていくのが分かる。
「・・・本当にそうなのか?」
マリアは頷いた。
そして、自らグレンにキスをした。
グレンのように上手にできないけれど気持ちを伝える手段としては良いかと思ったのだ。
グレンは固まったままだ。
「グレン?どうしたの?」
「一瞬理性が吹き飛ぶところだった・・・」
「理性は大事だよ!吹き飛ばされないで!!」
(だって理性が利いているから襲われずに済んでいるんだもん)
グレンの理性が吹き飛んだら抱かれてしまう。
「ではもう好きにマリアに触れても良いという事か?」
(そこまでは言っていない!)
「待って!!」
「!?」
マリアのまさかのストップに驚いたグレンは目を大きく見開き彼女を見た。
「グレンはどうなの?私の事、どんなふうに好きなの!?」
「俺は”1人の人間”として好きになった」
「コレクションとしてではなく?」
「ああ、あの時はコレクションの一つくらいにしか思っていなかった」
「酷い」
じとーっとした目でグレンを見た。
グレンは驚くことに頭を下げ謝ってきた。
「本当に悪かったと思っている」
「じゃあ、今は恋愛感情を持っているという事なの?」
「ストレートに聞いてくるな」
「答えて?」
「ああ、本気でマリアを愛している」
マリアは嬉しくてグレンに抱きついた。
「愛してくれてありがとうグレン」
「マリアはどうなんだ?」
「私はまだ愛とかは分からないの・・・」
グレンの手が伸びてきてマリアの胸に触れた。
「嫌か?」
「嫌じゃない」
「「・・・」」
暫く沈黙が落ちた。
「それでは遠慮なく抱かせてもらおうか」
「それは明日!!明日お願い!!」
グレンはムッとした顔をしのしかかってきた。
「何故今日は駄目なんだ」
「まだ・・・心の準備がー・・・」
「またそれか」
ふーっと長い溜息をつきマリアに言った。
「今日のところは我慢してやるが明日は我慢しないからな」
「・・・はい・・・」
「話はこれだけか?」
「うん」
「では眠れ」
「まだ早いよ」
耳元でグレンが囁いた。
「明日は寝かさないから覚悟しておけよ」
「!?」
耳を疑うような言葉を聞いてしまった。
マリアは今日は言われた通り早めに休むことにした。
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