小国の姫ですが大国へ嫁ぎます

えりー

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ルーク王と乗馬

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夕方になると体の痛さも和らぎもう普通に動けるようになっていた。
ルークと約束した通り乗馬を楽しめそうだ。
(でも、どうして私が乗馬好きなのを知っていたのかしら・・・)
ブランシュは不思議に思った。
ルークは約束通り夕方には仕事を終わらせ戻ってきてくれた。
「まだ、休んでいたのか?」
ブランシュはまだ寝間着のままだった。
「あ・・・乗馬の為に体を休めていました」
「ははははは!どれだけ乗馬が好きなんだ」
「そ、そんなに笑わないでください!だってもう二度と馬には乗れないと思っていたんですもの」
「誰かに禁じられたのか?」
厳しい眼差しで見据えられ驚いた。
「いいえ!もし淑女じゃないことがバレたら国に帰されるんじゃないかと勝手に思ってました・・・」
「帰す?ブランシュを?」
ルークはブランシュを抱きしめた。
「お前はもう俺のものだ。どこへもやらない」
ブランシュの胸が高鳴った。
もしかしたら心音がルークに伝わってしまうのではと思うほどだった。
「乗馬用の衣装はクローゼットに入っている。着替えてくれ」
そう言うとルークは部屋から出て行った。
どうやら部屋の外で着替えるのを待ってくれているようだ。
ブランシュは乗馬用の衣装を見つけると早速着てみた。
サイズは驚くほどぴったりだった。
一応スカートタイプで乗馬しても下着が見えないようになっている。
どう見ても特注品だ。
戸を開けルークを呼んだ。
「ルーク様どうでしょうか?」
「ああ、よく似合っている。動きにくい所はないか?」
「大丈夫です」
「では行くとしよう」
そう言い手を差し伸べられた。
ブランシュはもう何の戸惑いもなくその手を取れるようになっていた。

「嘘・・・ルーカスが何でここに!?」
「ルーカスというのか良い馬だな。お前が気に入っているものはなるべく持ってくるよう指示してあった」
「ルーク様。ありがとうございます!!」
ブランシュはルークに心から感謝した。
「いや、乗馬が好きなら乗り慣れた馬が良かろう?」
「はい!!」
そう言うとブランシュはルーカスの顔を両手で包み込み額と額を当てた。
そしてブランシュはルーカスにひらりと乗った。
手綱をしっかり持ち懐かしい感覚に浸っているとルークから声をかけられた。
いつの間にかルークも自分の馬に乗っていた。
「そろそろ走ろうか。向こうに見える巨木まで競争しよう」
「え!?」
「行くぞ」
「ちょっ・・・まって」
ルーカスを全力で走らせたがブランシュは競争に負けてしまった。
さすがは王の馬だけあってかなりの早馬だった。
「俺の勝ちだな?賞品をもらってもいいか?」
「え!?私、今何も持っていません」
ブランシュは慌てた。
その様子を楽しそうに見ていたルークは言った。
「今、ここで俺にキスをしてくれ」
「こ、ここは外ですよ!?」
「それが何か問題でもあるのか?」
問題はあるだろう。
もし人に見られでもしたら・・・。
「大丈夫だ人払いは済んでいる」
「・・・」
(何て手際の良い事・・・)
ブランシュは競争に負けた。
勝者の言う事は絶対だろう。
ブランシュは自分からキスしたことはない。
やり方は昨日分かった。
(女は度胸よ!)
目を瞑っているルークにキスをした。
少し勢いがつきすぎて歯がぶつかったがキスはキスだ。
「まだ慣れていないようだな」
そう言いルークはブランシュを引き寄せルークからキスをした。
軽く触れるだけのキスだったがブランシュの胸は高鳴ったまま収まりそうもない。
きっと顔も真っ赤になっているに違いない。
「昨夜はもっと恥ずかしいことをしたのにまだキスも恥ずかしいのか」
「か、からかったんですか!?」
(悔しい~!!)
(次、競争するときは必ず勝ってやるんだから!)
ブランシュはそう思った。
ルークはたまに意地悪になる時がある。
でも憎めない。
ルークは基本ブランシュに甘い。
一緒にいて心地良い。
昨日会ったばかりなのにすんなりルークはブランシュの心の中に入ってきた。
気がつくとルークの事ばかり考えている自分に気づかされる。
(20歳も年上の男性に恋をしたようなそんな気分・・・)
(・・・恋!?これが恋なの!?どうしよう)
どうもしようがない。
2人はもう夫婦なのだから。
「そろそろ戻るか?暗くなると大変だ」
「そ、そうですね」
そう言い2人は馬に跨り城へ戻った。
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