Lost Heroines

えりー

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決断の時

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会場に着くと凄い熱気に包まれていた。
事務所に所属する色々なアイドルグループたちが歌や踊りを披露していた。
「もう始まっているんだな・・・」
「凄い、人がいっぱいいますね」
「これならすぐにエネルギー溜まるかも!!」
「・・・帰れる・・・?」
言いたい言葉を飲み込んで悟は言った。
「そうだな。あっという間に溜まるかもしれないな」

控室に行くと衣装に着替えさせられ、メイクを施された。
その間悟は控室の前に立って待っていた。
(あれだけの人が集まっているんだ・・・あっという間にエネルギーが溜まってしまうかもしれない)
もしそうなれば彼女たちは帰ってしまうのだろうか。
少なくともライラックは帰りたそうに見えた。
はーっと溜息をついて宙を見上げた。
悟は3人と・・・ヒバリと別れたくなかった。
これからも3人で一緒に活動していきたいと思った。
そうして3人は控室から出てきた。
3人共お揃いの衣装を見に纏っていた。
白いドレスのような衣装で、スカートはミニスカート、ニーソックスに白い靴だった。
「おお!良く似合ってるよ3人共!!」
「そうですか?」
照れたようにヒバリが言う。
「そうですか・・・?」
ライラックも照れている。
「もっと褒めてー!!」
純粋に喜んでいるネイル。
「準備もできたし、さぁ行こう!!」
そう声をかけるととても嬉しそうに3人は微笑んだ。
ステージに上がってみると凄い人が集まっていることが分かる。
曲が始まり3人は歌い、踊り始めた。
悟はとても嬉しくて泣きそうになった。
ステージでリズムに乗り踊り続ける3人。
とても輝いていた。
ステージの幕が下り、たくさんの拍手に会場が包まれた。
3人は悟の元へ駆け寄った。
そして3人で悟を抱きしめた。
「うわ!!」
思わず悟はよろけた。
「私たち上手く出来ましたか?!?」
「うまく踊れたー!?」
「・・・褒めて・・・」
悟は3人を抱きしめた。
その時だった。こぽっという音が聞こえた。
ヒバリは慌ててポケットの中の小瓶を取り出した。
すると小瓶の液体は満タンに溜まっていた。
「「嘘!?」」
ライラックとネイルは驚いた。
何となく予想をしていたのかヒバリは冷静だった。
次の瞬間小瓶は宙に浮き液体が溢れた。
気が付くと目の前に時空の切れ目が出来ていた。
ライラックとネイルは喜んで時空の切れ目へ入って行った。
しかしヒバリは動こうとしなかった・・・。
「ヒバリ!!早くしないともう戻れないよー!?」
「ヒバリ・・・早く行こう・・・」
「・・・ごめん2人共、私はこの世界に残るわ」
「「マネージャーが好きだから?」」
2人は声を合わせそう問いかけた。
ヒバリは無言でうなずいた。
「・・・わかった・・・元気でね?」
「離れていても友達だよー!!」
「ありがとう。ライラック、ネイル」
「ちょっと待って!ヒバリは本当に後悔しないのか!?」
悟は慌てた。
「はい、私は私の居場所を見つけたので」
ヒバリはそういいながら悟に抱きついた。
「マネージャー!今日までありがとう!!」
「ん!楽しかった・・・」
「ああ、俺からも礼を言うよ。今日までありがとう」
そう言った瞬間時空の切れ目は閉じ元の空間に戻った。
「元の世界を捨ててまで俺と居る事を選んでくれてありがとう」
悟はヒバリにキスをした。
「人目が・・・」
ヒバリは動揺した。
「俺はこれから、社長に話があるから先にマンションに行っていてくれ」
「・・・分かりました」
控室の前で2人は別れた。
そして前から準備していた辞表を持って社長の所へ向かった。
社長室の前で深呼吸をし呼吸を整えた。
そしてノックをした。
「石川です。社長にお話があってきました」
「どうぞ」
そう言われ、ドアを開け入室した。
「・・・それで話とは?」
「あの・・・」
正直に言っても理解してくれるとは思えない。
「えっと・・・ヒバリ達についてなんですが・・・」
「アイドルをやめる事になりました」
「・・・そうか。あの3人は元の世界へ帰れたのか?」
その言葉を聞いた瞬間思考が停止した。
「あれだけの膨大なエネルギーがあれば液体が溜まると私は思ったんだ」
「あの・・・もしかして社長も・・・?」
「そう、異世界人だ」
正直腰を抜かしそうな話だった。
何と社長まで異世界人だったとは思いもしなかった。
「話はそれだけか?」
「いいえ!これを受け取ってほしくって・・・」
そう言い辞表を出した。
すると社長は言った。
「君までやめる必要はないだろう?」
「俺は俺だけのアイドルを見つけてしまったのでこの仕事に熱意を注げなくなりました」
「ヒバリは残ったのか」
「!!?」
どうやらすべてお見通しだったようだ。
「はい、ヒバリは俺を選んでくれました」
「そうか、そう言う事ならこれを受け取らせてもらうよ」
「ありがとうございます、社長」
社長は嬉しそうな表情を浮かべていた。
「ヒバリと幸せにな」
「今までお世話になりました!!」
悟はそう言い残し事務所を後にした。
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