ドジっ子聖女とヴァンパイア

えりー

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レンの想い

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レンはシーリンの事が好きになっていた。
気がついたら惹かれていた。
そのシーリンからおかしなことを聞かれた。
”抱くのは嫌だったか?”や”気持ち良くなかったか”など聞かれた。
もちろん抱きたかったし、気持ち良かった。
その事をシーリンに告げると彼女は喜んだ。

レンはこの200年の間人と関わるのを避けてきた。
レンには昔人間の恋人がいた。
しかし彼女はヴァンパイアになることを拒んだ。
人間として生き人間として死にたいと言われてしまった。
彼女を失った後レンは何もやる気にならず、200年1人で過ごしてきた。
しかし、また人を好きになってしまった。
それがシーリンだ。
シーリンはとても美しい娘だ。
純粋で綺麗な心も持っている。
エメラルドグリーンの澄んだ瞳。
美しい金髪。
まるで宝石のような少女だ。
そして、不思議な力も持っている。
あの力が何なのかは分からないが、あまり使わせない方が良いような気がする。
シーリンが来てからこの屋敷は明るさを取り戻した。
今まで夜目が聞く為仄暗い中にいたが彼女は人間なので光を灯してやる必要もあった。
シーリンの明るい性格と室内の明るさで2つの明るさが蘇った。

シーリンは俺に抱かれたことをどう思っているのだろうか。
やはり最初は好きな相手としたいはずだ。
それなのに身を委ねてくれた。
その事がレンは嬉しかった。
最初なので彼女は痛がっていたがこれからは痛くないだろう。
しかし、いつまでもこのままだというわけにはいかない。
あの魔女狩りを行っている連中をどうにかしなくてはシーリンは地上に帰せない。
あの者たちは一体何者なのだろう。
シーリンは彼らに目をつけられてしまった。
彼らと次会ったら確実に火あぶりにされるだろう。
悪魔と通じたやら何とか言いながら。
レンはシーリンを守ってやりたくなった。
シーリンを見ていると庇護欲を掻き立てられる。
それは彼女が美しいからではない。
彼女が純粋だからだ。
穢れを知らない彼女に醜いものは見せたくない。
とにかく、レンは魔女狩りを行っている者たちを殺すことにした。
それが片付けばシーリンは地上で暮らしていける。
相手に自分がヴァンパイアである事はたぶんバレている。
向こうも何か手を打っているに違いない。
戦っているところはシーリンには見られたくはない。
そして、まず彼らの目的を知ることが大事だ。
旧友達に相談してみよう。
そう思い手紙を書きコウモリたちに手紙を託した。
内容はこうだ。
何故人間界で魔女狩りをする必要があるのか。
瘴気を除けるすべは他にないのか。

人が人を殺していると思ったが、彼らは本当に人間なのだろうか?
俺と同じような闇の生き物なのではないのだろうかとも考えた。
すると魔界も安全ではない。
しかし、シーリンだけは必ず守ると決めている。
シーリンは少し不思議な力を持っているというだけで普通の娘だ。
誰にも穢させはしない。
レンは強くそう思った。

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