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真綾の想いと裕介の想い
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放課後になって手足が震える。
もう1人の自分が頑張れと言っている。
(あぁなんて複雑なのだろう)
真綾は机に突っ伏し裕介の優しさに甘えていたことを悔いた。
彼はいつも真綾の事を想ってくれていた。
一緒にいて痛いくらいそれは分かっている。
(裕介・・・貴方の奥に気持ちをそっと届かせてほしいの)
「今日こそ伝えよう」
真綾は裕介が迎えに来るのを待った。
けれども彼は迎えに来なかった。
真綾は慌てた。
気が付くともう1人の自分が言ったように駆け出していた。
靴箱を見るとまだ学校にいるようだった。
彼は屋上が好きだと以前話してくれたことを思い出した。
真綾は屋上へ急いだ。
バンッと重たい扉を開けると裕介がいた。
「俺の話はちゃんと聞いてくれていたんだな」
「・・・当り前だよ。覚えているよ」
初めて真綾は自分の意見を言ったような気がした。
「そっか」
裕介は嬉しそうに笑った。
「それで答えは出たのか?俺たちは付き合っていて良いと思うか?」
「・・・」
(届いて欲しいの。私の想い)
「私を傷つけるのも、笑顔にさせるのも今もこれからも裕介だけがいい」
(この言葉は裕介に届いただろうか)
「そっか」
そう言うと裕介は真綾を強く抱きしめた。
「じゃあ、もう一度やり直そう」
「え?」
「初めからやり直したい」
思いもよらない言葉に真綾の気は動転した。
「本当に私で良いの?また同じことを繰り返すだけかもしれないのに」
「もう一度言うよ俺は真綾が好きだ」
「~っ!!」
真綾は真っ赤になった。
返事が出来ない代わりに強く裕介の背中を抱きしめ返した。
やはりすぐには素直になれない意地っ張りな私・・・。
そんな私でもいいと言ってくれる優しい裕介。
これからなんて誰にもわからないけれども・・・
(私は裕介が好きなんだ)
もう1人の自分が頑張れと言っている。
(あぁなんて複雑なのだろう)
真綾は机に突っ伏し裕介の優しさに甘えていたことを悔いた。
彼はいつも真綾の事を想ってくれていた。
一緒にいて痛いくらいそれは分かっている。
(裕介・・・貴方の奥に気持ちをそっと届かせてほしいの)
「今日こそ伝えよう」
真綾は裕介が迎えに来るのを待った。
けれども彼は迎えに来なかった。
真綾は慌てた。
気が付くともう1人の自分が言ったように駆け出していた。
靴箱を見るとまだ学校にいるようだった。
彼は屋上が好きだと以前話してくれたことを思い出した。
真綾は屋上へ急いだ。
バンッと重たい扉を開けると裕介がいた。
「俺の話はちゃんと聞いてくれていたんだな」
「・・・当り前だよ。覚えているよ」
初めて真綾は自分の意見を言ったような気がした。
「そっか」
裕介は嬉しそうに笑った。
「それで答えは出たのか?俺たちは付き合っていて良いと思うか?」
「・・・」
(届いて欲しいの。私の想い)
「私を傷つけるのも、笑顔にさせるのも今もこれからも裕介だけがいい」
(この言葉は裕介に届いただろうか)
「そっか」
そう言うと裕介は真綾を強く抱きしめた。
「じゃあ、もう一度やり直そう」
「え?」
「初めからやり直したい」
思いもよらない言葉に真綾の気は動転した。
「本当に私で良いの?また同じことを繰り返すだけかもしれないのに」
「もう一度言うよ俺は真綾が好きだ」
「~っ!!」
真綾は真っ赤になった。
返事が出来ない代わりに強く裕介の背中を抱きしめ返した。
やはりすぐには素直になれない意地っ張りな私・・・。
そんな私でもいいと言ってくれる優しい裕介。
これからなんて誰にもわからないけれども・・・
(私は裕介が好きなんだ)
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