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目覚めると2
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足枷と鎖が外されていた。
辺りを見回すともう昼過ぎで日が高く昇っていて、ウォンは仕事に行っていた。
「フィンさん見てください!ようやく足枷と鎖を外してもらえました」
「今日、私自分の世界へ帰ります」
「また大浴場へ行くんですか?」
「はい」
今日はきちんとした格好で行こうと思た。
前回は凄く馬鹿にされて悔しかったからだ。
「着物の着付けお願いできますか?」
着付けをしながらフィンは言った。
「でも、また勝手なことをして叱られませんか?」
「今度は後宮の牢屋に閉じ込めると言っていました」
「えぇ!?」
「・・・そんなに悪い場所なんですか?」
「いいえ、そう言うわけではないんですが・・・」
(何だろうこの間は)
「あそこに入って出てきた人はいないと聞きます」
「恐ろしい場所なんでしょうか」
「さぁ、私も行ったことがありませんので・・・あそこに出入りできるのは王のみですから」
「・・・」
「帰るのなら急ぎましょう」
「どうしてフィンさんは危険を冒してまで助けてくれるんですか」
フィンは黙った。
そして口を開いた。
「それは貴方が邪魔だからですよ」
にっこりと微笑んでそう言った。
「え?」
「以前話した私の想い人はウォン様です。今までは使用人として傍にいられれば良かったんですが・・・」
(想い人はウォンだったの!?)
それはさぞ真紀の事が疎ましかったに違いない。
着付けも終わり重たい沈黙が落ちた。
そんな中グイッと腕を引っ張られフィンは歩き始めた。
「痛っ」
「私は貴方が早くいなくなることを毎日祈っていました」
そう言い後宮の中心部にある大浴場へたどり着いた。
ドンっと浴槽の中に突き飛ばされた。
今回はお湯が張ってあり、衣装の重さで体が簡単に沈んでいく。
大浴場に沈んでいくとまた光始めた。
(息が苦しい)
そう思い浮かび上がろうと足掻くが光に引っ張られ浮かび上がることは出来ない。
「フィン!何をしている!!」
「ウォン様」
「怪しいと思って後をつけてみればこの様か」
「ウォン様私はただ・・・!!」
ウォンは怒っていた。
「フィンへの処罰は後程決定する」
ウォンは自分の服が濡れることも厭わずにお湯の中へ入って来て溺れかけていた真紀を抱き上げた。
「真紀!おい!しっかりしろ」
「・・・ウォン、ごめんなさい」
「言い訳は後で聞く」
フィンは側近のランファに連れられて行った。
「フィンさんはどうなるんですか!?」
「お前、自分の心配をしたらどうだ?」
「えっ?」
着ていたものを全て剥ぎ取られ、体を拭かれた。
溺れかけたせいか頭がぼーっとする。
真紀はそのまま意識を失った。
目を覚ますと本当に牢屋の中にいた。
しかし、この牢屋は王の部屋に急きょ作られた鳥かごのようなものだった。
部屋全体に鉄格子がはまていた。
窓にも厳重に鉄格子がはまっている。
一体自分はどれくらい意識がなかったのだろう。
まだ、頭がズキズキと痛む。
真紀の傍についている使用人はもうフィンではなかった。
あれから何がどうなったのだろう。
「気がつかれましたか?真紀様?」
「・・・はい」
「すぐにウォン様を呼んでまいります」
「え!?」
そう言い新しい使用人は走って書斎の方へ向かって行った。
真紀は慌てた。
絶対に彼は怒っている。
約束を破った自分に対してかなり怒っているはずだ。
この鉄格子の部屋を見れば一目でわかる。
ウォンの信用を完全になくしたことを。
「真紀!目が覚めたのか!?」
足早にやって来て鍵を開け牢の中に入ってきた。
「真紀は1週間意識がなかったんだぞ?どれほど心配したか」
「ごめんなさい・・・」
「それは何に対する謝罪だ?」
「約束を破って帰ろうとしたことに対する謝罪よ」
ウォンは一瞬傷ついた表情を見せた。
「そんなに俺が嫌なのか?」
「違うの!これ以上好きになりたくなかったの!!」
「何故?」
「これ以上好きになると・・・元の世界に戻れなくなるから」
「やはりまだ帰りたいんだな?」
「そう思っていたけどもう手遅れだったみたい」
「?」
ウォンは真紀の言っていることがよくわかっていないようだった。
「私、ウォンを残してもう元の世界には帰れないみたい」
(帰ろうとした時、ウォンの顔が頭に浮かんでなかなか踏ん切りがつかずに溺れたのよ)
そう言い少し困ったように笑うとウォンは真紀の体を抱きしめた。
自然と真紀もウォンの体に手を回した。
辺りを見回すともう昼過ぎで日が高く昇っていて、ウォンは仕事に行っていた。
「フィンさん見てください!ようやく足枷と鎖を外してもらえました」
「今日、私自分の世界へ帰ります」
「また大浴場へ行くんですか?」
「はい」
今日はきちんとした格好で行こうと思た。
前回は凄く馬鹿にされて悔しかったからだ。
「着物の着付けお願いできますか?」
着付けをしながらフィンは言った。
「でも、また勝手なことをして叱られませんか?」
「今度は後宮の牢屋に閉じ込めると言っていました」
「えぇ!?」
「・・・そんなに悪い場所なんですか?」
「いいえ、そう言うわけではないんですが・・・」
(何だろうこの間は)
「あそこに入って出てきた人はいないと聞きます」
「恐ろしい場所なんでしょうか」
「さぁ、私も行ったことがありませんので・・・あそこに出入りできるのは王のみですから」
「・・・」
「帰るのなら急ぎましょう」
「どうしてフィンさんは危険を冒してまで助けてくれるんですか」
フィンは黙った。
そして口を開いた。
「それは貴方が邪魔だからですよ」
にっこりと微笑んでそう言った。
「え?」
「以前話した私の想い人はウォン様です。今までは使用人として傍にいられれば良かったんですが・・・」
(想い人はウォンだったの!?)
それはさぞ真紀の事が疎ましかったに違いない。
着付けも終わり重たい沈黙が落ちた。
そんな中グイッと腕を引っ張られフィンは歩き始めた。
「痛っ」
「私は貴方が早くいなくなることを毎日祈っていました」
そう言い後宮の中心部にある大浴場へたどり着いた。
ドンっと浴槽の中に突き飛ばされた。
今回はお湯が張ってあり、衣装の重さで体が簡単に沈んでいく。
大浴場に沈んでいくとまた光始めた。
(息が苦しい)
そう思い浮かび上がろうと足掻くが光に引っ張られ浮かび上がることは出来ない。
「フィン!何をしている!!」
「ウォン様」
「怪しいと思って後をつけてみればこの様か」
「ウォン様私はただ・・・!!」
ウォンは怒っていた。
「フィンへの処罰は後程決定する」
ウォンは自分の服が濡れることも厭わずにお湯の中へ入って来て溺れかけていた真紀を抱き上げた。
「真紀!おい!しっかりしろ」
「・・・ウォン、ごめんなさい」
「言い訳は後で聞く」
フィンは側近のランファに連れられて行った。
「フィンさんはどうなるんですか!?」
「お前、自分の心配をしたらどうだ?」
「えっ?」
着ていたものを全て剥ぎ取られ、体を拭かれた。
溺れかけたせいか頭がぼーっとする。
真紀はそのまま意識を失った。
目を覚ますと本当に牢屋の中にいた。
しかし、この牢屋は王の部屋に急きょ作られた鳥かごのようなものだった。
部屋全体に鉄格子がはまていた。
窓にも厳重に鉄格子がはまっている。
一体自分はどれくらい意識がなかったのだろう。
まだ、頭がズキズキと痛む。
真紀の傍についている使用人はもうフィンではなかった。
あれから何がどうなったのだろう。
「気がつかれましたか?真紀様?」
「・・・はい」
「すぐにウォン様を呼んでまいります」
「え!?」
そう言い新しい使用人は走って書斎の方へ向かって行った。
真紀は慌てた。
絶対に彼は怒っている。
約束を破った自分に対してかなり怒っているはずだ。
この鉄格子の部屋を見れば一目でわかる。
ウォンの信用を完全になくしたことを。
「真紀!目が覚めたのか!?」
足早にやって来て鍵を開け牢の中に入ってきた。
「真紀は1週間意識がなかったんだぞ?どれほど心配したか」
「ごめんなさい・・・」
「それは何に対する謝罪だ?」
「約束を破って帰ろうとしたことに対する謝罪よ」
ウォンは一瞬傷ついた表情を見せた。
「そんなに俺が嫌なのか?」
「違うの!これ以上好きになりたくなかったの!!」
「何故?」
「これ以上好きになると・・・元の世界に戻れなくなるから」
「やはりまだ帰りたいんだな?」
「そう思っていたけどもう手遅れだったみたい」
「?」
ウォンは真紀の言っていることがよくわかっていないようだった。
「私、ウォンを残してもう元の世界には帰れないみたい」
(帰ろうとした時、ウォンの顔が頭に浮かんでなかなか踏ん切りがつかずに溺れたのよ)
そう言い少し困ったように笑うとウォンは真紀の体を抱きしめた。
自然と真紀もウォンの体に手を回した。
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