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安定期
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そろそろようやくセックスが出来るようになる頃だ。
その事はウォンが一番把握している。
誤魔化しはきかない。
お腹が少し出てきた真紀はこの時期に本当にしてもいいのか不安になった。
しかし、長い間我慢させているので誘われたらウォンの好きなようにさせてあげたいという気持ちもあった。
今20週目に入ったところだ。
きっと今日体を求められると思っていた。
しかし、帰ってきたウォンは様子がおかしかった。
「何かあったの?」
「お前のお披露目をしろと言ってきた」
「え?」
「安定期に入ったのならそろそろ人前に出せと騒ぎ始めた」
「どうして?」
真紀は驚いた。
「お前の妊娠を疑っている奴らがいるんだ」
「そうなんだ。・・・いいよ。お披露目」
「・・・ストレスにならないか?」
「人前に出るのは好きじゃないけど疑われたままでいるわけにはいかないでしょう?」
「ああ、それはそうなんだが・・・」
「何かあってもウォンが守ってくれるんでしょう?」
「当り前だ」
そう言うと真紀を抱きしめた。
「俺に立場があるから・・・負担をかけてすまない」
「うん。大丈夫。それを覚悟して私はウォンの傍にいることを選んだんだもの」
「今日は早く休もう」
「え?」
「お披露目は明日だ」
「あ、うん・・・」
抱かれることを少し期待していた真紀は少し残念な気分になった。
だが、明日お披露目とやらがあるのならウォンが言うように早く休んだ方が良いだろう。
2人は抱き合い眠りについた。
翌日、なるべく体に負担のかからない軽い衣装を着せられた。
軽いが豪華な刺繍が入っている。
化粧を薄く施され髪を結われ、簪を挿された。
お腹がポッコリ少し目立つが違和感はなかった。
鏡を見ているとウォンが迎えに来た。
「準備は出来たか?」
「うん」
振り返り、ウォンの所まで行こうとしたら躓いてしまった。
すかさずウォンが駆け寄り抱きとめてくれた。
「これだから放っておけない・・・」
「ごめん」
「・・・腹、だいぶ目立つようになってきたな」
「うん。早く会いたいよね・・・」
そう言って真紀は自分のお腹を触った。
そうしている真紀の姿をじっと見ていたウォンだったが早く行かなければいけないことを思いだした。
「真紀、そろそろ行こう」
「うん」
真紀とウォンは手をつなぎ合って歩みを進めた。
王の間に辿り着くと扉を開けた。
するとたくさんの人々が待ち構えていた。
「皆、紹介する。正妃の真紀だ」
「お初にお目にかかります。真紀と申します」
そう挨拶すると敵意交じりの視線が飛んできた。
「王よ、まだ正妃ではないのでは?」
「御子が産まれるまで我々は認めませぬぞ」
「俺はもう他の女を抱くつもりはない。真紀以外は抱かない」
真紀は真っ赤になった。
「よって他の女はいらん。お披露目も済んだし真紀は下がらせる」
誰も何も文句をいうものはいなかった。
「ランファ、真紀を頼む」
「畏まりました」
そう言うとランファがやって来て真紀を王の間から連れ出してくれた。
「ランファさんありがとうございます」
「いいえ、大丈夫ですよ。真紀様こそ大丈夫ですか?」
「はい、凄い気迫でしたね」
真紀がそう言うとランファが何事も無いように言った。
「いつもの事ですから・・・」
いつもあんな感じなのかと真紀は思った。
(あれがいつもの事なら相当ストレスがたまるだろうな・・・)
だからいつも疲れた顔をして部屋に戻ってくるのか・・・。
その事はウォンが一番把握している。
誤魔化しはきかない。
お腹が少し出てきた真紀はこの時期に本当にしてもいいのか不安になった。
しかし、長い間我慢させているので誘われたらウォンの好きなようにさせてあげたいという気持ちもあった。
今20週目に入ったところだ。
きっと今日体を求められると思っていた。
しかし、帰ってきたウォンは様子がおかしかった。
「何かあったの?」
「お前のお披露目をしろと言ってきた」
「え?」
「安定期に入ったのならそろそろ人前に出せと騒ぎ始めた」
「どうして?」
真紀は驚いた。
「お前の妊娠を疑っている奴らがいるんだ」
「そうなんだ。・・・いいよ。お披露目」
「・・・ストレスにならないか?」
「人前に出るのは好きじゃないけど疑われたままでいるわけにはいかないでしょう?」
「ああ、それはそうなんだが・・・」
「何かあってもウォンが守ってくれるんでしょう?」
「当り前だ」
そう言うと真紀を抱きしめた。
「俺に立場があるから・・・負担をかけてすまない」
「うん。大丈夫。それを覚悟して私はウォンの傍にいることを選んだんだもの」
「今日は早く休もう」
「え?」
「お披露目は明日だ」
「あ、うん・・・」
抱かれることを少し期待していた真紀は少し残念な気分になった。
だが、明日お披露目とやらがあるのならウォンが言うように早く休んだ方が良いだろう。
2人は抱き合い眠りについた。
翌日、なるべく体に負担のかからない軽い衣装を着せられた。
軽いが豪華な刺繍が入っている。
化粧を薄く施され髪を結われ、簪を挿された。
お腹がポッコリ少し目立つが違和感はなかった。
鏡を見ているとウォンが迎えに来た。
「準備は出来たか?」
「うん」
振り返り、ウォンの所まで行こうとしたら躓いてしまった。
すかさずウォンが駆け寄り抱きとめてくれた。
「これだから放っておけない・・・」
「ごめん」
「・・・腹、だいぶ目立つようになってきたな」
「うん。早く会いたいよね・・・」
そう言って真紀は自分のお腹を触った。
そうしている真紀の姿をじっと見ていたウォンだったが早く行かなければいけないことを思いだした。
「真紀、そろそろ行こう」
「うん」
真紀とウォンは手をつなぎ合って歩みを進めた。
王の間に辿り着くと扉を開けた。
するとたくさんの人々が待ち構えていた。
「皆、紹介する。正妃の真紀だ」
「お初にお目にかかります。真紀と申します」
そう挨拶すると敵意交じりの視線が飛んできた。
「王よ、まだ正妃ではないのでは?」
「御子が産まれるまで我々は認めませぬぞ」
「俺はもう他の女を抱くつもりはない。真紀以外は抱かない」
真紀は真っ赤になった。
「よって他の女はいらん。お披露目も済んだし真紀は下がらせる」
誰も何も文句をいうものはいなかった。
「ランファ、真紀を頼む」
「畏まりました」
そう言うとランファがやって来て真紀を王の間から連れ出してくれた。
「ランファさんありがとうございます」
「いいえ、大丈夫ですよ。真紀様こそ大丈夫ですか?」
「はい、凄い気迫でしたね」
真紀がそう言うとランファが何事も無いように言った。
「いつもの事ですから・・・」
いつもあんな感じなのかと真紀は思った。
(あれがいつもの事なら相当ストレスがたまるだろうな・・・)
だからいつも疲れた顔をして部屋に戻ってくるのか・・・。
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