合コンに行ったら異世界の王に見初められました

えりー

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美優からのお礼の品

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結城は美優があの晩、紀藤に相談して以来、美優は紀藤に懐いたように感じていた。
今まで挨拶を交わす程度だった二人が世間話をするようになっていた。
しかも、美優は笑顔を紀藤に向けるようにもなっている。
結城はそれが面白くなかった。
しかし、4人しか住んでいないのだし仲良くなることを止めさせるわけにはいかないだろう。
結城はそう思い暫く様子を見るようにした。
(美優に限って俺を裏切ったりすることは無いからな)
結城は美優を信頼している。
ただ美優は自覚がないだけなのだ自分がもう大人の女性だという。
それを本人に伝えてもきょとんとした表情をするだけで理解してもらえなかった。
(今度、悠里から説明してもらった方がいいな)
結城はそう思っていた。

城の一角にある場所で4人で暮らしている。
料理は悠里が作ってくれるので毒味役は必要なかった。
「あの、悠里さん。お願いがあるんですが・・・」
「はい。なんでしょう」
「私に調理場を貸してくれませんか?」
「えぇ!?何をなさるおつもりですか」
悠里は驚いた。
王妃が調理場を使いたいなんて前代未聞だったからだ。
「紀藤さんにお礼をしたくて、あっちの世界のお菓子を作ろうと思いまして」
「・・・美優様、忠告いたします。結城王は嫉妬深い王です。それを聞くと必ずひどい目にあわされますよ?」
美優は驚いた。
「え!?紀藤さんが?」
「いいえ、美優様がです」
悠里は美優の鈍さも可愛いと思っているがたまに眩暈を覚えることがある。
「名目は王への贈り物という事にしておいてください。そうでなければ、調理場を貸すことは出来ません」
悠里は美優の為にそう言った。
「わかりました」
美優はにっこり微笑み返事をした。
そんな美優を見て悠里は身もだえしそうになる。
(ああ、美優様。今日もお可愛らしい)
悠里から見た美優は、純粋でとても可愛らしい性格をしている。
それゆえに結城王が振り回されているのも知っている。
それに関しては少しいい気味ではあるが・・・。
嫉妬の対象になる美優はとても可哀そうで見ていられない。
美優には色々いい加減に自覚をもって頂きたいものである。
「美優様本当に一人で大丈夫ですか?」
「はい、一通り材料と道具の説明を受けたので、焼くときだけ手伝ってください」
(窯の使い方なんてわからないから頼るほかないものね)
そうして、美優はクッキーを作り始めた。この国にはそう言ったお菓子はないらしい。
主に和菓子に近いものしかない。
「ふふふ、紀藤さん驚くかな・・・」
クッキーの形を作り終えあとは焼くだけになった。
「悠里さんお願いします」
そう言うと傍で控えていた悠里が窯で焼いてくれた。
調理場中に甘い匂いが漂いだした。
その匂いにつられて結が調理場に飛び込んできた。
焼きあがったクッキーを冷まして結に食べさせてあげると尻尾を振り喜んで食べてくれた。
クッキーが冷めた後綺麗な布でラッピングした。
リボンの代わりに可愛い紐で飾り付けついに完成した。
「私、渡して来ます」
「美優様、お待ちください。私が紀藤様にお渡ししてきます。美優様がお渡しになるとまた結城王が誤解なさりますよ」
「あっ・・・そうですよね。それじゃあ、お願いします。それからこれは悠里さんに」
「私にも作ってくださったんですか?」
美優の行動にはいつも驚かされる。
普通侍女や側近にお礼なんてしない。
(異世界から来たのですものね、美優様は)
そう思うと納得できた。

その晩、結城が部屋にやってくると美優は今日作ったクッキーを渡した。
結城は驚いていた。
「王妃のお前が調理場で作ったのか?」
「はい」
(王妃なんだからもっと優雅に過ごせばいいものを・・・)
結城はそう思ったがそれはあえて言わなかった。
結城はクッキーを受け取って一つ口に入れて食べてみた。
「うまいな」
「ありがとうございます」
そう言うと結城は一つクッキーをつまんで美優の口にも入れてやった。
美優の事だから自分の分はきっと作らなかっただろうと思ったのだ。
「な?うまいだろう」
(自分が作ったのをおいしいとは言いにくいな)
「・・・はい」
結城は喜んでいるようだった。
とても嬉しそうにしていた。
「この菓子はどのくらいもつんだ?」
「2日くらいだと思います」
「そうか。では大事に食べることにしよう」
(そんなに大したものじゃないのに・・・)
「またいつでも作りますよ」
「ああ、食べたくなったら頼むな」
そう言うとクッキーを机に置き、いきなり着物を脱ぎ始めた。
「!?」
「何をしているんですか!?」
「菓子の礼をしようと思ってな。体で」
(わぁー!!結局こうなるんじゃない!!)
そう言うといつものように美優を抱き始めた。
いつも以上に情熱的に抱かれ、美優は大変な思いをした。
(もう、結城様には絶対作らない!!)
そう思った美優だった。
翌日、体のあちこちがだるくて起き上がることができなかった。
それほど激しく抱かれたのだった。

数日後、美優が庭を散歩していると紀藤が声をかけてきた。
「美優様」
「あっ紀藤さん。こんにちは、どうかしたんですか?」
美優は振り返りながら紀藤に微笑んだ。
紀藤はその笑顔に一瞬目を奪われた。
(美優様、こんなに美しかったか・・・?)
紀藤はクッキーのお礼を言いにきたらしい。
「この度はお礼の品を頂きありがとうございました」
「いいえ、こちらこそ相談に乗って頂きありがとうございました」
美優はあたりを見渡した。
(結城様はいないわね)
こんなところを見つかったらまたどんな目に合うかわからない。
「美優様、ご安心を。今結城様は王族会議に出ておられます」
美優の心を読んだかのような言葉に美優は頬を染めた。
「それでは、怪しまれないように私も、もう結城様の所に戻ります」
「はい」
そう話、紀藤と別れた。
紀藤も美優の純粋さに惹かれた一人なのだ。
初めはこんなに気弱な娘に王妃が務まるのか心配したが、今では杞憂だったと思うようになっていた。
この城の一角に住む皆が美優のことを気に入り今では可愛がるようになっていた。



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