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空白の期間
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竜王は大きな屋敷に美乃梨を運び入れた。
「「お帰りなさいませ」」
大勢の召使たちがずらりと並び平伏した。
「美乃梨は今、気を失っている。部屋の準備は出来ているか?」
「はい。全て滞りなく」
年配の召使はそう言い部屋へ案内した。
「人払いをしておいてくれ」
「はい」
そう答えると年配の召使もすぅっと下がった。
「美乃梨・・・5年間は長かったぞ・・・」
そう言い美乃梨をベッドへ寝かせ、頬を撫でた。
そして竜王は自分の唇と美乃梨の唇を重ねた。
美乃梨はまだ目覚める気配はない。
「・・・移動の際に負担がかかったのか?」
懐から小さな小瓶を取り出し竜王は自身の口に含み、口移しで美乃梨に少しずつ飲ませた。
少しずつ美乃梨の口の中に苦い甘みが広がっていく。
すると美乃梨はせき込みながら目を覚ました。
「けほ、こほっ・・・何!?」
「気付け薬を飲ませただけだ」
どうやって飲ませたのかは聞かなくても美乃梨には分かっている。
唇に感触が残っているから・・・。
「あなた・・・」
「竜王だ。昔のお前はりゅうと呼んでいたな・・・」
美乃梨は目を見開き驚いた。
(昔・・・?)
「な、何なの、ここは何処!?」
見慣れぬ部屋にベッドの上に竜王と名乗る男性。
美乃梨は警戒した。
「美乃梨・・・覚えていないのか?」
「え?」
「ここは俺の城だ。お前らの中では異世界と呼ばれる場所だ」
「異世界・・・?」
わけが分からないまま竜王は話し続ける。
「そして今日16歳になった美乃梨を約束通り迎えに行った」
「こんなの拉致と誘拐じゃない!」
竜王は少し悲しそうな表情を浮かべた。
美乃梨はその表情を見てズキリと胸が痛んだ・・・。
(どうしてこんな気持ちになるの!?)
「・・・あなたも私の体が目的なの?」
(だから5年間守ってきたの?)
そう思うと少し悲しくなった。
「そうか・・・5年前の事は忘れてしまっているのか」
合点が言ったように竜王は呟いた。
竜王は混乱し、取り乱す美乃梨を見ているのは辛そうだった。
美乃梨は思った。
(確かに記憶が空白の期間があるけど・・・それとこの人が関係しているの?)
「どれ、記憶を戻してやろうか?」
すっと伸びてきた手を払い、体を竜王から話して言った。
「いい!!自分で思い出す・・・」
(怖い!!)
「・・・そうか、ここは安全な場所だから安心して過ごすと良い」
美乃梨はそれを聞いて安心した。
(この人は私の体を求めていない?)
そう思った矢先、腕を引き押し倒された。
「!!」
「美しく成長したな。俺の印のせいで異性から迫られて大変だったな」
「?」
「お前の背中に俺の印を付けてある。お前は俺の最初で最後の花嫁になるんだ」
「はなよめ・・・?」
「印は異性を引き寄せてしまう。今まで危険な目に合わせて悪かった」
(何を言っているのかわからない・・・どうしよう)
「混乱しているんだろう?手荒なことはしたくないが、早く世継ぎを産んでもらわねば困る」
(世継ぎ!?産むって私が!?どうして?)
「1人でゆっくりしているといい食事は部屋に運ばせる」
竜王はそう言うと美乃梨の上からどいた。
「美乃梨、思い出したら抱くからな」
「~っ」
一言い残し部屋から出て行った。
美乃梨は呆然と竜王の背を見送った。
頭が痛い。
(思い出すのも怖い)
「思い出したら・・・抱かれるの!?」
あまりの恥ずかしさで枕に突っ伏した。
仰向けに寝転びこの懐かしい空間に包まれまた美乃梨は眠りについた。
「「お帰りなさいませ」」
大勢の召使たちがずらりと並び平伏した。
「美乃梨は今、気を失っている。部屋の準備は出来ているか?」
「はい。全て滞りなく」
年配の召使はそう言い部屋へ案内した。
「人払いをしておいてくれ」
「はい」
そう答えると年配の召使もすぅっと下がった。
「美乃梨・・・5年間は長かったぞ・・・」
そう言い美乃梨をベッドへ寝かせ、頬を撫でた。
そして竜王は自分の唇と美乃梨の唇を重ねた。
美乃梨はまだ目覚める気配はない。
「・・・移動の際に負担がかかったのか?」
懐から小さな小瓶を取り出し竜王は自身の口に含み、口移しで美乃梨に少しずつ飲ませた。
少しずつ美乃梨の口の中に苦い甘みが広がっていく。
すると美乃梨はせき込みながら目を覚ました。
「けほ、こほっ・・・何!?」
「気付け薬を飲ませただけだ」
どうやって飲ませたのかは聞かなくても美乃梨には分かっている。
唇に感触が残っているから・・・。
「あなた・・・」
「竜王だ。昔のお前はりゅうと呼んでいたな・・・」
美乃梨は目を見開き驚いた。
(昔・・・?)
「な、何なの、ここは何処!?」
見慣れぬ部屋にベッドの上に竜王と名乗る男性。
美乃梨は警戒した。
「美乃梨・・・覚えていないのか?」
「え?」
「ここは俺の城だ。お前らの中では異世界と呼ばれる場所だ」
「異世界・・・?」
わけが分からないまま竜王は話し続ける。
「そして今日16歳になった美乃梨を約束通り迎えに行った」
「こんなの拉致と誘拐じゃない!」
竜王は少し悲しそうな表情を浮かべた。
美乃梨はその表情を見てズキリと胸が痛んだ・・・。
(どうしてこんな気持ちになるの!?)
「・・・あなたも私の体が目的なの?」
(だから5年間守ってきたの?)
そう思うと少し悲しくなった。
「そうか・・・5年前の事は忘れてしまっているのか」
合点が言ったように竜王は呟いた。
竜王は混乱し、取り乱す美乃梨を見ているのは辛そうだった。
美乃梨は思った。
(確かに記憶が空白の期間があるけど・・・それとこの人が関係しているの?)
「どれ、記憶を戻してやろうか?」
すっと伸びてきた手を払い、体を竜王から話して言った。
「いい!!自分で思い出す・・・」
(怖い!!)
「・・・そうか、ここは安全な場所だから安心して過ごすと良い」
美乃梨はそれを聞いて安心した。
(この人は私の体を求めていない?)
そう思った矢先、腕を引き押し倒された。
「!!」
「美しく成長したな。俺の印のせいで異性から迫られて大変だったな」
「?」
「お前の背中に俺の印を付けてある。お前は俺の最初で最後の花嫁になるんだ」
「はなよめ・・・?」
「印は異性を引き寄せてしまう。今まで危険な目に合わせて悪かった」
(何を言っているのかわからない・・・どうしよう)
「混乱しているんだろう?手荒なことはしたくないが、早く世継ぎを産んでもらわねば困る」
(世継ぎ!?産むって私が!?どうして?)
「1人でゆっくりしているといい食事は部屋に運ばせる」
竜王はそう言うと美乃梨の上からどいた。
「美乃梨、思い出したら抱くからな」
「~っ」
一言い残し部屋から出て行った。
美乃梨は呆然と竜王の背を見送った。
頭が痛い。
(思い出すのも怖い)
「思い出したら・・・抱かれるの!?」
あまりの恥ずかしさで枕に突っ伏した。
仰向けに寝転びこの懐かしい空間に包まれまた美乃梨は眠りについた。
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