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お菓子作り
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「もうすぐバレンタインだし・・・チョコレート渡そう!!」
そう思いチョコレートのお菓子作りの練習が始まった。
色々作っているうちに琴音はふと思った。
翔はあまいもの、好きなのだろうかと。
翔はいつも喫茶店でブラックコーヒーしか頼んでいなかった。
もしかすると甘いものが苦手なのかもしれない。
でも、告白するにはどうしてもバレンタインにチョコレートを渡したかった。
普段言えない言葉と共にー・・・。
台所を片付けているとふいに着信があった。
それは翔からのものだった。
薄力粉のついた手でスマホを取った。
「今何してる?」
「あ、えっと部屋の片づけかな」
片づけをしているので嘘ではない。
「じゃあ、今日は会えないか?」
「え!?そんな事無いです!会いたいです!!」
琴音は慌てて答えた。
ほぼ毎日琴音と翔は喫茶店で会っていた。
琴音はまだ高校3年生で翔は今年から社会人になったばかりだった。
いつも定時で帰ってきてくれて夕方には会えるようにしてくれている。
翔は気遣いもできる良い男性だと琴音は思っている。
「いつもの喫茶店で待っているからな」
「はい。すぐ行きます!」
「あんまり焦ると危ないからゆっくりでいいぞ」
心配され嬉しくなってしまった琴音だった。
やっぱり翔は優しい。
そんな翔と出会って1ヶ月が経とうとしていた。
学生で働いていない琴音はいつも喫茶店で翔に奢ってもらっている。
申し訳ない気持ちもあってそのお礼にチョコレートを渡したかった。
いつも言えない言葉を添えて。
「わわ!急がなきゃ」
急いで台所を片付けて翔の待つ喫茶店へ向かった。
台所を綺麗にしておかないと母に怒られてしまう。
だから結構時間がかかってしまった。
「まだ待ってくれているかな」
不安に駆られながらも一生懸命走った。
家から徒歩15分の場所にある喫茶店。
走れば10分くらいで着くだろう。
(早く会いたい)
琴音の頭の中は翔の事ばかりだった。
(甘いもの好きか今日聞いてみよう・・・)
そう思い喫茶店まで猛ダッシュした。
ドアノブを引くとカランっと喫茶店のドアが音を立てた。
店内を見渡すと一番奥の席に翔の姿があった。
急いで翔の元へ向かった。
乱れた呼吸はまだ治まらない。
心配そうに翔が声をかけてくれた。
「大丈夫か?」
「はい。少し走って来ちゃいました」
「・・・急に連絡して悪かった」
「ち、違うんです!私がとろいのが悪いんです」
慌てて否定するとくすりと笑われてしまった。
まぁ、椅子に座ってお水でも飲んで落ち着いて」
「・・・はい」
言われた通り水を飲むと少し落ち着いてきた。
「落ち着いたら何か頼もう」
「でもいつも奢ってもらっているじゃないですか、申し訳ないです」
「俺はこう見えても社会人だぞ?」
確かにスーツ姿がよく似合っている。
「素直に甘えておきなさい」
「・・・はい・・・」
結局押し切られいつものように奢ってもらう事になった。
「で?今日は何していた?」
「・・・秘密です」
「ふぅん・・・」
長い琴音の髪を一房手に取った翔は匂いを嗅いだ。
「何だか甘い匂いがするな」
「!!」
「菓子作りか?もうすぐバレンタインだもんな」
ギクっとか体が反応してしまった。
「誰か好きな奴でもいるのか?」
「と、友達にあげるチョコです!」
咄嗟に嘘をついてしまった琴音だった。
「好きな奴はいないのか?」
「いいえ、います」
「そいつにチョコをやるのか?」
「もちろんです」
あからさまに翔の機嫌が悪くなった。
翔と琴音はまだ付き合っているわけではない。
「ど・・・どうかしたんですか?」
「否、何でもない」
(とてもそんな風には見えないんですけど・・・)
不機嫌な翔を目の前にして飲むココアの味は美味しくなかった。
そう思いチョコレートのお菓子作りの練習が始まった。
色々作っているうちに琴音はふと思った。
翔はあまいもの、好きなのだろうかと。
翔はいつも喫茶店でブラックコーヒーしか頼んでいなかった。
もしかすると甘いものが苦手なのかもしれない。
でも、告白するにはどうしてもバレンタインにチョコレートを渡したかった。
普段言えない言葉と共にー・・・。
台所を片付けているとふいに着信があった。
それは翔からのものだった。
薄力粉のついた手でスマホを取った。
「今何してる?」
「あ、えっと部屋の片づけかな」
片づけをしているので嘘ではない。
「じゃあ、今日は会えないか?」
「え!?そんな事無いです!会いたいです!!」
琴音は慌てて答えた。
ほぼ毎日琴音と翔は喫茶店で会っていた。
琴音はまだ高校3年生で翔は今年から社会人になったばかりだった。
いつも定時で帰ってきてくれて夕方には会えるようにしてくれている。
翔は気遣いもできる良い男性だと琴音は思っている。
「いつもの喫茶店で待っているからな」
「はい。すぐ行きます!」
「あんまり焦ると危ないからゆっくりでいいぞ」
心配され嬉しくなってしまった琴音だった。
やっぱり翔は優しい。
そんな翔と出会って1ヶ月が経とうとしていた。
学生で働いていない琴音はいつも喫茶店で翔に奢ってもらっている。
申し訳ない気持ちもあってそのお礼にチョコレートを渡したかった。
いつも言えない言葉を添えて。
「わわ!急がなきゃ」
急いで台所を片付けて翔の待つ喫茶店へ向かった。
台所を綺麗にしておかないと母に怒られてしまう。
だから結構時間がかかってしまった。
「まだ待ってくれているかな」
不安に駆られながらも一生懸命走った。
家から徒歩15分の場所にある喫茶店。
走れば10分くらいで着くだろう。
(早く会いたい)
琴音の頭の中は翔の事ばかりだった。
(甘いもの好きか今日聞いてみよう・・・)
そう思い喫茶店まで猛ダッシュした。
ドアノブを引くとカランっと喫茶店のドアが音を立てた。
店内を見渡すと一番奥の席に翔の姿があった。
急いで翔の元へ向かった。
乱れた呼吸はまだ治まらない。
心配そうに翔が声をかけてくれた。
「大丈夫か?」
「はい。少し走って来ちゃいました」
「・・・急に連絡して悪かった」
「ち、違うんです!私がとろいのが悪いんです」
慌てて否定するとくすりと笑われてしまった。
まぁ、椅子に座ってお水でも飲んで落ち着いて」
「・・・はい」
言われた通り水を飲むと少し落ち着いてきた。
「落ち着いたら何か頼もう」
「でもいつも奢ってもらっているじゃないですか、申し訳ないです」
「俺はこう見えても社会人だぞ?」
確かにスーツ姿がよく似合っている。
「素直に甘えておきなさい」
「・・・はい・・・」
結局押し切られいつものように奢ってもらう事になった。
「で?今日は何していた?」
「・・・秘密です」
「ふぅん・・・」
長い琴音の髪を一房手に取った翔は匂いを嗅いだ。
「何だか甘い匂いがするな」
「!!」
「菓子作りか?もうすぐバレンタインだもんな」
ギクっとか体が反応してしまった。
「誰か好きな奴でもいるのか?」
「と、友達にあげるチョコです!」
咄嗟に嘘をついてしまった琴音だった。
「好きな奴はいないのか?」
「いいえ、います」
「そいつにチョコをやるのか?」
「もちろんです」
あからさまに翔の機嫌が悪くなった。
翔と琴音はまだ付き合っているわけではない。
「ど・・・どうかしたんですか?」
「否、何でもない」
(とてもそんな風には見えないんですけど・・・)
不機嫌な翔を目の前にして飲むココアの味は美味しくなかった。
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