合言葉

えりー

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告白

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琴音は幼い頃交通事故にあったことがある。
両親は共働きでなかなかお見舞いに来れなかった。
寂しい日々を病院で送っていた。
そんな日々を変えてくれたのは1人の男の子だった。
男の子の母親が病気で、お見舞いに来ていると言っていた。
今、その子はどこにいるんだろうかー・・・。

ぼんやりした意識の中でそう思った琴音だった。
琴音は昔、遊んでくれた男の子の事を忘れられなかった。
今にして思うとあれが初恋だったのかもしれない。
そうして目を覚ますと学校に行く時間になっていた。
急いで用意して、朝食を食べ、学校に向かった。
学校はギリギリ間に合った。
「今朝は懐かしい夢見たなー・・・」
1人呟いて教室の窓から外を見た。
(そういば人を探す癖は退院してからついたような気がする)
ふとその少年と翔が重なって見えた。
「まさかね・・・そんな偶然あるはずないわ」
でも現に翔と出会ったから人を探す癖は治っている。
(本人に確認してみたいけどどうなのかな)
(茶色い髪にあの茶色の瞳。特徴が一致してるのよね・・・はにかんだ時の笑顔とか)
「・・・まぁ、いいか。もう大人になってるだろうしもし違ったら失礼だし」
琴音はそう自分に言い聞かせた。
そして着替えを済ませチョコレート作りを始めた。
今日はバレンタイン本番なのだ。
失敗するわけにはいかない。
「喜んでくれるかなぁ」
(昨日は翔さんが不機嫌でまともに会話できなかったから甘いもの好きか聞けなかったのよね)
「・・・何で不機嫌になったんだろう・・・」
そう不安になる琴音だった。

チョコレートは無事完成し定番のハート型だけど白いチョコペンで秘密の言葉を書き込んだ。
翔に知っておいてもらいたい自分の気持ちを・・・。
チョコが完成するとラッピングをした。
(なかなか綺麗にできたと思う)
「喜んでくれるかな・・・」
夕方になり仕事を終えたであろう頃、初めて自分から翔に電話をかけた。
「・・・珍しいな、琴音から連絡してくるなんて」
少し驚かれてしまった。
「あのね、渡したいものがあるからいつもの喫茶店へ来て欲しいの」
「じゃあ、30分後に待ち合わせしようか」
「うん、楽しみにしてるね」
翔と会う時間が琴音にとって一番大切な時間になっていた。
「今日こそ想いを伝えるんだ」
気合を入れ、家を出た。
喫茶店に着くといつもの席に翔は座って待っていた。
「翔さん!」
「琴音、良いのか?他に好きな男がいるんじゃないのか?俺と会っていたら不味いんじゃないのか?」
「え?」
「昨日好きな奴がいるって言っていたじゃないか」
「・・・もしかして昨日不機嫌だったのって妬きもちですか?」
自惚れているかもしれないがそう考えれば納得できる。
照れくさいのか顔を逸らされてしまった。
「今日はどうしたんだ?」
「あ、これを渡そうと思って」
そう言い琴音は鞄をがさがさ漁った。
取り出した小さな箱を手渡した。
「・・・義理チョコじゃないですよ?」
「え?じゃぁ、琴美の好きな奴って・・・」
「私が好きなのは翔さんですよ」
お互い顔が真っ赤になった。
(頑張って告白までしたんだよ)
「私の本命チョコ受け取ってもらえますか?」
ぎゅっと琴音の手を握り翔は言った。
「ありがとう」
「今、開けて欲しいんですけど・・・」
「?わかった」
そう言うと包みの紙を丁寧にはがしていった。
チョコレートを見て翔は更に真っ赤になった。
チョコレートにはI love you の文字が書かれていた。
「ホワイトデーのお返し期待してますからね」
そう言い頬を染め琴音は微笑を浮かべた。
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