4 / 13
樹と彩
しおりを挟む
今日は来るのが遅い・・・。
「今日はもう来ないのかな・・・」
そう呟くと彼が姿を現した。
「悪い彩、遅くなった」
彼は彩にそう謝りふすまを開け部屋へ入った。
「今日は遅かったね」
「今日は仕事で会議が夕方から入っていてな」
彩は小首を傾げた。
「会議?」
「えーと・・・話し合いの事だ」
彼女に説明するのも一苦労でたまにうまく答えられないこともあった。
彩は樹が来てくれて安心した。
「遅くなっても樹が来てくれて嬉しい」
そう素直に言うと樹は彼女を抱きしめた。
彼女は驚いた。
しかし、樹の背に腕を回し抱きしめ返した。
お互いの体温が伝わり心地よい熱に変わる。
このままずっとこうしていたい気持ちに駆られたが、このままだと彼女に何をするかわからない。
そう思い彼女を放した。
「ねぇ、樹。今日は何か面白い事あった?」
「否、特に何もなかった・・・嫌な事ならあったがな」
心配そうに彩は聞いてきた。
「嫌な事?大丈夫だった?」
「ああ、いつもの事だ」
樹は今日も又、一族の連中達にお小言を言われた。
いつものようにつまらないことばかり言ってくる。
(いくらお小言を言っても、彩を見ることの出来る人間は俺しかいない)
他の人間に自分の代わりは務まらない。
彩はまだ心配そうにしている至近距離で彼女に見つめられドキッとした。
「彩、近い」
そう言うと彩は慌てて彼から離れた。
「ご、ごめんなさい。心配でつい近づきすぎちゃって・・・」
そう言いながら顔を赤らめた。
そんな彩の姿を見てキスしたくなった。
だが、彩を怯えさせたくないし、今の関係を壊したくない。
そう思い樹は欲求に耐えた。
彩は無防備すぎるところがある。
もう少し危機感を持ってもらいたい。
危うくキスするところだった樹は自分の胸の高鳴りを必死で押さえた。
樹は彩が好きすぎてどうしていいのかわからなくなっていた。
25歳にして初恋だった。
今まで女性と付き合い、それなりの事もしてきたが”恋”をしたのは初めてだった。
だから自分の気持ちを持て余していた。
一方、彩の方はまだ心配そうに樹の顔をじっと見つめていた。
彩の瞳の色は綺麗な水色だ。
まるで澄んだ水のように煌く。
そんな瞳で見られると理性がいつ崩壊するかわからない。
そう思い彼女の瞳から目を逸らして話題を変えた。
「今日はいいものを持ってきた」
そう言い手に持っていた紙袋を彼女へ手渡した。
その中にはうさぎのぬいぐるみが入っていた。
彩はそのぬいぐるみが気に入ったのかずっと抱きしめている。
「樹、いつもありがとう」
「このくらいどうってことない。彩が喜んでくれればそれでいい」
彩は嬉しくてたまらない様子だった。
彩の部屋にはたくさん樹からもらったものが置いてあった。
その中にはまだぬいぐるみはなかった。
だから、今回のプレゼントはぬいぐるみにした。
(彩が喜んでいるのを見るのはやっぱりいいな・・・)
樹は心の中でそう思った。
彩はぬいぐるみを抱いて無邪気に話かてきた。
「でもこれ、高いものじゃないの?」
彩にはお金の説明もしている。
お金の価値もちゃんとわかっている。
「そんなに高いものじゃない」
少し値ははったが彼女の喜ぶ顔が見れれば樹は満足だった。
「今日はもう来ないのかな・・・」
そう呟くと彼が姿を現した。
「悪い彩、遅くなった」
彼は彩にそう謝りふすまを開け部屋へ入った。
「今日は遅かったね」
「今日は仕事で会議が夕方から入っていてな」
彩は小首を傾げた。
「会議?」
「えーと・・・話し合いの事だ」
彼女に説明するのも一苦労でたまにうまく答えられないこともあった。
彩は樹が来てくれて安心した。
「遅くなっても樹が来てくれて嬉しい」
そう素直に言うと樹は彼女を抱きしめた。
彼女は驚いた。
しかし、樹の背に腕を回し抱きしめ返した。
お互いの体温が伝わり心地よい熱に変わる。
このままずっとこうしていたい気持ちに駆られたが、このままだと彼女に何をするかわからない。
そう思い彼女を放した。
「ねぇ、樹。今日は何か面白い事あった?」
「否、特に何もなかった・・・嫌な事ならあったがな」
心配そうに彩は聞いてきた。
「嫌な事?大丈夫だった?」
「ああ、いつもの事だ」
樹は今日も又、一族の連中達にお小言を言われた。
いつものようにつまらないことばかり言ってくる。
(いくらお小言を言っても、彩を見ることの出来る人間は俺しかいない)
他の人間に自分の代わりは務まらない。
彩はまだ心配そうにしている至近距離で彼女に見つめられドキッとした。
「彩、近い」
そう言うと彩は慌てて彼から離れた。
「ご、ごめんなさい。心配でつい近づきすぎちゃって・・・」
そう言いながら顔を赤らめた。
そんな彩の姿を見てキスしたくなった。
だが、彩を怯えさせたくないし、今の関係を壊したくない。
そう思い樹は欲求に耐えた。
彩は無防備すぎるところがある。
もう少し危機感を持ってもらいたい。
危うくキスするところだった樹は自分の胸の高鳴りを必死で押さえた。
樹は彩が好きすぎてどうしていいのかわからなくなっていた。
25歳にして初恋だった。
今まで女性と付き合い、それなりの事もしてきたが”恋”をしたのは初めてだった。
だから自分の気持ちを持て余していた。
一方、彩の方はまだ心配そうに樹の顔をじっと見つめていた。
彩の瞳の色は綺麗な水色だ。
まるで澄んだ水のように煌く。
そんな瞳で見られると理性がいつ崩壊するかわからない。
そう思い彼女の瞳から目を逸らして話題を変えた。
「今日はいいものを持ってきた」
そう言い手に持っていた紙袋を彼女へ手渡した。
その中にはうさぎのぬいぐるみが入っていた。
彩はそのぬいぐるみが気に入ったのかずっと抱きしめている。
「樹、いつもありがとう」
「このくらいどうってことない。彩が喜んでくれればそれでいい」
彩は嬉しくてたまらない様子だった。
彩の部屋にはたくさん樹からもらったものが置いてあった。
その中にはまだぬいぐるみはなかった。
だから、今回のプレゼントはぬいぐるみにした。
(彩が喜んでいるのを見るのはやっぱりいいな・・・)
樹は心の中でそう思った。
彩はぬいぐるみを抱いて無邪気に話かてきた。
「でもこれ、高いものじゃないの?」
彩にはお金の説明もしている。
お金の価値もちゃんとわかっている。
「そんなに高いものじゃない」
少し値ははったが彼女の喜ぶ顔が見れれば樹は満足だった。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる