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樹
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樹は彩を不気味な存在だと何故か思えない。
むしろ神聖な存在のような気がする。
あんなに穢れない少女をこの屋敷に縛り付けていることが申し訳ない。
樹は彩に色々な知識を与えている。
それは少しでも彩の暇つぶしになるようにと思っての事だった。
彼女はいまだにお手玉や、おはじきなどで遊んでいた。
最近では樹とTVゲームをしたりするようになった。
さすがに長時間ゲームをさせるわけにはいけないので、彼女には色々な本や雑誌を与えている。
それをよく思わない一族の連中から色々言われるが樹は聞き流すようにしている。
樹は不思議でならなかった。
何故、あんな少女を犠牲にしてまで家の繁栄を守り続けなければならないのか。
もし、彩を外に出したらどうなるのだろうか・・・。
一般的には座敷童が去ると家が衰退すると言われている。
しかし、それは伝承で事実とは異なるのではないのかと樹は思っていた。
周りから見張られているのは樹も一緒だった。
皆あからさまに、樹が座敷童の彩を外へ連れ出すのではないかと思っていた。
周りがそれほど警戒するくらい樹は足しげく彼女の元へ通っていた。
樹は彼女の事が好きだ。
きっとこれはー・・・彼女に抱いてはいけない思いだ。
彼女は人ではない。
しかし、樹には触れることもできるし、温もりを感じることもできる。
当主でなければ彼女に会う事も出来なかった。
見える自分の目に感謝した。
樹は普段から彩の事を気にかけていた。
仕事が早く終わった日は、人目を気にせず彼女の元へ行く。
それが朝だろうと昼だろうと夜だろうと関係なく。
当主を変えるべきだという声も上がったいるが他に彩を見ることが出来る人間がいないため、樹が当主の座に居続けている。
例え、他に見える者が現れたとしても、樹は今の地位を譲るつもりはない。
他の人間なんかに彼女を任せることは出来ない。
彼女は孤独を抱えている。
他の人間が当主になったとしてもその孤独を癒せるとも思えない。
樹はせめて、彼女が孤独に飲まれないように傍に寄り添っていたいと思っていた。
彼女が人であっても、人でなくても関係ない。
樹は彩を大事にしていこうと決めているのだ。
それは誰にも邪魔させないし、自分から彩を奪う者は何者であっても許さない。
それほど彩に入れ込んでいた。
彩の容姿はとても可憐で美しかった。
一目見た時から気になった。
一目惚れをしたのだ。
しかし、当主は決められた家柄の人と結婚しなければならない。
それも当主の務めなのだ。
だが樹はその事が嫌で、見合い話がたくさんあるが全て写真を見ずに断っている。
だから周囲の人々は余計警戒していた。
いつか、彩を連れ樹が逃亡するのではと・・・。
樹にはまだそこまでの覚悟はない。
しかし、いつか彼女を連れて逃げるのも悪くないと思っていた。
樹は彩の事が好きだとすぐに自覚した。
彩の外見年齢は16歳くらいの少女で自分は25歳になったばかりだ。
彼女を”女”としてみて何が悪い。
内心そう思っていた。
むしろ神聖な存在のような気がする。
あんなに穢れない少女をこの屋敷に縛り付けていることが申し訳ない。
樹は彩に色々な知識を与えている。
それは少しでも彩の暇つぶしになるようにと思っての事だった。
彼女はいまだにお手玉や、おはじきなどで遊んでいた。
最近では樹とTVゲームをしたりするようになった。
さすがに長時間ゲームをさせるわけにはいけないので、彼女には色々な本や雑誌を与えている。
それをよく思わない一族の連中から色々言われるが樹は聞き流すようにしている。
樹は不思議でならなかった。
何故、あんな少女を犠牲にしてまで家の繁栄を守り続けなければならないのか。
もし、彩を外に出したらどうなるのだろうか・・・。
一般的には座敷童が去ると家が衰退すると言われている。
しかし、それは伝承で事実とは異なるのではないのかと樹は思っていた。
周りから見張られているのは樹も一緒だった。
皆あからさまに、樹が座敷童の彩を外へ連れ出すのではないかと思っていた。
周りがそれほど警戒するくらい樹は足しげく彼女の元へ通っていた。
樹は彼女の事が好きだ。
きっとこれはー・・・彼女に抱いてはいけない思いだ。
彼女は人ではない。
しかし、樹には触れることもできるし、温もりを感じることもできる。
当主でなければ彼女に会う事も出来なかった。
見える自分の目に感謝した。
樹は普段から彩の事を気にかけていた。
仕事が早く終わった日は、人目を気にせず彼女の元へ行く。
それが朝だろうと昼だろうと夜だろうと関係なく。
当主を変えるべきだという声も上がったいるが他に彩を見ることが出来る人間がいないため、樹が当主の座に居続けている。
例え、他に見える者が現れたとしても、樹は今の地位を譲るつもりはない。
他の人間なんかに彼女を任せることは出来ない。
彼女は孤独を抱えている。
他の人間が当主になったとしてもその孤独を癒せるとも思えない。
樹はせめて、彼女が孤独に飲まれないように傍に寄り添っていたいと思っていた。
彼女が人であっても、人でなくても関係ない。
樹は彩を大事にしていこうと決めているのだ。
それは誰にも邪魔させないし、自分から彩を奪う者は何者であっても許さない。
それほど彩に入れ込んでいた。
彩の容姿はとても可憐で美しかった。
一目見た時から気になった。
一目惚れをしたのだ。
しかし、当主は決められた家柄の人と結婚しなければならない。
それも当主の務めなのだ。
だが樹はその事が嫌で、見合い話がたくさんあるが全て写真を見ずに断っている。
だから周囲の人々は余計警戒していた。
いつか、彩を連れ樹が逃亡するのではと・・・。
樹にはまだそこまでの覚悟はない。
しかし、いつか彼女を連れて逃げるのも悪くないと思っていた。
樹は彩の事が好きだとすぐに自覚した。
彩の外見年齢は16歳くらいの少女で自分は25歳になったばかりだ。
彼女を”女”としてみて何が悪い。
内心そう思っていた。
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