2 / 17
喫茶中島の変化
しおりを挟む
翌日の朝、真由子が履歴書をもってやって来てくれた。
「本当に来てくれたんだな」
「約束したじゃないですか?」
「いや、まだ夢を見ているようだ」
(こんな可愛い子と働けるのか)
幸せを噛みしめながら真由子を見つめた。
「どうかしましたか?」
真由子は不思議そうにしている。
「あ、いや何でもないんだ!」
「今日は1日に学校無いんで働けますよ!」
「本当か!それはありがたい。2階が従業員の更衣室兼休憩所になっているんだ。着替えはロッカーに入れておいたからそれを着て降りてきてくれないか?」
やや興奮気味になってしまい気持ち悪がられるかもしれないと思ったが真由子はにっこり微笑み頷いた。
「初めに言っておこうと思うんだが・・・僕はコミュ障なんだ」
「そうなんですか?そうには見えませんが・・・」
「だから、接客には向いていなくて・・・」
そう項垂れると頭を真由子に撫でられた。
「わかりました。そういう事なら私がフォローします!」
頼もしい一言だった。
「よ、宜しくお願いします・・・」
「はい!じゃあ、さっそく着替えてきますね」
そう言うと真由子は2階に行ってしまった。
1人残された祐樹はまだ夢なのではないかと疑った。
あんなに明るくて良い子がこの辛気臭い店に来てくれただけでも奇跡だ。
「真由子ちゃんあの服気に入ってくれると良いな」
祐樹は真由子の為に新しく制服を作り直していた。
清楚な真由子に似合うようなピンクを基調とした白いドレス。
真由子は制服を見るとすごく喜んでいた。
「可愛い!!こんなに可愛い服似あうかな?」
いそいそと着替えて祐樹の待つ1階の喫茶店へ降りた。
「どうですか?似合いますか?」
祐樹の前でくるくると回って見せた。
「とても良く似合ってる!!イメージ通りだ!」
「ありがとうございます。あ、これ履歴書です」
そう言い祐樹に履歴書を手渡した。
手と手が触れあった瞬間祐樹は思わず履歴書を取り落としてしまった。
「すまない・・・」
「気にしないでください」
そう言い微笑む真由子はまるでお姫様のようだった。
「そうだ!この店をプリンセスカフェとして売り出したらどうだろう」
「プリンセスカフェですか?いいですね!丁度この制服もお姫様みたいだし」
2人は早速チラシを作った。
喫茶店の新しい名前は”プリンセスカフェ中村”
「プリンセスと呼ばれるのは少し恥ずかしいですが店を立て直しましょう」
「どうして・・・そんなに協力的なんだい?」
「祐樹さん、私の事覚えていませんか?」
「え?」
(以前どこかで会ったことがあっただろうか)
「忘れているのなら自力で思い出してください」
「えぇ!?」
そんな事急に言われても思い出せるはずもなく・・・。
考えれば考えるほど記憶に埋もれていく。
「ふふふ、私はチラシを配ってきます」
「その恰好で行くのかい!?」
「その為の”プリンセス”でしょう?」
確かにその通りだが・・・変なのに引っかからなければいいな。
心配しつつ店の外へ行く真由子の背を見送った。
真由子の履歴書を改めてみてみるが何も思い出せない。
あの口ぶりだと以前どこかで会っているはずだ。
真由子ほどの美少女を忘れるはずはないと思う。
でも実際は忘れている。
「一体・・・どこで会ったんだ?」
疑問を抱きつつ真由子の帰りと客を待つことにした。
「本当に来てくれたんだな」
「約束したじゃないですか?」
「いや、まだ夢を見ているようだ」
(こんな可愛い子と働けるのか)
幸せを噛みしめながら真由子を見つめた。
「どうかしましたか?」
真由子は不思議そうにしている。
「あ、いや何でもないんだ!」
「今日は1日に学校無いんで働けますよ!」
「本当か!それはありがたい。2階が従業員の更衣室兼休憩所になっているんだ。着替えはロッカーに入れておいたからそれを着て降りてきてくれないか?」
やや興奮気味になってしまい気持ち悪がられるかもしれないと思ったが真由子はにっこり微笑み頷いた。
「初めに言っておこうと思うんだが・・・僕はコミュ障なんだ」
「そうなんですか?そうには見えませんが・・・」
「だから、接客には向いていなくて・・・」
そう項垂れると頭を真由子に撫でられた。
「わかりました。そういう事なら私がフォローします!」
頼もしい一言だった。
「よ、宜しくお願いします・・・」
「はい!じゃあ、さっそく着替えてきますね」
そう言うと真由子は2階に行ってしまった。
1人残された祐樹はまだ夢なのではないかと疑った。
あんなに明るくて良い子がこの辛気臭い店に来てくれただけでも奇跡だ。
「真由子ちゃんあの服気に入ってくれると良いな」
祐樹は真由子の為に新しく制服を作り直していた。
清楚な真由子に似合うようなピンクを基調とした白いドレス。
真由子は制服を見るとすごく喜んでいた。
「可愛い!!こんなに可愛い服似あうかな?」
いそいそと着替えて祐樹の待つ1階の喫茶店へ降りた。
「どうですか?似合いますか?」
祐樹の前でくるくると回って見せた。
「とても良く似合ってる!!イメージ通りだ!」
「ありがとうございます。あ、これ履歴書です」
そう言い祐樹に履歴書を手渡した。
手と手が触れあった瞬間祐樹は思わず履歴書を取り落としてしまった。
「すまない・・・」
「気にしないでください」
そう言い微笑む真由子はまるでお姫様のようだった。
「そうだ!この店をプリンセスカフェとして売り出したらどうだろう」
「プリンセスカフェですか?いいですね!丁度この制服もお姫様みたいだし」
2人は早速チラシを作った。
喫茶店の新しい名前は”プリンセスカフェ中村”
「プリンセスと呼ばれるのは少し恥ずかしいですが店を立て直しましょう」
「どうして・・・そんなに協力的なんだい?」
「祐樹さん、私の事覚えていませんか?」
「え?」
(以前どこかで会ったことがあっただろうか)
「忘れているのなら自力で思い出してください」
「えぇ!?」
そんな事急に言われても思い出せるはずもなく・・・。
考えれば考えるほど記憶に埋もれていく。
「ふふふ、私はチラシを配ってきます」
「その恰好で行くのかい!?」
「その為の”プリンセス”でしょう?」
確かにその通りだが・・・変なのに引っかからなければいいな。
心配しつつ店の外へ行く真由子の背を見送った。
真由子の履歴書を改めてみてみるが何も思い出せない。
あの口ぶりだと以前どこかで会っているはずだ。
真由子ほどの美少女を忘れるはずはないと思う。
でも実際は忘れている。
「一体・・・どこで会ったんだ?」
疑問を抱きつつ真由子の帰りと客を待つことにした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる