白蛇の花嫁

都の想い

朝になり目が覚め、秘部の痛みに気がつき昨夜の出来事を思い出した。
体もだるくあまり動く気になれない。
「まさかあそこまでするだなんて思ってなかった・・・」
銀は都が滞在する初日に抱きに来てた。
抵抗できないように縛られ、無理やり犯した。
とても許せることじゃない。
でも、ひとつ気になる事があった。
なんであんなに切羽詰まった感じで抱いたのだろう。
そこだけが引っ掛かった。
だけどそれを今、聞く気にはなれない。
初めては好きな人としたかったー・・・。
その願いは呆気なく打ち砕かれてしまった。
銀は神であり白蛇でもある。
よくよく考えれば抵抗しても敵う相手ではない。
都の考えが甘かったのだ。
この事態を引き起こしてしまったのは都にも少しは責任がある。
その事に気がついてしまった。
しかし、一番悪いのは銀だ。
まだ好きになっていないのに無理やりあんなことをしてきた・・・。
とてもじゃないが信じられない。
都は秘部の痛みを堪えながら浴室へ向かった。
浴室にはいつでも入れるようにお湯が張ってある。
誰が手入れをしているのかは分からないがとりあえず昨日の汚れを落としたくて必死に体を洗った。
触られた感触がまだ体に残っている。
洗っても洗っても消えない。
ひんやりとした指先、手、彼の体の感触がずっとついたままのような気がして都は怖くなった。
銀の瞳に見据えられると怖くて動けなくなる。
今回もそうだった。
都は銀を恐れるようになっていた。
その事に銀は気がつかないままでいる。
こっちに来たのは間違いだったのだろうか・・・。
でも、銀の事を知りたくて都はこっちに来たのだ。
知りたかったが・・・肉体関係を持ちたかったわけではない。
都は１週間帰れないことが悲しかった。
銀は本当に１週間したら家へ帰してくれるのだろうか・・・。
考えてもきりがないので都は考えることを止めた。
「今晩も来るのかな・・・」
今晩も抱きに来たらどうしようと都は不安になった。
銀なら来そうだと都は思った。
銀は人間の心がわかっていないように思う。
ゆっくり関わっていくつもりだったのに急に関係を迫られ関係を持ってしまった。
窓の外を見ると大量の蛇たちがいる。
ここは蛇の巣なのだろう。
そしてここの主は銀なのだ。
銀にはもう少し人の心を知ってもらいたいと思う都だった。