白蛇の花嫁

えりー

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都と銀

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銀は都を自分の社のベッドの上へ降ろすといきなり覆いかぶさってきた。
銀の体から血が流れ出ている。
「銀、私の事は良いから手当を・・・」
「今は都の事の方が大事だ」
はっきり言われてしまった。
「・・・兄さんにどこまでされたんだ?」
「あの、えっと、入れられるところまで」
「何を?」
「・・・」
恥ずかしくて答えきれない都を見て、銀は察した。
銀は都の両膝裏を持ち上げ左右に大きく開いた。
都は両方の手で秘部を隠そうとした。
「何もしない。怪我をしていないか見るだけだ」
「・・・だ、大丈夫」
「良いから見せろ」
都を見つめる瞳は真剣だった。
都はその真剣な眼差しに負けた。
手をゆっくりどけていった。
目をぎゅっと瞑り恥ずかしさと戦った。
「ああ、少し赤くなってしまっているが大丈夫そうだな。兄がすまなかった。怖かっただろう?」
銀はそう言い都を抱きしめた。
都は今になって一気に恐怖心が溢れ出てきて泣いた。
その姿を見た銀は都が泣き止むまで抱きしめ続けた。
都は泣きつかれると銀の腕の中で眠ってしまった。
都をシーツに包みそっとベッドへ寝かせた。
銀はギリっと手を握り締めた。
(俺がもっと気をつけておけばこんな事にはならなかったのに・・・)
銀は悔しくて仕方なかった。
しかし、自分より位の高い兄には手出しができない。
今日はたまたま結界を破ることが出来たが次も破ることが出来るとは限らない。
神力も兄の方が上だ。
神としての位は神力の強さにも影響する。
今回兄があっさり身を引いてくれたので都を取り返すことが出来た。
眠る都の頬にキスをして銀は呟いた。
「早く、俺のものになってくれ」
その声は眠っている都には届いていない。

都は翌日目を覚ました。
気がつくと裸のままだった。
銀がシーツに包んでいてくれたおかげで寒くはなかった。
ベッドの横を見ると椅子に座ったまま眠っている銀の姿を見つけた。
昨日負った怪我はもう治っていた。
都はそれを見て安心した。
銀が目を覚ます前に持ってきた服と下着をバッグから取り出し身につけた。
都は銀を起こした。
「銀、おはよう」
「都、もう体は大丈夫なのか?」
「私は大丈夫」
それよりもひどい怪我を負っていたのは銀の方だ。
「銀はどう?まだ痛む?」
「いいや、もう傷も全て塞がった。大丈夫だ」
銀は椅子から立ち上がった。
「今日は社で体を休めよう」
「うん、そうね。何か話しながら過ごしましょうか」
「ああ」
2人は穏やかな笑顔で微笑んだ。
まだ昨日の事を思い出すとぞくりとするが日吉は都を諦めると言っていた。
その言葉を信じていいかどうかわからないが今は信じるしかない。
都だってあんな目にもう二度と会いたくないと思った。
「都、今日から同じ部屋で生活しないか?」
「えぇ!?」
「蛇は執念深い。また兄が来たら守れないから一緒にいたい」
「・・・」
都は悩んだ。
そして答えた。
「何もしないっていうなら同じ部屋で良いよ」
「分かった。極力何もしない」
曖昧な返事だった。
この日から2人は一緒に生活を始めた。
2人の距離は徐々に縮まっていった。
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