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銀の兄の花嫁
銀の兄の花嫁候補
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銀の兄、日吉は都を手に入れることを諦め、別の花嫁を探しに出ることにした。
しかし、そう簡単には見つからない。
自分を受け入れてくれそうな女など滅多にいない。
昔は生贄として何人もの女性が供物として差し出されたが今はそういう風習は無くなってしまった。
地上へ降り立ち、日吉は1人の少女を見つけた。
その少女は山道に迷ったのか1人で山を彷徨っていた。
日吉は怖がらせて山から追い出そうと思った。
巨大な白蛇になり少女の前に姿を現した。
しかし少女は日吉に飛びついてきた。
(俺が怖くないのか?)
日吉はそう思ったが少女には恐れはない様子だった。
日吉は試しにこの姿で話かけてみることにした。
「お前、俺が怖くないのか?」
「うん。とっても綺麗だもん」
「・・・」
一瞬日吉は固まってしまった。
(この娘は恐れないのか・・・)
「つまらん」
そう溜息を付き日吉は人型になった。
「わぁ、凄い。手品みたい」
少女は無邪気に拍手などしている。
(何か調子が狂うな・・・)
「お前何でこんなところに1人でいる?」
「えっと、学校の行事でハイキングに来たんだけど道に迷ってしまって」
「こんなところに1人でいると死ぬぞ」
「えぇ!?それは嫌だよ!」
日吉は少女を担ぎ上げて山から降ろしてやった。
「俺の名は日吉。お前は?」
「日奈子」
「日奈子、俺はお前を助けてやった。その礼をもらってもいいか」
「うん?でも今何も持っていないよ」
「俺は日奈子をもらうことにする」
日奈子は目を見開き驚いた。
「でも、私はあげられないよ」
「何故?」
「私は私のものだから」
確かにその通りだ。
「・・・俺の嫁になってもらう」
「嫁?いいよ」
日奈子はあっさり返事を返した。
まだ幼い少女だから日奈子はあまり深く考えずに返事をしている。
「日奈子は今、いくつだ?」
「12歳」
(まだ神域に連れていくには早いか)
神域に連れて行き滞在させるには抱かなければならない。
日吉はさすがに12歳の少女をどうこうしようとは思わない。
「日吉はいくつなの?」
「もう忘れた」
それほど長く生きてきたのだそろそろ世継ぎを作り引退したいと考えている。
日吉は別の方向から日奈子を探している声を聞いた。
「日奈子、呼んでいるぞ。行け。・・・約束は守ってもらうからな」
「うん、ありがとう日吉」
日吉は日奈子を返してやった。
日奈子はなかなか可愛い顔立ちをしていた。
成長するのが楽しみだ。
日吉はそう思い社へ帰って行った。
それから週末になると山に日奈子がやって来るようになった。
日奈子は新しい友人が出来たような感覚なのだろうか。
無邪気に日吉に笑いかける。
その度、日吉は毒気を抜かれる。
「これ食べてみる?」
日奈子はお弁当持参で毎回やって来る。
日吉はお弁当からから揚げを取り口に入れた。
「どう?おいしい?」
「美味い」
「それ、私が作ったんだよ」
「ほぅ」
他のおかずにも手を伸ばしてみた。
どれも美味しかった。
「全部日奈子が作ったのか?」
「うん、日吉と食べようと思って」
日吉は柄にもなく赤くなった。
その理由は日吉にも分からなかった。
心臓が高鳴っている。
日奈子の作ってきたお弁当を食べ終わり、2人で芝生の上で寝転んで日向ぼっこしていた。
「日奈子は不思議な娘だな。俺を恐れないなんて」
「日吉は綺麗だもの。怖くないよ?」
そう言われ日吉は少しからかってやろうと思い、寝っ転がっている彼女に覆いかぶさった。
そして軽く触れるだけのキスをした。
「!」
日吉は彼女がどんな反応を取るか見たかった。
「日奈子?」
日奈子は固まったまま動かなくなった。
その後、じわ~っと瞳に涙をためて泣き始めた。
まさか泣かれるとは思っていなかった日吉は驚いた。
「日吉のスケベ!!」
「・・・スケ・・・べ?」
「何でいきなりキスなんてするの!?私は初めてだったのにぃ」
そう言いながら日奈子は日吉を睨んだ。
そして山から下りて行った。
1人日吉は残された。
日吉は日吉でショックを受けていた。
「そんなに嫌だったのか・・・?」
(初めても何も俺は自分の嫁になる娘にキスをしただけだ)
それなのに泣かせてしまった。
日吉は自分のしたことに後悔はないが、嫌われたくないと思った。
日吉はすぐ日奈子を追いかけたが間に合わなかった。
もう山を下りた後だった。
日吉は来週もきてくれるのか少し不安になった。
しかし、そう簡単には見つからない。
自分を受け入れてくれそうな女など滅多にいない。
昔は生贄として何人もの女性が供物として差し出されたが今はそういう風習は無くなってしまった。
地上へ降り立ち、日吉は1人の少女を見つけた。
その少女は山道に迷ったのか1人で山を彷徨っていた。
日吉は怖がらせて山から追い出そうと思った。
巨大な白蛇になり少女の前に姿を現した。
しかし少女は日吉に飛びついてきた。
(俺が怖くないのか?)
日吉はそう思ったが少女には恐れはない様子だった。
日吉は試しにこの姿で話かけてみることにした。
「お前、俺が怖くないのか?」
「うん。とっても綺麗だもん」
「・・・」
一瞬日吉は固まってしまった。
(この娘は恐れないのか・・・)
「つまらん」
そう溜息を付き日吉は人型になった。
「わぁ、凄い。手品みたい」
少女は無邪気に拍手などしている。
(何か調子が狂うな・・・)
「お前何でこんなところに1人でいる?」
「えっと、学校の行事でハイキングに来たんだけど道に迷ってしまって」
「こんなところに1人でいると死ぬぞ」
「えぇ!?それは嫌だよ!」
日吉は少女を担ぎ上げて山から降ろしてやった。
「俺の名は日吉。お前は?」
「日奈子」
「日奈子、俺はお前を助けてやった。その礼をもらってもいいか」
「うん?でも今何も持っていないよ」
「俺は日奈子をもらうことにする」
日奈子は目を見開き驚いた。
「でも、私はあげられないよ」
「何故?」
「私は私のものだから」
確かにその通りだ。
「・・・俺の嫁になってもらう」
「嫁?いいよ」
日奈子はあっさり返事を返した。
まだ幼い少女だから日奈子はあまり深く考えずに返事をしている。
「日奈子は今、いくつだ?」
「12歳」
(まだ神域に連れていくには早いか)
神域に連れて行き滞在させるには抱かなければならない。
日吉はさすがに12歳の少女をどうこうしようとは思わない。
「日吉はいくつなの?」
「もう忘れた」
それほど長く生きてきたのだそろそろ世継ぎを作り引退したいと考えている。
日吉は別の方向から日奈子を探している声を聞いた。
「日奈子、呼んでいるぞ。行け。・・・約束は守ってもらうからな」
「うん、ありがとう日吉」
日吉は日奈子を返してやった。
日奈子はなかなか可愛い顔立ちをしていた。
成長するのが楽しみだ。
日吉はそう思い社へ帰って行った。
それから週末になると山に日奈子がやって来るようになった。
日奈子は新しい友人が出来たような感覚なのだろうか。
無邪気に日吉に笑いかける。
その度、日吉は毒気を抜かれる。
「これ食べてみる?」
日奈子はお弁当持参で毎回やって来る。
日吉はお弁当からから揚げを取り口に入れた。
「どう?おいしい?」
「美味い」
「それ、私が作ったんだよ」
「ほぅ」
他のおかずにも手を伸ばしてみた。
どれも美味しかった。
「全部日奈子が作ったのか?」
「うん、日吉と食べようと思って」
日吉は柄にもなく赤くなった。
その理由は日吉にも分からなかった。
心臓が高鳴っている。
日奈子の作ってきたお弁当を食べ終わり、2人で芝生の上で寝転んで日向ぼっこしていた。
「日奈子は不思議な娘だな。俺を恐れないなんて」
「日吉は綺麗だもの。怖くないよ?」
そう言われ日吉は少しからかってやろうと思い、寝っ転がっている彼女に覆いかぶさった。
そして軽く触れるだけのキスをした。
「!」
日吉は彼女がどんな反応を取るか見たかった。
「日奈子?」
日奈子は固まったまま動かなくなった。
その後、じわ~っと瞳に涙をためて泣き始めた。
まさか泣かれるとは思っていなかった日吉は驚いた。
「日吉のスケベ!!」
「・・・スケ・・・べ?」
「何でいきなりキスなんてするの!?私は初めてだったのにぃ」
そう言いながら日奈子は日吉を睨んだ。
そして山から下りて行った。
1人日吉は残された。
日吉は日吉でショックを受けていた。
「そんなに嫌だったのか・・・?」
(初めても何も俺は自分の嫁になる娘にキスをしただけだ)
それなのに泣かせてしまった。
日吉は自分のしたことに後悔はないが、嫌われたくないと思った。
日吉はすぐ日奈子を追いかけたが間に合わなかった。
もう山を下りた後だった。
日吉は来週もきてくれるのか少し不安になった。
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