白蛇の花嫁

えりー

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銀の兄の花嫁

日吉の想い

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日吉は日奈子が望んでいたから教えただけなのにまた逃げ去られてしまった。
「はぁー・・・最後までしたかった」
我慢しているので結構大変だった。
日吉は12歳の日奈子をもういっそ抱いてしまいたいと思っている。
しかし、それをするときっと日奈子を泣かせてしまう。
そう思うと手が出せなかった。
だから途中で止めたのだ。
本当はあのまましようとも考えていた。
だが急に日奈子が怯え始めたのでやめるしかなかった。
「本当に何も知らなかったんだな・・・」
今日の事は相当ショックな事だっただろう。
「まぁトラウマになっても困るからな」
そう自分に言い聞かせた。
日奈子は来週も来るだろう。
その時の反応が楽しみだ。
しかし、日奈子はまた数週間来なかった。
(何だ?また恥ずかしがって来ないのか?)
待っても来ないので日吉はしびれを切らし日奈子の家まで会いに行った。
すると日奈子は部屋の中にいた。
部屋を見る限り日奈子の部屋っぽかた。
トントンっと窓を叩くと日奈子が慌てて鍵を開け部屋に日吉を入れた。
「な、何でここにいるの!?」
「お前が来ないから迎えに来た。行くぞ」
そう言い日奈子を担ぐと飛んだ。
「きゃぁぁぁ!!」
「何故来なかった?」
鋭い瞳で睨むと日奈子ビクつきながら言った。
「あんな事された後にどういう顔して会いに行っていいかわからなかったから・・・」
「やっぱりな。そうだと思った」
「嫌だったのか?」
「嫌じゃなかったけど、恥ずかしかったの」
「たったあの程度が恥ずかしかったのか?もっと恥ずかしい事をすることになるのに」
その言葉を聞き日奈子は真っ赤になった。
あれ以上の事があるのかと思うと大人になりたくないと少し思ってしまった。
社に着くとすぐ椅子に座らされた。
椅子の両方のひじ掛けに日吉は手を置き椅子の中に日奈子を閉じ込めた。
そうしてキスをした。
ギシっと椅子が鳴った。
「日奈子・・・俺から逃げることは許さないからな」
「・・・逃げたわけじゃないもの」
「だが、2週間近く来なかった」
「何故だ?」
「だからそれはー・・・」
日吉の瞳が妖しく煌いた。
「俺がどんな思いで待っているかわかるか?」
「分からない・・・」
「そうか」
そう言うと日吉は日奈子をベッドに連れて行き、投げた。
「ひぃ!!何をする気!?」
「言わないと分からないのか?」
「この間の続きとかじゃないよね?」
「そうだと言ったらどうする?」
日奈子は急いでベッドから降りようとした。
するとあっさり捕まり、また組み敷かれてしまった。
日奈子は小さい体で必死に抵抗した。
「俺を拒むことは許さない」
「そんな・・・」
日吉は日奈子を抱きしめた。
「大丈夫だ。冗談だ。お前が怖がることはしない。だが、16歳になったら嫁いできてもらうからな」
「16歳?」
「ああ、もうそれ以上は待てない」
「じゃあ、待っていてくれるの?」
「待つしかないだろう」
仕方なさそうに日吉はそう言った。
「ありがとう日吉。じゃあ、もうああいうことしない?」
「それは分からない。を入れたりはしないがギリギリのところまではするかもしれない」
「何、それ~!?全然安心できないよ!」
「今日は何もしないから安心しろ」
社に来るたびに身構えそうな日奈子だった。
「だから毎週ここには来てくれないか?」
「わかった」
こうして日吉は日奈子を何とか説得することに成功した。
しかし日吉の我慢も自分自身、いつまで持つかわからなかった。
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