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内乱
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シオンは辺境の村から村人や国に対する不満を持っている人々を集め、3年間戦いの訓練をさせ、辺境軍を結成させた若き頭領。
シオンは巫女がいるのにどうしてこの国の土地が痩せていって作物が取れなくなっているのか、何故、水が枯れ、井戸の水位が減っているのか不思議でならなかった。
そこでシオンは単独で調べた。
すると、今の巫女には何の力もないことが神殿の中で噂になっていると低級の神官から情報を得ることができた。低級の神官は自分の命と引き換えに情報を教えてくれたのだった。
シオンはそれを隠している国王と神官たちを憎んだ。
作物が育たず、自分の村では満足に食事もできないで栄養失調の子供たちが何人もいる。
国王は自分の土地がまだ潤っていることに満足していて、何度か視察に来てほしいと嘆願書を出したが来てくれなかった。この土地は国王に見放された土地となっていることを知った。
近くに他の国もなくあるのは荒れ果て、砂漠と化した土地。辺境の土地だから誰からも助けてもらえない。そうなってくると自分たちで何とかするしかなかった。
シオンは別に好き好んで軍隊を結成したわけではなかった。もっと穏便に解決できるのなら解決したかった。だが、それは不可能だと知る。もうすぐ冬が訪れる。
そうなると死者が増える。そうなる前に手を打つしかなかった。
そしてようやく皆が戦える状態になった今、行動に移した。
国の中心地へ行き、火を放った。なるべく人を殺めないように注意しながら攻撃に出た。
平和ボケしていた他の国民、軍人、国王、神官たちは戦火の中ただ逃げ惑うことしかできなかった。
神殿の一室で火の手が上がるのを見たサラは、外へ出ようとした。
するとウェイがやってきてサラを抱き上げた。
「ここは危険です。一緒に逃げましょう」
サラはただ事じゃないと思った。
(これは・・・内乱・・・)
「降ろしてください!ウェイ様」
「サラ?」
ウェイは怪訝な表情を浮かべた。
「こうなってしまったのは私に何の能力が無いせいなのでしょう?それなら、私はこの国と共に滅びます」
その発言にウェイは驚いた。
「いけません。あなたに何の力がなくとも次にあなたから生まれてくる子供が力を持っているかもしれない」
そう言いながらウェイはサラの腹を撫でた。
サラはウェイの瞳が情欲の色を孕んでいることに気がついた。
急にウェイのことが恐ろしくなって、ウェイの腕から逃れ、部屋の端へと逃げた。
「どうしたんです?そんな顔をして。私は次期法王になる予定です。法王の妻は巫女だということは知っているでしょう?」
「でも・・・私は・・・」
サラが言い終える前に神殿にシオンが飛び込んできた。
その瞳は怒りに満ちている。
「お前が天地の巫女か?」
「・・・はい・・・」
そう返事をするとシオンはサラを抱き上げ窓から飛び降り、仲間の元へ走り去った。
部屋に残されたのは何もできなかったウェイだけだった。
「何故、大人しく俺についてきた?何故抵抗しない?」
「・・・全て私の責任ですから・・・殺すなりなんなり好きにしてください」
そう言われシオンは驚いた。
「・・・」
(あの噂は本当だったのか・・・今の巫女には何の力もない、というのは)
巫女を見たのは初めてだった。
金色の瞳。輝く白い髪。陶器のような白い肌。獣のような耳。
「お前は本当に人間なのか?」
あまりの神々しさに目を奪われ、シオンは呟いた。
「わかりません。自分が何者かなんて知りませんから・・・」
「そうか」
シオンは短くそう答え、辺境軍を率いて自分の土地へと帰っていった。
(私、この後どうなるのかしら・・・。どうしてこの人は私の事すぐに殺さないの?)
殺していいと言ったもののサラは急に不安になってきた。
しかし、今まで嘘をつき続けてきた罰は受けなくてはいけない。
サラは何があっても冷静に最後までいようと思った。
シオンは巫女がいるのにどうしてこの国の土地が痩せていって作物が取れなくなっているのか、何故、水が枯れ、井戸の水位が減っているのか不思議でならなかった。
そこでシオンは単独で調べた。
すると、今の巫女には何の力もないことが神殿の中で噂になっていると低級の神官から情報を得ることができた。低級の神官は自分の命と引き換えに情報を教えてくれたのだった。
シオンはそれを隠している国王と神官たちを憎んだ。
作物が育たず、自分の村では満足に食事もできないで栄養失調の子供たちが何人もいる。
国王は自分の土地がまだ潤っていることに満足していて、何度か視察に来てほしいと嘆願書を出したが来てくれなかった。この土地は国王に見放された土地となっていることを知った。
近くに他の国もなくあるのは荒れ果て、砂漠と化した土地。辺境の土地だから誰からも助けてもらえない。そうなってくると自分たちで何とかするしかなかった。
シオンは別に好き好んで軍隊を結成したわけではなかった。もっと穏便に解決できるのなら解決したかった。だが、それは不可能だと知る。もうすぐ冬が訪れる。
そうなると死者が増える。そうなる前に手を打つしかなかった。
そしてようやく皆が戦える状態になった今、行動に移した。
国の中心地へ行き、火を放った。なるべく人を殺めないように注意しながら攻撃に出た。
平和ボケしていた他の国民、軍人、国王、神官たちは戦火の中ただ逃げ惑うことしかできなかった。
神殿の一室で火の手が上がるのを見たサラは、外へ出ようとした。
するとウェイがやってきてサラを抱き上げた。
「ここは危険です。一緒に逃げましょう」
サラはただ事じゃないと思った。
(これは・・・内乱・・・)
「降ろしてください!ウェイ様」
「サラ?」
ウェイは怪訝な表情を浮かべた。
「こうなってしまったのは私に何の能力が無いせいなのでしょう?それなら、私はこの国と共に滅びます」
その発言にウェイは驚いた。
「いけません。あなたに何の力がなくとも次にあなたから生まれてくる子供が力を持っているかもしれない」
そう言いながらウェイはサラの腹を撫でた。
サラはウェイの瞳が情欲の色を孕んでいることに気がついた。
急にウェイのことが恐ろしくなって、ウェイの腕から逃れ、部屋の端へと逃げた。
「どうしたんです?そんな顔をして。私は次期法王になる予定です。法王の妻は巫女だということは知っているでしょう?」
「でも・・・私は・・・」
サラが言い終える前に神殿にシオンが飛び込んできた。
その瞳は怒りに満ちている。
「お前が天地の巫女か?」
「・・・はい・・・」
そう返事をするとシオンはサラを抱き上げ窓から飛び降り、仲間の元へ走り去った。
部屋に残されたのは何もできなかったウェイだけだった。
「何故、大人しく俺についてきた?何故抵抗しない?」
「・・・全て私の責任ですから・・・殺すなりなんなり好きにしてください」
そう言われシオンは驚いた。
「・・・」
(あの噂は本当だったのか・・・今の巫女には何の力もない、というのは)
巫女を見たのは初めてだった。
金色の瞳。輝く白い髪。陶器のような白い肌。獣のような耳。
「お前は本当に人間なのか?」
あまりの神々しさに目を奪われ、シオンは呟いた。
「わかりません。自分が何者かなんて知りませんから・・・」
「そうか」
シオンは短くそう答え、辺境軍を率いて自分の土地へと帰っていった。
(私、この後どうなるのかしら・・・。どうしてこの人は私の事すぐに殺さないの?)
殺していいと言ったもののサラは急に不安になってきた。
しかし、今まで嘘をつき続けてきた罰は受けなくてはいけない。
サラは何があっても冷静に最後までいようと思った。
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