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サラとシオン
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サラはシオンの村へ連れてこられた。
山を幾度も越え、谷を幾度も渡りようやくたどり着いた。
「シオン、天地の巫女を何故殺さない?」
そんな声が仲間たちから上がる。もちろんあからさまにサラを睨み付ける者もいる。
「・・・役に立つかもしれないだろう」
シオンがぶっきらぼうに答えた。
「・・・私は何の役にも立ちません。皆さんが知っている通り何の能力もないのですから・・・」
サラは自虐的な言葉を述べるしかなかった。それが事実だからだ。
「本当にそう思うか?」
「?」
シオンの問いの意味をサラはわからなかった。
その夜皆がテントを張っているとき、サラは呆然とただ座っていた・・・。
(私は無力・・・)
シオンはサラを呼び寄せた。
案内されたところはシオンのテントだった。今まではサラ専用のテントを用意してくれていたのに何故今になって、シオンと同じテントなのだろう。サラは不思議に思った。
「お前の名は?」
「サラです」
改めて名前を聞かれたことにサラは驚いた。
「・・・あなたはシオンさんでいいですか?皆さんがそう呼んでいたので・・・」
「ああ、シオンで良い」
少しの沈黙の後シオンが口を開いた。
「昼間お前、自分が何の役にも立たないって言ったよな?」
「・・・はい」
「本当にそう思うか?」
シオンの瞳に何かの灯が宿るのを感じた。
私はこれを知っている・・・情欲の灯だ。
サラは身の危険を感じテントの外へ出ようとした。しかし両手を掴まれ、押し倒されてしまった。
大きな体躯がサラの上に覆いかぶさる。
「何を・・・!!」
「お前が力を持った子供を孕めばいいだけだろう?」
「!!」
「その子供がこの地を救ってくれる」
そう言ってサラの服を脱がそうとしてきた。伸びた手を払いのけることも出来ず、サラは震えながらはっきり言った。
「私は子を成せません」
「何?」
シオンは怪訝そうにサラを見下ろす。
「私は16歳になりましたが、まだ・・・初潮が来ていません」
サラは16歳になった今も初潮が来ていなかった。何故かは分からないが体の成長が遅かった。
サラの外見は14歳くらいにも見える。
「・・・だから昼間ああ言ったのか」
サラは自分のことを何の役にも立たないと言っていた。きっと子を成せないこともその中に入っていたのだろう。
サラは明日村人の前に突き出される。
何も知らなかったとはいえ、ただで済むはずはない。
それほど村人たちは国に対し、怒っていた。
最悪処刑されてしまうかもしれない・・・。
(だが、サラが一方的に悪いわけではない)
シオンは無意識にサラを庇おうとしていた。
本人にその自覚は全くなかった。
「もういい。それならもう休め。明日は村人たちに謝罪してもらう」
「・・・はい。本当にすみません」
サラは子を成すことさえできない自分が申し訳なかったので謝った。
「・・・サラは今まで何か努力してきたのか?」
ふいにシオンが話しかけてきた。
「術が使えるようになるように毎日努力してきました・・・」
「そうか」
シオンはそれっきり何もしゃべらず眠ってしまった。
暫くするとシオンの寝息が聞こえてきた。
何もなかったことに安堵したサラはその寝息を聞いていると眠気に襲われ、そのまま眠ってしまった。
山を幾度も越え、谷を幾度も渡りようやくたどり着いた。
「シオン、天地の巫女を何故殺さない?」
そんな声が仲間たちから上がる。もちろんあからさまにサラを睨み付ける者もいる。
「・・・役に立つかもしれないだろう」
シオンがぶっきらぼうに答えた。
「・・・私は何の役にも立ちません。皆さんが知っている通り何の能力もないのですから・・・」
サラは自虐的な言葉を述べるしかなかった。それが事実だからだ。
「本当にそう思うか?」
「?」
シオンの問いの意味をサラはわからなかった。
その夜皆がテントを張っているとき、サラは呆然とただ座っていた・・・。
(私は無力・・・)
シオンはサラを呼び寄せた。
案内されたところはシオンのテントだった。今まではサラ専用のテントを用意してくれていたのに何故今になって、シオンと同じテントなのだろう。サラは不思議に思った。
「お前の名は?」
「サラです」
改めて名前を聞かれたことにサラは驚いた。
「・・・あなたはシオンさんでいいですか?皆さんがそう呼んでいたので・・・」
「ああ、シオンで良い」
少しの沈黙の後シオンが口を開いた。
「昼間お前、自分が何の役にも立たないって言ったよな?」
「・・・はい」
「本当にそう思うか?」
シオンの瞳に何かの灯が宿るのを感じた。
私はこれを知っている・・・情欲の灯だ。
サラは身の危険を感じテントの外へ出ようとした。しかし両手を掴まれ、押し倒されてしまった。
大きな体躯がサラの上に覆いかぶさる。
「何を・・・!!」
「お前が力を持った子供を孕めばいいだけだろう?」
「!!」
「その子供がこの地を救ってくれる」
そう言ってサラの服を脱がそうとしてきた。伸びた手を払いのけることも出来ず、サラは震えながらはっきり言った。
「私は子を成せません」
「何?」
シオンは怪訝そうにサラを見下ろす。
「私は16歳になりましたが、まだ・・・初潮が来ていません」
サラは16歳になった今も初潮が来ていなかった。何故かは分からないが体の成長が遅かった。
サラの外見は14歳くらいにも見える。
「・・・だから昼間ああ言ったのか」
サラは自分のことを何の役にも立たないと言っていた。きっと子を成せないこともその中に入っていたのだろう。
サラは明日村人の前に突き出される。
何も知らなかったとはいえ、ただで済むはずはない。
それほど村人たちは国に対し、怒っていた。
最悪処刑されてしまうかもしれない・・・。
(だが、サラが一方的に悪いわけではない)
シオンは無意識にサラを庇おうとしていた。
本人にその自覚は全くなかった。
「もういい。それならもう休め。明日は村人たちに謝罪してもらう」
「・・・はい。本当にすみません」
サラは子を成すことさえできない自分が申し訳なかったので謝った。
「・・・サラは今まで何か努力してきたのか?」
ふいにシオンが話しかけてきた。
「術が使えるようになるように毎日努力してきました・・・」
「そうか」
シオンはそれっきり何もしゃべらず眠ってしまった。
暫くするとシオンの寝息が聞こえてきた。
何もなかったことに安堵したサラはその寝息を聞いていると眠気に襲われ、そのまま眠ってしまった。
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